秘めた恋心と、ラ・カンパネラと、ONE OK ROCKと。モノンクル・吉田沙良が振り返る、音楽高校の日々

2022年11月07日 16:00

モノンクルの吉田沙良（Vo）が「音楽を学んだ街・仙川」をテーマにミュージックセレクトした。

吉田が登場したのはJ-WAVEで放送中の番組『GRAND MARQUEE』（ナビゲーター：タカノシンヤ、藤原麻里菜）のワンコーナー「RADIO ENSEMBLE」。オンエアは11月1日（火）。

さまざまな音楽に触れた高校時代

同コーナーではセレクターたちが東京のある場面をイメージした選曲をお届け。吉田は仙川を選んだ。その理由について「高校時代を過ごした街だから」と語り始めた。

吉田：調布市にある仙川という場所に、桐朋学園という音楽高校があって通っていました。人生のなかで一番、さまざまなジャンルの音楽に触れた高校時代はテーマとして面白いんじゃないかなと思って選ばせていただきました。そんな音楽を学んだ街、仙川をテーマにまずは1曲お届けします。私は地元が二子玉川で、そこから成城学園までバスに乗って行って、そこからまたバスを乗り継いで仙川まで通ってました。そのバスを2本乗り継ぐ旅のなかで、わりと高頻度で聴いていた曲です。特に学校からの帰りのバスのなかから夜景を眺めながら聴くというのにすごくハマっていた曲をお届けしたいと思います。

吉田は1曲目に中島美嘉『LEGEND』をセレクトした。

憧れの人が弾いていた曲

「仙川は高校時代のすべてが詰まっている街」と話す吉田は、音楽に打ち込んだ日々を振り返った。

吉田：この音楽高校はけっこう特殊で、朝6時ぐらいにまず学校に行って、個人練習の「部屋とり」をするんです。それに勝ち抜いた人は、夜の11時まで練習室が空いているので、同じ校舎の大学生たちと一緒に練習室をとりあって、練習をずっとして終電で帰って、また朝6時には学校に行ってという日々でした。なので、かなりストイックな時間で、いま思うととてもぜいたくで、一番音楽と真剣に向き合っていた時間だったのかな？と、思うこのごろです。

続いて選曲した『ラ・カンパネラ（パガニーニによる大練習曲第3番）』は、淡い初恋の思い出の曲だという。

吉田：高校1年生のときに、ふと廊下を歩いていたらこの美しい曲が練習室から聞こえてきて。練習室の小窓をふとのぞいたら、高校3年生の先輩が弾いていたんです。その姿があまりにもかっこよくて、一瞬にして恋に落ちたという曲です。メチャメチャ恥ずかしいな（笑）。

番組では続けてONE OK ROCKの『カゲロウ』をオンエアした。

吉田：高校3年生の『ラ・カンパネラ』を弾いている先輩に恋をしたというのが初恋だったんですけど、当時先輩には彼女がいて話しかける勇気ももちろんなく。2歳上って当時にしたらすごく大人だったので、ずっと憧れの人という感じで初恋を終えようと胸に気持ちをしまいこんで決心してすごしていました。そのころにこのONE OK ROCKの曲を聴いて自分を癒していたというか。授業中もずっと聴いていました。そんなONE OK ROCKの『カゲロウ』を聴いていただきました。

夢が現実にとなり人生の一部に

吉田は仙川ですごした3年間は「間違いなく大きなターニングポイントになった」と振り返った。

吉田：昔はやっぱり高校生なので「音楽で食べていくぞ！」という夢を追いかける少女で、そのなかで技術的なことをどんどん学んで、よりいい音楽を見つけていく。「どうしたら自分の音楽を見つけていけるだろう？」ということを毎日毎日考えてすごしていたんです。いまの自分は当時とくらべると、夢が現実となって人生の一部というか生活の一部になっているという感じがするので「いい音楽とは？」と考えることもそうなんですけど、それよりも「いい人生とは？」と考えながら生きることが、当時からくらべると増えたかなと思います。でも中身は当時と実際はあまり変わってなくて、いまも音楽に燃え続けているし、かなえたい夢もあって、そのころの自分と重ねる部分がたくさんあります。

吉田はエンヤの『Caribbean Blue』をセレクト。高校時代、目覚めの悪い吉田を母が大音量でエンヤの曲をかけて起こしてくれた思い出があるという。

吉田：仙川には音大生もたくさん住んでいたり、ライブができるカフェがあったり、すごく音楽が盛んな街なのかなと思っているので、これからもいろいろな夢を背負った人たちがその街を通して羽ばたいていってくれることを願ってます。この時間の最後にお送りするのは、木村カエラさんの『リルラリルハ』という曲です。この曲はクラシックの学校に通っていたので、先生とか友人たちにバレないようにポップスのレッスンを高校2年生のときに外に通い始めて。初めて人前でライブをしたときの曲になります。

番組では木村カエラの『リルラリルハ』をオンエアした。