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ドアノブや空気中の「ウイルス」検知システムの開発がスタート! 感染しやすい場所がわかるように

ドアノブや空気中の「ウイルス」検知システムの開発がスタート! 感染しやすい場所がわかるように

医療系ベンチャーである株式会社ゲノムクリニックが、環境中の病原体の有無を検知するシステムの開発をスタートした。どんなシステムなのか、同クリニックの代表取締役で医師の曽根原弘樹さんが解説。また、新型コロナウイルスへの対策についても訊いた。

曽根原さんが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ・増井なぎさ)。3月16日(月)のオンエア。


■病原体を検知するシステムを開発

環境中の病原体の有無を検知するシステムの開発……ということで、「環境中の病原体」とは何を指すのか、曽根原さんが解説した。

曽根原:“環境”とは、人が日常生活で触れたり呼吸する場所を指します。たとえばドアノブであったり、手すりだったり、普段生活をして呼吸をする空間ですね。あとは食事も含まれます。今回の新型コロナウイルスは飛沫感染とのことですので、おそらく環境を介して感染していることが考えられます。
サッシャ:環境中の病原体というのは、新型コロナウイルスのみを指していますか?
曽根原:新型コロナウイルスはもちろん、インフルエンザウイルス、カビ、細菌、寄生虫、花粉なども含まれます。

同クリニックでは、ゲノム解析の技術を持っており、普段はガンや不妊などの解析をおこなっている。今回の新型コロナウイルスでも技術を応用したいと考え、研究をスタートしたそうだ。

サッシャ:ウイルスにもDNAやゲノムがあるということでしょうか?
曽根原:そうですね。すべての生命にはゲノムがあり、新型コロナウイルスもゲノムを有しています。人の場合はDNAという物質でゲノム情報が書かれているのですが、今回の新型コロナウイルスはRNAで書かれています。システムを使うことで、そのRNAを読み取ることができるようになり、その場所にウイルスがいるかどうか検知することができます。
サッシャ:具体的には、検知はどのようにしておこなわれるのでしょうか? たとえば、ドアノブの場合の検知はいかがでしょうか。
曽根原:主に2つのステップを考えています。1つは、綿棒のような専用の器具を使って、DNAやRNAを抽出し、専用の機械を使って検査する方法。もう1つは、エアコンや空気清浄器のフィルターのように、空気中の微量な粒子を採取してゲノム解析し、空気中の病原体を確認する方法です。

早ければ2日ほどで解析できるそうだ。

サッシャ:ウイルスがシステムによって検知されると、具体的にはどのようなことが起こるのでしょうか?
曽根原:人から人への感染がはじまってしまう前に、アラートが出せる可能性があります。今回の新型コロナウイルスにつきましては、すでに感染がはじまっているのでアラートの機能は難しいかもしれないですね。ですが、感染が一度収まっても第2波や新しいウイルスが来る可能性は考えられますので、それまでにシステムを完成させたいと考えています。

研究はすでに開始しており、1ヵ月から2ヵ月ほどで基礎的なデータを出したいと考えている。データが実用的だと判明すれば、実際のフィールドに移るという。ビルやホール、病院など、多くの人が集まる環境での検出を目指していく。

サッシャ:スポーツ施設やライブハウスが、実際にウイルス感染がしやすい場所なのかどうかということを、データとして見られるようになるということですね。
曽根原:おっしゃるとおりです。気兼ねなく利用ができるように、データを活用していただければと思います。


■新型コロナウイルスの対策と注意点

医師である曽根原さんに、新型コロナウイルスの対策や注意点を伺った。手洗いうがい、咳エチケットのほか、こまめに換気するよう心がけたい。

曽根原:閉め切った空間では、ウイルスが広まってしまいやすいです。新型コロナウイルスは飛沫感染ということなので、数十メートルに広がってしまうことはないとは思うのですが、ウイルス濃度を下げるための換気が必要です。
サッシャ:フランスの厚生労働大臣が、「新型コロナウイルスに感染したらイブプロフェン系の抗炎症薬は飲まないように」と注意喚起しましたよね。これについてはどう思われますか?
曽根原:新型コロナウイルスに関する論文を、まだ直接読んでいないので、一般的な感染症の話としてお伝えします。発熱が出た際は、強い抗炎症薬を飲んで熱を下げるのはあまりよくないとは言われています。特に小児は注意が必要です。インフルエンザの際に、強い抗炎症薬が原因でインフルエンザ脳症になったり、ライ症候群といった怖い合併症を起こすリスクがあります。アセトアミノフェンといった、比較的軽めの解熱薬を使っていただいたほうがいいのかなと思います。
サッシャ:熱があがりそうって段階では、飲まないほうがいいですか?
曽根原:そうですね。ある程度発熱している場合に、解熱薬を使用してください。
株式会社ゲノムクリニックでは、「新型コロナウイルスを人が触れる場所から検出するシステム構築」のクラウドファンディングをスタートした。詳細は公式サイトで。


J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースをその裏側から光を当て、様々な視点から紹介する。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。

【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/stepone

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