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池松壮亮と伊藤沙莉が明かす、微笑ましい距離の詰め方「一日に二つくらいの」

(左から、尾崎世界観、伊藤沙莉、池松壮亮、松居大悟監督)

池松壮亮と伊藤沙莉が明かす、微笑ましい距離の詰め方「一日に二つくらいの」

第34回東京国際映画祭コンペティション部門で観客賞を受賞した『ちょっと思い出しただけ』(2月11日全国公開)。その東京プレミア上映会が1月23日に都内で行われ、W主演の池松壮亮、伊藤沙莉、クリープハイプの尾崎世界観、そして松居大悟監督が出席した。



クリープハイプの『ナイトオンザプラネット』から着想を得て生まれた、切ないラブストーリー。怪我でダンサーの道を諦めた照生(池松)とタクシードライバーの葉(伊藤)を中心に、都会の夜に無数に輝く人生たちの機微を繊細かつユーモラスに描き出す。

池松にとっては久々のラブストーリーへの挑戦。「なかなか縁のないもので。照れ臭いというか、恥ずかしかった」と照れて「伊藤さんとは初共演ながらも6年間を体現しなければならず、でも僕は距離を詰めるのが苦手で、一日に二つくらいの質問をしながら距離を縮めていきました」と苦笑い。伊藤も「私もどうやって距離を縮めようかと……。緊張していて『ラブストーリーは得意ですか?』と聞いたら『はい?』と言われて。質問を間違えた!と思った」と肩をすぼめていた。

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池松と伊藤が思い出深いと挙げるシーンは、水族館でのデート場面。しかし池松は「夢で待ち合わせね」というセリフがかなり恥ずかしかったという。「松居監督に『なんでこんなのを書いたの?』と聞いたら『俺けっこう言うよ』と言われて…すごいなと思った」と池松が明かすと、伊藤は「私はそのセリフの言葉は嬉しかったです。安心して眠りにつけるから。それを池松さんに伝えたら『え~!』と言われた。いろいろな感じ方があるんだなと思いました」と真逆の反応。池松が「そのセリフはすごく小さな声で言っています」と舞台裏を明かすと、尾崎は「それがよかった」と逆にナチュラルだと感心していた。

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公開を目前に松居監督は「この映画は遠くの人に深く刺さりそうな気がしていて、このまま行け!と思いつつ、全員健康であり、誰も捕まらずに無事初日を迎えてほしいという気持ちがある」とジョークを交えつつ封切りに期待。本作は尾崎がクリープハイプによる楽曲『ナイトオンザプラネット』を松居監督に送ったことから始まっており、尾崎は「僕らの曲発信で映画ができるのはおもしろいし、興奮しました」と喜んだ。

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松居監督や尾崎とは20代前半を共に過ごした仲という池松は「一緒に同じ本を読んだり、同じ映画を観たり、そんな自分の青春と言っても過言ではない人たちと再会をして青春に決着をつけようと思った」と久々の黄金トリオ集結に思いもひとしお。

タクシードライバー・葉役の伊藤は「内容も構成もおもしろいし、企画がとても魅力的。松居さんが台本を作るにあたり、私のこれまでの恋愛においての経験をインタビューしてくれて、脚本にそれを反映してくれました。それも含めて、いろいろな方向からの愛を感じる作品だと思いました」と振り返った。

ミュージシャン役として出演している尾崎は「長く活動すると慣れていることばかりになるので、初めてのことは楽しかったです。皆さんにイジられながらも、役割を全うできたかな?」と俳優としての手応えを口にすると、池松からは「カットがかかるたびに『俺どう?』と聞いてくる。それがちょっとうっとうしかった」と壇上でもイジられていた。

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(取材=石井隼人)

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