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吉岡里帆とナイツ・塙 宣之が対談! 役者と芸人が舞台に上がるときの違いは?

吉岡里帆とナイツ・塙 宣之が対談! 役者と芸人が舞台に上がるときの違いは?

お笑いコンビ・ナイツの塙 宣之が、5月に旗揚げした劇団について語った。

塙が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『UR LIFESTYLE COLLEGE』(ナビゲーター:吉岡里帆)。7月25日(日)のオンエア内容をテキストで紹介する。

時事ネタを取り扱うドラマが大好き

塙 宣之は2001年にお笑いコンビ・ナイツを土屋伸之と結成。2008年から3年連続でM-1グランプリの決勝進出を果たし、漫才新人大賞、文化庁芸術祭大衆芸能部門優秀賞など、数々の賞を受賞している。大のドラマ好きである塙は、週に30本以上のドラマを鑑賞しているそうだ。

吉岡:そんなにドラマって観られるものですか?
塙:ながらドラマを推奨していまして。皿洗いをしながら1話を観て、お風呂に入りながら1話を観る。1日に4本から5本のドラマを観ています。
吉岡:すごいですね。

塙は吉岡が出演したドラマ『レンアイ漫画家』(フジテレビ系)も鑑賞済みであることを伝えた。

吉岡:本当に観てくださったんですか!?
塙:全部観ましたよ。当たり前じゃないですか。
吉岡:ありがとうございます。ちなみに、自分が出ていたドラマが4月期だったんですけど、4月期の“最推し”は何だったんですか? 一番面白かったもの。
塙:好みにもよるんですけども、NHKだと『半径5メートル』と『今ここにある危機とぼくの好感度について』でしたね。僕って時事ネタを作るんで、時事ネタを取り扱うドラマが多いNHKに興味が向きますね。ファンタジー系のドラマが好きな人は『レンアイ漫画家』がいいのかなと思います。
吉岡:ドラマの見方が普通の方とは違いますね。ただ「面白い」「面白くない」だけじゃないだけというか。細かく観てくださっている感じがします。
塙:(ドラマを)観過ぎちゃって、エキストラの顔も覚えてきちゃったんですよ。
吉岡:(笑)。

兄の面白さに「敵わない」と感じていた

千葉県出身の塙は3人兄弟の三男として生まれた。どのような幼少期を過ごしてきたのだろうか?

吉岡:どんな少年でしたか?
塙:家族で一番年下なんでね、兄2人からもからかわれてね。大人しい子どもでした。

3人兄弟の次男である塙 尚輝はお笑いタレントのはなわとして活動している。吉岡が「兄弟でお笑いコンビを組むケースは聞くが、別々で売れるパターンは珍しいと思う」とコメントすると、塙は「たまたまでしょうね」と答えた。

吉岡:たまたまなんですかね(笑)!?
塙:世の中の確率的に、むしろ「なんでもっといないんだろう」と思っているんですよね。僕ら世代の43、44歳ぐらいの男って、だいたいダウンタウンさんたちのようなお笑い芸人に影響を受けて、「芸人になりたい」と思っていた人がいっぱいいたわけで。それがたまたま家に2人いただけの話なんですよね。

弟の視点から見た兄・尚輝は幼少期から面白い存在だったと話し、「そもそもが芸人になるような人だった」と語った。

塙:家でも毎日「今日こんなことがあったんだよ」って話でみんなを笑わせて、クラスでも兄は人気者でした。
吉岡:わかりやすく明るい人。
塙:「お笑い芸人ってこういう人がなるんだろうな」って思っていたんですね。僕はどちらかと言うと大人しくて。クラスのなかの3、4人ぐらいを隅っこで笑わせるタイプでした。
吉岡:なるほど。明確にお笑い芸人を目指そうと思ったきっかけはあったんですか?
塙:きっかけは子どもの頃に観た『ドリフ大爆笑』(フジテレビ系)でした。
吉岡:じゃあ、意外とお笑いへの目覚めが早かったんですね。
塙:兄も僕も早かったと思います。たぶんどっちも「こいつ、芸人になりたいんだろうな」っていうのが、なんとなくわかっていたと思いますね。
吉岡:子どもながらにライバル意識は持っていましたか?
塙:当時、兄に対しては面白さで「敵わないな」と思っていましたね。

母親の説得で冷静に将来を考えることができた

塙は吉本興業主宰のオーディション番組「第3回激辛!? お笑いめんたい子」に友だちと出場して優勝。そのままお笑いの道に進むかと思いきや、そこで家族間の衝突が生まれたそう。

吉岡:「お笑いめんたい子」、私初めて聞きました。
塙:第1回の優勝者はカンニング竹山さんです。博多華丸・大吉さんも出場していました。
吉岡:すごい! ちゃんとした大会なんですね。
塙:福岡吉本のスターを作る大会だったんですね。当時は佐賀に住んでいたので大会に参加して、優勝しました。なので、そのまま福岡吉本に所属しなきゃいけなかったんですけど、母親が勝手に断ってしまって。
吉岡:その理由は?
塙:当時、僕は高校生2年生だったんですが、高校3年生の兄がちょうど親に「お笑い芸人になる」と勇気を持って言ったところだったんですね。
吉岡:うわー!
塙:言った直後ぐらいに僕がテレビに出て、お笑いの大会に優勝しちゃったもんだから……。
吉岡:間が悪い(笑)。
塙:そう。母からは「尚輝のことだけで悩んでいるのに、ふざけんな」ってブチギレられました。「福岡吉本に2人連続で芸人になることはできません」って訳がわからないことを言われました(笑)。
吉岡:(笑)。親とは喧嘩にはなりませんでしたか?
塙:もちろん喧嘩になりました。だけど、「もともとは千葉の出身だし、あんたのは嘘の佐賀弁だから。九州で売れたって、もう1回東京で売れないといけないんだ」ってガチの説得をされて。「たしかに母親の言うとおりだな」と心変わりしました。
吉岡:へええ。
塙:たまたま勢いで優勝しちゃったけど、冷静に考えたらそんなに面白い漫才じゃなかったし。
吉岡:すっごく冷静ですね(笑)! 高校生でそんな風に思えるなんて。
塙:そのときはネタを友だちが考えていたんですよ。友達がボケで俺はツッコミをやっていたんですよ。
吉岡:じゃあ、今とは真逆ですね。

棒読みがウリの劇団を旗揚げ!?

塙はお笑い芸人のみならず、役者としても活動。大人気シリーズドラマ『警視庁・捜査一課長』(テレビ朝日系)で奥野親道役を演じている。そんな塙は2021年5月、劇団「劇団スティック」を旗揚げした。

吉岡:活動の幅をすごく広げられていますね。劇団をやりたい気持ちが出てきたのですか?
塙:そうです。気持ちが溢れ出ちゃっています。劇団を観に行くのも好きだったのもあるし、自分の演技が棒読みだってイジられていたのもあって。「逆に棒読みの劇団集団を作ろう」と思いました。
吉岡:それで劇団名がスティックなんですね(笑)。

塙は自身のYouTubeチャンネルで劇団員を募集する動画を公開。240名ほどが応募をしてきたそうだ。

塙:この前、審査で44名まで絞りました。二次審査はZoomを使って、44名全員と10分間リモート面談しました。
吉岡:どんな審査だったんですか?
塙:「棒であること」を審査しました。
吉岡:ええっ(笑)。私たちからしたら真逆のオーディション基準。
塙:演技をやったことがないタクシーの運転手さんとかも応募がありましたよ。「演技は全然わからないんですけど、人生を変えてみたくて」みたいな人が応募者にいます。
吉岡:面白い。すごい劇団になりそうですね。やりたい演目はあるんですか?
塙:まずは朗読劇じゃないですかね。
吉岡:あはは、最高(笑)。最高ですね。朗読劇なんて本当に抑揚がいるものですし、体とか表情で動きが付けられないぶん、相当な表現力が必要なジャンルですからね。これを棒でやるなんて、めちゃくちゃ挑戦的。
塙:そして、タイムリープものね。下手な人が過去と未来のことを話すから訳がわからなくなる。
吉岡:タイムリープものなんてめっちゃ挑戦ですよ! アグレッシブな精神力と想像力が必要で……(笑)。

「劇団スティック」では稽古をほとんどしない予定だという。

塙:劇団員は会社員の人が多いので。みなさん忙しいから、稽古の時間はないですよ。当日集まって1回やるぐらいにします。
吉岡:すごいですね。ちょっとびっくり。私、芸人さんを見ていて恐ろしいなと思うことがあるんですよ。芸人さんって、けっこう土壇場で行動するじゃないですか。
塙:はいはい。
吉岡:私はドラマも映画も舞台も、かなり練習します。家で台詞をずっと反芻して、練習を重ねて「やっと人前でやれる」って気持ちになるんですよ。以前、千鳥さんのお笑いライブにゲスト出演するお話をいただいたのですが、合計で3回の出演で、3回とも練習は1回だけ。私、それにびっくりして。1回の練習で劇場に立つんですよ。
塙:たぶん、正解というものがそもそもでないんですよね。「自分で考えたものを、なんで自分で思ったとおりにやらないといけないんだ」って気持ちになる。
吉岡:なるほど(笑)。
塙:台本の内容なんてお客さんが知らなくてもいいことだし、たぶん芸人はみんなそんな感じなんじゃないかな。今の芸人はみんなシンガーソングライター。自分で書いて自分でやるから、練習する必要がないわけ。要するに、自分で書いた時点でもう覚えているんですよね。

『UR LIFESTYLE COLLEGE』では、心地よい音楽とともに、より良いライフスタイルを考える。オンエアは毎週日曜18時から。

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2021年8月1日28時59分まで

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