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DEAN FUJIOKAがKに共感-日本文化の「イエスでもノーでもない立体感がとても好き」だけど…

DEAN FUJIOKAがKに共感-日本文化の「イエスでもノーでもない立体感がとても好き」だけど…

さまざまなクリエイターに“情熱”について聞く、J-WAVEで放送中の番組『ROPPONGI PASSION PIT』(ナビゲーター:DEAN FUJIOKA/三原勇希)。7月25日(土)のオンエアでは、シンガーソングライター・Kが登場。デビュー当時を振り返った。

KとDEANの出会い

Kは韓国・ソウル出身のシンガーソングライター。2005年に日本デビューし、同年にドラマ『1リットルの涙』の主題歌となった『Only Human』が大ヒット。2010年には、自身初となる日本武道館公演を成功させた。7月22日に最新シングル『Satisfaction』をリリースしたばかりだ。

K『Satisfaction』



KとDEANの出会いは、DEANが2015年にKのライブに訪れたことだった。ふたりは当時の思い出話に花を咲かせる。

K:打ち上げで知人からDEANくんを紹介してもらって。音楽の話で盛り上がったことだけはすごく覚えてて。
DEAN:だよね。
K:そのときは撮影で大阪に住んでたけど、「東京に引っ越すので年末に会おうよ」みたいな話をしていたんです。けっこうそういうのって実現しないことが多いじゃないですか。だけど「うちの家族でパーティーをやるので、よかったらどう?」って言ったら来てくれて。
DEAN:楽しかったね。
K:うちのスタッフもそのパーティーに参加していたんですけど、DEANくんが来てくれたおかげで、女性スタッフがみんな緊張してカミカミで(笑)。
DEAN:あはは(笑)。カレー屋でパーティーをやったからカレーがめっちゃおいしくて。
K:よかったらまた来てくださいね。お誘いします。
DEAN:ぜひぜひ。

日本デビュー時、「言葉の壁」が武器に

2004年に韓国でデビューしたKだが、当初は思うような活動ができなかったという。韓国の成人男性には兵役の義務があることから「軍隊に行くか、作曲家として生きるか」と非常に迷った時期があり、そんなときに日本でシンガーソングライターを探しているという情報を知ったという。

K:日本には行ったことがなかったので、行ってみたいなと思って参加したのがきっかけです。
三原:行ったこともないところに行って、きっかけをつかむというのはけっこうな挑戦ですよね。
K:20歳だったので、とにかく楽しみというか、ワクワクしました。今「行け」って言われたらたぶん行けないと思うんですよね。当時は言葉もしゃべれませんでしたから。でもそれを言ったらボス(DEAN)もそうでしょ?
DEAN:そうかもしれないけど、すごい。よくやったね。
K:言葉を知らないのってけっこう強みなんですよ。
DEAN:逆にね。
三原:そうなんですか?
K:冗談で言っているんですけど、片言でしゃべっていたころのほうがかわいいってよく言われるのよ。
DEAN:あはは(笑)。
K:今これだけしゃべれると、なんか「もういい」ってなっちゃう。
三原:あはは(笑)。そんなことないですよ。
K:たとえば、テレビで観ていたダウンタウンさんとかさ、今は共演もしているしテレビでも観ているから、会ったら緊張するわけよ。でも、初めて会ったときは全然誰かもわからないから、変な壁がないんですよね。
DEAN:確かに。
K:そういう意味ではすごくラクだったというか、楽しめたというのはあったかもしれないですね。
三原:ポジティブにとらえると確かにそうなりますね。

J-POPの好きなところ

Kはデビュー1年目でいきなり『Only Human』が大ヒット。K自身は「本当に運というかラッキーというか、みなさんのおかげだった気がします」と当時を振り返る。

K:「このぐらいまでいかないとプロじゃない」と思っていたレベルまでいっていないのに、こういう大きいお仕事をいただいたりして、ちょっと苦しかった1年だったんですよね。いま思えば運もその人の人生のひとつなので、その環境をもっと楽しめばよかったのかなと思いますけど。
三原:日本の音楽業界で活動していくなかで、特に大変だなと思ったことはなんですか?
K:最初はここまで日本に住むとは思わなかったんです。
DEAN:あ、そうなんだ。
K:きっかけとしては、J-POPにすごくハマったこと。もともと聴いていたんですけど、J-POPのなかでも歌詞の表現の仕方がすごく好きで。今はそれこそK-POPがすごく流行っているんですけど、K-POPは歌詞を読んでみるとすごくストレートなんです。白か黒かしかない。僕が日本に来たときは、白もあれば黒もグレーもあって、そういう歌詞の表現がとてもおもしろくて、イエスでもノーでもない立体感がとても好きだった。今も好きな部分でありながら、一番難しい部分ではあるかな。人付き合いもそうですしね。「今この人、OKなのかな?」「どっちだ?」っていうのは、いまだにわからないですね。
DEAN:日本語はね。
K:難しいのよ。「大丈夫」は「どっちの大丈夫?」っていう。
三原:確かに。
K:そこはなかった?
DEAN: あるある。他の国でイエス・ノーがわからないということはなかったけど、日本で仕事をするようになって30歳をすぎて、日本人で日本語が母国語なんだけど、15年くらい日本の社会にいなかったからおかしな日本語だったんだよね。敬語とか使えなかったし。そういうのもあったのかもしれないけど、最初はよくわからなかった。「なにを考えているのかな?」「なんでこの人は感情をみせないんだろう?」とか。
K:ニュアンスをつかむというのがおもしろみでもありますけどね。日本文化のおもしろさかな。

この番組では毎回ゲストに、自分が思う「情熱」とはなにかを訊く。Kは「好奇心」と語った。

K:ワクワクするものがないと前に進めないというか、燃えない。DEAN君もそうだと思うんですけど、30歳を過ぎるとできることのほうが増えていくんです。でも、できないことに直面したときに、すごく燃えませんか? 「何でわからないんだろう。何でできないんだろう。さっきまでできていたのに……」っていうことが自分を動かしてくれているっていうか。昔はわからないことが恥ずかしいと思っていたんですけど、わからないことのほうが逆に楽しくて、恥ずかしくないと思うようになりました。そのためには「好奇心」が必要だと思います。

『ROPPONGI PASSION PIT』は、東京・六本木に出現した、いろいろな人の“情熱”が集まり、重なり合い、さらに熱を増して燃え上がる秘密基地として、みんなの熱い思いを電波に乗せて発信。放送は毎週土曜の23時から。

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番組情報
ROPPONGI PASSION PIT
毎週土曜日
23:00-23:54