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KIRINJI・堀込高樹が語る、歌詞とメロディの作り方。まずは「言いたいことをバーッと書いて」

KIRINJI・堀込高樹が語る、歌詞とメロディの作り方。まずは「言いたいことをバーッと書いて」

KIRINJIの堀込高樹が、直近に展開していたライブのことや、新曲『歌とギター』について語った。

堀込が登場したのは、4月1日(火)放送のJ-WAVE『GRAND MARQUEE』(ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann〈セレイナ・アン〉)のコーナー「RADIO ENSEMBLE」。アーティストが生出演し、トークとともにおすすめの楽曲をセレクトするコーナーだ。

弾き語りは緊張して頭が真っ白になる瞬間が…

KIRINJIの楽曲は、これまで幾度となくオンエアされてきたが、実は堀込自身の『GRAND MARQUEE』への出演は初めてとなる。まずは、KIRINJIが出演した、3月29日(土)、30日(日)開催のイベント「パンと音楽とアンティーク 2025春」の話題から。

セレイナ:このライブはいかがでしたか?

堀込:びっくりするぐらいゆるい感じで、お客さんも近くて、本当に1メートル先ぐらいにいて、すごく親密な感じがしてすごくよかったですね。みんな楽しそうで平和で、寒かったけど全然気にならなかったです。

タカノ:「パンと音楽とアンティーク」っていうタイトルが最高ですよね。

セレイナ:そして高樹さんは、2022年から全国を巡る弾き語りツアーも開催されていて、2024年には9公演開催されました。

堀込:もともとコロナ禍に始めたんです。当時はバンドとのリハーサルが難しくて、ひとり罹患すると(ライブが)全部なくなってしまう感じで。ひとりだったら自分だけ気をつければいいかと思ったのと、それまで弾き語りを全然やっていなかったので、芸の幅を広げようと思って始めました。

タカノ:もう3年になるんですね。

堀込:はい。何度やっても緊張するし、頭の中がふわっと白くなる瞬間があるんです。それで、普段絶対しないような間違いを本番でしたりするんですよね。

セレイナ:頭が真っ白になるのは、歌ってるときですか? それともMCのとき?

堀込:歌ってるときですね。絶対に忘れない歌詞を忘れたり、無意識に弾いているフレーズが突然弾けなくなったり。そういう怖さもある一方で、やればやるほどパフォーマンスがよくなっている感じで、自分のミュージシャンとしての成長を実感できて楽しいですね。

そしてここで、3月19日にリリースされたKIRINJIの1年半ぶりとなる新曲『歌とギター』をオンエアした。

歌とギター

日常の延長線上に生まれた新曲

曲を聴いて、タカノが「情景描写、心情描写のドキドキ感も伝わってくる」と述べ、セレイナは「メロディラインが最高にキャッチーで、ふとしたときに口ずさんじゃいます」と付け加える。それに「よかったです」とホッとした様子で応じる堀込。

セレイナ:鍵盤で作曲されることが多いなか、この曲はひさしぶりにギターで作られたんですね?

堀込:はい。弾き語りツアーをしていると、家で常に練習するんですよ。ソファとかでね。その延長で曲を作るようになって、この曲はそうしてできた感じです。いつもは自分の作業するスタジオに行って「さあ、作るぞ」って鍵盤と向き合うんですけど、この曲はギターをポロポロやりながらできました。

セレイナ:最初に生まれたフレーズはどのあたりですか?

堀込:サビの、タララララララ♪っていうメロディーからだったと思います。

タカノ:メロディからできることが多いんですか?

堀込:そうですね。ヴァースにあたる部分はそんなに一生懸命作らなくてもいいので(笑)、そこは先に詞を作ります。言いたいことをバーッと書いて、それを取捨選択しながら詞に合うメロディを一生懸命書く。でも、サビはグッときてほしいので、確実にいいメロディーを作ってから、そこにバチッとハマる言葉を探します。

タカノ:もともと曲のテーマはあったんですか?

堀込:歌詞を書く段階にきたのが、弾き語りツアーが終わったばかりのときだったんです。「今回も楽しかったな」と思っていて、それがそのとき自分のなかでいちばんホットなことだったので、ストレートに歌詞にしようと思いました。

タカノ:歌詞を通してアーティストの心情に触れられるところもありますよね。エスプレッソはダブル派なんですか(笑)?

堀込:(笑)。1杯だと飲んだ気がしなくないですか? だから、旅先とかの朝はちょっと多めに。

セレイナ:じゃあ、私も欲張っていいですか(笑)? カステラも実体験ですか?

堀込:これは、たまたま今回のツアーで長崎に行ったので(笑)。

タカノセレイナ:なるほど!

堀込:実際にはひと切れしか食べなかったんですけど、ふた切れのほうが歌いやすいし、ひと切れじゃもの足りないので、ふた切れにしたんです。

ファーストテイクが信じられない

そして、レコーディングについても深掘り。今回はバンド・Ovallでも活動しているドラマーのmabanuaがKIRINJI作品に初めて参加している。

堀込:けっこう前にRHYMESTERのライブに出たときに、楽屋が一緒だったんですよ。そこで初めてお会いして「いつかお願いしたいです」という話をしてから、10年近く経ってようやくお願いできました。

タカノ:レコーディングはいかがでした?

堀込:バッチリでした。彼はドラマーですが、トラックメーカーでありプロデューサーでもあるじゃないですか。ちょっと変則的なリズムパターンについても「どれが最善ですかね?」と相談しながら作りました。そこには、ちゃんと彼のアイデアが反映されているんですよ。

タカノ:そういうお話を聞くと、もう1回ドラムパターン聴きたくなっちゃうな。

セレイナ:高樹さんは、歌入れはスムーズに済ませるタイプですか? それとも何テイクも何テイクもやるタイプですか?

堀込:何テイクも何テイクもやります。自分で作った歌でも、言葉をのせてそのメロディを歌うとなると、慣れるまで時間かかりませんか? 「できたな」と思って歌ってみてもあまりよくなくて、その日はもうやめて、ちょっと練習してもう1回トライするんです。で、「なんか、できてきたかも」とか言いながら、もうちょっと練習するんですけど、そうこうしているうちに「体調悪いな……」とか「今日は喉の調子が……」とか言い訳してると一向に進まなくて(笑)。それでようやく録り始めて、次の日に聴き返してダメだったら「もう1回やろう」って感じで何回もやるんです。だから、ファーストテイクとか信じられない(笑)、そういう人が世の中にいるけど。100回なんてものじゃないぐらいやっているかもしれないですね。

セレイナ:何回も歌入れするからこそ出てくるグルーヴもありますよね?

堀込:そうなんです。発音とか歌い方のタイミングとか、ちょっとしたことでね。

タカノ:音楽に限らない話ですが、「ここで完成」って決めるのが難しくないですか。どうされていますか?

堀込:もう何回も聴いて「これ以上は無理だな」と思ったら、諦める(笑)。すべて諦めの結果なんです。

オフはのんびり、ほかほかパジャマで英気を養う

レコーディングにはゆるゆると、かつ粘り強く取り組み、諦められるまで歌い続ける堀込。話題はそんな彼のオフの過ごし方に。堀込いわく、とくに出かけたりするでもなく、Netflixなどを観て過ごすとのこと。

タカノ:最近、家でハマってるものとかありますか?

堀込:ちょっといいパジャマを買ったんです。リカバリーウェアのパジャマ版ですね。一時、タクシーでものすごく宣伝を見て、そのメーカーのではないんですけど、試しに買ってみたんです。

タカノ:デザインはどういう感じですか?

堀込:紺のVネックで、前でボタンで留めるタイプ。ただ、生地がちょっとポカポカする感じなんです。以前は暖かい下着を着て、その上にネルのパジャマを着ていたんですけど、肌にそのパジャマを直に着るほうがリカバリーな効果を感じられるような気がして、血行がよくなってるんじゃないのかなって。プラシーボかもわからないんだけど、それもまあいいじゃないですか(笑)。

そしてコーナーの最後には、恒例の「この時間にみんなで聴きたい曲」をオンエア。堀込が選んだのは、左とん平の『とん平のヘイ・ユウ・ブルース』。

堀込:本当にみんなで聴いていいのかわからない曲ですけど。個人的な理由としては、高層階にあるJ-WAVEのスタジオからこの曲を流して聴くのは乙なんじゃないかというのと、けっこうブルージーな内容で、それが今の世の中ともマッチしてると感じていて、今のこの退勤時間帯に聴くとさらにブルージーな感じが増すんじゃないかなと思って選曲しました。

KIRINJIは、7月に『KIRINJI Billboard Live Tour 2025』として11日に東京・13日(日)に横浜・17日(木)に大阪と、3都市でのビルボードライブ・ツアーを行う。さらに、7月25日(金)には「FUJI ROCK FESTIVAL '25」に出演。それぞれバンド編成での出演となる。そのほか、最新情報は公式サイトまで。

アーティストがスタジオに生出演し、トークと音楽をお届けするコーナー「RADIO ENSEMBLE」は、月曜〜木曜の17時10分頃からオンエア。

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2025年4月8日28時59分まで

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月・火・水・木曜
16:00-18:50