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LiLiCo、自分を見失ったときに観て…生涯ナンバーワン映画『歓びを歌にのせて』を語る

LiLiCo、自分を見失ったときに観て…生涯ナンバーワン映画『歓びを歌にのせて』を語る

J-WAVEの番組『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』(ナビゲーター:中井智彦)。6月26日(金)のオンエアでは、映画コメンテーター・LiLiCoが登場。ミュージカル映画について語りつくした。


■話し出したら止まらない! ミュージカル映画の魅力

映画コメンテーターとしても活躍するLiLiCoは、年間300~400本の映画を鑑賞。中井とのミュージカル映画トークは、序盤から大いに盛り上がった。

中井:僕は昔のミュージカル映画が好きで、それこそ『サウンド・オブ・ミュージック』ってそうじゃないですか。舞台と映画が共にできていく作品や『グリース』とかが好きです。
LiLiCo:あ、私の大好きな(作品)。私が8歳ぐらいのときに観て、勘違いしちゃったのよ。「女は黒いエナメルに真っ赤な口紅じゃないとモテない」っていうふうに思っちゃった。だから今、こういうふうになっちゃったのよ。
中井:素敵です!
LiLiCo:いやいや、若干引いてるじゃないですか(笑)。でもやっぱり、ジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン=ジョンの、『グリース』のサントラって今聴いても通用するじゃないですか。
中井:最高ですよ。アガります。あのDVDをもう一度また観直したんですけど、眠れなくなりましたもんね。
LiLiCo:私、遊園地は「踊るところ」だと思ってる(笑)。
中井:あはは(笑)。あれだけ盛り上がるエンディングはないですよね。
LiLiCo:最後は車が飛んじゃうからね(笑)。
中井:最高ですよね。あの時代のあのキャストでしかできなかったというものが映画として残っているのが、ミュージカル映画の好きなところです。
LiLiCo:けっこう無茶でもあるけどね。ジョン・トラボルタもオリビア・ニュートン=ジョンも、あのときはもう30歳ぐらいだったので、とてもじゃないけど学生ではない(笑)。
中井:確かに学生には見えない(笑)。だから僕は「向こうの学生はこんなに大人っぽいんだ」って思いながら観てましたよ。
LiLiCo:あのころは『サタデー・ナイト・フィーバー』とか『ステイン・アライブ』で、ジョン・トラボルタが一番イケイケのとき。のちに『ヘアスプレー』とかもやりましたけど。
中井:あれだけ格好よくてセクシーなジョン・トラボルタが、のちに女性役(エドナ・ターンブラッド)を『ヘアスプレー』でやるってすごくないですか? すごくチャーミングで少しぽっちゃりした女性の役をやるなんて、あのころのジョン・トラボルタからは想像ができない。そういうところを、昔の映画で観るのも好きです。
LiLiCo:役者で好きになると、その人の人生とかも全部観られるからいいよね。前に『グリース』のハリウッド版なのかな? ミュージカルで来たときに観に行ったんだけど、そのときのキャストの声がジョン・トラボルタにそっくりだったの。
中井:寄せていたんですね。
LiLiCo:そう! めちゃくちゃ似ていて。でも日本人って『グリース』はあんまりよくわからないみたい。
中井:たぶん生活習慣が違い過ぎるから。
LiLiCo:だってスタンディングオベーションが私だけ。オンリーワンだから途中で座っちゃった(笑)。
中井:あはは(笑)。


■生涯ナンバーワンの作品『歓びを歌にのせて』

LiLiCoにとってのナンバーワン・ミュージカル映画は『キャンプ』。サマーキャンプにいる若者たちが、ミュージカルを作るというストーリーだ。しかし、人生ナンバーワンの作品は、ミュージカル映画ではなく、スウェーデン映画『歓びを歌にのせて』だという。

LiLiCo:音楽がすごく印象的。『歓びを歌にのせて』は2005年に日本で公開されたんですけど、それからずっと15年間ナンバーワン。ミュージカル映画としてのナンバーワンではなくて、生涯ナンバーワンの映画に今でもなっている。ちょうど私、2005年のときに35歳だったんですね。仕事はすごくうまくいっていたんですけど、人にあわせてしまってどんどんと自分を失ってしまって。みんな「LiLiCoはLiLiCoを持っている」と思っているんだけども、全然自分の時間もなくて「自分は誰なんだ?」って感じのときにこれを観たんです。

『歓びを歌にのせて』の主人公は指揮者のダニエル・ダレウス。しかしLiLiCoが注目したのはガブリエラだった。病に倒れて第一線から退くことになったダニエルが、ふるさとの田舎町に戻って出会ったのが、歌を愛するコーラス隊のメンバー・ガブリエラだった。

LiLiCo:ガブリエラは夫からDVを受けているのね。でも歌っているときだけは幸せで家に帰りたくない。それを指揮者が見抜くわけ。それでソロの歌を書くんですよ。その歌が強くて、人生で聴いたなかで、歌詞もメロディも素晴らしい。これは戸田奈津子さんが字幕をつけているんだけど、スウェーデン語だと、1回英語になって日本語になるのね。だから試写会に行くと「違うよ」と思うときがあるの(笑)。私はスウェーデン語がわかるので「ここは1回英語にしたから日本語がこうなっちゃった、残念!」って心のなかでいつもツッコミを入れるんだけど、この歌詞の戸田奈津子さんの和訳は完ぺきだった。

歌を聴いたLiLiCoは、その内容に深く感銘を受けたという。

LiLiCo:地球の歴史の中で私たちが生きられるのはほんの一瞬だけ。もちろん自分の人生ではあるんだけど、どうしてもそれを忘れてしまう。でもガブリエラの歌は「自分の人生を生きた」ということに気付くという歌詞なのね。私はライブでよく歌うんですけど、スウェーデン語なのでチンプンカンプンになっちゃうから、歌詞をうしろに載せるんですよ。みんな泣いてますね。本当にすばらしい歌詞です。メロディもうしろのコーラスもすごくきれい。




■中井とスウェーデン語の出会い

LiLiCoは「日本人からしてみるとスウェーデン語の符割はたぶん、人生でほぼ聴いたこともないようなもの」と語ると、中井はスウェーデン語に初めて触れたときのエピソードを明かした。

中井:大学時代にミュージカルのCDをジャケット買いするのが好きだったんです。それで初めて手に取ったミュージカルアルバムが『CHESS』で、しかもスウェーデンキャストだったんです。格好よかったから『CHESS』というだけで買って、観てみたらスウェーデン語で「あー、全然わからない!」と思って(笑)。歌っているのもスウェーデン語でした。

その後、中井は2020年1~2月に上演された日本版『CHESS THE MUSICAL』に出演した。

中井:スウェーデン語で初めて触れた『CHESS』が僕のなかでは忘れられなくて。ブロードウェイキャスト版とかを聴いたなかで、スウェーデン版が実は一番好きです。祖国への想いというのがスウェーデン語で書いてあるからこそ伝わる感じがしましたね。

『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』では、ミュージカル俳優の中井がゲストを迎えて、ミュージカルの話や作品の解説など、さまざまな形でミュージカルの魅力をお届けする。放送は毎週金曜の22時30分から。

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年7月3日28時59分まで)
  PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』
  放送日時:毎週金曜 22時30分-23時
  オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/musical/

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