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仮に2億円あっても…「映画製作の予算」について、品川ヒロシが感覚を明かす

仮に2億円あっても…「映画製作の予算」について、品川ヒロシが感覚を明かす

お笑いコンビ品川庄司として、また映画監督としても活動する品川ヒロシが、新作映画『リスタート』について語った。映画の予算について明かした。

品川が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『GROOVE LINE』(ナビゲーター:ピストン西沢)のワンコーナー「GROOVE LINE TOKYO NEST」。オンエアは7月15日(木)。品川がメガホンをとった新作映画『リスタート』は7月16日(金)公開。

700人の支援者の想い

映画館で上映される長編を手掛けるのは『リスタート』で5本目になるという品川。今回はクラウドファンディングによって700人が支援し、目標金額の500万円の2倍近くの資金を集めての製作となった。

<あらすじ>
北海道下川町で育った未央は、シンガーソングライターを夢見て上京。
しかし、不本意ながら売れない地下アイドルとして活動していた。

ある日、意図せず起きた有名アーティストとのスキャンダルによって、
世間からのバッシングを受けることに。思い描いていた夢に破れ傷つき、
故郷に帰ってきた未央だったが、家族や友人にも上手く接することが出来ずにいた。

そんな中、同級生の大輝は、未央を思い出の場所へと連れ出す。
自然豊かな景色とその優しさに癒され、未央はゆっくりと前を向き始める―。
映画『リスタート』公式サイトより。

西沢:「作りこみの世界」って全然違うじゃないですか。形が残っちゃうからいい加減にできないというか、テレビと全然違う世界観ですよね。
品川:そうですね。本当に何か月もかけて準備して、一か月かけて撮って、また何か月かけて仕上げるという作業なので。
西沢:ずっとやっているということですよね。
品川:数珠つなぎになっているかもしれないです。
西沢:『リスタート』はいつから始まったプロジェクトなんですか?
品川:2年前に撮り終わってるんです。去年の春ぐらいに公開の予定だったんですけど、やっぱりコロナで延期になって、1年半待って公開という感じです。そうしたらまた緊急事態宣言になって。クラウドファンディングでやらせていただいていてので、これ以上支援してくださった方を待たせられないな、という想いもありました。あとはいつ(緊急事態宣言が)開けていつまたなるか?というタイミングがわからなかったので。
西沢:そもそも北海道の下川町と吉本興業がクラウドファンディングで支援を訴えて、700人からの支援を集めることに成功ということで、そういった形でやったのは初めてなんですか?
品川:初めてです。
西沢:700人もの期待が集まっちゃうと、いままでとまた違いますね。
品川:そうですね。観てもない映画に支援していただくというのは、本当にありがたい反面、いい意味で重たいというか。映画の作り方、考え方が変わりました。いままではスポンサーがいて制作費が用意されてから撮っていたんですが、1人1人の1500円だったり2000円だったりの重さで、初心に返ることができました。

映画製作と予算の関係

700人の支援によって集まったお金の重さについて語った品川は、その使い方について自分なりの想いがあることを明かした。

西沢:映画監督としてリアルにお金の計算とかをしながらやるんでしょうけど、ハリウッドクラスになると何百億円じゃないですか。ああいうのってどうやって管理するんだろうなって、イメージつかなくないですか?
品川:本当にそうですね。ただ、だいたい僕の映画はいままで2億から3億円ぐらいの制作費だったんです。今回は1千万ぐらい、期間は1週間ぐらいで撮ったんですね。結局思うところ、たとえ2億でも「あと5千万あったらな」「あと1億あったらな」と思うんです。1千万でも「あと100万、200万あったらな」と思うんです。きっとハリウッドの人たちも「あと1億あったらな」と思ってるんじゃないかなと思って。
西沢:贅沢だなあ。
品川:でも結局、その規模で考えるじゃないですか。1千万だったら1千万の規模で考えるので。
西沢:見積りというか仕様書みたいなのがどんどん厚くなっていって、管理しきれなくなっていくんでしょうね。
品川:そうですね(笑)。まあお金の計算のプロがいるでしょうし、監督さんはわりと好きなことを言ってというのもあるんでしょうけど。

脚本を書く段階から予算規模を意識して書いているという品川。今回の作品はメイキング映像は自分が撮影するなど、手作り感覚で進めていったというが、それも「楽しいです」と振り返った。

西沢:いろいろなものを経験していくと、監督として準備や作品に対しての計画性とかいろいろなものが見えてきて、どんどん違うものも作れるようになるんでしょうね。
品川:「お金に縛られて夢がない」というのではなくて、使いどころがたとえばクレーンを同じトラックアップとトラックバック(被写体に近づく、遠ざかる撮影方法)を最初と最後に使いたいから、このクレーンだけは譲れない。だからほかはクレーン使わない、という。
西沢:パズルみたいな。
品川:そうできるようにはなりました。
西沢:ステージの上に立ってる人じゃないですね。そこの領域は裏方ですね。
品川:そうですね、映画監督に関しては。だから「出る」とかはあまり考えにくいなと。
西沢:監督さんはやっぱりそういう仕事は大きいんですか。お金と内容のバランスを考える部分。好きなことばっかりはやれないでしょうけど。
品川:考える方と考えない方がいます。完全に作品と向き合う方もいらっしゃいます。やっぱり僕は数多く撮りたいし、世の中に出していきたいという気持ちがあるので、わりとお金のことも考えます。

主人公役の女性は、「ぜってー売れてー!」という言葉で興味を惹かれた

続いて品川は『リスタート』のキャスティングについて語った。主人公の女性シンガー役に音楽ユニットHONEBONEのボーカル・EMILYを起用した理由とは?

品川:下川町に行ってシナリオハンティングと言って、先にロケ地を見てシナリオを書いたんです。それで「この大自然で女の子に歌ってほしいな」と最初に思って、歌のうまい女優さんを探そうと思いながら東京に帰ってきたんです。テレビ東京の『家、ついて行ってイイですか?』という番組が好きで毎週録画しているんですけど、その撮りためたものをたまたま再生したら、EMILYの家にディレクターがついて行ってたんです。そこでアドリブで「じゃあ歌いますよ」って歌ったりとか、それがメチャクチャうまくて。口調が下町っぽくて「ぜってー売れてー!」とか言っていて「面白い子だな」と思って。
西沢:見た目も魅力的ですよね。
品川:そうですね、力強いというか。
西沢:28歳という設定はどうして?
品川:僕が28のときはちょうど30が見えてきて。「30までに売れなかったらやめよう」みたいな、1回考えるんです。夢を続けるか続けないかを考える時期でもあったので28歳という設定にしたんです。本人の実年齢も28だったので。
西沢:ほかにもいろいろな人が出てます。EXILEのメンバーでDOBERMAN INFINITYにも入っているSWAYとか、あとは芸能界のお友だち周りですね。ブラックマヨネーズの小杉竜一さんもいます。
品川:小杉さんとかキングコングの西野亮廣とか(相方の)庄司智春とかは、クラウドファンディングをやったときに出資してくれたんです。普通、お金もらって映画に出るじゃないですか? お金を出してくれて映画に出てくれるという。そういうことも含めて映画とクラウドファンディングがリンクしていったというか。仲間ってありがたいなと。

『GROOVE LINE』では楽曲を紹介しながらゲストとの軽快なトークをお届け。放送は毎週月曜から木曜の18時10分ごろから。

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