androp・前田恭介(Ba.)、ポップカルチャー・ウォッチャー・辰巳JUNKがMaroon 5の人気の理由を解説した。
二人が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。ここでは、「20年間ヒットメイカー!“Maroon 5”が愛される理由とは!?」をテーマにお届けした、6月8日(火)のオンエア内容をテキストで紹介する。
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ゲストには、andropの前田恭介(Ba.)、そして、主にアメリカのセレブ・映画・音楽を追いかける、ポップカルチャー・ウォッチャー、辰巳JUNKが登場。
あっこゴリラ:辰巳さんは、世界的なセレブについて書いた著作『アメリカン・セレブリティーズ』で、Maroon 5についても書かれていますが、日本で想像している以上に、アメリカでは大スターなんですよね?
辰巳:国民的スターみたいな感じですね。『Sugar』は、結婚式ソングの定番なっています。
あっこゴリラ:まずお聞きしたのが、ずばりMaroon 5が20年間ヒットし続ける理由って何だと思いますか?
前田:僕が思うのは、「時代に合わせて変化するミーハー感」です。
あっこゴリラ:うんうん。いい意味でのミーハー感ね。辰巳さんはどうですか?
辰巳:「ロックを拒否するロックスター」です(笑)。
前田:カッコいいっすね~!
あっこゴリラ:前田さんの言うように、Maroon 5ってサウンドがどんどん変わっていくバンドだと思うんですが、そもそもどんなメンバーが集まって結成されたんですか?
辰巳:元々は1990年代、ボーカルのアダム・レヴィーンらがロサンゼルスの高校生のときに前身となるバンドを結成します。当時は、今と全くちがうオルタナ・グランジっぽい王道ロックサウンドでした。
あっこゴリラ:90年代はオルタナの全盛期ですもんね。
辰巳:ポストグランジみたいな感じですね。「カーラズ・フラワーズ」という、憧れの女子生徒・カーラちゃんの名前をつけたという、すごい青春系のバンドです(笑)。
あっこゴリラ:あはははは!
辰巳:そしてレーベルと契約するも、大コケしていったん解散します。その後、ロックから音がガラっと甘々に変わって、今のMaroon 5になったらしいです。
あっこゴリラ:そんなMaroon 5が、注目されるきっかけは何だったのでしょうか?
辰巳:2002年にデビューアルバム『ソングス・アバウト・ジェーン』を出したんですけど、これもけっこうヒットするまでに時間がかかって。ラジオでじわじわ人気が着いていって、リリースから2年後の2004年にBillboardチャート上位にいきます。
あっこゴリラ:リリースしてから2年後ってすごいですね。前身バンドはグランジっぽい感じとのことですが、なぜR&BやHIP HOPを取り入れたのでしょうか?
辰巳:その前身バンドが解散した後、アダムたちはLAからNYの学校に行き、そこで本場のR&BやHIP HOP、ソウルと出逢って、とても感動したそうなんです。
【Maroon 5『This Love』を聴く】
デビューアルバムが2年以上かけてヒットしたMaroon 5。ここからバンドは目まぐるしく変化していく。デビューアルバム以降、Maroon 5のサウンドは、どのように変化していったのだろうか。
辰巳:まず2ndアルバム『イット・ウォント・ビー・スーン・ビフォー・ロング』で、マイケル・ジャクソン風のダンスポップが取り込まれました。次の2010年の3rdアルバム『ハンズ・オール・オーヴァー』では、さらにエレクトロにいきますが、これは当時EDMが流行っていたことが大きいかも知れません。アダムさんは「全曲シングルカットできるアルバム」を目指す、超ヒット主義なんですよね。
あっこゴリラ:へえ~!
辰巳:彼がロックシーンを嫌っているのも、1990年代以降、その界隈が「売れることはダサい」的な空気になったから、と語っています(笑)。
あっこゴリラ:そうなんだ~。初めてのコラボは2011年、クリスティーナ・アギレラとの『ムーブズ・ライク・ジャガー』という曲ですが、これはどんな流れだったのでしょうか?
辰巳:キャリア的に超重要曲で、実は3rdアルバム『ハンズ・オール・オーヴァー』の売上がバンド的にイマイチだったこともあり、起死回生的にデラックス版のボーナストラックに収録されたのがこの曲です。そして大ヒット! ここから、Maroon 5のコラボ王としての道が切り開かれます。
あっこゴリラ:確かにMaroon 5と言えば、めちゃめちゃコラボしてるイメージありますもんね。さらに2012年、4thアルバム『オーヴァーエクスポーズド』でウィズ・カリファともコラボしますが、彼らが外部のミュージシャンを入れることになったのは?
辰巳:4thからはスターとのコラボのみならず、音楽制作の面でも外部のプロデューサーと率先的に協業する大人数スタイルに転換しました。アダムいわく、最初の3枚のアルバムで、自分たちの創作キャパシティが限界を迎えた……と。仲間内での楽曲作りにこだわるバンド精神が強かったのですが、自分たちの限界を認めて、コラボレーションの魔法で新たなキャリアを築いてみせたんです。
【Maroon 5『Payphone feat.Wiz Khalifa』を聴く】
他にもケンドリック・ラマー、エイサップ・ロッキー、フューチャーら多くの客演を呼び、世界的ヒットを記録。2017年2月には、ボーカルのアダムがハリウッドの「ウォーク・オブ・フェイム」のスター殿堂入りを果たした。
あっこゴリラ:先ほど冒頭で「時代に合わせて変化するミーハー感」 と言っていましたが、改めて、“ミーハー感”とはどのようなことなのでしょうか?
前田:ミュージシャンには、自分たちの思う方向に突き進んでいくタイプと、トレンドを取り入れていくいい意味でのミーハーなタイプと2つあって、Maroon 5は後者なんじゃないかなと思っていて。僕らandropもどちらかと言うと後者なので、ミーハーな感じはMaroon 5から学ぶことがとても多いです。
あっこゴリラ:なるほど~。
前田:曲を聴いて真似するとかじゃなくて、音色とかテンポ感とか、そういうところはすごく今を捉えてる感じがしますね。
あっこゴリラ:特にMaroon 5で勉強になった曲ってありますか?
前田:勉強というか、好きな曲になっちゃうんですけど、アダムがカニエ・ウェストにフィーチャリングした『Heard'em Say』です。やっぱりアダムって、声に特徴があって聴くとわかる声してるじゃないですか。
あっこゴリラ:うんうん。
前田:それがすごく上手く使われているし、どちらの良さも引き立つっていう意味でもカッコいい曲だなと思います。
【Kanye West feat. Adam Levine『Heard'em Say』を聴く】
あっこゴリラ:まず大きなニュースとしては、2019年に「スーパーボウル」のハーフタイムショーに出演したことですが、そもそもこの場に出演できるということ自体、正真正銘のモンスターバンドと言ってもいいですよね?
辰巳:そうですね。アダム本人も「今、輝いているバンドは俺たちだけだ」みたいな感じで言ってました(笑)。
あっこゴリラ:おお~! でも間違いない。ゲストのお二人は、結成20年を迎えた現在のMaroon 5についてどう見ていますか?
前田:名実ともにみたいな、もう成熟期に入っちゃって、たぶん何をやってもカッコいいっていう状態だと思うんですよ。そんなMaroon 5の次に取る手はやっぱり気になりますよね。
あっこゴリラ:確かに。どこかで何か勝負してくるのかなって期待しちゃいますよね。辰巳さんはどうですか?
辰巳:キャリア20年を迎えて「ここまで長く売れるのか」と驚きます。音楽スター全体でも、ここまで長くチャートの頂点に君臨するのは稀なんじゃないでしょうか。
J-WAVE『SONAR MUSIC』は月~木の22:00-24:00にオンエア。
二人が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。ここでは、「20年間ヒットメイカー!“Maroon 5”が愛される理由とは!?」をテーマにお届けした、6月8日(火)のオンエア内容をテキストで紹介する。
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Maroon 5が20年間ヒットし続ける理由
今から20年前、2001年に結成されたMaroon 5。これまで6枚のスタジオアルバムをリリースし、その全てがヒット。グラミー賞を3度受賞したまさにモンスターバンド。近年、世界のヒットチャートにバンドが顔を出すことが少なくなった中、20年経った今も、新曲をチャートインさせる。なぜ彼らは、長きに渡り人気を持続できるのか。その魅力と理由を解き明かす。ゲストには、andropの前田恭介(Ba.)、そして、主にアメリカのセレブ・映画・音楽を追いかける、ポップカルチャー・ウォッチャー、辰巳JUNKが登場。
あっこゴリラ:辰巳さんは、世界的なセレブについて書いた著作『アメリカン・セレブリティーズ』で、Maroon 5についても書かれていますが、日本で想像している以上に、アメリカでは大スターなんですよね?
辰巳:国民的スターみたいな感じですね。『Sugar』は、結婚式ソングの定番なっています。
あっこゴリラ:まずお聞きしたのが、ずばりMaroon 5が20年間ヒットし続ける理由って何だと思いますか?
前田:僕が思うのは、「時代に合わせて変化するミーハー感」です。
あっこゴリラ:うんうん。いい意味でのミーハー感ね。辰巳さんはどうですか?
辰巳:「ロックを拒否するロックスター」です(笑)。
前田:カッコいいっすね~!
あっこゴリラ:前田さんの言うように、Maroon 5ってサウンドがどんどん変わっていくバンドだと思うんですが、そもそもどんなメンバーが集まって結成されたんですか?
辰巳:元々は1990年代、ボーカルのアダム・レヴィーンらがロサンゼルスの高校生のときに前身となるバンドを結成します。当時は、今と全くちがうオルタナ・グランジっぽい王道ロックサウンドでした。
あっこゴリラ:90年代はオルタナの全盛期ですもんね。
辰巳:ポストグランジみたいな感じですね。「カーラズ・フラワーズ」という、憧れの女子生徒・カーラちゃんの名前をつけたという、すごい青春系のバンドです(笑)。
あっこゴリラ:あはははは!
辰巳:そしてレーベルと契約するも、大コケしていったん解散します。その後、ロックから音がガラっと甘々に変わって、今のMaroon 5になったらしいです。
あっこゴリラ:そんなMaroon 5が、注目されるきっかけは何だったのでしょうか?
辰巳:2002年にデビューアルバム『ソングス・アバウト・ジェーン』を出したんですけど、これもけっこうヒットするまでに時間がかかって。ラジオでじわじわ人気が着いていって、リリースから2年後の2004年にBillboardチャート上位にいきます。
あっこゴリラ:リリースしてから2年後ってすごいですね。前身バンドはグランジっぽい感じとのことですが、なぜR&BやHIP HOPを取り入れたのでしょうか?
辰巳:その前身バンドが解散した後、アダムたちはLAからNYの学校に行き、そこで本場のR&BやHIP HOP、ソウルと出逢って、とても感動したそうなんです。
【Maroon 5『This Love』を聴く】
デビューアルバムが2年以上かけてヒットしたMaroon 5。ここからバンドは目まぐるしく変化していく。デビューアルバム以降、Maroon 5のサウンドは、どのように変化していったのだろうか。
辰巳:まず2ndアルバム『イット・ウォント・ビー・スーン・ビフォー・ロング』で、マイケル・ジャクソン風のダンスポップが取り込まれました。次の2010年の3rdアルバム『ハンズ・オール・オーヴァー』では、さらにエレクトロにいきますが、これは当時EDMが流行っていたことが大きいかも知れません。アダムさんは「全曲シングルカットできるアルバム」を目指す、超ヒット主義なんですよね。
あっこゴリラ:へえ~!
辰巳:彼がロックシーンを嫌っているのも、1990年代以降、その界隈が「売れることはダサい」的な空気になったから、と語っています(笑)。
あっこゴリラ:そうなんだ~。初めてのコラボは2011年、クリスティーナ・アギレラとの『ムーブズ・ライク・ジャガー』という曲ですが、これはどんな流れだったのでしょうか?
辰巳:キャリア的に超重要曲で、実は3rdアルバム『ハンズ・オール・オーヴァー』の売上がバンド的にイマイチだったこともあり、起死回生的にデラックス版のボーナストラックに収録されたのがこの曲です。そして大ヒット! ここから、Maroon 5のコラボ王としての道が切り開かれます。
あっこゴリラ:確かにMaroon 5と言えば、めちゃめちゃコラボしてるイメージありますもんね。さらに2012年、4thアルバム『オーヴァーエクスポーズド』でウィズ・カリファともコラボしますが、彼らが外部のミュージシャンを入れることになったのは?
辰巳:4thからはスターとのコラボのみならず、音楽制作の面でも外部のプロデューサーと率先的に協業する大人数スタイルに転換しました。アダムいわく、最初の3枚のアルバムで、自分たちの創作キャパシティが限界を迎えた……と。仲間内での楽曲作りにこだわるバンド精神が強かったのですが、自分たちの限界を認めて、コラボレーションの魔法で新たなキャリアを築いてみせたんです。
【Maroon 5『Payphone feat.Wiz Khalifa』を聴く】
andropの前田が考える「時代に合わせて変化するミーハー感」
ここからは、Maroon 5の近年の2作にフォーカス。全米アルバムチャート1位となった2014年の5thアルバム『V』。続く、2017年の6thアルバム『Red Pill Blues』では、収録曲『Girl Like You feat. Cardi B』が結成16年目にして、バンド最大のヒット曲に。他にもケンドリック・ラマー、エイサップ・ロッキー、フューチャーら多くの客演を呼び、世界的ヒットを記録。2017年2月には、ボーカルのアダムがハリウッドの「ウォーク・オブ・フェイム」のスター殿堂入りを果たした。
あっこゴリラ:先ほど冒頭で「時代に合わせて変化するミーハー感」 と言っていましたが、改めて、“ミーハー感”とはどのようなことなのでしょうか?
前田:ミュージシャンには、自分たちの思う方向に突き進んでいくタイプと、トレンドを取り入れていくいい意味でのミーハーなタイプと2つあって、Maroon 5は後者なんじゃないかなと思っていて。僕らandropもどちらかと言うと後者なので、ミーハーな感じはMaroon 5から学ぶことがとても多いです。
あっこゴリラ:なるほど~。
前田:曲を聴いて真似するとかじゃなくて、音色とかテンポ感とか、そういうところはすごく今を捉えてる感じがしますね。
あっこゴリラ:特にMaroon 5で勉強になった曲ってありますか?
前田:勉強というか、好きな曲になっちゃうんですけど、アダムがカニエ・ウェストにフィーチャリングした『Heard'em Say』です。やっぱりアダムって、声に特徴があって聴くとわかる声してるじゃないですか。
あっこゴリラ:うんうん。
前田:それがすごく上手く使われているし、どちらの良さも引き立つっていう意味でもカッコいい曲だなと思います。
【Kanye West feat. Adam Levine『Heard'em Say』を聴く】
結成20年を迎えた現在のMaroon 5
最後に、Maroon 5の現在を掘り下げた。あっこゴリラ:まず大きなニュースとしては、2019年に「スーパーボウル」のハーフタイムショーに出演したことですが、そもそもこの場に出演できるということ自体、正真正銘のモンスターバンドと言ってもいいですよね?
辰巳:そうですね。アダム本人も「今、輝いているバンドは俺たちだけだ」みたいな感じで言ってました(笑)。
あっこゴリラ:おお~! でも間違いない。ゲストのお二人は、結成20年を迎えた現在のMaroon 5についてどう見ていますか?
前田:名実ともにみたいな、もう成熟期に入っちゃって、たぶん何をやってもカッコいいっていう状態だと思うんですよ。そんなMaroon 5の次に取る手はやっぱり気になりますよね。
あっこゴリラ:確かに。どこかで何か勝負してくるのかなって期待しちゃいますよね。辰巳さんはどうですか?
辰巳:キャリア20年を迎えて「ここまで長く売れるのか」と驚きます。音楽スター全体でも、ここまで長くチャートの頂点に君臨するのは稀なんじゃないでしょうか。
J-WAVE『SONAR MUSIC』は月~木の22:00-24:00にオンエア。
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