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古舘伊知郎のプロレス実況で、体に電流が走った! 実況アナウンサー・清野茂樹が語る

古舘伊知郎のプロレス実況で、体に電流が走った! 実況アナウンサー・清野茂樹が語る

プロレスや総合格闘技などの分野をメインに活躍する実況アナウンサーの清野茂樹が、人生に影響を与えた出会いについて語り、おすすめの楽曲を紹介した。

清野が登場したのは『STEP ONE』のワンコーナー「LISTEN AND LEARN」(ナビゲーター:サッシャ、中田花奈)。ここでは4月24日(月)のオンエア内容をテキストで紹介する。

プロレスラーよりも実況に憧れた子ども時代

実況アナウンサーの清野は、2015年には新日本プロレス、WWE、UFCという世界3代メジャー団体の実況を史上初めて達成して話題となった。そんな清野が人生で学びを得た人物は、フリーアナウンサーの古舘伊知郎だという。

清野:古舘伊知郎さんというと報道キャスターや司会者のイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、僕にとっては完全にプロレス実況の方なんですね。いまから40年以上前、プロレスの中継実況アナウンサーとしてご活躍だったんです。当時、僕は小学校2年生か3年生くらいで、古館さんの実況が好きでプロレス実況を楽しみにしていました。実はプロレスラーに憧れたことは一度もないんですが、「この戦いの模様を伝えているアナウンサー、なんて魅力的なんだろう、俺もこんな風になりたいな」という憧れがありました。当時はラジカセをテレビの前に置いて音声を録音して、繰り返し繰り返し聞いて暗記して、そして学校に行ったら暗記した実況を友だちの前で披露する、そんな小学生でした。

古舘伊知郎と同じ道を歩みたい─夢が決まった瞬間

古館の実況について「リング状の戦いの様子や選手の動きを描写するだけでなく、歴史の話などの例えを挿入するところがとにかくすごい」と語った清野。古館の「一人民族大移動だ!」など、選手に対する独特の形容に惹かれたと話す。1977年より、多くのプロレスファンを魅了する実況で盛り上げてきた古館だが、1987年にプロレス実況を卒業する。

清野:当時、僕はもう中学生になっていて、古館さんがプロレスの実況からいなくなってしまうんですが、1年4ヵ月経って1試合だけ限定で戻ってこられたんです。「あの実況がもう1回聞ける」っていうので、忘れもしません、自分が15歳の誕生日を迎えた2日後のことでした。生中継、ゴールデンタイムで、古館さんの実況をテレビと至近距離で見ました。当時はビデオがうちにもありましたので、ビデオも録画しましたね。

そのときに、大好きな一節に出会ったそうだ。

清野:「思えば我々は、全共闘もビートルズもお兄さんのお下がりでありました。安田講堂も、よど号ハイジャックも、あさま山荘も、三島由紀夫の割腹もよくわからなかった。 ただ、金髪の爆撃機ジョニー・バレンタインとの死闘や、あるいはクリス・マルコフを卍固めで破ってワールドリーグ戦に優勝した、猪木の雄姿はよくわかりました!」この一節を聞いて、まぁしびれましたよね。体に電流が走るというか、「俺もこの人と同じことをやるんだ」そう覚悟を決めたのが、15歳のときでした。そこから時間が経って、古館さんと同じように新日本プロレスのリングサイドに座って、リング上の戦い模様をいま伝えているという。ありがたいことに、同じ道を歩ませていただいています。

サッシャ:古館さんの言葉をおっしゃっているときの清野さん、もう古館さんそのものでしたよね。

中田:入ってましたよね、抑揚とかも一緒なんでしょうね。

サッシャ:僕にとっても古館さんはF1の実況の大先輩で、ずっと拝見してたんで「音速の貴公子アイルトン・セナ」とか、忘れられないのがドイツのドライバーで強かった皇帝ミハエル・シューマッハを「顔面アウトバーン」とか言ったりして(笑)。

中田:やっぱ、印象に残りますね。

サッシャ:スポーツを面白くするっていうのは、すごい才能だと思いますね。

中田:なかなか興味を持ちづらい特殊なものだとしても、印象に残るワードで引き込まれたりとか、急に歴史を知れたりしていくのって、すごく大事ですよね。

クラウドファンディングで自主制作した、カバー曲

平野には毎日楽曲も選んでもらう。この日選曲したのは、清野茂樹『燃えろ!吠えろ!タイガーマスク』。かつて古舘伊知郎がリリースした曲を、清野自身がカバーしたものだ。

清野:古館さんがまだ局アナ時代に出したレコード、1982年の曲なんですが、当時古館さんの人気ってすごかったんですよ。プロレスの過激なアナウンサーっていわれて、ちょっとアイドル的な人気もあって、レコードを出すくらいだから相当なものですよ。当時リング上で活躍した、タイガーマスクの入場曲を古館さんが歌ったっていう、実況アナウンサーが歌うなんて前代未聞ですよね。この曲を友だちのお兄ちゃんがレコードをもっていて、僕はカセットテープを渡して録音してもらって、そのカセットテープを繰り返し何回も聴きましたね。自分にとって思い出の曲、今でもこの曲を聴くと自分の小学生時代を思い出します。そして私、カバーをやらせていただきました。古館さんがやっていることは全部やりたい、やるんだって15歳のときに決めたので、その延長線上です。実況だけじゃないんですよ。1982年に発売されてから誰もカバーしていなかった、誰の手垢もついていない曲を今回カバーさせていただきました。

J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「LISTEN AND LEARN」では、さまざまな業界のトップランナーが、これまでの経験から得た学びをシェアする。放送は月曜~木曜の9時35分ごろから。

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