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「食文化の未来」を感じたコロンビアのレストラン 美食評論家・中村孝則が語る

「食文化の未来」を感じたコロンビアのレストラン 美食評論家・中村孝則が語る

コラムニスト・美食評論家の中村孝則氏が、美食の世界で近年話題だというコロンビアのレストランを紹介。そのレストランで食べられるユニークな食材や、シェフが取り組む食文化への取り組みを語った。

中村氏が登場したのは、ゲストに様々な国での旅の思い出を聞く、J-WAVEで放送中の番組『ANA WORLD AIR CURRENT』(ナビゲーター:葉加瀬太郎)。オンエアは3月26日(土)。

アリやカピパラも…コロンビア・ボコタの一風変わったレストラン

中村氏は「世界のベストレストラン50」「アジアのベストレストラン50」の日本評議委員長を務め、2018年よりベスト・オブ・コロンビア大使も務める。主な著書に『名店レシピの巡礼修業』(世界文化社)、共著に『ザ・シガーライフ』(ヒロミエンタープライズ)。

今回、「世界のベストレストラン50」にもランクインし、「非常に世界的に認知」されていると中村氏が紹介したのが、ボコタにある「レオ」というレストラン。

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「おまかせでコースになっていて、『これは何料理』と言えないような不思議な料理がたくさん出てくるんですよ。例えばアリとか、カピパラとか」「コロンビアは日本の3倍ぐらい面積があって、大西洋、太平洋、カリブ海に面してるんですね。アンデス山脈があって、アマゾン(川の)流域もあるんですよ。(そのため)お魚もアマゾンの魚が出てきたり、太平洋の魚が出てきたり、鉱山植物も出てきたり、アリを食べる文化があったりもするので昆虫食が出てきたり。説明を聞くまで、何なのか分からないものがたくさん出てきて、でもそれが美味しいんですよ」と中村氏。

レストランに求められる「サステナビリティ」の視点

「レオ」のシェフ、レオノール・エスピノサ氏は「ラテンアメリカベストレストラン50の女性シェフ賞をお取りになったりしてシェフとしても認知が高いので、非常に人気がある」そうで、さらに「すごく評価されているのは、レストランで使う食材の生産者たち、農家さんや漁師さんを支援する活動をしていること。料理を作りながらある種サステナビリティ、継続的に食が繋がるようにという活動もしていて、社会活動でも非常に評価が高い人ですね」という。

葉加瀬が「そういう意識は、これからファッションブランドもレストランも持たなきゃならない時代に突入したような気がします」と続けると、「おっしゃる通り、食はそういう危機に直面しています」と中村氏。

「資源枯渇と、生産者の労働環境。これをどう担保していくか、次の世代に繋げていくかは大きな問題で、これからも食、特にガストロノミーに関しては、そういう活動抜きには多分成り立っていかないんじゃないかなと思いますね」と語る。

葉加瀬は自身が拠点とするイギリスでのガストロパブ事情について「彼らがやろうとしているのはその地域の生産者と一緒になって作っていこうとすること。そこで循環させて回していこうという考え方ですよね。文化そのものがそういうベクトルに向いたような気がしますね」と現地での様子を説明。

中村氏も、「食のサステナビリティに関しては割と大らかに来たんですけども、今後どんどん食材がなくなっていくし、日本だと食文化自体も従事者がいなくなっちゃう。そうすると、美味しいものを食べられなくなるじゃないですか。だからそういう人たち、環境を、どうやって守っていくかがこれから大きな問題ですよね。文化になっていくためには、そういうことも同時に成熟させていかないといけないのかなとは個人的には思っています」と語った。

葉加瀬太郎がお届けする『ANA WORLD AIR CURRENT』は、J-WAVEで毎週土曜の19:00-19:54オンエア。

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