クリープハイプの尾崎世界観(Vo/Gt)と松居大悟が、「新たなことに挑戦するのは怖くないか?」「自分の作品を身内に観てもらうのは照れくさい?」など、リスナーの質問に答えた。
尾崎が出演したのは劇団ゴジゲンの主宰である松居がナビゲートする、J-WAVEで放送中の番組『JUMP OVER』。同番組ではラジオ、映画、演劇、音楽などの枠を越えた企画を発信し続けている。ここで紹介するオンエアは2月9日(水)。尾崎は前週に続きゲスト出演した。
【前週の記事】クリープハイプ・尾崎世界観、朝日を見ながらバンド結成を決意する
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この映画はクリープハイプの曲『ナイトオンザプラネット』が元になって生まれた作品で、この曲は尾崎が自身のオールタイムベストに挙げるジム・ジャームッシュの名作映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』に着想を得て書き上げたという。
尾崎:『ナイト・オン・ザ・プラネット』という映画が1990年代の前半にあって、それを2000年代の前半に自分で見つけて、旧作レンタル5本で1000円の最後の一本で選んだ作品で。それでその映画をもとにバンドをやろうと思って、そのバンドでさらに10年たってデビュー10周年のタイミングで映画になって公開されると言うね。
松居:俺も10周年のタイミングだからね。クリープハイプのデビューと俺の監督デビューは同じ年だから。
尾崎:すごいよね。あと、上映される規模ってあるでしょ。この映画ってそれが増えたんだよね。
松居:最初は40スクリーンくらいだったけど、今の時点で120スクリーンを超えてると思う。
尾崎:中には、いきなりそんなすごい規模の作品をやる人もいるじゃない。でも松居くんは堅実にやりたいことをやってきたっていう証拠だと思うけどね。このタイミングで自分で脚本を書いて撮った作品で、原作ものではなくヒットした小説の映画化でもなく、この10年で100を超えるスクリーンにたどり着くって、松居くんがちゃんと歩いてるんだなって思うね。
松居:しかも、10年前とかに一緒に作品を作ってたメンバーでやれてるのもね。尾崎くんとか池松(壮亮)くんとか、塩谷(大樹)くんとか、あのへんのみんなでここに来れたのが(嬉しい)。
「尾崎さんは未知の世界に飛び込んだり、できないことに挑戦したりすることにとても前向きな印象があり、インタビューでも『できないことが悪いことではない。できないことがあるのは面白い』というようなことを話されています。今回映画に出演されたのも尾崎さんにとっては今までにない新しい経験になったのではないかと思います。私は自分ができないことに対して緊張や恐怖心が強くなかなか挑戦できません。どのようにそういったものを克服しているのでしょうか」
尾崎:できないことのほうがラクですからね。できないんだから。
松居:そうね。
尾崎:できることのほうがすごいプレッシャーがかかるよね。一回成功したあとで次に失敗するのは嫌だなって思うし。だからできないことをやってるときのほうがすごく楽しいし、ラクだよね。だってできなくてもいいんだもん。
松居:いろんな新しいことを知れるしね。
尾崎:うん。僕が小説を書いているのもそうで。音楽はさすがにできているって実感はあるけど。
松居:ただ、できなくなるのが怖いとか?
尾崎:そう。また次の作品を作るときに「大丈夫かな」って不安はあって、すごく憂鬱なんだけど、小説なんてできなくて当たり前だから、だからほぼ趣味みたいな前向きな気持ちで取り組めるし。映画の出演についてはちょっと違ったかな。嫌だなっていう気持ちもあった(笑)。巨人(松居)につままれて、でっかい顔の前で何か言われたけど、大きな声過ぎて何を言ってるのかわからなかったんだけど、そのままポイって現場に落とされた感じ(笑)。
松居:あはは(笑)。
「私の亡くなった姉は学生のとき演劇部でしたが、『舞台を観に来て』と言われても身内が演技をしているのは照れくさくて一度も観に行きませんでした。今さらですが後悔しています。松居さんと尾崎さんは活動を始めた頃、自分の作品を家族や友だちに観たり聴いたりされるのは照れくさくなかったですか?」
尾崎:やっぱり照れくさいですよね。
松居:うん、照れくさい。けど、うれしいな。
尾崎:松居くんは結構そうだよね。
松居:母ちゃんと兄貴には絶対に観てもらってるし。逆におやじはまったく観てくれなかったから、うーんってなったし。それはすごく気にするかもな。(尾崎くんの)弟は観に来るの?
尾崎:たまにだけど来るよ。
松居:話したりする?
尾崎:うん。あいつはクリープハイプの「5ちゃんねる」(のスレッド)を見ているね。
松居:悪口を観てるじゃん(笑)。
尾崎:「最近はこんなことが書かれてるよ」って言われて、それ言うなって思うんだけど。
松居:あはは(笑)。
尾崎:弟はどぶ川をさらってるね(笑)。
松居:兄貴の(笑)。
尾崎:そうそう、ヘドロをずっとさらってる。そんなの見なくてもいいんだけど。
「尾崎さんに質問です。松居さんのここが好きだなっていうところと、ここをこうしたらもっと好きになるってところを教えてください」
尾崎:そんなこと教えられないですよ。
松居:ははは(笑)。
尾崎:でもそれってわからないよね。
松居:前に池松くんと3人でいたときに、「松居さんがすごいって思うのは、昔からの付き合いの人と今もずっと付き合っていること」って言っててそれは印象にあるね。
尾崎:それはお互いそうじゃないのかな。相手もきっとそういう人が集まってくるというか。
松居:そうね。
尾崎:いるじゃん、売れてるところにすり寄っていって、人を使い捨てカイロみたいに使う人って。でも松居くんはそういうことがないからね。
松居:そうね。だし、そういう人たちが好きだから一回離れるけどまた手を取り合うことができるのかも。
尾崎:でも人に執着し過ぎるところはあるけどね。例えば、「誰かを紹介してくれ」って言ったときに、そんなに深い意味はないのに「自分を介してつながって俺を置いていきそうだから嫌だ」っていうところはあるでしょ?
松居:そういうところはある。俺より仲良くなったら困るなって。
尾崎:そうそう。それがかわいらしいところでもあるんだけど。こっちからすると大したことでもないことをすごく大事なことに捉えているから、ひとつずつのやりとりとかも自分がやっているよりもかなり疲れるんじゃないかなって思う。何気ない連絡とかだろうけど、俺よりもっとカロリー使っているだろうなって。
松居:そうだね。
尾崎:そういうところが面白いなって思うところだけどね。
松居:2012年の舞台ではじめてこの3人で一緒にやって、そこからクリープハイプのミュージックビデオとか映画とかやったりとか、みんなで映画観に行ったりご飯食べたりしていて、そのときから『ボクらの時代』に出たいねって言ってたんです。
尾崎:はいはい。ずっと『ボクらの時代』ごっこしてたもんね。
松居:そうそう。『ボクらの時代』みたいなことをずっと話してたし。
尾崎:松居くんがずっと出たいって言ってたからね。
松居:この3人で出たいと言っていて、ようやく出れることになったけど、俺、大丈夫だった?
尾崎:すごいかわいらしい部分がでてたけどね。でもちょっと嫌だったな。ファンを取りに来てるなって。
松居:取りにいってないよ(笑)。
尾崎:すごくかわいらしい部分ばっかりを出してきてたなって思った。
松居:『ボクらの時代』って本当にガイドがないんだよね。始まったら本当に3人が野面で話すだけだし。カンペとかなかなか出ないし。
尾崎:カンペが出たときだけ3人とも黙るっていうね。
松居:そうそう(笑)。
尾崎:すごくよかったけどね。プロデューサーさんから「3人の過去を追体験するというか一本の映画みたいな気持ちで映像が浮かぶような会話だったからよかった」みたいなことを言っていただけてうれしかったな。この番組を見て、その日にこの映画(『ちょっと思い出しただけ』)を観ようかなって思って、昼から映画館に行ってもらえる想像をするだけでうれしいよね。
松居:いいこと言ったね!
尾崎:それが仕事だからね(笑)。
松居大悟がナビゲートするJ-WAVE『JUMP OVER』では、ラジオ、映画、演劇、音楽などの枠を越えた企画を発信。放送は水曜の26時から。
尾崎が出演したのは劇団ゴジゲンの主宰である松居がナビゲートする、J-WAVEで放送中の番組『JUMP OVER』。同番組ではラジオ、映画、演劇、音楽などの枠を越えた企画を発信し続けている。ここで紹介するオンエアは2月9日(水)。尾崎は前週に続きゲスト出演した。
【前週の記事】クリープハイプ・尾崎世界観、朝日を見ながらバンド結成を決意する
尾崎世界観「松居くんは堅実にやりたいことをやってきた」
松居が監督を務めた映画『ちょっと思い出しただけ』が2月11日(金)から公開。尾崎もミュージシャン役で出演している。この映画はクリープハイプの曲『ナイトオンザプラネット』が元になって生まれた作品で、この曲は尾崎が自身のオールタイムベストに挙げるジム・ジャームッシュの名作映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』に着想を得て書き上げたという。
尾崎:『ナイト・オン・ザ・プラネット』という映画が1990年代の前半にあって、それを2000年代の前半に自分で見つけて、旧作レンタル5本で1000円の最後の一本で選んだ作品で。それでその映画をもとにバンドをやろうと思って、そのバンドでさらに10年たってデビュー10周年のタイミングで映画になって公開されると言うね。
松居:俺も10周年のタイミングだからね。クリープハイプのデビューと俺の監督デビューは同じ年だから。
尾崎:すごいよね。あと、上映される規模ってあるでしょ。この映画ってそれが増えたんだよね。
松居:最初は40スクリーンくらいだったけど、今の時点で120スクリーンを超えてると思う。
尾崎:中には、いきなりそんなすごい規模の作品をやる人もいるじゃない。でも松居くんは堅実にやりたいことをやってきたっていう証拠だと思うけどね。このタイミングで自分で脚本を書いて撮った作品で、原作ものではなくヒットした小説の映画化でもなく、この10年で100を超えるスクリーンにたどり着くって、松居くんがちゃんと歩いてるんだなって思うね。
松居:しかも、10年前とかに一緒に作品を作ってたメンバーでやれてるのもね。尾崎くんとか池松(壮亮)くんとか、塩谷(大樹)くんとか、あのへんのみんなでここに来れたのが(嬉しい)。
新しいことへの挑戦が怖い…尾崎の考えは?
番組ではリスナーからの尾崎へのメッセージがたくさん届いた。松居はその一通を読み上げる。「尾崎さんは未知の世界に飛び込んだり、できないことに挑戦したりすることにとても前向きな印象があり、インタビューでも『できないことが悪いことではない。できないことがあるのは面白い』というようなことを話されています。今回映画に出演されたのも尾崎さんにとっては今までにない新しい経験になったのではないかと思います。私は自分ができないことに対して緊張や恐怖心が強くなかなか挑戦できません。どのようにそういったものを克服しているのでしょうか」
尾崎:できないことのほうがラクですからね。できないんだから。
松居:そうね。
尾崎:できることのほうがすごいプレッシャーがかかるよね。一回成功したあとで次に失敗するのは嫌だなって思うし。だからできないことをやってるときのほうがすごく楽しいし、ラクだよね。だってできなくてもいいんだもん。
松居:いろんな新しいことを知れるしね。
尾崎:うん。僕が小説を書いているのもそうで。音楽はさすがにできているって実感はあるけど。
松居:ただ、できなくなるのが怖いとか?
尾崎:そう。また次の作品を作るときに「大丈夫かな」って不安はあって、すごく憂鬱なんだけど、小説なんてできなくて当たり前だから、だからほぼ趣味みたいな前向きな気持ちで取り組めるし。映画の出演についてはちょっと違ったかな。嫌だなっていう気持ちもあった(笑)。巨人(松居)につままれて、でっかい顔の前で何か言われたけど、大きな声過ぎて何を言ってるのかわからなかったんだけど、そのままポイって現場に落とされた感じ(笑)。
松居:あはは(笑)。
家族や友だちに作品を観られるのは恥ずかしい?
別のリスナーからはこんなメッセージが届いた。「私の亡くなった姉は学生のとき演劇部でしたが、『舞台を観に来て』と言われても身内が演技をしているのは照れくさくて一度も観に行きませんでした。今さらですが後悔しています。松居さんと尾崎さんは活動を始めた頃、自分の作品を家族や友だちに観たり聴いたりされるのは照れくさくなかったですか?」
尾崎:やっぱり照れくさいですよね。
松居:うん、照れくさい。けど、うれしいな。
尾崎:松居くんは結構そうだよね。
松居:母ちゃんと兄貴には絶対に観てもらってるし。逆におやじはまったく観てくれなかったから、うーんってなったし。それはすごく気にするかもな。(尾崎くんの)弟は観に来るの?
尾崎:たまにだけど来るよ。
松居:話したりする?
尾崎:うん。あいつはクリープハイプの「5ちゃんねる」(のスレッド)を見ているね。
松居:悪口を観てるじゃん(笑)。
尾崎:「最近はこんなことが書かれてるよ」って言われて、それ言うなって思うんだけど。
松居:あはは(笑)。
尾崎:弟はどぶ川をさらってるね(笑)。
松居:兄貴の(笑)。
尾崎:そうそう、ヘドロをずっとさらってる。そんなの見なくてもいいんだけど。
松居大悟の好きなところは…
松居と尾崎の夫婦喧嘩のようなやり取りが好きだと言うリスナーから、こんな質問が届いた。「尾崎さんに質問です。松居さんのここが好きだなっていうところと、ここをこうしたらもっと好きになるってところを教えてください」
尾崎:そんなこと教えられないですよ。
松居:ははは(笑)。
尾崎:でもそれってわからないよね。
松居:前に池松くんと3人でいたときに、「松居さんがすごいって思うのは、昔からの付き合いの人と今もずっと付き合っていること」って言っててそれは印象にあるね。
尾崎:それはお互いそうじゃないのかな。相手もきっとそういう人が集まってくるというか。
松居:そうね。
尾崎:いるじゃん、売れてるところにすり寄っていって、人を使い捨てカイロみたいに使う人って。でも松居くんはそういうことがないからね。
松居:そうね。だし、そういう人たちが好きだから一回離れるけどまた手を取り合うことができるのかも。
尾崎:でも人に執着し過ぎるところはあるけどね。例えば、「誰かを紹介してくれ」って言ったときに、そんなに深い意味はないのに「自分を介してつながって俺を置いていきそうだから嫌だ」っていうところはあるでしょ?
松居:そういうところはある。俺より仲良くなったら困るなって。
尾崎:そうそう。それがかわいらしいところでもあるんだけど。こっちからすると大したことでもないことをすごく大事なことに捉えているから、ひとつずつのやりとりとかも自分がやっているよりもかなり疲れるんじゃないかなって思う。何気ない連絡とかだろうけど、俺よりもっとカロリー使っているだろうなって。
松居:そうだね。
尾崎:そういうところが面白いなって思うところだけどね。
ずっと『ボクらの時代』ごっこをしてた
松居、尾崎、池松は、2月13日(日)放送のテレビ番組『ボクらの時代』に出演。松居はこの番組に相当な思い入れがあるようで……。松居:2012年の舞台ではじめてこの3人で一緒にやって、そこからクリープハイプのミュージックビデオとか映画とかやったりとか、みんなで映画観に行ったりご飯食べたりしていて、そのときから『ボクらの時代』に出たいねって言ってたんです。
尾崎:はいはい。ずっと『ボクらの時代』ごっこしてたもんね。
松居:そうそう。『ボクらの時代』みたいなことをずっと話してたし。
尾崎:松居くんがずっと出たいって言ってたからね。
松居:この3人で出たいと言っていて、ようやく出れることになったけど、俺、大丈夫だった?
尾崎:すごいかわいらしい部分がでてたけどね。でもちょっと嫌だったな。ファンを取りに来てるなって。
松居:取りにいってないよ(笑)。
尾崎:すごくかわいらしい部分ばっかりを出してきてたなって思った。
松居:『ボクらの時代』って本当にガイドがないんだよね。始まったら本当に3人が野面で話すだけだし。カンペとかなかなか出ないし。
尾崎:カンペが出たときだけ3人とも黙るっていうね。
松居:そうそう(笑)。
尾崎:すごくよかったけどね。プロデューサーさんから「3人の過去を追体験するというか一本の映画みたいな気持ちで映像が浮かぶような会話だったからよかった」みたいなことを言っていただけてうれしかったな。この番組を見て、その日にこの映画(『ちょっと思い出しただけ』)を観ようかなって思って、昼から映画館に行ってもらえる想像をするだけでうれしいよね。
松居:いいこと言ったね!
尾崎:それが仕事だからね(笑)。
松居大悟がナビゲートするJ-WAVE『JUMP OVER』では、ラジオ、映画、演劇、音楽などの枠を越えた企画を発信。放送は水曜の26時から。
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