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前NY市長の通訳も務めた通訳者が、思わず固まってしまった現場とは?

前NY市長の通訳も務めた通訳者が、思わず固まってしまった現場とは?

J-WAVEで放送中の番組『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:玄理)のワンコーナー「LEXUS TOKYO TREASURE」。2月24日(日)のオンエアでは、通訳の仕事に注目。“プロ通訳者”の関根マイクさんが、通訳の知られざる世界を明かしました。

関根さんは、大学生の時から通訳のアルバイトを始めて、卒業後すぐに九州・沖縄サミットでメディアの契約翻訳者として活躍。その後、沖縄でフリーランスの翻訳・通訳業を開始しました。現在は主に国際会議などの通訳者として活躍中です。


■先を読むこと

関根さんによると、通訳は話者と交互に話す“逐次通訳”と“同時通訳”が主流だそうです。

玄理:英語は主語と動詞から始まるので、同じスピードで話を日本語の文法に綺麗にまとめるのって難しいですよね?
関根:いかに先を読むかが重要になってきます。話者が言葉に出していなくても、「多分この辺に落ち着くだろう」ということを読めてないと、綺麗な同時通訳をするのは難しいです。だから、事前にたくさんの資料をもらって読み込みます。逆に、先が読めないと辛い同時通訳になります。1日が3日ぐらいに感じられます。
玄理:同時通訳をする時は、最後までちゃんと聞き取ろうとして、3秒ぐらい待つ間がすごく長く感じられますよね。
関根:国際会議では、同時通訳者はブースに入って会場の後ろとかで訳してるんですけど、3秒待つと聴衆が「どうした?」と後ろを振り向きます。
玄理:辛いですね……(笑)。

関根さんが通訳をする時に心がけることは、どんなことなのでしょうか。

関根:安定性です。完璧な通訳はあまりできないと思うので、できるだけ安定していい訳を出そうと心がけています。
玄理:正確な訳がいいのか、いろいろなものを汲み取って意訳するのがいいのか、どちらなんでしょうか?
関根:僕は法律が主な活動分野なので、正確性を重んじて、意訳もあまりしません。ただ、企業に呼ばれて何かの商品やサービスをPRするイベントでは、エネルギーを存分に出して、ちょっと大げさにやったりします。そういうのを求められてますから。


■人間の通訳が必要なくなったら…?

続いて、未来の通訳の仕事の話になりました。

玄理:よく映画の世界などで、相手が違う言語をしゃべっていても、脳に埋められたチップで同時に話しているような光景を見るんですけど、ああいう世界になったらどうなると考えますか?
関根:個人的には、社会全体的にも人間の通訳が必要なくなったら、それはそれで面白い世界になるんじゃないかと思うし、僕自身は別の仕事を探すだけです。まだまだ先の話だと思いますけど、新しく出てきている技術には非常に注目してます。

国際会議での仕事が多い関根さんは、数多くの世界的な要人の通訳も経験しています。

関根:最近でしたら、建築家の隈研吾さんとか、前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグさん、安倍首相とか。
玄理:今までで、最も緊張した現場はありますか?
関根:予想を裏切られる時が一番緊張します。「こう話すだろう」と準備して臨んだのに、全く裏切られる時がたまにあって。例えば、ある殺人未遂の裁判で、被告人が犯したことは誰もが認めていたことなのに、被告人が証言に立った時に「僕は殺そうとはしてない」って言ったんです。「僕は“殺しのプロ”だから、本当に殺そうと思えば殺せた」と。僕はそれを「どう訳したらいいんだろう」と思って、本当に訳していいのかとも思って、数秒間フリーズしました。

関根さんは、通訳の仕事の醍醐味は最先端の技術や話題、ワールドリーダーと触れ合えることだとも話しました。関根さんのお話を詳しく知りたい方は、著書『同時通訳者のここだけの話 -プロ通訳者のノート術公開-』を手にとってみてください。



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【番組情報】
番組名:『ACROSS THE SKY』
放送日時:日曜 9時-12時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/acrossthesky

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