J-WAVEで放送中の番組『ANA WORLD AIR CURRENT』(ナビゲーター:葉加瀬太郎)。3月21日(土)のオンエアでは、俳優・寺島 進がゲストに登場。初めて海外を旅したアメリカの思い出を振り返った。
■北野武を追いかけてアメリカへ
寺島は1963年東京生まれ。松田優作の監督映画『ア・ホーマンス』で映画デビューしたのち、北野 武監督作品で活躍の場を広げた。1996年、篠崎 誠監督作品『おかえり』で初主演を務め、その後も北野監督作品はもちろん、是枝裕和監督作品『ワンダフルライフ』やSABU監督作品などで数々の映画賞を受賞。2020年1月には、初の自伝『てっぺんとるまで!:役者・寺島進自伝』(ポプラ社)を発売した。
そんな寺島が20代後半に訪れた初海外・アメリカを語った。
寺島:ロサンゼルスで北野監督が撮影をおこなうという噂を聞きまして。だけど、ロサンゼルスに前乗りしてずっと待っているのもなんだかなあと思って、どうせ行くならニューヨークまで行っちゃって、1人旅がてら大陸横断バスに乗ってみたいなって思いました。矢沢永吉さんの歌で『トラベリン・バス』って曲があるんですけど、その歌詞に背中を押されましたね。単純ですからね。
葉加瀬:北野さんに呼ばれてアメリカに前乗りしたわけじゃないんですね。
寺島:ちょっとした追っかけですよね。
葉加瀬:それまでは日本で仕事をしていたんですよね。だけど北野さんが新作映画を撮るから自分を俳優として使ってほしくて前乗りしたってことでしょうか?
寺島:使ってほしいというより、撮影現場を見学したかったんですよね。自分は北野さんのファンでもあり、北野さんは自分の恩師でもあり育ての親でもあるので、「アメリカに行けばよかったな」って後悔したくなかったんですよね。
葉加瀬:まずは行ってみよう、と。普通の人生を送っていると、なかなかその選択に踏み切れないんですよね。
寺島:1980年代後半に、父親と松田優作さんという大切な2人を失いました。そのときに、いろいろと後悔があるんですよね。優作さんが映画『ブラック・レイン』をアメリカで撮影したじゃないですか。あのときに撮影現場を見学しに行った人の話を聞いていたんですよね。現地に行かないとわからないことがあるなって思いました。そういう“心の伏線”のようなものが、北野さんを追っかけた理由でもあったんでしょうね。
葉加瀬:初めて降り立ったアメリカの地はどうでしたか?
寺島:活気、エネルギーがありましたね。日本と違って「ぼんやりしていたらいけないな」という、いい意味での緊張感がありましたね。ブロードウェイも観に行って、言葉はわかんないけど雰囲気で感じ取れるものがあって、けっこう面白かったですね。
■その日暮らしのニューヨーク旅
寺島はニューヨークに約2週間滞在。当時はCDがなかったため、カセットテープが聴けるウォークマンを持って行っていた寺島は、「何かピンとくるものはないかな」と大きなマーケットを見て回ったという。そこで見つけたものは……。
寺島:全部英語で書いてあってよくわからなかったけど、マイルス・デイヴィスは読めたんですよ。『クワイエット・ナイト』っていう曲があって、ピンときて買っちゃいましたね。音楽はインスピレーションですから。あと、親にお金を借りてアメリカに行ったものですから、食費は抑えていたんですよ。そうしたら、ニューヨークは1ドルでホットドッグが食べられたんですよ。
葉加瀬:ホットドッグスタンドだね。
寺島:あれがブランチでしたね。
葉加瀬:みんな歩きながら食べてるもんね。おいしいんだよね。ニューヨークの街の匂いとホットドッグが合うんですよね。
寺島:あと、コーラも合いますね。
葉加瀬:その頃はスターバックスコーヒーなんてなかった時代だよね。1ドルのホットドッグを食べて歩く若き寺島さん。絵になりますね。
寺島:でも当時は必死で、あんまり自分を客観視していませんでした。その日暮らしって感じでした。
葉加瀬:でも目指した場所はロサンゼルスだったんでしょう?
寺島:バスターミナルが45丁目にあって、「ロサンゼルスに行きたいんだけど」ってブロークンイングリッシュで伝えるんだけど毎回無視されて、3回ぐらいそういうやりとりをしました。ロサンゼルスの直行便があると思ったんですけど、ないんですね。
葉加瀬:ちゃんと地図を見てから行ってください(笑)。果てしない距離ですから。開拓時代じゃないんですから。
寺島:本当に。フロンティアスピリットだよね。
葉加瀬:そのまま映画にしたらよかったよね。ロードムービーの『イージー・ライダー』の世界。
『ANA WORLD AIR CURRENT』では、スタジオを飛行機の機内に見立て、葉加瀬とゲストが「旅」をテーマに語り合う。放送は毎週土曜日の19時から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年3月28日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『ANA WORLD AIR CURRENT』
放送日時:毎週土曜 19時-20時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/worldaircurrent/
■北野武を追いかけてアメリカへ
寺島は1963年東京生まれ。松田優作の監督映画『ア・ホーマンス』で映画デビューしたのち、北野 武監督作品で活躍の場を広げた。1996年、篠崎 誠監督作品『おかえり』で初主演を務め、その後も北野監督作品はもちろん、是枝裕和監督作品『ワンダフルライフ』やSABU監督作品などで数々の映画賞を受賞。2020年1月には、初の自伝『てっぺんとるまで!:役者・寺島進自伝』(ポプラ社)を発売した。
そんな寺島が20代後半に訪れた初海外・アメリカを語った。
寺島:ロサンゼルスで北野監督が撮影をおこなうという噂を聞きまして。だけど、ロサンゼルスに前乗りしてずっと待っているのもなんだかなあと思って、どうせ行くならニューヨークまで行っちゃって、1人旅がてら大陸横断バスに乗ってみたいなって思いました。矢沢永吉さんの歌で『トラベリン・バス』って曲があるんですけど、その歌詞に背中を押されましたね。単純ですからね。
葉加瀬:北野さんに呼ばれてアメリカに前乗りしたわけじゃないんですね。
寺島:ちょっとした追っかけですよね。
葉加瀬:それまでは日本で仕事をしていたんですよね。だけど北野さんが新作映画を撮るから自分を俳優として使ってほしくて前乗りしたってことでしょうか?
寺島:使ってほしいというより、撮影現場を見学したかったんですよね。自分は北野さんのファンでもあり、北野さんは自分の恩師でもあり育ての親でもあるので、「アメリカに行けばよかったな」って後悔したくなかったんですよね。
葉加瀬:まずは行ってみよう、と。普通の人生を送っていると、なかなかその選択に踏み切れないんですよね。
寺島:1980年代後半に、父親と松田優作さんという大切な2人を失いました。そのときに、いろいろと後悔があるんですよね。優作さんが映画『ブラック・レイン』をアメリカで撮影したじゃないですか。あのときに撮影現場を見学しに行った人の話を聞いていたんですよね。現地に行かないとわからないことがあるなって思いました。そういう“心の伏線”のようなものが、北野さんを追っかけた理由でもあったんでしょうね。
葉加瀬:初めて降り立ったアメリカの地はどうでしたか?
寺島:活気、エネルギーがありましたね。日本と違って「ぼんやりしていたらいけないな」という、いい意味での緊張感がありましたね。ブロードウェイも観に行って、言葉はわかんないけど雰囲気で感じ取れるものがあって、けっこう面白かったですね。
■その日暮らしのニューヨーク旅
寺島はニューヨークに約2週間滞在。当時はCDがなかったため、カセットテープが聴けるウォークマンを持って行っていた寺島は、「何かピンとくるものはないかな」と大きなマーケットを見て回ったという。そこで見つけたものは……。
寺島:全部英語で書いてあってよくわからなかったけど、マイルス・デイヴィスは読めたんですよ。『クワイエット・ナイト』っていう曲があって、ピンときて買っちゃいましたね。音楽はインスピレーションですから。あと、親にお金を借りてアメリカに行ったものですから、食費は抑えていたんですよ。そうしたら、ニューヨークは1ドルでホットドッグが食べられたんですよ。
葉加瀬:ホットドッグスタンドだね。
寺島:あれがブランチでしたね。
葉加瀬:みんな歩きながら食べてるもんね。おいしいんだよね。ニューヨークの街の匂いとホットドッグが合うんですよね。
寺島:あと、コーラも合いますね。
葉加瀬:その頃はスターバックスコーヒーなんてなかった時代だよね。1ドルのホットドッグを食べて歩く若き寺島さん。絵になりますね。
寺島:でも当時は必死で、あんまり自分を客観視していませんでした。その日暮らしって感じでした。
葉加瀬:でも目指した場所はロサンゼルスだったんでしょう?
寺島:バスターミナルが45丁目にあって、「ロサンゼルスに行きたいんだけど」ってブロークンイングリッシュで伝えるんだけど毎回無視されて、3回ぐらいそういうやりとりをしました。ロサンゼルスの直行便があると思ったんですけど、ないんですね。
葉加瀬:ちゃんと地図を見てから行ってください(笑)。果てしない距離ですから。開拓時代じゃないんですから。
寺島:本当に。フロンティアスピリットだよね。
葉加瀬:そのまま映画にしたらよかったよね。ロードムービーの『イージー・ライダー』の世界。
『ANA WORLD AIR CURRENT』では、スタジオを飛行機の機内に見立て、葉加瀬とゲストが「旅」をテーマに語り合う。放送は毎週土曜日の19時から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年3月28日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『ANA WORLD AIR CURRENT』
放送日時:毎週土曜 19時-20時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/worldaircurrent/
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