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水曜日のカンパネラ×Novel Coreが鼎談。詩羽が振り返る「自分を好きじゃなかった」時代

水曜日のカンパネラ×Novel Coreが鼎談。詩羽が振り返る「自分を好きじゃなかった」時代

水曜日のカンパネラのボーカル・詩羽と、サウンドプロデューサーのケンモチヒデフミ、Novel Coreが鼎談。水曜日のカンパネラに詩羽が加入したきっかけや、楽曲制作について語った。

水曜日のカンパネラが登場したのはJ-WAVE(81.3FM)×「MUSIC FUN !」連動企画である、深夜の音楽座談プログラム『WOW MUSIC』。“すごい”音楽をつくるクリエイターが“WOW”と思ういい音楽とは? 毎月1人のクリエイターがマンスリープレゼンターとして登場し、ゲストとトークを繰り広げる番組だ。

番組のオンエアは8月13日(土) 。8月のマンスリープレゼンターはNovel Coreが務める。

水曜日のカンパネラに加入した理由

水曜日のカンパネラは昨年9月に初代ボーカルのコムアイが脱退し、2代目ボーカルの詩羽が加入。Novel Coreが詩羽とケンモチの出会いを訊いた。

詩羽:初めて会ったのは……。

ケンモチ:ちょうど1年前くらいですね。

Novel Core:そのときはお互いどういう印象でしたか?

ケンモチ:水曜日のカンパネラのもうひとりのメンバー・Dir.Fがいい人いないかなって探してるときに、(詩羽の)インスタのアカウントを先に見せてもらって、これはまたとがったビジュアルの子がいるなって印象で。会う前にすごく冷たくされたらどうしようとか思ってたんですけど、実際に会ったらよく笑うし、よくしゃべるし、そのギャップがめっちゃいいなって印象を最初に持ったのを覚えています。

Novel Core:詩羽さんはどうですか?

詩羽:最初にDir.Fと私がお会いして、本当にその次くらいのタイミングで急に紹介したい人がいるってかたちでケンモチさんを急に紹介されて。私はそのときに水曜日のカンパネラのことを知ってはいたけど詳しくはなかったので、ケンモチヒデフミって人が誰かもわからず、この人は誰だろうって思いながらお会いしたんですけど(笑)。でも初めてお会いしたときから、空気感がふわふわしてて。話していてもヘンな人だなってイメージがありましたね(笑)。

ケンモチ:そんなことなかったと思うんですけどね(笑)。

詩羽は、水曜日のカンパネラに加入する経緯をこう話す。

詩羽:私がDir.Fとお会いして、ケンモチさんを紹介していただいて、今までは私がこれから何をしたいか、何をしていきたいか、今まで何をしてきたか、どういう気持ちを持っている人なのかって話をだいぶ訊かれてて、なんでこんなに訊いてくるんだろうなって感じで警戒してたんですけど。

ケンモチ:怪しさマックスですよね(笑)。

詩羽:それからお会いして3回目くらいのタイミングで、水曜日のカンパネラというものがあって、コムアイさんが抜けるんですけど、2代目のボーカルになりませんかって言われて、「やります」くらいの感じでした(笑)。

Novel Core:即答した後に「即答しちゃったけど……」とか思いませんでした?

詩羽:めちゃくちゃ思いましたね(笑)。家に帰ってひとりで考えてたときに、あらためて水曜日のカンパネラを調べてみたら、YouTubeの登録者数も多いし、調べれば調べるほど自分がフラットにした返事が思ったよりも大きな話だったのかなってジワジワと感じました。

詩羽、今のスタイルができあがるまでの苦悩

水曜日のカンパネラに加入した詩羽だが、幼少期は現在の活動を想像してなかったと振り返る。

詩羽:今は芸術系の大学に通っていて、デザインをやったり、本当に就職するのかって考えてたり、小さい頃から絵とか、歌は身近ですごく好きなアートだったんですけど、自分が歌手になるってことは全く想像してなかったですね。

Novel Core:音楽とはわりと触れ合ってきたほうでしたか?

詩羽:お母さんがすごく音楽が好きな人で、小さい頃からドライブするときでも、家の中でも音楽がずっとかかっている家でした。

Novel Core:学生時代はどんなジャンルとかアーティストの音楽を聴いてましたか?

詩羽:小さいときはお母さんの影響で、今も好きなんですけど椎名林檎さんだったり、バンドだったらフジファブリックだったりサカナクションとかもすごく聴いてたんですけど、自分が高校生になってバンドを始めてからは、ザ・邦ロックって人たちを聴くようになりました。クリープハイプとかgo!go!vanillasとか、KANA-BOONとか、男性ボーカルの邦ロックを聴くことが多かったかもしれないですね。

Novel Core:軽音をやられてたって伺ったんですが、そのときもそういう曲をやったりしてたんですか。

詩羽:やってました(笑)。ギターボーカルでやってたので、ガンガンやってました(笑)。

当時、詩羽は対人関係でぶつかりやすい性格だったという。

詩羽:学校の校則で髪の刈り上げはダメとか、耳のピアスはいいけど口はダメとか、そういう学生生活でのグレーな大人との戦いとか、同じ世代の戦いがあったりして、自分のことすごく好きじゃない時代がありました。でも、自分のことを救ってあげるのって自分だなって、私の場合はそうやって納得してから自分の見た目を変えていって、自分のことを好きになっていくっていうのがどんどん積み重なって、高校を卒業するくらいには前髪もこれ、口のピアスもこれ、刈り上げもこれで、ツインテールもし始めて、今のスタイルが出来上がっていったなって思います。

Novel Core:じゃあ、学生時代って結構悩むこともあったんですね。

詩羽:ありましたね。

Novel Core:その時期って同調圧力って結構あると思ってて、僕も学生時代はそういうのにすごく反発心があるタイプで、納得いかないことがあると、とことん先生と戦うタイプだったんですよ。

詩羽:私もそうなんですよ(笑)。

Novel Core:法律とかもそうですけど、これはダメだよって言われたことに対して、なんでダメになったのかを考えたいタイプで。だからダメなものだからダメって言われると、なんでだよって。

詩羽:納得いかないですよね。

ケンモチ:お二方がそういう性格を持っているからこそ表現するっていう方向に進んだのかなって思っていて。僕なんかはダメって言われたら「ダメなのか」っていう感じで、それでいっかって。そういうなあなあタイプでだからあんまり表に出るタイプの人間じゃなかったかなって思います。

“ヘンなバランス”で面白さが成立している

番組校は水曜日のカンパネラの楽曲制作を掘り下げる。Novel Coreは、水曜日のカンパネラの作詞・作曲をほとんど担当するケンモチに、水曜日のカンパネラが持つ独特の雰囲気や世界観を生み出す方法に迫った。

Novel Core:楽曲自体のテーマってどこから作っていくんですか。

ケンモチ:水曜日のカンパネラの中でのルールとして、人名で1曲作るぞっていうのはずっと続いているんですが、それを詩羽とDir.Fから「こんなのどうですか?」みたなお題をもらって、「アリスでどうですか?」とか「招き猫でどうですか?」みたいな。招き猫は人名じゃないんですけど(笑)。それをもらって、「それだったらこういう曲とか、こういう歌詞が書けるな」ってことで、大喜利のお題をもらって、それの面白い1曲を作っていくっていうフリップ芸ですね。

Novel Core:それすごいな。感動してます。じゃあ、詩羽さんからお題をケンモチさんに出されてるって感じですか。

詩羽:そうですね。いろんな題材の名前だったり歴史人物だったりとかを調べてきて、先に曲調ができていたら、「この曲調に合うのはこれかな」とか、逆に何も曲調ができてない状態だったら「この前はカタカナだったから、今回は漢字が入ってるとかひらがなの人にしようか」とか、「女の人だったから男の人にしようか」とかで、「こういう題材はどうですかね?」っていう話し合いをしますね。

Novel Coreは水曜日のカンパネラのボーカルが変わっても、楽曲に全く違和感がないと伝え、「水曜日のカンパネラの絶対的な世界観はどこから生まれてるのか?」と質問する。

ケンモチ:これはね……どうしてですか?

Novel Core:逆に訊きたくなっちゃうくらいですか(笑)。

詩羽:でもやっぱりケンモチさんがいるからっていうのは(大きいですよね)。曲を作っているのがケンモチさんってところは大きい理由なのかなって思います。

ケンモチ:自分で意識してることではないんですけど、前にインタビュアーさんに言われたのが、「水曜日のカンパネラのフォロワーはたぶん出てこないだろう」って話をしていて。それは、めちゃくちゃ難しいバランスの中で、1点だけで成立するくらいの面白いとかカッコいいとか、かわいいとかをすごくヘンなバランスで作っているって。これがちょっとでもズレるとダダ滑りするから、めちゃくちゃマネするのは難しいって言われたんですよね。

Novel Core:なるほど。

ケンモチ:それを意識してるわけじゃないけど、自分がやるとそこにポンとのっかるっていうのがあるっぽいですね。

番組の最後、Novel Coreは詩羽に「今後、どんなアーティストになりたいか」と訊いた。

詩羽:日本でも海外でも、ビッグラブをテーマにしてて、自分の愛がみんなに伝わるアーティストでありたいなと思っています。

Novel Core:ケンモチさん、今後、水曜日のカンパネラの目指すところは?

ケンモチ:いろんなカッコいいとか、いろんな面白いを提示できるような、多様性って言うんですかね、「これもいいけど、こういうのもありじゃない?」っていう、いろんな選択肢を増やせるアーティストになれたらいいなって思っています。

水曜日のカンパネラの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。

番組では他にも、ケンモチが歌詞制作について語る部分や、詩羽がライブについて話す場面もあった。

『WOW MUSIC』はJ-WAVEで土曜24時-25時にオンエア。また、『MUSIC FUN !』のYouTubeページには、同番組のトーク動画のほか、ミュージシャンやプロデューサーによる音楽の話が数多く配信されている。

・『MUSIC FUN !』のYouTubeページ
https://www.youtube.com/c/musicfun_jp

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2022年8月20日28時59分まで

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番組情報
WOW MUSIC
毎週土曜
24:00-25:00