音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
中国人は子どもに寛容! 騒いでも怒らず見守る…『中国嫁日記』の作者が語る

中国人は子どもに寛容! 騒いでも怒らず見守る…『中国嫁日記』の作者が語る

J-WAVEで放送中の番組『ANA WORLD AIR CURRENT』(ナビゲーター:葉加瀬太郎)。5月11日(土)のオンエアでは、漫画家・井上純一さんが登場。中国の街や人の魅力について話しました。

井上さんは1970年生まれ。同人誌やフィギュア製作の仕事をするなかで中国に通うようになり、現地の方と結婚。奥様・月(ゆえ)さんとの日常を描いたブログ『中国嫁日記』が人気となり、書籍化されたシリーズは累計80万部を超えるベストセラーになりました。


■中国のイメージは“中途半端”

まずは、井上さんが住んでいた中国の東莞(とうかん)という街の話から。

井上:東莞には工場と住宅街以外は何もありません。工員が住むための寮のみたいなものと、経営者が住む巨大なマンションがあって、そのマンションは一般人が入れないように囲われてます。土地も(価格が)高いところにあります。僕が住んでいたところは警備員が周っていました。日本では格差がひどくなっていると言いますが、中国はそんなものではありません。
葉加瀬:そうかもしれませんね。

井上さんが東莞に行くようになったのは10年ほど前。きっかけはフィギュアを生産するためでした。住み始めたのは7年ほど前だそうです。現在、井上さんは日本で暮らしていますが、お子さんがいなかったら海外に戻っていたかもしれないと話します。

井上:海外で暮らすのは、何のしがらみもないので意外と楽なんです。
葉加瀬:僕もロンドンに12年住んでいて行ったり来たりの生活をしていますが、外国人として海外に住むのは独特の感覚がありますよね?
井上:自由なんですよね。僕は中国にしか住んでないので、中国がそういう感情を与えてくれるのかなと思っていますが、もしかしたらどこに行っても同じなのかもしれません。

そんな井上さんは中国に対し、“中途半端”だというイメージを抱いています。

井上:“端”がうまくいかないんです。例えば、日本人だったらタイルは全て敷き詰めるけど、中国は敷き詰める途中で「まぁ、いいか」という気になるんです。道路のつなぎ目とかも「まぁ、いいか」って。
葉加瀬:日本人ほどきっちりしている場所は世界中を探してもないからね。

井上さんが日本に帰国した原因は、地価が上がったことでした。

井上:約1年で倍になったんです。大家が売りたくなったため「出て行け」と言われたんです。どこも地価がめちゃくちゃ上がってしまって借りられないんです。それにひきかえ、東京のマンションは安いんです。
葉加瀬:感覚が逆転してしまってるんですね。


■湖南料理は味が濃くて辛い

井上さんに、中国での食事についてもお訊きしました。住んでいた場所の近くに台湾料理の屋台のようなものがあり、美味しくて通っていたそうです。

井上:台湾料理には馴染みがなかったんですけど、美味いですね。
葉加瀬:僕は台湾には行ったことがあって、屋台で食べる料理のアベレージが高いですよね。日本人の舌に合うのかもしれませんね。味はそれほど刺激的ではないし、薄味だし。
井上:湖南料理は味が濃い上に辛くて食べられないんです。あとは麺類が日本に近い。「蘭州ラーメン」が有名です。ラーメンというより素麺に近いです。奥さんはこのラーメンが大好きで、最近は日本にも蘭州ラーメンがあるけど、以前は「なんで日本に蘭州ラーメンがないのか」って言うんです。でも、あれに比べれば台湾の麺はどれも素晴らしい!
葉加瀬:台湾を立国するときに、中国本土のありとあらゆる一流シェフを全て連れていったという説があります。それ以来、基本的な味覚のセンスが教育されたという説があります。


■子どもに対しておおらか

井上さんによると、中国の人は基本的にゆるくて、おおらかだそうです。

井上:中国の人の最もいいところは、子どもに対しておおらかで怒ることが全くないんです。一人っ子政策のおかげです。子どもを連れて中国に行くときに、隣の席が中国人だとすごく安心します。絶対に文句を言わないんです。子どもが泣こうが叫ぼうが、失礼なことをしようが、子どもが大切だと知ってるから、みんな笑ってくれます。日本人みたいに、泣いてる子どもの親に向かって「黙らせろ」とか「なんで泣いてるんだ」という理不尽なことは言いません。
葉加瀬:井上さんから見て、中国の街の魅力はどこにあると思いますか?
井上:多くの中国関係の企業の人が言うんですけど、中国に行くと元気になります。中国の人は自分たちが働くと世界がよくなると思っていて、この考えは素晴らしいです。日本人はそう思ってないじゃないですか。多分、本当は自分たちが働けば明るい未来が来るんです。中国の人は、そういうことを全く疑っていません。未来は今よりよくなると思ってるんです。それはいずれ裏切られると思ってるけど、今はそうじゃないと思ってます。それを見ていると、俺も頑張ろうという気になります。彼らが言うように、未来は悪くないかもっていう気分にさせられるし、行くと元気をもらえます。

井上さんの最新刊『キミのお金はどこに消えるのか』が発売中です。ぜひこちらも手にとってみてください。

【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『ANA WORLD AIR CURRENT』
放送日時:土曜 19時-19時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/worldaircurrent/

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン