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ライブハウスの現状は? 04 Limited Sazabys・GENが「ダイアモンドホール」店長に聞く

ライブハウスの現状は? 04 Limited Sazabys・GENが「ダイアモンドホール」店長に聞く

J-WAVEで毎週月曜から木曜に放送中の番組『THE KINGS PLACE』。注目のアーティストが曜日ごとにナビゲーターを務める番組だ。

2021年1月から、コロナ禍を生きるバンドマン、ライブ関係者など、音楽に携わるすべての人の力を結集して全面リニューアルを行い、積極的に未来を模索していくアーティスト番組に生まれ変わった。

1月の月曜ナビゲーターは04 Limited Sazabysのベース、ボーカルのGEN。1月18日(月)に放送された「KINGS MEETING ~BACK TO LIVE HOUSE~」のコーナーでは、名古屋のダイアモンドホールの店長・野口さんと電話をつなぎ、GENとライブハウスの現状やこれからを語り合った。

ダイアモンドホールは憧れの場所

ダイアモンドホールは、04 Limited Sazabysにとって非常に重要な場所だとGENは話す。

GEN:ダイアモンドホールは憧れの場所で、聖地というか、目指した場所のひとつでした。
野口:とは言いながら、この場所を軽く乗り越えて大きくなってしまって。
GEN:いやいや、ダイアモンドホールでワンマンライブをしたときは、メンバーや関係者一同、本当にエモくて。ここまで来たなっていう日があったんですけど。
野口:確かに、感慨深いものはあったね。
GEN:僕らバンドマンとして出演はもちろん、高校生の頃から遊びにも行かせてもらってますし、大学生の頃に一度深夜のテクノイベントに行ってたことがあって。
野口:覚えてる。「こいつ、こういう音楽も好きなんだ」とか、「下心があって来たのかな」って思った(笑)。
GEN:あはは(笑)あのときに野口さんと会って、「おまえは本当にけしからんな」とか言われましたよね(笑)。

ライブハウスの現状「こんなアンダーグラウンドな人までも、ちゃんと対策しているんだな」

そんなGENと関係の深い野口さんは、コロナ禍におけるライブハウスの現状をこう伝える。

野口:去年からの厳しい状況が続く中で、1月にまた愛知県も緊急事態宣言が出たんだけど、恐ろしいことに気持ち的には動揺することがなくなっちゃったんだよね。慣れではないんだけど、心の準備はこの1年でしっかりできていたから、可能な限りはそこに従ってということで、しっかり対策をして歩みを止めることはないかなと思ってるかな。
GEN:僕も同じ気持ちで、去年こういう状況になってから少しずつ一歩進んで、ガイドラインができて、それに従ってライブをするようになって、そして今回、緊急事態宣言というかたちになったんですけど。

GENは最近、ハードコアバンド・MEANINGのライブに行ったという。

GEN:MEANINGのギタリストの川ちゃん(川口総統閣下)が脱退と言うことでライブハウスに行ったんです。シークレットでゲストにその日限定で復活したA.O.Wも出たんですけど、地下だしハードコアだし、復活したバンドも出るライブなので、ぐちゃぐちゃになっちゃうんじゃないかと思ったんです。
野口:そうだね。
GEN:でも、人数制限もちゃんとしているし、観客みんなはモッシュとかしたくてウズウズした気持ちをグッとこらえて、ライブハウスの人たちも短縮要請された営業時間を守って、「こんなアンダーグラウンドな人までも、ちゃんと対策しているんだな」って感動しました。
野口:みんながそれぞれに工夫して、自分の店やバンドを守ることをしっかりやっていると思いますね。

ライブハウスが悪者にされるのは本当に悔しい

ダイアモンドホールはコロナの対策として、ソーシャルディスタンスを守ることや、消毒の徹底、そして人数制限などを行っている。

野口:ダイアモンドホールの収容は通常のライブハウスよりも大人数で、そこで1人、2人コロナにかかっている人がいたとしても、クラスターを出さない、感染を広げないことが一番重要なのかなと思ってるかな。
GEN:クラスターを起こさないことが大前提なんですね。ダイアモンドホールくらい大きい箱でも、収容人数は通常の半分くらいになっているんですよね。
野口:今は座りで200人、立ちでも300人って感じなので。
GEN:感染対策で収容人数は減ったけど、仕事は増えている状況ですよね。
野口:本当にそうだよ(笑)。
GEN:だから、ライブハウスが悪者にされるのは本当に悔しいんですよ。僕はこれだけライブハウスはしっかりと対策しているぞって発信していきたいいんです。

野口さんは、アーティストから「まだまだ(状況が)厳しい」という声を耳にするという。

野口:バンドがコロナを原因に残念ながら活動が止まってしまうことも聞くし、さらに言えばモチベーションが下がっているとも耳にしますね。
GEN:それぞれの生活環境もあるから、メンバーの価値観の違いで脱退することもありますからね。
野口:それはしかたがない話でもあるけど。
GEN:今、野口さんは世の中にこうしてほしいなどありますか?
野口:やっぱり医療従事者へのリスペクトはもっとあってもいいんじゃないかと思っています。みなさん、よくやっていると思うから。
GEN:そこは給料をグッと上げるとか、もっと大きな支援をしてほしいですよね。
野口:もっともっと対応してほしいなと思いますね。
GEN:医療従事者だから僕らのライブに来たいけど来られないとか、そういう声もすごく届いているので。
野口:だから、ライブハウスはいいから、そこは十分伝えてもらったから、マスコミのみなさんはもっと伝えるべきことがあると思います。

ライブハウスで教わった、大切なこと

最近、ライブハウスでは少しずつ有観客のライブも増えてきた。GENは「やっぱりお客さんあってのライブだなって感じているアーティストも多い」と話す。

野口:ライブって目で見て、出る音を聴くだけじゃなくて、体で感じることが大きいんだなって、コロナ禍で再認識したかな。
GEN:配信ライブも有観客もやって、あらためて気付かされた生のライブの魅力って何がありましたか?
野口:久しぶりにライブハウスでライブを聴くと、大きい音って気持ちいいんだよね。
GEN:気持ちいいですよね。野口さんも話されていましたけど、体が音楽なっているような感覚というか。そして、同じ空間にいるっていう事実にもグッとくるので。

GENは04 Limited Sazabysの無観客ライブを振り返り「ミュージックビデオを撮っているような気持ちになった」と明かす。

野口:でも、04 Limited Sazabysの場合はライブハウスでほぼ無観客時代が長いからね(笑)。
GEN:対バンしかお客さんがいないみたいなことがよくありましたけど(笑)。だから、無観客ライブは慣れてるといえば慣れてるんですけどね(笑)。

GENは名古屋にあるライブハウス「APOLLO BASE(旧・アポロシアター)」のブッキングマネージャー・伊藤さんとの思い出を語りはじめた。

GEN:昔、僕はよくアポロシアターでフライヤーを配らせてもらいに行ってたんです。そのときに一度、「勝手なことしてんな」と伊藤さんに怒られたことがありまして。
野口:ははは!(笑)
GEN:僕らはまだアポロ(シアター)に立てるようなバンドじゃなかったので、アポロにちょっと売れているバンドとか来たときはフライヤーを配りに行ってたんです。でも、「おまえ誰だ?」って感じになって、「フライヤーを配るのはいいけど、やるんだったらちゃんとあいさつしろ」って言われたんです。
野口:そこにいるお客さんは、その場所にいるお客さんだからね。
GEN:間違いないです。それから毎回、僕はフライヤーを自分で作って、伊藤さんに「今日、フライヤーを配らせてもらいたいですけど、いいですか?」って話して、「いいよ」って言ってくれて、そこから伊藤さんが「主催者にも確認取りなよ」って言って、いろんな人を紹介してくれたり、売れているバンドが来たときに紹介してくれたりとかして、そういう一手間を加えることによって、グッとやりやすくなるし、つながるし、本当にあのときに教えていただけてよかったなと思いました。
野口:ライブハウスはそういう教育もするところなのでね。
GEN:僕みたいなのが丁寧にあいさつすると「意外とちゃんとしているな」ってなるじゃないですか(笑)。
野口:まあ、最初はみんなが知らなくて当然だからね。

最後に野口さんは「今は元に戻そうとは思わなくて、新しい世界に入ったと思うので、コロナと共存していく覚悟はできているので、ライブハウスに来れるようになったら、みんなに来てほしいと思っている」と呼びかけた。

04 Limited Sazabysの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。

新時代音楽王たちの集い『THE KINGS PLACE』の放送は、毎週月曜から木曜の25時から。

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2021年1月25日28時59分まで

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番組情報
THE KINGS PLACE
月・火・水・木曜
25:00-26:00