新型コロナウイルス対策としての緊急事態宣言が、5月25日(月)に全国で解除された。コロナ禍ではリモートワークを実施する企業も増えたが、今後も浸透していくのか。オフィスのあり方はどう変わるのか。「NewsPicks」の池田光史編集長が「ウィズコロナの働き方」を考えた。
トークが繰り広げられたのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ・増井なぎさ)。オンエアは5月26日(火)。
■「オフィスはもういらない」ではなく、価値を再定義する
「NewsPicks」でも、新型コロナ以降で働き方が変化。「仕事はオフィスでするのが中心」という考え方から、「たまにオフィスで働く」スタイルに移行するのはどうか、という議論が巻き起こっているという
サッシャ:外出自粛によって、いろんなことに気づきましたよね。リモートワークも「無理だ」と思っていた方が多かったですが、いざやってみたら「けっこうやれるな」って気づきましたもんね。池田さんは、これから先の働き方って変化していくと思います?
池田:各種統計を見ると、リモートワークは約3割ぐらいの移行率だったんです。ですので、大企業の大半はオフィス勤務に戻るのではないかと考えています。
増井:リモートワークはセキュリティの問題があるそうですね。
池田:そうですね。残業や出張は必要なかったなと判断して、コストカットだけ行う企業も出ると思いますね。
サッシャ:なるほど。感染リスクを考慮して、満員電車を避けたフレキシブルな出社時間の導入も考えられますが、そのあたりはいかがお考えでしょうか?
池田:時差出社を検討されている大企業は出ていますね。これを機に、変われる会社と変われない会社でハッキリとわかれるかもしれません。リモートワークにきちんと投資をした会社は、フレキシブルな出社時間を導入できると思います。また、そういう環境を用意できた企業が今後、優秀な人材を集められるかもしれないですね。
増井:会議もリモートで実施というのが当たり前になりそうですよね。ただ、そうなると顔を合わせる会議を開くときはこれまで以上に「価値」が求められそうです。
池田:そうですね。価値を問われると思います。単に「オフィスはもういらない」という乱暴な議論ではないと思うのですが、オフィスの価値を再定義していくことになるんだと思います。
■都心に一極集中するビジネスモデルは変わる?
「NewsPicks」ではアフターコロナの働き方について特集を組み、専門家から意見を募ったという。必要なスキルとして挙げられたのは……。
池田:ダラダラ説明をしない「言語化能力」だったり、「Slackなどのチャットツールを使ったコミュニケーション能力」などが必要だと言われましたね。
サッシャ:そういったスキルを伸ばしていくと、業務が凝縮化されますよね。そうなると、都内の一等地にオフィスを構える必要がなくなる気がするのですが、いかがでしょうか?
池田:今までは経済的なメリットがあったから、一極集中でやってきたんですよね。これまでは交通渋滞や満員電車がデメリットだったわけですが、そこにウイルス感染のリスクが加わる形になってしまいました。ですので、社会全体で一極集中を緩和する方向に進んでいくのではないかなと思っています。
リモートワークで成り立つ人がいるなら、オフィスを狭くして家賃などの経費を抑えたほうがいいと考える経営者は多そうだ。そうサッシャが問うと、「もう動きはじめていると思います」と同意した。
■今後は評価基準や仕事の進め方も変わっていく
近年、働き方改革が進められてきたが、会社で長く残業することが努力の表れだという古い価値観をなかなか払拭できていなかった。こうした評価基準や、仕事の進め方も変わっていくかもしれない。
サッシャ:各企業が世界と競争していく上で、こういう「移行」に乗り遅れると、不利になっていくのでしょうか。早く導入した企業のほうが有利な気がします。
池田:そうですね。東京は諸外国に比べて感染者数が抑えられていますが、これから一気にゆるんで、ここで学んだことを忘れて平常時に戻るともったいない気がしますね。
増井:一人ひとりの働き方としても、会社にいることではなく、どれだけアイデアを出すかといった成果が問われるようになっていきそうですね。
池田:結果重視みたいなことにはなっていくんでしょうね。今は、メールや電話の即レスを強要するとか、サボっていないかを監視するような問題が起こっているとも言われています。でも、サボることも含めてプロじゃないですか。要はコンディショニングというか。疲れたときに人目を気にせず休み、コンディショニングしてパフォーマンスを上げる方向になる気がします。
サッシャ:日本における仕事の基本と言われる「報・連・相」がなくなるかもしれないですね。ヨーロッパだと報連相をするなと言われるんです。報連相する前に自己判断をしろ、ということで。
池田:報連相をする中身が変わるかもしれないですね。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースをその裏側から光を当て、様々な視点から紹介する。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年6月2日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-12時30分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/stepone
トークが繰り広げられたのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ・増井なぎさ)。オンエアは5月26日(火)。
■「オフィスはもういらない」ではなく、価値を再定義する
「NewsPicks」でも、新型コロナ以降で働き方が変化。「仕事はオフィスでするのが中心」という考え方から、「たまにオフィスで働く」スタイルに移行するのはどうか、という議論が巻き起こっているという
サッシャ:外出自粛によって、いろんなことに気づきましたよね。リモートワークも「無理だ」と思っていた方が多かったですが、いざやってみたら「けっこうやれるな」って気づきましたもんね。池田さんは、これから先の働き方って変化していくと思います?
池田:各種統計を見ると、リモートワークは約3割ぐらいの移行率だったんです。ですので、大企業の大半はオフィス勤務に戻るのではないかと考えています。
増井:リモートワークはセキュリティの問題があるそうですね。
池田:そうですね。残業や出張は必要なかったなと判断して、コストカットだけ行う企業も出ると思いますね。
サッシャ:なるほど。感染リスクを考慮して、満員電車を避けたフレキシブルな出社時間の導入も考えられますが、そのあたりはいかがお考えでしょうか?
池田:時差出社を検討されている大企業は出ていますね。これを機に、変われる会社と変われない会社でハッキリとわかれるかもしれません。リモートワークにきちんと投資をした会社は、フレキシブルな出社時間を導入できると思います。また、そういう環境を用意できた企業が今後、優秀な人材を集められるかもしれないですね。
増井:会議もリモートで実施というのが当たり前になりそうですよね。ただ、そうなると顔を合わせる会議を開くときはこれまで以上に「価値」が求められそうです。
池田:そうですね。価値を問われると思います。単に「オフィスはもういらない」という乱暴な議論ではないと思うのですが、オフィスの価値を再定義していくことになるんだと思います。
■都心に一極集中するビジネスモデルは変わる?
「NewsPicks」ではアフターコロナの働き方について特集を組み、専門家から意見を募ったという。必要なスキルとして挙げられたのは……。
池田:ダラダラ説明をしない「言語化能力」だったり、「Slackなどのチャットツールを使ったコミュニケーション能力」などが必要だと言われましたね。
サッシャ:そういったスキルを伸ばしていくと、業務が凝縮化されますよね。そうなると、都内の一等地にオフィスを構える必要がなくなる気がするのですが、いかがでしょうか?
池田:今までは経済的なメリットがあったから、一極集中でやってきたんですよね。これまでは交通渋滞や満員電車がデメリットだったわけですが、そこにウイルス感染のリスクが加わる形になってしまいました。ですので、社会全体で一極集中を緩和する方向に進んでいくのではないかなと思っています。
リモートワークで成り立つ人がいるなら、オフィスを狭くして家賃などの経費を抑えたほうがいいと考える経営者は多そうだ。そうサッシャが問うと、「もう動きはじめていると思います」と同意した。
■今後は評価基準や仕事の進め方も変わっていく
近年、働き方改革が進められてきたが、会社で長く残業することが努力の表れだという古い価値観をなかなか払拭できていなかった。こうした評価基準や、仕事の進め方も変わっていくかもしれない。
サッシャ:各企業が世界と競争していく上で、こういう「移行」に乗り遅れると、不利になっていくのでしょうか。早く導入した企業のほうが有利な気がします。
池田:そうですね。東京は諸外国に比べて感染者数が抑えられていますが、これから一気にゆるんで、ここで学んだことを忘れて平常時に戻るともったいない気がしますね。
増井:一人ひとりの働き方としても、会社にいることではなく、どれだけアイデアを出すかといった成果が問われるようになっていきそうですね。
池田:結果重視みたいなことにはなっていくんでしょうね。今は、メールや電話の即レスを強要するとか、サボっていないかを監視するような問題が起こっているとも言われています。でも、サボることも含めてプロじゃないですか。要はコンディショニングというか。疲れたときに人目を気にせず休み、コンディショニングしてパフォーマンスを上げる方向になる気がします。
サッシャ:日本における仕事の基本と言われる「報・連・相」がなくなるかもしれないですね。ヨーロッパだと報連相をするなと言われるんです。報連相する前に自己判断をしろ、ということで。
池田:報連相をする中身が変わるかもしれないですね。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースをその裏側から光を当て、様々な視点から紹介する。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年6月2日28時59分まで)
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-12時30分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/stepone
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