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ゆいにしお、亀田誠治に“渋谷系への愛”があふれる音楽ルーツを明かす

ゆいにしお、亀田誠治に“渋谷系への愛”があふれる音楽ルーツを明かす

シンガーソングライターのゆいにしおが、「90年代の渋谷」をテーマに音楽談義を展開した。

ゆいにしおが登場したのはJ-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:亀田誠治)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターの亀田誠治が旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ここでは1月29日(日)にオンエアした内容をテキストで紹介する。

ゆいにしおは1月11日にデジタルシングル『セルフハグ・ビッグラヴ』をリリースした。

山下達郎を聴いていた子ども時代

今回、ゆいにしおは空想ドライブのテーマに「90年代の渋谷」を選んだ。

亀田:ちなみに90年代は生まれてました?

ゆいにしお:1997年生まれなので、ちょっとブームのあとに私は生まれたのかなと。

亀田:このテーマに決めたのはどんな理由でしょうか。

ゆいにしお:まさに90年代の渋谷をにぎわせた曲たちが私のルーツになっているので、思い入れのある年代と場所にしました。

亀田:90年代の渋谷って物心ついてなかった頃だと思うんですけど、来たことはあったんですか。

ゆいにしお:ないと思います。愛知県の片田舎で生まれ育ったので、渋谷なんて見たことも聞いたことも嗅いだこともない場所だったんですけど、今こうして思いを馳せられる特別な場所ですね。

そんなゆいにしおは、最初の空想ドライブミュージックにフリッパーズ・ギターの『恋とマシンガン -Young,Alive,in Love-』を選んだ。



亀田:これを選んだ理由はどんなところですか。

ゆいにしお:渋谷系という言葉を知る前に聴いて好きになった曲なので、この曲しかないと思いました。この曲を知ったのは、元々rough laughっていうバンドがすごく好きで、そのバンドの曲を母が運転する車の中で流していたら、母が「これフリッパーズ・ギターみたいだね」って言って。「何だろう」と思って、その場で調べて聴いて「これはすごい!」と思ったのを今でも覚えてますね。

亀田:シティポップな親子ですね。普通そういう会話はならないよ。親子できっとこういうテイストとか肌触りのなじみがいいんだろうね。

ゆいにしお:父は一時期、山下達郎さんがすごく好きで、昔からずっと流していたので、肌なじみはよかったかもしれないですね。

亀田:お父さんが流していた山下達郎さんはどんな曲だったんですか。

ゆいにしお:シュガー・ベイブの頃から最新曲まで。

亀田:シュガー・ベイブがあるっていうことは、こういう渋谷系のサウンドにつながっていくというか。オシャレ音楽一家ですね。

ゆいにしお:とても愛知県の片田舎の家族とは思えない感じですね(笑)。

カジヒデキのボーダーはこだわりがある?

ゆいにしおは2曲目にカジヒデキの『MUSCAT / マスカット』をセレクトした。



ゆいにしお:この曲をSEとして使っていた時期は、カジヒデキさんをマネしてボーダーのTシャツを着てライブをしていました(笑)。

亀田:カジさんは遠くから見ても分かるからね。

ゆいにしお:やっぱりカジヒデキさんだけのボーダーの幅があるんですよね。詳しくは分からないんですけど、適当にボーダーのティーシャツを着てもカジヒデキさんにはなれるわけではないなって気付きました(笑)。

亀田:渋谷系のカジさんの音楽ってそういうちょっとしたディテールにこだわる、風味にこだわることがすごく重要な気がして。ホーンセクションを入れればいいやではなくて、「私はこういうホーンしか吹けないんですけど」みたいな人たちが参加してこういうサウンドができている感じがします。

ゆいにしお:なるほど。

続いて、ゆいにしおは「90年代の渋谷と言えばネタバレになるような曲」と話つつ、ピチカート・ファイヴの『東京は夜の七時』を紹介した。



亀田:ネタバレになるかもって言ってたけど、本当ですね。

ゆいにしお:あはは(笑)。渋谷系って聞いたら、何も知らないけどみんなこれは聴いたことがあるんじゃないかって思いますね。

亀田:ピチカート・ファイヴの小西康陽さんと野宮真貴さんの作り出すものは、本当に東京って感じなんですよ。渋谷って感じ。どっちが先か分からないけど。

ゆいにしお:東京の人はこれを聴いてどう思ってたんだろうなって気になります。

亀田:自己肯定が高まる感じじゃないですか。僕はこの頃は大人になってましたけど、この曲を聴いて「東京イカしてる」って自信につながりましたね。

ゆいにしお:私はこれを初めて聴いたとき、東京っていうのはなんて華やかな街なんだろうなって。ますます東京に行きたくなった曲ですね。

亀田:ずっと東京に行きたいと思ってたんですか。

ゆいにしお:はい。思っていて、初めて自分1人でライブをするために夜行バスに乗って東京に行くときにこれを聴いてテンションを高めていた記憶がありますね。

「音楽をやろう」と決意したバンド

ゆいにしおは最後の空想ドライブミュージックにシンバルズの『My Brave Face』をセレクトした。



ゆいにしお:フリッパーズ・ギターで渋谷系を知ってから沼にどんどんハマっていったわけなんですけど、そんな渋谷系にハマっている私を見た兄が、「これを聴いてみなさい」とシンバルズを教えてくれて、これも本当にすごいと思って音楽を私はやろうって思ったバンドと曲ですね。

亀田:にしお家のシティポップ愛、渋谷系愛がすごい。

ゆいにしお:あはは(笑)。英才教育がありました。

亀田:これまで渋谷の話をしてきて、渋谷の街について曲を書いてみたりされたらどうですか。

ゆいにしお:すでに渋谷は2、3曲書いて。タイトルを渋谷にしようとした曲が、デビューシングルだったんですけど、「さすがに渋谷はそのまま過ぎるからやめなさ」とマネージャーに言われて、タイトルを泣く泣く変更したんですけど、これからも渋谷のことを書いていきたいですね。

そんなゆいにしおは1月11日にデジタルシングル『セルフハグ・ビッグラヴ』リリースした。
ゆいにしお:この曲をアレンジしたのが、シンバルズでキーボードを弾いていらっしゃった宮川 弾さんで。

亀田:それはすごく感激ですね。

ゆいにしお:そうなんです。自分のやりたいことを全部やろうと思って作った曲だったので、お世話になっているアレンジャーさんが「その思いがあるんなら、生半可なアレンジャーじゃダメだ」っておっしゃってくれて、自分の仕事が消えてしまうかもしれないのに宮川さんを紹介してくださって。

亀田:ゆいさんの音楽って今のチャートの中ってデスクトップミュージックが主流で。それはそれで素晴らしいんだよ。みんな自由な発想で作っていて。でも、パソコンの中で作り上げていくかたちの音楽がほぼほぼ主流になっていく中、ゆいさんの楽曲って必ず生演奏がついていたりとか、生のホーンセクションが入っていたりとか、そこの「最近なかったぞ」って感じがすごく響きました。そこら辺は意識的にやってるんですか。

ゆいにしお:意識的にというよりはアレンジャーさんのおかげですね。私には打ち込みしっかりよりは生の方が合うんじゃないかなと考えてのことなのかもしれないですね。

亀田:そのアンサーが今すごく効いてきている感じがしますね。音楽ってバトンを渡してどんどん新しいものが出てきて、古いものを引き継いでみたいなのがある中、ゆいさんの奏でる音楽のアコースティックな感じはタイムレスに愛されていく楽器編成だと思います。こういう音楽って30年前、50年前もあったはずで、ということはこれから30年、50年経ってもこういうサウンドはきっと飽きられずに受け入れられ、ときには懐かしい、ときには新しいと思われたりしてみんなの心の中に染み込んでいくんじゃないかなって思います。

ゆいにしお:うれしい言葉をありがとうございます。

ゆいにしおは2月15日(水)にニューデジタルシングル『会いたいな今夜』をリリースする。

ゆいにしおの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。

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