DEAN FUJIOKAがベストアルバム 『Stars of the Lid』や、最近ハマっているものについて語った。
DEANが登場したのは、8月1日(火)放送の『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)のワンコーナー「MUSIC+1」。
ノイハウス:日本でアーティスト活動を始めて10年なんですね。おめでとうございます。
DEAN:ありがとうございます。
サッシャ:最初に日本で曲をリリースするタイミングでロングインタビューをさせていただきましたよね。そこから日本での音楽活動を見させていただいていて、ベストアルバムって聞いて自分のことのように感慨深いです。
DEAN:10年ってあっという間だなってあらためて思いますね。
サッシャ:『Stars of the Lid』ってどういう意味ですか?
DEAN:プラネタリウムに行ったときの星座群のイメージで、一つひとつの星座ってもちろんそれぞれに名前があるし形状も違って、神話っていうか星のストーリーがありますよね。なぜ星座が生まれたのかとか。ロマンチックなものもあれば残酷なものもあれば。そういうものが1曲1曲の楽曲にも物語があってタイトルもあってサウンドも違うものがあって、それを星空にちりばめられてるっていうのがベストアルバムの形状にぴったりだなと思って。『Stars of the Lid』って曲を作ってから、これベストアルバムの曲にぴったりだなと思って、そのまま採用しました。天動説とか地動説って1つの世界の捉え方として真逆じゃないですか。そういうのが自分の中にぴったりハマったんですよ。エンターテインメントという虚構を作ってる側の人間なので。
サッシャ:もちろんそこにメッセージは入ってますけどね。
DEAN:サウンドがあって、共鳴するものがあるわけですけど、でもどちらかというと物語を作っているという、虚構ゆえにたどり着ける美しさがあるなと思って。でも天動説と地動説とかあったときって、たくさんの人が争い合ったわけですよね。そういう真実の厳しさというか鋭さというもの、対極なものが両方必要だったりもするなと思って。メビウスの輪のようにそれが連なって行って、ゆえに虚構として生まれてくる楽曲に説得力とか共感していくような、実際ハートが震えるという生理的な反応が生まれるみたいな、そういうのも込めてこのタイトルがすごくぴったりだなと思って。
サッシャ:演技とかもそうですもんね。
DEAN:そうです。
サッシャ:架空のストーリーとかもあるけど、そこに現実世界に対する問いがあったりとか、そういうのもたくさんありますからね。
DEAN:だから自分が今までやってきたこと、もちろんアルバムなので音楽を中心にですけど、実際エンターテインメントとかアートとかで作品を作り続けて、パフォーマンスをするっていうのがそういう自分の中での解釈なんだなっていう整理がついて。
ノイハウス:『Teleportation』は普段と違った印象のポップな曲に感じます。
DEAN:『Teleportation』は作ったときに意図してソングライターとしてやったことがないことに挑戦してみようと思って。あんまりジャンルって名称を意識することはないんですけど、カッコいいなって思う音をやってたら出来ちゃったみたいなところもありますね。そこはシビアに追っかけてはいるんですけど、例えばJ-POPっていうジャンルがあるとしたら、それは自分にとってどういう必然性があればこのサウンドを必要とするのかみたいな。
サッシャ:問いかけたわけですね。
DEAN:そういうのを考えたときに、いろいろ聴いてみてJ-POPってこういうことなのかなみたいなのをソングライターとしていろいろツッコんでみたいんですよ。なぜ『Teleportation』という曲がそういう作曲としての技巧が必要になってくるのかっていうのを歌詞だったりとかトータルの1つの世界観みたいなことで作っていったんですけど、とにかく転調しまくったんですね(笑)。意図的にねじれてくっていうことも含めて。
サッシャ:なるほど。
DEAN:1曲の中で3回くらい転調してるんですよ。作ったときはよかったんですけど、歌うとなるとしんどって(笑)。結構、限界に挑戦みたいな、自分の中での新たな領域へ到達しようみたいな感じで作ってみたものの、歌い手の自分がめっちゃ苦労したっていう(笑)。
DEANはソングライティングを始めた頃を振り返り「当時は引き出しがなかったので熱い思いのみだった」と笑う。
DEAN:体当たりで(笑)。もともと、いわゆるビートミュージックというかループミュージックを浴びて育ってきたので、あまりコード進行がガンガン変わるとか、セクションごとに転調したりとかってあんまり馴染まなかったんですね。哲学っていうか。
サッシャ:ループとかビートは同じことを繰り返す感じですからね。
DEAN:だからその中でどうやって変化を作っていくかっていうのはいろいろトライしてきたんですけど、あんまり自分でこれはやらないみたいなものを作らなくてもいいのかなって。
サッシャ:長くなってきてその境地に至ったわけですね。
DEAN:やっぱりコロナで四季を通して日本に2周半くらいいたっていうのが大人になって初めてだったので、それにも大きく影響を受けたのかなって思いますね。
サッシャ:ずいぶんとトラディショナルなところに行きましたね(笑)。
DEAN:これです。
サッシャ:今日も履いてるんですか!?
DEAN:話の種に履いてきたんですけど。
サッシャ:モダンな雪駄ですね。
DEAN:下のところだけはスニーカーみたいになっていて、コンクリートの上とかでも楽なんですよ。もともと雪駄とか下駄とか普通に履いてたんですよね。それこそ3年前とかから。足の指を開くと体にいいって言うじゃないですか。だからあんまり靴で縛る感じも好きじゃなくなって、なるべく素足で歩こうみたいな。その流れでいろいろ雪駄とか下駄とか、これはいいなと。実際に自分のパフォーマンスもそれでよくなったので。
サッシャ:へえ。
DEAN:それで履くようになってたら世の中にはいろんな新しいタイプの雪駄があると知って試していくうちに……今何足あるんだろうな、すごい数になっちゃって(笑)。10足はありますね。
サッシャ:すごい、そんなのお相撲さんくらいですよね(笑)。
DEAN:木でできてるものもあれば、いわゆるトラディショナルなものもあれば、スニーカータイプのものもあったりとかいろんなのがあって。夏は特にいいですよね。気軽に履けるから。
DEANは雪駄を履くことによって「蹴りがめちゃくちゃ早くなった」とパフォーマンスの向上を語る。
DEAN:はい。蹴りのスピードと返しとかがめちゃくちゃ早くなって。
サッシャ:どこで使うんですか(笑)。
DEAN:当時、『Pure Japanese』っていう映画を自分が企画・プロデュース・主演したタイミングとか、もろそれだったので、雪駄のおかげでいい蹴りが繰り出せるようになりました。
サッシャ:相変わらすストイックですね。
そんなDEANは9月23日(土)にベストアルバム『Stars of the Lid』を引っさげた日本武道館公演を開催する。
DEAN:自分にとって武道館って初めて行ったのがメタリカのライブなんですよ。96年とか97年とかだったと思うんですけど。だから「メタリカがやったところで(自分も)やるんだ」みたいな、そういう気持ちですね。今から楽しみですし、続けていくことの意味とか価値を自分で積み上げていかないと生まれないものなんだなってあらためて思いますし、それが象徴的に日本武道館っていう場所で10年の節目っていうことが、今までのこともだし、これからのこともすごく考えるきっかけになったなって。音楽をやることが自分にとって、ただやりたいからとか初期衝動みたいな感じでやってたけど、もちろんそういう初心を忘れずに、今後どういうふうに音楽を続けていくのかみたいな、まだ武道館の舞台には立ってないですけど、感じられたら。だから楽しみですね。
DEAN FUJIOKAの最新情報は、公式サイトまで。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「MUSIC+1」では、ゲストとして毎回話題のミュージシャンが登場する。放送は月曜~木曜の12時30分ごろから。
DEANが登場したのは、8月1日(火)放送の『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)のワンコーナー「MUSIC+1」。
虚構ゆえにたどり着ける美しさがある
DEANは7月26日にベストアルバム『Stars of the Lid』をリリースした。ノイハウス:日本でアーティスト活動を始めて10年なんですね。おめでとうございます。
DEAN:ありがとうございます。
サッシャ:最初に日本で曲をリリースするタイミングでロングインタビューをさせていただきましたよね。そこから日本での音楽活動を見させていただいていて、ベストアルバムって聞いて自分のことのように感慨深いです。
DEAN:10年ってあっという間だなってあらためて思いますね。
サッシャ:『Stars of the Lid』ってどういう意味ですか?
DEAN:プラネタリウムに行ったときの星座群のイメージで、一つひとつの星座ってもちろんそれぞれに名前があるし形状も違って、神話っていうか星のストーリーがありますよね。なぜ星座が生まれたのかとか。ロマンチックなものもあれば残酷なものもあれば。そういうものが1曲1曲の楽曲にも物語があってタイトルもあってサウンドも違うものがあって、それを星空にちりばめられてるっていうのがベストアルバムの形状にぴったりだなと思って。『Stars of the Lid』って曲を作ってから、これベストアルバムの曲にぴったりだなと思って、そのまま採用しました。天動説とか地動説って1つの世界の捉え方として真逆じゃないですか。そういうのが自分の中にぴったりハマったんですよ。エンターテインメントという虚構を作ってる側の人間なので。
サッシャ:もちろんそこにメッセージは入ってますけどね。
DEAN:サウンドがあって、共鳴するものがあるわけですけど、でもどちらかというと物語を作っているという、虚構ゆえにたどり着ける美しさがあるなと思って。でも天動説と地動説とかあったときって、たくさんの人が争い合ったわけですよね。そういう真実の厳しさというか鋭さというもの、対極なものが両方必要だったりもするなと思って。メビウスの輪のようにそれが連なって行って、ゆえに虚構として生まれてくる楽曲に説得力とか共感していくような、実際ハートが震えるという生理的な反応が生まれるみたいな、そういうのも込めてこのタイトルがすごくぴったりだなと思って。
サッシャ:演技とかもそうですもんね。
DEAN:そうです。
サッシャ:架空のストーリーとかもあるけど、そこに現実世界に対する問いがあったりとか、そういうのもたくさんありますからね。
DEAN:だから自分が今までやってきたこと、もちろんアルバムなので音楽を中心にですけど、実際エンターテインメントとかアートとかで作品を作り続けて、パフォーマンスをするっていうのがそういう自分の中での解釈なんだなっていう整理がついて。
限界に挑戦した1曲
ベストアルバム『Stars of the Lid』では『History Maker』、『Echo』、『Shelly』などのヒット曲の他に、先行配信された『Teleportation』を含む新曲3曲も収録している。ノイハウス:『Teleportation』は普段と違った印象のポップな曲に感じます。
DEAN:『Teleportation』は作ったときに意図してソングライターとしてやったことがないことに挑戦してみようと思って。あんまりジャンルって名称を意識することはないんですけど、カッコいいなって思う音をやってたら出来ちゃったみたいなところもありますね。そこはシビアに追っかけてはいるんですけど、例えばJ-POPっていうジャンルがあるとしたら、それは自分にとってどういう必然性があればこのサウンドを必要とするのかみたいな。
サッシャ:問いかけたわけですね。
DEAN:そういうのを考えたときに、いろいろ聴いてみてJ-POPってこういうことなのかなみたいなのをソングライターとしていろいろツッコんでみたいんですよ。なぜ『Teleportation』という曲がそういう作曲としての技巧が必要になってくるのかっていうのを歌詞だったりとかトータルの1つの世界観みたいなことで作っていったんですけど、とにかく転調しまくったんですね(笑)。意図的にねじれてくっていうことも含めて。
サッシャ:なるほど。
DEAN:1曲の中で3回くらい転調してるんですよ。作ったときはよかったんですけど、歌うとなるとしんどって(笑)。結構、限界に挑戦みたいな、自分の中での新たな領域へ到達しようみたいな感じで作ってみたものの、歌い手の自分がめっちゃ苦労したっていう(笑)。
DEANはソングライティングを始めた頃を振り返り「当時は引き出しがなかったので熱い思いのみだった」と笑う。
DEAN:体当たりで(笑)。もともと、いわゆるビートミュージックというかループミュージックを浴びて育ってきたので、あまりコード進行がガンガン変わるとか、セクションごとに転調したりとかってあんまり馴染まなかったんですね。哲学っていうか。
サッシャ:ループとかビートは同じことを繰り返す感じですからね。
DEAN:だからその中でどうやって変化を作っていくかっていうのはいろいろトライしてきたんですけど、あんまり自分でこれはやらないみたいなものを作らなくてもいいのかなって。
サッシャ:長くなってきてその境地に至ったわけですね。
DEAN:やっぱりコロナで四季を通して日本に2周半くらいいたっていうのが大人になって初めてだったので、それにも大きく影響を受けたのかなって思いますね。
パフォーマンスの向上につながったアイテム
DEANは最近ハマっていることについて質問されれると「雪駄(せった)」と答えた。サッシャ:ずいぶんとトラディショナルなところに行きましたね(笑)。
DEAN:これです。
サッシャ:今日も履いてるんですか!?
DEAN:話の種に履いてきたんですけど。
サッシャ:モダンな雪駄ですね。
DEAN:下のところだけはスニーカーみたいになっていて、コンクリートの上とかでも楽なんですよ。もともと雪駄とか下駄とか普通に履いてたんですよね。それこそ3年前とかから。足の指を開くと体にいいって言うじゃないですか。だからあんまり靴で縛る感じも好きじゃなくなって、なるべく素足で歩こうみたいな。その流れでいろいろ雪駄とか下駄とか、これはいいなと。実際に自分のパフォーマンスもそれでよくなったので。
サッシャ:へえ。
DEAN:それで履くようになってたら世の中にはいろんな新しいタイプの雪駄があると知って試していくうちに……今何足あるんだろうな、すごい数になっちゃって(笑)。10足はありますね。
サッシャ:すごい、そんなのお相撲さんくらいですよね(笑)。
DEAN:木でできてるものもあれば、いわゆるトラディショナルなものもあれば、スニーカータイプのものもあったりとかいろんなのがあって。夏は特にいいですよね。気軽に履けるから。
DEANは雪駄を履くことによって「蹴りがめちゃくちゃ早くなった」とパフォーマンスの向上を語る。
DEAN:はい。蹴りのスピードと返しとかがめちゃくちゃ早くなって。
サッシャ:どこで使うんですか(笑)。
DEAN:当時、『Pure Japanese』っていう映画を自分が企画・プロデュース・主演したタイミングとか、もろそれだったので、雪駄のおかげでいい蹴りが繰り出せるようになりました。
サッシャ:相変わらすストイックですね。
そんなDEANは9月23日(土)にベストアルバム『Stars of the Lid』を引っさげた日本武道館公演を開催する。
DEAN:自分にとって武道館って初めて行ったのがメタリカのライブなんですよ。96年とか97年とかだったと思うんですけど。だから「メタリカがやったところで(自分も)やるんだ」みたいな、そういう気持ちですね。今から楽しみですし、続けていくことの意味とか価値を自分で積み上げていかないと生まれないものなんだなってあらためて思いますし、それが象徴的に日本武道館っていう場所で10年の節目っていうことが、今までのこともだし、これからのこともすごく考えるきっかけになったなって。音楽をやることが自分にとって、ただやりたいからとか初期衝動みたいな感じでやってたけど、もちろんそういう初心を忘れずに、今後どういうふうに音楽を続けていくのかみたいな、まだ武道館の舞台には立ってないですけど、感じられたら。だから楽しみですね。
DEAN FUJIOKAの最新情報は、公式サイトまで。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「MUSIC+1」では、ゲストとして毎回話題のミュージシャンが登場する。放送は月曜~木曜の12時30分ごろから。
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2023年8月8日28時59分まで
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番組情報
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月・火・水・木曜9:00-13:00
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サッシャ、ノイハウス萌菜