サンボマスターのボーカル・ギター、山口 隆がJ-WAVEで6月12日(土)、影響を受けた音楽や、メンバーへの想い、そしてまた6月9日に配信リリースした新曲『ヒューマニティ!』について語った。
山口が登場したのは、J-WAVE(81.3FM)×「MUSIC FUN !」連動企画である、深夜の音楽座談プログラム『WOW MUSIC』。6月のマンスリープレゼンターはマカロニえんぴつのはっとり(Vo/Ba)が担当。
はっとり:僕がバンドを始めようと思ったきっかけはユニコーンだったんですけど、それ以前の日本語ロックとの出会いというか、ロックバンドってカッコいいなって思ったのがサンボマスターでした。
当時、サンボマスターに衝撃を受けたはっとりは、山口が弾く黄色いエレキギターに憧れ、それを模したギターを段ボールで作ったほどだった。
山口:そういうのでロックンロール・ポイントがたまっていくんですよね。素晴らしい。
はっとり:山口さんになりきってました。
山口:恐縮です。ありがとうございます。
一方、山口は中学生の頃にエディー・アンド・ザ・ホット・ロッズのライブアルバムに大きな影響を受けたそうだ。山口は「絶対にこれをやったら楽しいだろうな」「大好きなものをやってるんですよね。それがなんかすげえいいなと思って、俺もこういうのやりたいなって思った」とうれしそうに話す。
山口:他にも、エルヴィス・コステロを聴いたときのうれしさってなくて。あとやっぱり、ザ・ブルーハーツじゃないですか。ザ・ブルーハーツが俺んちまで助けに来てくれたんですから。ノックしたんですから。「何やってんの?」って(笑)。
はっとり:助けに来てくれたんですね。(みうらじゅんの漫画)『アイデン&ティティ』で(主人公のもとにボブ・ディランが)出てきて、隣でハーモニカ吹いている感じですよね。
山口:俺のときは、ディランさんは『クイーン・ジェーン』を歌ってきたね。「うわ、ボブ・ディランだ」みたいな。今でも憧れて、(日本に)来たらなるべく観に行きたいですね。ザ・ローリング・ストーンズが来たときも全部観に行きたいんですよね。
山口:それで歌っていて、「これがいいとは思ってません」とか「これは映画みたくやる」とか言いながらやって。『青春狂騒曲』もそんな感じで。この曲を作ったときは、世界中どこにもないんじゃないかって偉そうな考えがあったんですよ。
はっとり:果てしなくパンクなんだけど、コードにオシャレな響きもあって、確かに新しかったですね。
山口:この曲はそういうふうにできるなと思って、やって。木内くんと近藤くんは才能があるから、それで作りましたね。
はっとり:コードについてもメンバーは言うんですか?
山口:『光のロック』を作ったときに、「すげえいい曲できた」と思って歌ったら全然歌えなくなっちゃって落ち込んでたら、「キーを下げたらどう」って言われて、それで歌えたとかはありますね。近ちゃん(近藤)も木内もすげえ言ってくれるから、俺は3人で曲を作ってると思っているというか。
サンボマスターのように、スタジオで顔を合わせながら楽曲制作するのがいちばん楽しいスタイルだと、はっとりは言う。
はっとり:今はみんなDTMで宅録でやるじゃないですか。ドラムも自分で打ち込めるし。僕も曲作りの入り口はDTMだったんですよ。ドラムのキックのパターンとかも自分の好きな位置にこだわって入れていたから、すごく完成されたデモを自分ひとりで作っちゃうんですよ。それをみんなに渡すと、それを崩されたくないみたいな。その音源に対して愛情が注がれているから、たとえばドラマーが自分の作った違う位置でキックを踏んだときに、それもいいはずなのに「そうじゃない」って言ってしまって、介入の余地をなくしてしまっていて。
山口:わかります。
はっとり:その作り方を最近はやってないんです。今、山口さんがおっしゃったように、メンバーからの意見をもらって、僕が作るのは本当にシンプルなデモで、流動的にスタジオでアレンジが変わっていくような作り方をメインにしだしたら、すごくバンドが楽しくなりました。
山口:けっきょく自分の考えがすげえってなっちゃうと、すげえのは俺じゃなくて音楽なんだって3人でしゃべるというか。偉そうだけど、3人とも正直にしゃべるんですよ。
山口は、メンバー3人で揉めることはなく、結成当時からけんかになったことがないと明かす。
山口:だから解散したくないもん。ソロとかも全然作りたくないし。俺はあのふたりが引き出してくれたっていう思いなんですよね。あのふたりがいなかったら普通にコーヒーとレコード好きでずっと暮らしていたと思う。それはそれで幸せだと思うから。ありがたいことに俺の才能を(世間で良いと)言ってくれるけど、けっきょくその半分は近ちゃんと木内ちゃんのおかげだからね。その代わり、俺の文句の半分もそのふたりのだからね(笑)。そう思って生きています。
はっとり:また新しくて、軽快な感じですね。
山口:「まさか僕らの曲が朝の情報番組のテーマソングになるとは」と思いましたけどね。
はっとり:タイアップとして書き下した感じですか?
山口:そうですね、お話をいただいて。常に漂っている曲がいっぱいあって(笑)、その中から木内ちゃんと近ちゃんとしゃべって選んで、それを完成させたって感じですね。
はっとり:でかける前に聴きたい曲ですよね。うつうつとして家から出てもしょうがないじゃないですか。気持ちを作るために、スイッチを入れる目覚ましソングになるなって感じがして。
山口:ありがとうございます。
はっとりは「歌詞も背中をグッと押してくれる」と話しつつ、「音にこだわりがすごくあるんじゃないか」と山口に問う。
山口:もともと3人とも音をどうやってやるかっていうのを、すごく考えていちいちやっていて。あんまり人様に話すことじゃないかもしれないけど、ヒップな音にしたいわけですよ。生でダンサブルで。だからフレッシュな印象を持つものにしたくて、そこは3人とも頑張って作ったような気がしますね。
山口:何万人か来ていただいたんですけど、空気がすごいんですよ。僕らも特別な空気でいて、いまだに覚えているんだけど、ライブでメンバー3人が3人ともセットリストにない『そのぬくもりに用がある』を一斉に始めたんだよね。ワアーって曲をやって、次にやる曲があったはずなんだけど、いきなり3人とも同時にこの曲を始めて。それはいまだに、こんな不思議なことってあるんだなって。
はっとり:セットリストにはなかったんですか。
山口:なかったんじゃないかな。少なくともあそこでやるはずではないことをやったっていう。そういうのは自分のものを超えたことだと思って、聴いてくださってる方々にそのパワーがいけばいいなって思いましたけど。
はっとり:『そのぬくもりに用がある』だったのはなぜなんですかね。この曲も最高なメッセージソングじゃないですか。それを3人が選んだんですね。
山口:いまだに何でなんだろうなって思います。
山口は「あのライブはいまだに忘れられない」と言う。
山口:ああいうのは自分たちがどうこうじゃないからね。その場で俺たちがライブをさせてもらって音を鳴らさせてもらったっていう。そこで俺ら以上の空気ができあがってたから、俺らの力でも何でもないっていうふうに思って。
はっとり:その場にいるお客さんとか、その日の空気とかでライブは全く予期せぬものに向かっていく、本当に生モノみたいな感じがしますよね。
番組では他にも、山口が、最近ロックだと感じた曲や、今まで観た中で特に印象的なライブについて語る場面などがあった。
『WOW MUSIC』はJ-WAVEで土曜24時-25時。また、『MUSIC FUN !』のYouTubeページには、同番組のトーク動画のほか、ミュージシャンやプロデューサーによる音楽の話が数多く配信されている。
・『MUSIC FUN !』のYouTubeページ
https://www.youtube.com/c/musicfun_jp
山口が登場したのは、J-WAVE(81.3FM)×「MUSIC FUN !」連動企画である、深夜の音楽座談プログラム『WOW MUSIC』。6月のマンスリープレゼンターはマカロニえんぴつのはっとり(Vo/Ba)が担当。
「ザ・ブルーハーツが俺んちまで助けに来てくれた」
はっとりにとってサンボマスターは日本語ロックのバイブルであり、自身が「歌とは叫びだ」というテーマを持ったのは山口の影響だと語る。そんな、はっとりは中学2年生の頃、初めて買ったCDが、サンボマスターが2015年にリリースしたアルバム『サンボマスターは君に語りかける』だった。はっとり:僕がバンドを始めようと思ったきっかけはユニコーンだったんですけど、それ以前の日本語ロックとの出会いというか、ロックバンドってカッコいいなって思ったのがサンボマスターでした。
当時、サンボマスターに衝撃を受けたはっとりは、山口が弾く黄色いエレキギターに憧れ、それを模したギターを段ボールで作ったほどだった。
山口:そういうのでロックンロール・ポイントがたまっていくんですよね。素晴らしい。
はっとり:山口さんになりきってました。
山口:恐縮です。ありがとうございます。
一方、山口は中学生の頃にエディー・アンド・ザ・ホット・ロッズのライブアルバムに大きな影響を受けたそうだ。山口は「絶対にこれをやったら楽しいだろうな」「大好きなものをやってるんですよね。それがなんかすげえいいなと思って、俺もこういうのやりたいなって思った」とうれしそうに話す。
山口:他にも、エルヴィス・コステロを聴いたときのうれしさってなくて。あとやっぱり、ザ・ブルーハーツじゃないですか。ザ・ブルーハーツが俺んちまで助けに来てくれたんですから。ノックしたんですから。「何やってんの?」って(笑)。
はっとり:助けに来てくれたんですね。(みうらじゅんの漫画)『アイデン&ティティ』で(主人公のもとにボブ・ディランが)出てきて、隣でハーモニカ吹いている感じですよね。
山口:俺のときは、ディランさんは『クイーン・ジェーン』を歌ってきたね。「うわ、ボブ・ディランだ」みたいな。今でも憧れて、(日本に)来たらなるべく観に行きたいですね。ザ・ローリング・ストーンズが来たときも全部観に行きたいんですよね。
自分の才能の半分は、近藤洋一と木内泰史のおかげ
はっとりはサンボマスターの『青春狂騒曲』を「メロディーがキャッチー」だと絶賛し、サンボマスターの楽曲制作に迫る。山口は「曲ができているのか、できていないのかわからない状態でベースの近藤くん(近藤洋一)とドラムの木内くん(木内泰史)に聴いてもらう」と話す。山口:それで歌っていて、「これがいいとは思ってません」とか「これは映画みたくやる」とか言いながらやって。『青春狂騒曲』もそんな感じで。この曲を作ったときは、世界中どこにもないんじゃないかって偉そうな考えがあったんですよ。
はっとり:果てしなくパンクなんだけど、コードにオシャレな響きもあって、確かに新しかったですね。
山口:この曲はそういうふうにできるなと思って、やって。木内くんと近藤くんは才能があるから、それで作りましたね。
はっとり:コードについてもメンバーは言うんですか?
山口:『光のロック』を作ったときに、「すげえいい曲できた」と思って歌ったら全然歌えなくなっちゃって落ち込んでたら、「キーを下げたらどう」って言われて、それで歌えたとかはありますね。近ちゃん(近藤)も木内もすげえ言ってくれるから、俺は3人で曲を作ってると思っているというか。
サンボマスターのように、スタジオで顔を合わせながら楽曲制作するのがいちばん楽しいスタイルだと、はっとりは言う。
はっとり:今はみんなDTMで宅録でやるじゃないですか。ドラムも自分で打ち込めるし。僕も曲作りの入り口はDTMだったんですよ。ドラムのキックのパターンとかも自分の好きな位置にこだわって入れていたから、すごく完成されたデモを自分ひとりで作っちゃうんですよ。それをみんなに渡すと、それを崩されたくないみたいな。その音源に対して愛情が注がれているから、たとえばドラマーが自分の作った違う位置でキックを踏んだときに、それもいいはずなのに「そうじゃない」って言ってしまって、介入の余地をなくしてしまっていて。
山口:わかります。
はっとり:その作り方を最近はやってないんです。今、山口さんがおっしゃったように、メンバーからの意見をもらって、僕が作るのは本当にシンプルなデモで、流動的にスタジオでアレンジが変わっていくような作り方をメインにしだしたら、すごくバンドが楽しくなりました。
山口:けっきょく自分の考えがすげえってなっちゃうと、すげえのは俺じゃなくて音楽なんだって3人でしゃべるというか。偉そうだけど、3人とも正直にしゃべるんですよ。
山口は、メンバー3人で揉めることはなく、結成当時からけんかになったことがないと明かす。
山口:だから解散したくないもん。ソロとかも全然作りたくないし。俺はあのふたりが引き出してくれたっていう思いなんですよね。あのふたりがいなかったら普通にコーヒーとレコード好きでずっと暮らしていたと思う。それはそれで幸せだと思うから。ありがたいことに俺の才能を(世間で良いと)言ってくれるけど、けっきょくその半分は近ちゃんと木内ちゃんのおかげだからね。その代わり、俺の文句の半分もそのふたりのだからね(笑)。そう思って生きています。
でかけるときに聴きたくなる曲
サンボマスターは6月9日に新曲『ヒューマニティ!』を配信リリース。この曲は朝の情報番組『ラヴィット!』(TBS系)のテーマソングになっている。サンボマスター / ヒューマニティ! -Prologue Movie-
山口:「まさか僕らの曲が朝の情報番組のテーマソングになるとは」と思いましたけどね。
はっとり:タイアップとして書き下した感じですか?
山口:そうですね、お話をいただいて。常に漂っている曲がいっぱいあって(笑)、その中から木内ちゃんと近ちゃんとしゃべって選んで、それを完成させたって感じですね。
はっとり:でかける前に聴きたい曲ですよね。うつうつとして家から出てもしょうがないじゃないですか。気持ちを作るために、スイッチを入れる目覚ましソングになるなって感じがして。
山口:ありがとうございます。
はっとりは「歌詞も背中をグッと押してくれる」と話しつつ、「音にこだわりがすごくあるんじゃないか」と山口に問う。
山口:もともと3人とも音をどうやってやるかっていうのを、すごく考えていちいちやっていて。あんまり人様に話すことじゃないかもしれないけど、ヒップな音にしたいわけですよ。生でダンサブルで。だからフレッシュな印象を持つものにしたくて、そこは3人とも頑張って作ったような気がしますね。
いきなり3人とも同時に曲を始めて…
トークは印象的なライブの話題に。山口は東日本大震災が発生した2011年9月に福島県で開催されたライブイベント「LIVE福島 風とロックSUPER野馬追」での不思議な体験を語った。山口:何万人か来ていただいたんですけど、空気がすごいんですよ。僕らも特別な空気でいて、いまだに覚えているんだけど、ライブでメンバー3人が3人ともセットリストにない『そのぬくもりに用がある』を一斉に始めたんだよね。ワアーって曲をやって、次にやる曲があったはずなんだけど、いきなり3人とも同時にこの曲を始めて。それはいまだに、こんな不思議なことってあるんだなって。
はっとり:セットリストにはなかったんですか。
山口:なかったんじゃないかな。少なくともあそこでやるはずではないことをやったっていう。そういうのは自分のものを超えたことだと思って、聴いてくださってる方々にそのパワーがいけばいいなって思いましたけど。
はっとり:『そのぬくもりに用がある』だったのはなぜなんですかね。この曲も最高なメッセージソングじゃないですか。それを3人が選んだんですね。
山口:いまだに何でなんだろうなって思います。
山口は「あのライブはいまだに忘れられない」と言う。
山口:ああいうのは自分たちがどうこうじゃないからね。その場で俺たちがライブをさせてもらって音を鳴らさせてもらったっていう。そこで俺ら以上の空気ができあがってたから、俺らの力でも何でもないっていうふうに思って。
はっとり:その場にいるお客さんとか、その日の空気とかでライブは全く予期せぬものに向かっていく、本当に生モノみたいな感じがしますよね。
番組では他にも、山口が、最近ロックだと感じた曲や、今まで観た中で特に印象的なライブについて語る場面などがあった。
『WOW MUSIC』はJ-WAVEで土曜24時-25時。また、『MUSIC FUN !』のYouTubeページには、同番組のトーク動画のほか、ミュージシャンやプロデューサーによる音楽の話が数多く配信されている。
・『MUSIC FUN !』のYouTubeページ
https://www.youtube.com/c/musicfun_jp
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マカロニえんぴつ・はっとり(6月マンスリープレゼンター)