J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。「SONAR'S ROOM」のコーナーでは、月曜から木曜まで日替わりのアーティストが、今の自分たちの音楽に影響を与えたカルチャーについて語ります。6月17日(月)のオンエアでは、月曜担当のNulbarich・JQが登場。「マスタリング」をテーマに語りました。
■マスタリングは曲作りの最後の大事な工程
マスタリングは、「工程的に言うと、工場での流れ作業の中の最後の部分」。レコーディングやミックスなどをおこなったあとに、音量、音質、最後の広がりなども含めていろんな調整をすることです。JQがこれまでに、マスタリングの観点で、斬新だと思ったり、「やっぱりこれだよね」と感じた3曲を紹介しました。
・N.E.R.D『Kill Joy』
最初にピックアップしたのは、The Neptunesとしても活動するPharrell WilliamsとChad Hugoの音楽グループ、N.E.R.D。
JQ:『Kill Joy』だけじゃないんですけど、この『Seeing Sounds』というアルバムを初めて聴いたときに、ぜんぜんローが入ってなくてすっげーペラペラなアルバムだなって度肝を抜かれました。でも大きい音で聴くと、すごく繊細にトリートメントされててしっかりローも入っていて。一聴したときの軽い感じとかも結果的にスピード感になっていて。このへんから、The Neptunes特有の音というところから確立された音になったのかなって個人的に思っているんですけど。このアルバムを通してずっとこの質感が保たれるというのは、たぶん今のPharrellに通ずる質感になってきている気がします。このへんから僕は変化というか進化を感じました。ぜひこの前後をひっくるめて聴いてみていただけたらと思います。
・Pete Rock『Death Becomes You』
「マスタリングエンジニアによって機材の使い方やアプローチの仕方が全然違う」と語るJQ。サンプラー「SP-1200」の大御所として挙げたのがPete Rockです。
JQ:2曲目の紹介にして、話がマスタリングから外れます(笑)。トラックとミックスとマスタリングってすべての相性で成り立っているんです。Pete Rockは、SP-1200という機材を使って一世風靡した人です。途中から使わなくなったらしいんですが、満を持して、「SP-1200の使い手といっても過言ではないPete Rock様が帰ってきたぜ」というアルバムを出すわけですよ。今聴いてもらった曲の中にあるハイハットのスッスッスッスッという音とかも、SP-1200の音というか。やっぱり名器なので、こういうところもおもしろいですね。
・Nulbarich『It's Who We Are』
最後に挙げたのが、Nulbarichの一曲。JQ自身、この曲には強い思い入れがあるといいます。
JQ:この曲は、伝説的マスタリングエンジニア・Tom Coyneにお願いしました。Tomは6度のグラミーに輝いたすごい人。僕がいつも好きで好きでたまらないと言っている90年代ヒップホップのマスタリングを手がけていて、「あ、そっち系ね」と思う人もいると思うんですけど、実はAdeleの『Hello』もやっています。他にもTaylor Swift、Sam Smith、Bruno Mars、The Weekndや、日本では宇多田ヒカルさんとか安室奈美恵さんですね。僕は、「いつか自分がミュージシャンになった暁には、Tomのマスタリングでやってみたい」と思っていて、お願いしたらなんとやってくれたんです。この『It's Who We Are』のマスタリングをやりとりしているときに、Tomは亡くなってしまって。僕たちにとってもこの曲がTomとの最後の曲になってしまったんです。最後まで時間をかけてやりとりもさせてもらって、すごく紳士で、思い出深い、自分たちの夢が叶った曲です。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/
■マスタリングは曲作りの最後の大事な工程
マスタリングは、「工程的に言うと、工場での流れ作業の中の最後の部分」。レコーディングやミックスなどをおこなったあとに、音量、音質、最後の広がりなども含めていろんな調整をすることです。JQがこれまでに、マスタリングの観点で、斬新だと思ったり、「やっぱりこれだよね」と感じた3曲を紹介しました。
・N.E.R.D『Kill Joy』
最初にピックアップしたのは、The Neptunesとしても活動するPharrell WilliamsとChad Hugoの音楽グループ、N.E.R.D。
JQ:『Kill Joy』だけじゃないんですけど、この『Seeing Sounds』というアルバムを初めて聴いたときに、ぜんぜんローが入ってなくてすっげーペラペラなアルバムだなって度肝を抜かれました。でも大きい音で聴くと、すごく繊細にトリートメントされててしっかりローも入っていて。一聴したときの軽い感じとかも結果的にスピード感になっていて。このへんから、The Neptunes特有の音というところから確立された音になったのかなって個人的に思っているんですけど。このアルバムを通してずっとこの質感が保たれるというのは、たぶん今のPharrellに通ずる質感になってきている気がします。このへんから僕は変化というか進化を感じました。ぜひこの前後をひっくるめて聴いてみていただけたらと思います。
・Pete Rock『Death Becomes You』
「マスタリングエンジニアによって機材の使い方やアプローチの仕方が全然違う」と語るJQ。サンプラー「SP-1200」の大御所として挙げたのがPete Rockです。
JQ:2曲目の紹介にして、話がマスタリングから外れます(笑)。トラックとミックスとマスタリングってすべての相性で成り立っているんです。Pete Rockは、SP-1200という機材を使って一世風靡した人です。途中から使わなくなったらしいんですが、満を持して、「SP-1200の使い手といっても過言ではないPete Rock様が帰ってきたぜ」というアルバムを出すわけですよ。今聴いてもらった曲の中にあるハイハットのスッスッスッスッという音とかも、SP-1200の音というか。やっぱり名器なので、こういうところもおもしろいですね。
・Nulbarich『It's Who We Are』
最後に挙げたのが、Nulbarichの一曲。JQ自身、この曲には強い思い入れがあるといいます。
JQ:この曲は、伝説的マスタリングエンジニア・Tom Coyneにお願いしました。Tomは6度のグラミーに輝いたすごい人。僕がいつも好きで好きでたまらないと言っている90年代ヒップホップのマスタリングを手がけていて、「あ、そっち系ね」と思う人もいると思うんですけど、実はAdeleの『Hello』もやっています。他にもTaylor Swift、Sam Smith、Bruno Mars、The Weekndや、日本では宇多田ヒカルさんとか安室奈美恵さんですね。僕は、「いつか自分がミュージシャンになった暁には、Tomのマスタリングでやってみたい」と思っていて、お願いしたらなんとやってくれたんです。この『It's Who We Are』のマスタリングをやりとりしているときに、Tomは亡くなってしまって。僕たちにとってもこの曲がTomとの最後の曲になってしまったんです。最後まで時間をかけてやりとりもさせてもらって、すごく紳士で、思い出深い、自分たちの夢が叶った曲です。
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