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「掃除は自分を敬う行為」やついいちろうの意見に、のんも興味津々!

「掃除は自分を敬う行為」やついいちろうの意見に、のんも興味津々!

女優・創作あーちすと のんと、お笑いコンビ・エレキコミックのやついいちろうが対談。ジャンルレスに活躍する、やついの思いに迫った。

ふたりがトークを展開したのは、5月16日(日)放送のJ-WAVEのPodcast連動プログラム『TOPPAN INNOVATION WORLD ERA』のワンコーナー「FROM THE NEXT ERA」。のんは同番組の毎月第3週目のナビゲーターを務めている。

昨年「YATSUI FESTIVAL!」が挑戦したフェスの形

やついはお笑いやDJとしても活躍するほか、以前、のんも出演した東京・渋谷エリア最大の大型エンタメ・フェス「YATSUI FESTIVAL!」を主宰する。

新型コロナウイルスの影響により、昨年は視聴無料のオンラインフェスとなり、今年の6月19日(土)と6月20日(日)に開催の「YATSUI FESTIVAL! 2021」は、昨年同様の視聴無料のオンラインフェスと有観客フェスのふたつを軸とした新たな挑戦をする予定だ。

・「YATSUI FESTIVAL! 2021」公式サイト
https://yatsui-fes.com/

やつい:今年、「YATSUI FESTIVAL!」は10周年なんですよ。
のん:おめでとうございます! 本当に大型フェスだから大変ですよね。
やつい:こんなにしれっと10年もやってる人っていないんじゃないですかね。去年も緊急事態宣言が出たので、無観客ライブしかできなくて。でも、やるつもりだったのでチケットは売っちゃってたんですよ。まわりのフェスが全部中止になっていって、僕らも中止せざるを得なくなっていたんですけど、ただ中止にするのもあれだから、無観客ライブをしようとなったんです。でも、(オンライン)チケットを有料にする場合はただただ見るだけになると思ったんです。

本来、「YATSUI FESTIVAL!」は渋谷のいくつものライブハウスを貸し切って、観客はそこを周遊するかたちで楽しむフェスだったが、昨年は有観客ライブができなかった。やついは、たとえ有料のオンライン配信をするとしても、その周遊の楽しさは提供できないかと考えた末、YouTubeやニコニコ生放送など、さまざまなオンライン・プラットフォームをライブハウスに見立てて、観客がオンライン上で周遊することを思いついた。

やつい:ただ、その仕組みだとお金は取れないなと思ったんです。プラットフォームごとにお金を取られたら、こんなつまんないフェスってないから(笑)。とにかく自由に動けるようにって考えたら、それは無料だと。でも、無料だとお客さんはいいけど、僕らは出演者にギャランティーを払わなきゃいけないから、そのお金を集めるためにクラウドファンディングをしました。お客さんからお金をもらって、それを出演者にあげようと企画しました。
のん:新しいライブのかたちでしたよね。
やつい:いまだに誰もやってないですね。理由は簡単です。1円ももうからないから(笑)。
のん:そうですよね。
やつい:だから、誰も僕の歩く道には歩いてこなかったですね(笑)。
のん:そっか(笑)。
やつい:誰にもまねされなかった。1円ももうからないんだもん。でも、お客さんは周遊しているような気持ちになれたって言ってくれて。
のん:すごいです。
やつい:あれはすごかったですね。

今年は有観客ライブもやりつつ、昨年同様にさまざまなプラットフォームを使ってのオンライン配信もする予定だ。現在、大規模なオンライン配信にかかる費用のクラウドファンディングを実施している。

・「YATSUI FESTIVAL! 2021」クラウドファンディング支援プロジェクト
https://yatsui-fes.myshopify.com/

のん:ぜひみなさん、クラウドファンディングに参加してください。
やつい:ぜひ、お願いいたします!

人の評価は変わるけど、掃除は裏切らない

お笑い芸人やDJなど、さまざまジャンルで活躍しているやついは、それぞれの場で意識の違いはあるのだろうか。

やつい:これをやっている、あれをやっているっていうのはほとんどないです。最近、僕はおじいちゃんになろうってずっと言ってるんです。
のん:おじいちゃん?
やつい:今、「老後をはじめました」ってキャッチフレーズで生きてるんです。
のん:えっ、今おいくつでしたっけ?
やつい:46歳なんですけど。
のん:老後をはじめたんですか?
やつい:そう。みんな若返ろうとするんで。
のん:ああ、なるほど!
やつい:誰よりも(先に)老後をはじめようと思ったんですよ。本当に老後になるときに、めちゃくちゃプロになっていようって思っていて。だから今はそっちのほうで活動しているので。老後を活動している。
のん:えっ!?
やつい:「芸人とかDJとかいろんなことをやってますね」って言うよりは、「むしろいちばんやっているのが部屋の掃除ですけどね」っていうふうに思っちゃうんですよね。

やついは独自の掃除の方法があるそうで、のんはそれに興味を寄せる。

やつい:掃除をするっていうのは、自分を敬う行為なんだよ。のんちゃんは俳優さんでしょ。歌手もやっている。自分の演技をほめられたり、自分の作品が評価されたらうれしいでしょ?
のん:うれしいですね。
やつい:逆に言えば、けなされたら嫌じゃん。
のん:嫌ですね。
やつい:それってギャンブルだよね。人の流れなんて絶対に変わるじゃない。でも、掃除は絶対的に変わらないから。100パーセントきれいになって、自分がきれいなところに鎮座してるって考えてみて。俺は仏像の考え方を応用しているの。
のん:仏像の考え方(笑)。
やつい:伊勢神宮に行くと、めちゃくちゃきれいなの。それはみんながずっと掃除してるから。やっぱり神様はきれいなところにいるわけよ。敬われているわけ。だから気持ちよさそうじゃない。それで、自分が神様だってことに気づいて、自分の神殿はきれいにするべきだって思ったわけ。きれいだとまつられてるような気持ちになるなって。
のん:へえ!
やつい:めちゃくちゃ敬われているなって気持ちになったのよ。「これだ!」って思って。

やついは、部屋がきれいだと自己評価が高くなり、部屋が汚いと自己評価がどんどん低くなるという。

のん:自分を神様と考えたら。
やつい:そう。きれいだとものすごく気持ちがいいのよ。だから少しでも汚れようものなら「無礼な!」って気持ちになるわけよ(笑)。
のん:“やつ神さま”ですね。
やつい:そう!

自分が考えて実現をすることを決めていれば、必ずできる

あらゆるジャンルの壁を突破し、エンターテインメントを届けてきたやつい。のんが「自身の突破ストーリーは?」と訊くと、やついは「去年はあらゆる扉が開いた瞬間だった」と答えた。

やつい:エレキコミックの単独ライブやフェス、DJイベント、お客さんと一緒に旅行に行くなど、僕は毎年やっていることが必ずあったけど、去年は全部ダメって言われて。だけど、結局中止せずに全部やったんですよ。フェスみたいにオンライン化したり、お客さんが入れられる瞬間に観客を募集してやったりとか。去年みたいな状況でも全てができたってことは、どういう状況であれ、自分が考えて実現をするってことをまず自分で決めていれば、必ずできるなと思いましたね。
のん:ああ、すごい。
やつい:去年はここ何年間かでいちばんの突破ストーリーなのかなって。
のん:大いなる突破ですね。

やついは自身の“突破”を支えた曲として、ライトガールズ(やついいちろう×Sundayカミデ)の『Like this music』を選曲した。

やつい:(去年)ライトガールズのライブをすごくやったんですよ。東京じゃできないけど、そのときは大阪、京都、神戸とかではできたから、自分で企画して誰にも呼ばれてないのに行ったり。曲を作れとか、CDを出せって誰にも言われてないのに、毎回新曲を作って4、5曲できたのかな。作ったからどっから出そうかって感じで、(『Like this music』は)出た曲なんですよ。

「自分が求められているからやるとか、締め切りがあるからやるとかそういう考えでは全くない。締め切りもない。やれとも言われてもない。だけれど、自分が自分ためにやるという仕事の作り方が、ある意味で今の時代っぽい」と、やついは言う。

やつい:人がやってくれっていう仕事をやっているうちは、その人のオファーがなくなったらできないってことだから。だけど、誰もオファーしてないのにやるってことは、一生やれるってことじゃない。そういう仕事っていうのもあるなっていうか。それをずっとやっていきたいなと思いました。『Like this music』はそのきっかけになった曲ですね。

やついいちろうの最新情報は、オフィシャルTwitterまで。

番組は、J-WAVEのポッドキャストサービス「SPINEAR」などでも聴くことができる。

・SPINEAR
https://spinear.com/shows/innovation-world-era/

『INNOVATION WORLD ERA』では、各界のイノベーターが週替りでナビゲート。第1週目はライゾマティクスの真鍋大度、第2週目はASIAN KUNG-FU GENERATION・後藤正文、第3週目は女優で創作あーちすとの「のん」、第4週目はクリエイティブディレクター・小橋賢児。放送は毎週日曜日23時から。

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2021年5月23日28時59分まで

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番組情報
TOPPAN INNOVATION WORLD ERA
毎週日曜
23:00-23:54