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ステージの上で、自分を“誰か”に乗っ取られたい。スガ シカオが斉藤由貴に明かす心境

ステージの上で、自分を“誰か”に乗っ取られたい。スガ シカオが斉藤由貴に明かす心境

J-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:スガ シカオ)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガ シカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。

3月7日(日)の放送では、デビュー35周年記念アルバム『水響曲』をリリースした斉藤由貴と「1966年のNY」を空想ドライブする様子をお届けした。

ニューヨークで見た夜景

斉藤とスガが生まれたのは1966年ということもあり、この日のドライブテーマは「1966年のNY」。斉藤がニューヨークを選んだのは、芸能界に入って間もないころにアメリカを横断した仕事の思い出があることを明かした。

斉藤:ニューヨーク、フィラデルフィア、南の方とか、それからロサンゼルスまで。
スガ:端から端まで行ったんだ。
斉藤:飛行機ですけど何か所か転々と……という、レポート番組的なものなのかな? それでニューヨークに行ったときにヘリコプターに乗せてもらえたんです。
スガ:夜景を見るツアーのやつね。
斉藤:そう! そのときのゴージャスでバーッと広がっていく感動。摩天楼って人工物だけどダイレクトに本能というか人間の核に訴えてくる迫力がありますよね、大自然じゃないのに。
スガ:そのころは、まだニューヨークは危ないころだよね。
斉藤:そうでしたか?
スガ:うん。同じぐらいの21、22(歳)のころに俺も行ったんだけど、ちょっと怖くて歩けなかった地域とかいっぱいあったしね。
斉藤:でも私いつだったか、けっこう安全になったころだったかもしれないけど、夜中の12時すぎに1人で地下鉄に乗ったりしてましたけどね(笑)。
スガ:危険です!
斉藤:平気でしたよ?
スガ:いやいや(笑)、平気だったとしても。それは別にニューヨークが安全だったとしてもだいぶ危ないですよ、やめてください。
斉藤:ねえ(笑)。なんかそういうことをなんとも思わない人なんですよね。
スガ:なんかイメージと違って、ブワーッとヤンチャなほうに行っちゃう話がけっこうあるよね。
斉藤:そういう人生なんだと思う(笑)。
スガ:ワハハハハ!
斉藤:困ったね。よくわからないけどなんかね「あっ面白そう」と思ったら、とりあえずその景色を見てみたくなるんですよね。だってキラキラしてワクワクするようなものがあったら、見てみたくなりませんか?
スガ:かっこいい!
斉藤:かっこつけました。スガさんの金髪を見ていたらそういう気持ちになっちゃって。
スガ:キラキラはそこからかい!
斉藤:(笑)。

スガのコンサートの爆発感に感動

スガは大人になると人はリスクを考えて躊躇をしてしまうことが多いとして、斉藤の性格について「すごくうらやましい」とコメント。斉藤はスガのアーティストとしての印象について語った。

斉藤:スガさんはものすごく慎重で、ものすごく閉塞的な感じがします。
スガ:おいおい、全然褒めてねーだろ。
斉藤:そう、あんまり褒めてないけど。
スガ:(笑)。
斉藤:何年か前の「EX THEATER ROPPONGI」のコンサートに呼んでいただいて。閉塞した感覚から自分も勢いあまって傷つけるようにナイフを振り回して、バーン!と爆発していく感じ? あのサウンドが私はなんかすごく感動して。だから向かっていくスピード感というのは、私がキラキラしたものに藪から棒にバッて行っちゃう感じと方向性は違いこそすれ、そのスピード感をスガさんはわかっているんじゃないかと思うんですけどね。あのコンサートは怖かったですよ?
スガ:そう(笑)? 俺はたぶん実生活でそういうことに躊躇しちゃうというか「本当は自分、行きたいんじゃん」と思っているのにブレーキがかかっちゃう自分もすごく嫌い。という実生活でのいろいろな想いがライブのときにバーッて爆発するんだよね「こんなの嫌だ!」みたいなさ。
斉藤:そう、爆発感がハンパない。だからお客さんはみんなその爆発を観に行っているんだろうなという感じがすごくする。
スガ:ヘー! そうなんだ。
斉藤:みんな折り合いをつけながら過ごしているでしょ? でもその非リアル感というか、瞬間的なバックドラフトというか、あの感じをスガさんに求めているんだと私はすごく感じた。
スガ:なるほどねえ。
斉藤:ノックアウトされました。
スガ:そんな風に感じていただけて非常にうれしいですね、ありがとうございます。

カリスマアーティストを見て気づいたこと

斉藤はこの日最後のドライブミュージックにビリー・ホリデイの『Blue Moon』をセレクト。ビリーについて分析をしていくうちに、話題は「アーティストとしての在り方」へとシフトしていった。

スガ:この曲もたくさんの人が歌ってますね。ビリー・ホリデイはジャズボーカリストとしての位置づけですけども、エラ・フィッツジェラルドとかサラ・ヴォーンとかレジェンドジャズボーカリストは「歌がうまい」とかいうレベルじゃないところで歌を歌うから、なんか「ビリー・ホリデイという人形がいて、誰かに歌わされている感」がすごいんだよね。
斉藤:えー、面白い!
スガ:すごいボーカリストやカリスマ的な人たちを見てると、なんか誰かに後ろから操られている感じがする。
斉藤:目に見えない特別な存在に、みたいなことなのかな?
スガ:運命なのか神様なのかわからないけど、そういうものに操られて。
斉藤:すごくいいことを言う。
スガ:ビリーもそうですけど、それを感じることが多いんです。これは俺の勝手な感想なんだけど、だいたいそういうカリスマ的な使命を持って操り人形のように歌わされている人は、最近のJ-POPのなかにもいっぱいいるんです。もちろんビリー・ホリデイとかまでの話じゃないんだけど(笑)。明らかにそういう感じの人がいて。そういう人に聞くとみんな同じことを言うんだよね。自分じゃなくて、自分はもうちょっと離れたところで見ていて「こういう風にやったらいいんじゃない?」というアドバイスみたいなものが聞こえてきたり、パッと思いついたりして、歌っている自分にアドバイスをしたりとか。
斉藤:やっぱりそういう存在がいるってことなのかな?
スガ:自分から離れているところで俯瞰で見ちゃう自分がステージの上にいるんだって。
斉藤:へー!

スガは“なにか”に操られるように表現をするアーティストは、あるときに「このままだと短命で終わっちゃうけど、どうする?」という質問が投げかけられる瞬間がやってくると説明をした。

スガ:(そのときに)「俺はもうこのまま歌に全部捧げるから」と言うと、みんな若くして死んじゃう。だけど「私はそれよりも人間としてちゃんと生きて生きたいかな、まだ結婚もしてないし」みたいな感じだと、そこからスッと離れていって、だんだん時間をかけて普通の人、普通のアーティストに戻っていく、という風になってるみたい。俺は最近気づいたんだけど。
斉藤:話を聞いて、すごく切ない気持ちになりました。でも、きっとそれってよしあしじゃなくて、単に「人生の選択」なんだろうなと思う。
スガ:女優さんは自分じゃない人が入り込んで役を演じるじゃない? でもずっとそれではいられない、いつかは自分のほうに戻らないとマズイ。でも多分そういうカリスマの人たちっていうのはずっと戻れないんだよね。女優さんなんかは一時的にそういった状態に陥るし、俺たちもステージに上がるときは、“誰か”に乗り移られるように心を開いてやらないと。自分ひとりの力でステージで歌おうと思ってもとても2時間はもたないから。
斉藤:そうですね、そう思う。
スガ:だから心を開いてその時間だけでも誰かに乗っ取ってもらおうと、いつも俺はステージをやっているんだけど。
斉藤:その話を聞いて、コンサートの秘密がちょっとわかった感じがする。
スガ:そうか、そうかもしれないですね。

斉藤の最新情報は、公式サイトまで。

スガが空想ドライブをナビゲートする『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』のオンエアは、毎週日曜21時から。

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2021年3月14日28時59分まで

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番組情報
Mercedes-Benz THE EXPERIENCE
毎週日曜
21:00-21:54
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