J-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:スガ シカオ)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガ シカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。
2月14日(日)の放送では、“百獣の王”武井 壮をドライブパートナーに招き、「1998年のゴルフ留学時代」をテーマに空想ドライブをした。ここでは、ゴルフ未経験から留学テストに合格した話など、武井の驚異的な身体能力がわかるエピソードをお届けする。
陸上の印象も強い武井だが、ゴルフ留学経験がある。その理由を尋ねた。
武井:この前年まで陸上競技をやっていて、1997年に日本選手権という国内の試合と、日本インカレという学生の選手権のどちらも優勝して、国際大会も2つぐらい優勝して……。
スガ:もうそこですごい(笑)。
武井:一番いい年だったんです。記録も10種目中10種目伸びてる、その年がまだ陸上3年目の年だったので、だから「これから記録が伸びるのに」というときだったんです。翌年はアジア大会とかユニバーシアードがほぼ決まっていて、大きな国際大会にデビューするのが決まっていた年だったんです。だから誰もがそのまま陸上をやるだろうと思っていたんですけど。
スガ:いわゆるエースですよね。
今後の活躍を期待されていた武井はその年に大学を卒業。舞い込んできた社会人陸上のオファーは年棒800万だったという。武井は通っていた神戸学院大学のすぐ近くに本拠地があった、オリックスバファローズの同い年の選手、イチローがはるかに高い年棒で活躍していることに「同じスポーツで同じ日本一なのに、こんなに差があるのか」と愕然。「そうじゃない!」と、ゴルフの世界に飛び込んだそう。
スガ:ゴルフやったことあったんですか?
武井:ないっす、ゼロです。
スガ:ゼ……(笑)。
武井:ゼロ(笑)。
スガ:ゼロで留学できるんだ。
武井:ゴルフメーカーのトライアウトみたいなのがあったんです。アメリカのキャンプでゴルファーを育てるという。タイガー・ウッズが衝撃的なデビューをしていたころだったので「アメリカで日本のスーパースターを育てよう」という某ゴルフメーカー主催のキャンプが始まって。その特待生を募集するテストをやっていて、そこに僕は応募をして「ゴルフやったことないんですけど受けさせてください」って受けに行ったら、当時の僕の体力は日本でだれも勝てないぐらいだから。
スガ:身体能力に関してね。
武井:そうなんです。それでもう、全種目ぶっちぎりの1位で。
スガ:(笑)。
武井:初日が体力テストで全種目ぶっちぎり。2日目がゴルフのドライバーを打って、その弾道を測定するっていうテスト。ドライバーなんか持ったことないから(笑)。
スガ:(笑)。
武井:その会場に世界ジュニアチャンピオンの子がいたんですよ。その子に「ちょっとどうやって持って、どうやって振っているのか教えてくれ」と言って。
スガ:もう漫画っすね!
世界ジュニアチャンピオンから基本的なスイングのレクチャーを受けた武井。1球目は空振りしたが、2球目は快音を立てて命中。歓声が上がったものの、100メートル以降は大きく右にそれていってしまう。しかし、クラブを振るときに計測した「ヘッドスピード」の数値が驚異的だったのだとか。
武井:振ったスピードがジャンボ尾崎さんとタイガー・ウッズの間だったんです。
スガ:ハッハッハッハ!
武井:「ヤベー、スゲーやつが来たぞ」ってなって(笑)、合格しちゃったんです。全額免除でアメリカでゴルフをさせてくれるという権利をいただいて。「(陸上と)どっちにしよう?」となって「まあゴルフだね」と。タイガーがそのとき50億とか稼いでたので。
スガ:「俺も50億いくんじゃないか」と。
武井:800万だったら50億だろうっていう安直な感じで(笑)。
スガ:基礎的なことがすごいと、そういう試験は受かっちゃいますよね。もしかしたらゴルフ以外でも受かっちゃってたかもしれない。
武井:そのあと日本に帰ってきて野球の社会人チームの入団テストを受けたら、それも一発で受かりました。体力系だと落ちるものがないんですよ。
スガ:いやあすごい話、面白いですね。
MBUX:武井 壮さんは1973年生まれ、現在47歳。幼少期から柔道、空手や野球などを体験。大学から始めた陸上で10種競技日本チャンピオンになります。100メートル走ベスト記録の10秒54は、2015年まで10種競技100メートルの日本最高記録でした。タレント活動で忙しくなってからも陸上競技のマスターズ大会に随時出場。2013年のブラジルの世界マスターズ陸上競技選手権大会、男子200メートルでは銅メダルを獲得。翌2014年にはM40クラスの4×100メートルリレーにチームのアンカーとして出場し、同種目のマスターズ世界記録に100分の5秒差にせまる42.25秒で優勝。そして2015年にはM40クラスの4×100メートルリレーに日本代表のアンカーとして出場して優勝。その実力を世界に示しました。現在は50代でのゴルフのシニアツアー参戦を目指しています。
スガ:すげえなあ……。
武井:10種競技の選手がこのタイムで走るというのは、当時は衝撃でした。異例の日本代表に入れるレベルだったので。
スガ:10種競技って、まだそこまでメジャーじゃなかったですか?
武井:そうですね。ただ当時『デカスロン』(小学館)という10種競技をモチーフにした漫画がはやっていて、ちょっとブームになったころなんです。だけどできる人があまりいないので、そんなに(選手)人口はいなかったです。
スガ:普通は1種でいっぱいいっぱいですよね。
武井はアメリカのアリゾナにある都市、フェニックスから車で10分ほどのギルバートという町を拠点にして、毎朝5時から夕方8時まで練習するというゴルフ漬けの日々を送っていた。移動中の車のラジオから流れる音楽に元気づけられたそう。
スガ:ゴルフはガンガン上達していったんですか?
武井:10か月でベストが73までいったんです。
スガ:スッゲエ……。
武井:だけど僕は1年でUSPGA(全米プロゴルフ選手権)のQスクールのファーストステージを通る、というのが目標だったんです。
スガ:それはどのくらいですか?
武井:4日間やって大体5アンダーぐらいは出さないと。だから毎日アンダーを出してないとダメな状況なので、ベストが73だともう絶対に届かないんです。ベスト65ぐらいを持っていて、やっと通るかどうかな?みたいな感じなんですよ。それを1年でできたらそれを生業(なりわい)にしようと思っていたんです。1年じゃないとニュースバリューがないから。
スガ:そうなの!?
武井:3年もやったら、そういう子はいるから。だからやっぱり「1年でアメリカのQT(Qualifying Tournament)を通った男」という肩書が欲しくて始めたんですけどそれが無理だったので、途中でリタイアして帰ってきました。
スガ:何年間いたんですか?
武井:3年いたんです、もうちょっとゴルフを覚えようと思って。ほかのスポンサーもつけてアメリカに滞在して3年後に帰ってきました。まあでもそのときには「芸能で使える武器が1個できた」と思ってたので。そのときには「芸能を30(歳)すぎたらやる」って決めてたから。
スガ:そうなの!?
武井:実は兄貴が元俳優をやっていて、僕が22のときに、24でガンで亡くなっちゃったんです。
スガ:そうか、伺ったことがあります。
武井:その代わりに「30からは」と。スポーツは20代頑張って、30からは2人分やってやろうという目標だったんです。ゴルフのテレビ番組はすごく多いし、扱うニュースも多い、ゴルフと野球は絶対身に着けておくべきだと思ってたので、その1段階はもう達成したなという感じでした。
スガ:すげえ、計画的にちゃんと進んでいるな。
武井:そうなんです。無鉄砲そうに見えるんですけど、意外と戦略を練るタイプです。
スガが空想ドライブをナビゲートする『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』のオンエアは、毎週日曜21時から。
※記事の初出時、内容に誤りがありました。記事を訂正して、お詫びいたします。(J-WAVE NEWS編集部/2021年2月24日)
2月14日(日)の放送では、“百獣の王”武井 壮をドライブパートナーに招き、「1998年のゴルフ留学時代」をテーマに空想ドライブをした。ここでは、ゴルフ未経験から留学テストに合格した話など、武井の驚異的な身体能力がわかるエピソードをお届けする。
超人的な体力! ゴルフ未経験ながら留学テストに合格
スガにとって武井は「会いたい方の1人」だったとのこと。Twitterで相互フォローをしたことがきっかけで今回の出演が実現した。陸上の印象も強い武井だが、ゴルフ留学経験がある。その理由を尋ねた。
武井:この前年まで陸上競技をやっていて、1997年に日本選手権という国内の試合と、日本インカレという学生の選手権のどちらも優勝して、国際大会も2つぐらい優勝して……。
スガ:もうそこですごい(笑)。
武井:一番いい年だったんです。記録も10種目中10種目伸びてる、その年がまだ陸上3年目の年だったので、だから「これから記録が伸びるのに」というときだったんです。翌年はアジア大会とかユニバーシアードがほぼ決まっていて、大きな国際大会にデビューするのが決まっていた年だったんです。だから誰もがそのまま陸上をやるだろうと思っていたんですけど。
スガ:いわゆるエースですよね。
今後の活躍を期待されていた武井はその年に大学を卒業。舞い込んできた社会人陸上のオファーは年棒800万だったという。武井は通っていた神戸学院大学のすぐ近くに本拠地があった、オリックスバファローズの同い年の選手、イチローがはるかに高い年棒で活躍していることに「同じスポーツで同じ日本一なのに、こんなに差があるのか」と愕然。「そうじゃない!」と、ゴルフの世界に飛び込んだそう。
スガ:ゴルフやったことあったんですか?
武井:ないっす、ゼロです。
スガ:ゼ……(笑)。
武井:ゼロ(笑)。
スガ:ゼロで留学できるんだ。
武井:ゴルフメーカーのトライアウトみたいなのがあったんです。アメリカのキャンプでゴルファーを育てるという。タイガー・ウッズが衝撃的なデビューをしていたころだったので「アメリカで日本のスーパースターを育てよう」という某ゴルフメーカー主催のキャンプが始まって。その特待生を募集するテストをやっていて、そこに僕は応募をして「ゴルフやったことないんですけど受けさせてください」って受けに行ったら、当時の僕の体力は日本でだれも勝てないぐらいだから。
スガ:身体能力に関してね。
武井:そうなんです。それでもう、全種目ぶっちぎりの1位で。
スガ:(笑)。
武井:初日が体力テストで全種目ぶっちぎり。2日目がゴルフのドライバーを打って、その弾道を測定するっていうテスト。ドライバーなんか持ったことないから(笑)。
スガ:(笑)。
武井:その会場に世界ジュニアチャンピオンの子がいたんですよ。その子に「ちょっとどうやって持って、どうやって振っているのか教えてくれ」と言って。
スガ:もう漫画っすね!
世界ジュニアチャンピオンから基本的なスイングのレクチャーを受けた武井。1球目は空振りしたが、2球目は快音を立てて命中。歓声が上がったものの、100メートル以降は大きく右にそれていってしまう。しかし、クラブを振るときに計測した「ヘッドスピード」の数値が驚異的だったのだとか。
武井:振ったスピードがジャンボ尾崎さんとタイガー・ウッズの間だったんです。
スガ:ハッハッハッハ!
武井:「ヤベー、スゲーやつが来たぞ」ってなって(笑)、合格しちゃったんです。全額免除でアメリカでゴルフをさせてくれるという権利をいただいて。「(陸上と)どっちにしよう?」となって「まあゴルフだね」と。タイガーがそのとき50億とか稼いでたので。
スガ:「俺も50億いくんじゃないか」と。
武井:800万だったら50億だろうっていう安直な感じで(笑)。
スガ:基礎的なことがすごいと、そういう試験は受かっちゃいますよね。もしかしたらゴルフ以外でも受かっちゃってたかもしれない。
武井:そのあと日本に帰ってきて野球の社会人チームの入団テストを受けたら、それも一発で受かりました。体力系だと落ちるものがないんですよ。
スガ:いやあすごい話、面白いですね。
武井のスポーツマン人生を振り返る
スガも思わず「すごい」を連呼するスポーツの超人、武井はどのような人生を歩んできたのか? スガは「Hi, Mercedes」と話しかけるだけで起動する対話型インフォテイメント・システム「MBUX」に尋ねた。MBUX:武井 壮さんは1973年生まれ、現在47歳。幼少期から柔道、空手や野球などを体験。大学から始めた陸上で10種競技日本チャンピオンになります。100メートル走ベスト記録の10秒54は、2015年まで10種競技100メートルの日本最高記録でした。タレント活動で忙しくなってからも陸上競技のマスターズ大会に随時出場。2013年のブラジルの世界マスターズ陸上競技選手権大会、男子200メートルでは銅メダルを獲得。翌2014年にはM40クラスの4×100メートルリレーにチームのアンカーとして出場し、同種目のマスターズ世界記録に100分の5秒差にせまる42.25秒で優勝。そして2015年にはM40クラスの4×100メートルリレーに日本代表のアンカーとして出場して優勝。その実力を世界に示しました。現在は50代でのゴルフのシニアツアー参戦を目指しています。
スガ:すげえなあ……。
武井:10種競技の選手がこのタイムで走るというのは、当時は衝撃でした。異例の日本代表に入れるレベルだったので。
スガ:10種競技って、まだそこまでメジャーじゃなかったですか?
武井:そうですね。ただ当時『デカスロン』(小学館)という10種競技をモチーフにした漫画がはやっていて、ちょっとブームになったころなんです。だけどできる人があまりいないので、そんなに(選手)人口はいなかったです。
スガ:普通は1種でいっぱいいっぱいですよね。
ゴルフの経験も糧に スガも感心する武井の戦略
同番組では、ゲスト&スガが空想ドライブミュージックを選ぶ。武井はシェール『Believe』をピックアップした。武井はアメリカのアリゾナにある都市、フェニックスから車で10分ほどのギルバートという町を拠点にして、毎朝5時から夕方8時まで練習するというゴルフ漬けの日々を送っていた。移動中の車のラジオから流れる音楽に元気づけられたそう。
スガ:ゴルフはガンガン上達していったんですか?
武井:10か月でベストが73までいったんです。
スガ:スッゲエ……。
武井:だけど僕は1年でUSPGA(全米プロゴルフ選手権)のQスクールのファーストステージを通る、というのが目標だったんです。
スガ:それはどのくらいですか?
武井:4日間やって大体5アンダーぐらいは出さないと。だから毎日アンダーを出してないとダメな状況なので、ベストが73だともう絶対に届かないんです。ベスト65ぐらいを持っていて、やっと通るかどうかな?みたいな感じなんですよ。それを1年でできたらそれを生業(なりわい)にしようと思っていたんです。1年じゃないとニュースバリューがないから。
スガ:そうなの!?
武井:3年もやったら、そういう子はいるから。だからやっぱり「1年でアメリカのQT(Qualifying Tournament)を通った男」という肩書が欲しくて始めたんですけどそれが無理だったので、途中でリタイアして帰ってきました。
スガ:何年間いたんですか?
武井:3年いたんです、もうちょっとゴルフを覚えようと思って。ほかのスポンサーもつけてアメリカに滞在して3年後に帰ってきました。まあでもそのときには「芸能で使える武器が1個できた」と思ってたので。そのときには「芸能を30(歳)すぎたらやる」って決めてたから。
スガ:そうなの!?
武井:実は兄貴が元俳優をやっていて、僕が22のときに、24でガンで亡くなっちゃったんです。
スガ:そうか、伺ったことがあります。
武井:その代わりに「30からは」と。スポーツは20代頑張って、30からは2人分やってやろうという目標だったんです。ゴルフのテレビ番組はすごく多いし、扱うニュースも多い、ゴルフと野球は絶対身に着けておくべきだと思ってたので、その1段階はもう達成したなという感じでした。
スガ:すげえ、計画的にちゃんと進んでいるな。
武井:そうなんです。無鉄砲そうに見えるんですけど、意外と戦略を練るタイプです。
スガが空想ドライブをナビゲートする『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』のオンエアは、毎週日曜21時から。
※記事の初出時、内容に誤りがありました。記事を訂正して、お詫びいたします。(J-WAVE NEWS編集部/2021年2月24日)
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