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ドラマの脚本、どう作る? 『おっさんずラブ』『私の家政夫ナギサさん』脚本家・徳尾浩司が明かす

ドラマの脚本、どう作る? 『おっさんずラブ』『私の家政夫ナギサさん』脚本家・徳尾浩司が明かす

J-WAVEで放送中の番組『SEASONS』(ナビゲーター:マリエ)のワンコーナー「MAKE TOMORROW BEAUTIFUL」。9月19日(土)のオンエアでは、大ヒットドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)や『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)を手がけた脚本家・徳尾浩司がリモート出演。脚本をどう作っていくのか、コロナ禍で作品制作に変化があったかを訊いた。

人からストーリーを作ることが多い

キャラクターがイキイキと動くドラマは、どのように脚本を作るのだろうか。

マリエ:『私の家政夫ナギサさん』はコミックが原作ですよね。こういった作品の場合、どういうふうに脚本を書かれるのでしょうか?
徳尾:作品によって登場人物が異なるので、「このドラマにはどんな人たちが出るのか」をまず把握します。そして、ドラマ全体の話を考えたときに「こういう人がストーリーに必要だな」と考えます。だから人からストーリーを作ることが多いですね。話を変えずに書けるものの場合は、もちろん原作を重視して脚本を執筆します。
マリエ:「このキャラクターはこの女優さんがいいな」みたいなことを想像しながら脚本を書かれますか?
徳尾:女優さんが決まっている場合は、その女優さんをイメージしながら書いていますね。決まっていない場合は「こういう人がいいですね」と監督やプロデューサーと話しながら一緒に作っていくことが多いですね。
マリエ:想像力がすごく必要なお仕事ですね。
徳尾:そうですね。ドラマを作る前に、映像を思い浮かべて脚本にしているイメージです。
マリエ:すごい。
徳尾:そして、その脚本を監督や役者さんたちが素晴らしい形で立体化してくださるんですね。

コロナ禍でドラマのシーンも変わる

今年は新型コロナによって、数多くのドラマが開始延期を余儀なくされた。『私の家政夫ナギサさん』も例外ではない。

徳尾:『私の家政夫ナギサさん』は当初、4月から放送が始まる予定だったんですけども、新型コロナウイルスの影響によって撮影が2カ月ほどストップしてしまったんです。撮影が始まってからも、リハーサルではみんなフェイスガードをしていました。僕は自宅での作業だったのですが、ドラマ関係者の方たちは「絶対に感染者を出さないぞ」というケアがすごく大変だったと思います。
マリエ:この経験によって、新しいストーリーが生まれるきっかけはありましたか?
徳尾:そうですね。マスクを付けないと人に会えないという状況になりましたので、時代背景を考える必要がありました。ドラマというのは時代に沿ったものが多いですから、ドラマの設定を2020年にするのか2019年にするのかで、ドラマ内の生活が大きく変わります。
マリエ:たしかに! これから撮影するドラマの場合ですと、マスク着用が必須になることも考えられるわけですね。
徳尾:フィクションとして視聴者が観たいものかどうかも同時に考えないといけないですし、すごく難しい問題です。満員電車のシーンは観ていて不安になると思って書き換えました。
マリエ:おもしろいなあ。ドラマの新しい未来を考えさせられます。

スマホで即興劇のお題出しに参加できる!

徳尾が主宰する劇団「とくお組」のオンライン連動型演劇『クッキング!』(本多劇場)の上演が10月10日(土)に控えている。

マリエ:オンライン連動型演劇とはどういったものでしょうか?
徳尾:配信をおこないながら劇場にお客様を入れても上演します。スマホでも参加できるオンライン企画です。スマホでお題を募り、そのお題に沿った即興劇を役者が披露します。
マリエ:おもしろい!
徳尾:『クッキング!』というタイトルは「みなさんからちょうだいしたお題を調理してお芝居する」という意味ですね。
マリエ:投稿は誰でもできるのですか?
徳尾:家にいても投稿できるし、劇場内のみなさんも投稿できます。
マリエ:未来の新しい演劇ですね。

A.B.C-Z主演映画&舞台が近日公開!

また、脚本を担当したA.B.C-Z主演映画『オレたち応援屋!!』が10月23日(金)から公開予定だ。
マリエ:どういった作品か教えていただけますか?
徳尾:困っている人を応援することを商売にしている「応援屋」という5人組がいまして、そちらをA.B.C-Zさんたちが演じています。応援屋が依頼を受けて島に行くことになるのですが、その島では謎の事件をきっかけに中止になったお祭りがあるんですね。そのお祭りを応援屋が復活させて、島の人たちを応援するというストーリーです。
マリエ:A.B.C-Zさんたちのいろんな表情が観られそうですね。
徳尾:そうなんですよね。彼らのことは昔から知っているのですが、大人になった彼らの活躍をたくさん観ることができる作品になったと思います。

さらに、同映画と連動した舞台『オレたち応援屋!! On Stage』が10月3日(土)~28日(水)日本青年館ホールにて上演予定。登場人物は同じだが、ストーリーは異なるので、こちらも要チェックだ。

最後に同コーナーのテーマである「明日を美しくするために心がけていること」を訊いた。

徳尾:イライラしているとイライラした雰囲気のドラマの脚本になってしまうので、平常心を保つためにコーヒーをたくさん飲むようにしています。
マリエ:心のブレが脚本に影響を及ぼすんですね。すごい職業ですね。いろいろと勉強になります。今後の作品も楽しみにています!

「MAKE TOMORROW BEAUTIFUL」では、「明日を美しくする」そのヒントやきっかけを探る。オンエアは土曜13時30分頃から。

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2020年9月26日28時59分まで

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