J-WAVEの番組『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』(ナビゲーター:中井智彦)。4月2日(金)の放送では、女優のシム・ウンギョンがリモートで登場。映画『新聞記者』の裏話や日本に興味を持ったきっかけ、ミュージカル初挑戦となる『消えちゃう病とタイムバンカー The Vanishing Girl & The Time Banker 』について語った。
映画『新聞記者』を観た中井は「父への悲しみの記憶などたくさんの壁にぶつかるなか、シムさん(が演じる役)の表情と息づかいに、観ている僕の心拍数も上がっていく感じがした」と感想を述べた。
中井:新聞記者の吉岡を演じるうえで、どんなことにこだわりましたか?
シム:記事を書かなきゃという必死さというか。何よりも『新聞記者』は、映画全体のメッセージがとても大事な映画だったので、吉岡を通して、映画『新聞記者』が伝えたいメッセージは何なのかをずっと悩みながら撮影しました。彼女が持っている責任感を私も一緒に演じながら。吉岡はこの映画を通して何を言いたいのかがとても大事なポイントだったというか。それでお芝居も少し違ったりしたので、その映画のメッセージ性をちゃんと頭に入れて、ずっとそれを考えながら失わないよう大切にしていました。
中井:吉岡はすごく意思の強い女性ですよね。父のこともあって、それを貫き通して、誰に何と言われようがっていう強さが印象的でした。
シム:そういう彼女の内面が見えるのが大事だと思ったので、その必死さをどういうふうに、どういう表情で、どういうお芝居で見せたらいいのかすごく悩んで、映画を撮った20日間で痩せて(笑)。
中井:あの役は大変だと思います。
シム:悩みすぎて痩せちゃいました(笑)。
シム:高校生のときから日本文化にハマって。最初はJ-POPでしたね。音楽から好きになって、安室奈美恵さんや日本のビジュアル系バンドの音楽が大好きで。
中井:どんなバンドですか?
シム:X JAPANはもちろん、BUCK-TICK、BOØWY、GACKTさんの曲もよく聴きました。
中井:僕も高校のときバンドが大好きで、X JAPANとかをコピーさせてもらっていました。
シム:よくカラオケに行って歌ったりしていましたが、最近は新型コロナでカラオケに全然行けないので。ビジュアル系バンドの音楽が大好きなので、日本で音楽の仕事ができたらビジュアル系の音楽ができるのかなと思って(笑)。
中井:意外ですね。シムさんの演じている様子からロックな感じはしなかったので、シムさんのなかに流れている音楽がビジュアル系ってすごくうれしくて。
シム:ありがとうございます。今でもビジュアル系の音楽は大好きでよく聴いていますね。音楽自体が大好きなので、いつか音楽の仕事もできたらうれしいなと思います。
歌うのも大好きだというシム。韓国の映画『怪しい彼女』では劇中でシムが歌っているが、実はもともとシムが歌う予定ではなかったと明かす。
シム:もともと別の歌手の歌を録音する予定で、だから自分の声じゃなかったんです。でも自分の声じゃないと完全にその役ができないと思って、全部で4曲でしたが、それを全て歌いたいと言いました。
中井:シムさんから提案したんですね。
シム:そうです。それから1カ月半くらいボーカルレッスンを受けて録音しました。
中井:幼い頃に声楽を習っていたそうですが、それ以外は本格的に歌を歌われていたわけではないんですね。
シム:そうですね。
中井:でもビジュアル系バンドが好きで、ずっと歌い続けていたんですよね。
シム:バンドをやりたくてギターやドラムに興味があって。私はあまり歌が上手と思わなかったので、ボーカルじゃなくて楽器のパートをやりたいとずっと思っていたんです。
【あらすじ】
悪徳企業「時間銀行」に勤め、人の時間を搾取することを生業とする世界一冷酷な男・灰原ルイ(坂東巳之助)は、ある日、世界一感情が激しい女・M(シム・ウンギョン)に出会い、恋に落ちた。初めての感情が芽生える灰原。だがMは、悲しくなると体の一部が消えてしまう新種の病気「消えちゃう病」を患っていた……。予想を超える展開と、個性豊かな登場人物たちが織りなす、奇妙なラブストーリーの行く末は──
(公式サイトより)
中井:なぜ今回ミュージカルに挑戦しようと思ったんですか?
シム:ミュージカルに挑戦することよりも、この作品の台本、そして演出家・長久 允さんが興味深かったので、やりたいと思いました。
中井:最初に台本を読んだ印象はどうでしたか?
シム:読み終わったあとに「うわ、なにこれ?」と思いました(笑)。今まで読んだことのない台本というか。自分が演じるMという役も、今まで自分が演じたことのないキャラクターだったので、「本当に長久さんが私にくれた台本ですか?」って事務所に連絡して(笑)。それくらい、なぜ長久さんは私をこの貴重な役にキャスティングしてくれたのか、最初はその理由が知りたかったですね。
シムが演じるのは、世界一感情が激しい女・M。映画『新聞記者』の役柄を知る中井は、「役の振れ幅がすごい」と感じたという。
中井:Mってシムさんから見てどんな人物ですか?
シム:いま絶賛稽古中で、Mは感情の振れ幅がすごいキャラクターですけど、そのなかでとてもピュアなところもあり、繊細なキャラクターでもあるんじゃないかと稽古しながら改めて感じています。
中井:Mとシムさんが重なる部分はありますか? 繊細な部分はシムさんが持っているものとすごく近いのかなと勝手に思っているんですけど。
シム:そういうところじゃないかなと自分も思います。でも私はこの作品の世界一冷酷な男・灰原ルイの設定や台詞に共感できたというか。自分ではMのように感情が激しいと思っていないので。
中井:なるほど。淡々と決まった仕事をしっかりやって時間を守る灰原のほうがシムさんに近いと。
シム:最初はそうでした。でも稽古をやりながら感じたのは、(Mは)繊細でピュアだからこそ素直に自分の心や感情を表現できるキャラクターなんじゃないかなと思います。この作品は灰原とMのそれぞれの話になっていますが、今の世の中に生きている私たちの感情についてのお話じゃないかなと思っています。
中井:Mは全てを正直に吐露してくれるからこそ、僕らに訴えかけるものがあるのかな。Mって人間的ですよね。
シム:そうですね。正直で「私はこんな人間だよ」「こんな弱い人間だよ」って叫んでいる、勇気のある人物だと思います。
最後に、シムがミュージカルの見どころを語った。
シム:今までのミュージカルの音楽とは違う、新しい音楽や歌になるんじゃないかなと思います。私を含め、出演者のみなさんも自分のキャラクターの個性を引っ張って歌う感じになるので、お客さんにとって新しく感じられるんじゃないかなって。そして自分自身も本当に楽しみにしているのが舞台美術です。きっと華やかで新しい舞台美術になるんじゃないかなと思いつつ、どんなかたちで出来上がるのか、それが役者のお芝居と合わさりながら、どんなふうに見えるのかワクワクしています。
『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』では、ミュージカル俳優の中井がゲストを迎えて、ミュージカルの話や作品の解説など、さまざまな形でミュージカルの魅力をお届けする。放送は毎週金曜の22時30分から。
悩みすぎて痩せてしまった
シムは1994年、韓国生まれ。9歳でテレビドラマでデビューして以来、数多くのドラマや映画に出演。2017年から日本でも活動を開始。2020年、映画『新聞記者』で吉岡エリカ役を演じ、日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞した。映画「新聞記者」
中井:新聞記者の吉岡を演じるうえで、どんなことにこだわりましたか?
シム:記事を書かなきゃという必死さというか。何よりも『新聞記者』は、映画全体のメッセージがとても大事な映画だったので、吉岡を通して、映画『新聞記者』が伝えたいメッセージは何なのかをずっと悩みながら撮影しました。彼女が持っている責任感を私も一緒に演じながら。吉岡はこの映画を通して何を言いたいのかがとても大事なポイントだったというか。それでお芝居も少し違ったりしたので、その映画のメッセージ性をちゃんと頭に入れて、ずっとそれを考えながら失わないよう大切にしていました。
中井:吉岡はすごく意思の強い女性ですよね。父のこともあって、それを貫き通して、誰に何と言われようがっていう強さが印象的でした。
シム:そういう彼女の内面が見えるのが大事だと思ったので、その必死さをどういうふうに、どういう表情で、どういうお芝居で見せたらいいのかすごく悩んで、映画を撮った20日間で痩せて(笑)。
中井:あの役は大変だと思います。
シム:悩みすぎて痩せちゃいました(笑)。
日本に興味を持ったきっかけはビジュアル系バンド?
シムが日本で活動するようになったきかっけは、高校時代にまでさかのぼる。シム:高校生のときから日本文化にハマって。最初はJ-POPでしたね。音楽から好きになって、安室奈美恵さんや日本のビジュアル系バンドの音楽が大好きで。
中井:どんなバンドですか?
シム:X JAPANはもちろん、BUCK-TICK、BOØWY、GACKTさんの曲もよく聴きました。
中井:僕も高校のときバンドが大好きで、X JAPANとかをコピーさせてもらっていました。
シム:よくカラオケに行って歌ったりしていましたが、最近は新型コロナでカラオケに全然行けないので。ビジュアル系バンドの音楽が大好きなので、日本で音楽の仕事ができたらビジュアル系の音楽ができるのかなと思って(笑)。
中井:意外ですね。シムさんの演じている様子からロックな感じはしなかったので、シムさんのなかに流れている音楽がビジュアル系ってすごくうれしくて。
シム:ありがとうございます。今でもビジュアル系の音楽は大好きでよく聴いていますね。音楽自体が大好きなので、いつか音楽の仕事もできたらうれしいなと思います。
歌うのも大好きだというシム。韓国の映画『怪しい彼女』では劇中でシムが歌っているが、実はもともとシムが歌う予定ではなかったと明かす。
映画『怪しい彼女』予告編
中井:シムさんから提案したんですね。
シム:そうです。それから1カ月半くらいボーカルレッスンを受けて録音しました。
中井:幼い頃に声楽を習っていたそうですが、それ以外は本格的に歌を歌われていたわけではないんですね。
シム:そうですね。
中井:でもビジュアル系バンドが好きで、ずっと歌い続けていたんですよね。
シム:バンドをやりたくてギターやドラムに興味があって。私はあまり歌が上手と思わなかったので、ボーカルじゃなくて楽器のパートをやりたいとずっと思っていたんです。
なぜ私をキャスティングしたのか知りたかった
シムが出演するミュージカル『消えちゃう病とタイムバンカー The Vanishing Girl & The Time Banker』が、4月から東京芸術劇場と梅田芸術劇場でスタートする。シムはこの作品がミュージカル初挑戦となる。ミュージカル『消えちゃう病とタイムバンカー The Vanishing Girl & The Time Banker 』
悪徳企業「時間銀行」に勤め、人の時間を搾取することを生業とする世界一冷酷な男・灰原ルイ(坂東巳之助)は、ある日、世界一感情が激しい女・M(シム・ウンギョン)に出会い、恋に落ちた。初めての感情が芽生える灰原。だがMは、悲しくなると体の一部が消えてしまう新種の病気「消えちゃう病」を患っていた……。予想を超える展開と、個性豊かな登場人物たちが織りなす、奇妙なラブストーリーの行く末は──
(公式サイトより)
中井:なぜ今回ミュージカルに挑戦しようと思ったんですか?
シム:ミュージカルに挑戦することよりも、この作品の台本、そして演出家・長久 允さんが興味深かったので、やりたいと思いました。
中井:最初に台本を読んだ印象はどうでしたか?
シム:読み終わったあとに「うわ、なにこれ?」と思いました(笑)。今まで読んだことのない台本というか。自分が演じるMという役も、今まで自分が演じたことのないキャラクターだったので、「本当に長久さんが私にくれた台本ですか?」って事務所に連絡して(笑)。それくらい、なぜ長久さんは私をこの貴重な役にキャスティングしてくれたのか、最初はその理由が知りたかったですね。
シムが演じるのは、世界一感情が激しい女・M。映画『新聞記者』の役柄を知る中井は、「役の振れ幅がすごい」と感じたという。
中井:Mってシムさんから見てどんな人物ですか?
シム:いま絶賛稽古中で、Mは感情の振れ幅がすごいキャラクターですけど、そのなかでとてもピュアなところもあり、繊細なキャラクターでもあるんじゃないかと稽古しながら改めて感じています。
中井:Mとシムさんが重なる部分はありますか? 繊細な部分はシムさんが持っているものとすごく近いのかなと勝手に思っているんですけど。
シム:そういうところじゃないかなと自分も思います。でも私はこの作品の世界一冷酷な男・灰原ルイの設定や台詞に共感できたというか。自分ではMのように感情が激しいと思っていないので。
中井:なるほど。淡々と決まった仕事をしっかりやって時間を守る灰原のほうがシムさんに近いと。
シム:最初はそうでした。でも稽古をやりながら感じたのは、(Mは)繊細でピュアだからこそ素直に自分の心や感情を表現できるキャラクターなんじゃないかなと思います。この作品は灰原とMのそれぞれの話になっていますが、今の世の中に生きている私たちの感情についてのお話じゃないかなと思っています。
中井:Mは全てを正直に吐露してくれるからこそ、僕らに訴えかけるものがあるのかな。Mって人間的ですよね。
シム:そうですね。正直で「私はこんな人間だよ」「こんな弱い人間だよ」って叫んでいる、勇気のある人物だと思います。
最後に、シムがミュージカルの見どころを語った。
シム:今までのミュージカルの音楽とは違う、新しい音楽や歌になるんじゃないかなと思います。私を含め、出演者のみなさんも自分のキャラクターの個性を引っ張って歌う感じになるので、お客さんにとって新しく感じられるんじゃないかなって。そして自分自身も本当に楽しみにしているのが舞台美術です。きっと華やかで新しい舞台美術になるんじゃないかなと思いつつ、どんなかたちで出来上がるのか、それが役者のお芝居と合わさりながら、どんなふうに見えるのかワクワクしています。
『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』では、ミュージカル俳優の中井がゲストを迎えて、ミュージカルの話や作品の解説など、さまざまな形でミュージカルの魅力をお届けする。放送は毎週金曜の22時30分から。
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