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横浜流星、窪田正孝、橋本環奈…若い世代から受けた刺激は? 佐藤浩市、山口智子、片岡鶴太郎が答える

横浜流星、窪田正孝、橋本環奈…若い世代から受けた刺激は? 佐藤浩市、山口智子、片岡鶴太郎が答える

佐藤浩市×横浜流星のW主演で、沢木耕太郎の最高傑作を映画化した『春に散る』(8月25日公開)。7月31日には都内で主演の佐藤浩市をはじめ、出演者の片岡鶴太郎、山口智子が登壇した“大人のお悩み相談会”と題した特別試写会が開催された。

佐藤の登壇は、観客にはサプライズ。片岡から紹介される形で登場した佐藤は「サプライズなのに……横浜流星ではなくてスミマセン」とニヤリとしながら「原作を裏切らないように実写化していかに楽しんでいただけるかを考えて作った映画です」と作品をアピールした。
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<あらすじ>
 40年ぶりに故郷の地を踏んだ、元ボクサーの広岡仁一(佐藤浩市)。引退を決めたアメリカで事業を興し成功を収めたが、不完全燃焼の心を抱えて突然帰国したのだ。かつて所属したジムを訪れ、かつて広岡に恋心を抱き、今は亡き父から会長の座を継いだ令子(山口智子)に挨拶した広岡は、今はすっかり落ちぶれたという二人の仲間に会いに行く。そんな広岡の前に不公平な判定負けに怒り、一度はボクシングをやめた黒木翔吾(横浜流星)が現れ、広岡の指導を受けたいと懇願する。そこへ広岡の姪の佳菜子(橋本環奈)も加わり不思議な共同生活が始まった。やがて翔吾をチャンピオンにするという広岡の情熱は、翔吾はもちろん一度は夢を諦めた周りの人々を巻き込んでいく。果たして、それぞれが命をかけて始めた新たな人生の行方は——? 『春に散る』公式サイトより


試写会に参加した観客からのお悩み相談に答える企画を実施。グレイヘアの佐藤は「白髪をオシャレに見せる方法」を聞かれると「父の三國が若い頃から真っ白頭だったので自分もそうなると思った。50歳過ぎたらほぼ白かったが、役柄もあって髪が真っ白ではまずかったので黒く染めたりして。でも今はこの通り真っ白」と帽子を外して白髪を披露し、山口から「すごいキレイ」と絶賛されていた。そんな山口から「普通は黒から白になる段階がつらい。その中途半端な時期をどう乗り切ったらいいの?」などと聞かれた佐藤は「そういうときはグラデーションと言えばいいの。中途半端と言うからダメなの」とズバリな解決策を提案していた。

佐藤が演じた仁一は人生の後半を迎えた男性。佐藤は、実父で俳優の故・三國連太郎が『人生の約束』(1986年)に主演した年齢と現在の自分の年齢がほぼ同じだと明かしながら「昭和の時代の60歳過ぎには大人らしさがあったが、自分がその年代になってみると未熟さを感じて情けない部分もある。しかしそれに今だからこそ気づいて、今だからこそ前に進めることもあると思った。そんな思いを仁一に投影した」などと演じた心境を明かした。
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山口が演じたのは、仁一のことを古くから知るジムのオーナー・令子。映画出演は『スワロウテイル』(1996年)以来約27年ぶりとなるが「出演しようと思ったベースにあるのは浩市さんラブ! 同時に浩市さんには同じ時代に俳優という仕事をしてきて共に戦ってきた同志のような感覚がある。その関係性が令子と仁一との関係性に重なるとも思った。浩市さんラブと同志感を合体させながら、人生をどう生き切るかというテーマにおいて令子としても私の本音としても、浩市さんと時を過ごして語ってみたいと思った」と出演に至るまでの深い思い入れを口に。これに佐藤は「僕は智ちゃんの旦那さんのことも知っていますしね!」と照れ笑いも「言葉半分としてもこんなにありがたく嬉しいことはないです」と同志としてしみじみしていた。
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仁一のボクシング仲間・佐瀨健三を演じた片岡。自身もプロボクサー経験を持っていることから「ボクシングは暴力ではなくて科学です。ボクシングのパンチは怒りを抑えて科学的により良く相手の弱いところにパンチを打つもの。科学的スキルを鍛えないとできないインテリなスポーツです」とボクシングの魅力を解説していた。
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また翔吾(横浜)の強い衝動が大人たちを動かしていく物語にちなんで「若者に強く心を動かされたこと」を聞かれた山口は「今回の映画でも若い人たちからは教わることばかりだった。むっちゃ刺激になった。彼らは舞台挨拶の場でも自分の語る言葉を持っていて表現できる知的な大人だった。どうやったらあんな若者が育つのか……」と横浜ら若い共演者の成熟ぶりにビックリ。
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佐藤は「横浜にしても窪田正孝にしてもストイック。芝居だから……というエクスキューズがないところまでやっている。だからこそ僕らもそれに対して乗っかっていけるものがあった。ボクシングシーンを観た誰もが手に汗を握って前のめりになるはず」と若手世代をリスペクト。
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一方、片岡は共演した橋本環奈に触れて「普段の立ち振る舞いを見て、ブットい人だと思った。紅白の司会もそのままやっていて……改めてブットい人だと思った」とその根性を讃えていた。

(取材=石井隼人)

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