ピアニストの角野隼斗と上原ひろみが、J-WAVEで対談を行った。音楽トークはもちろん、世界中で活動するふたりならではの話も飛び出した。
この対談をお届けしたのは、2024年12月24日(火)にオンエアされたJ-WAVEの特別番組『J-WAVE CHRISTMAS SPECIAL TOKYO TATEMONO Brillia MUSIC OF THE SPHERES EXTENDED』。毎週日曜に角野隼斗がお届けしている番組『TOKYO TATEMONO MUSIC OF THE SPHERES』が2時間に拡大し、角野と市川紗椰がツインナビゲートしたスペシャルプログラムだ。
角野は同番組で、上原ひろみのほか、宇宙飛行士・山崎直子と対談。また、複合施設「ののあおやま」(東京都港区北青山)内にあるスタインウェイのショールーム「スタインウェイ&サンズ東京」で収録した、スペシャルなピアノ演奏をお届けした。
【山崎直子との対談はコチラ】角野隼斗×宇宙飛行士・山崎直子、実は親戚。宇宙で音を感じた瞬間とは?
上原は、そんな角野にとって憧れの存在だという。2003年に世界デビューした上原は、2011年にスタンリー・クラーク・バンドfeat.上原ひろみ名義で、第53回グラミー賞「ベスト・コンテンポラリー・ジャズ・アルバム」を受賞。2023年に劇場公開された映画『BLUE GIANT』では音楽監督を務め、日本アカデミー賞「最優秀音楽賞」を受賞したことでも話題を集めた。
角野:いままで何度かご挨拶をさせてもらったことはあるのですが、こうやってしっかり話すのは初めてだと思うので、緊張しています。僕は中学生くらいの頃から一方的に存じ上げていて、ファーストアルバムで“ジャズ”という音楽を知って、好きになりました。学生時代は、いろいろな曲を自分で耳コピしてカバーしていました。
上原:ありがとう!
角野:ライブも、何度も行きました。ひろみさんのライブはいつもエネルギーがすごいじゃないですか。自分の中の全細胞が沸き立つような感覚になります。当時は「僕もこんなライブをやってみたいな」と思っていたので、いまこうして目の前にいるのが不思議な感じです。
上原:コロナ禍前に「100都市、150公演」と言われたことがあって、その年によって違うとは思うけど、平均を取るとそれくらいなのかなと思います。
角野:ずっと旅が続くような感じですよね。
上原:やっぱり旅は多いですよね。(角野さんも)旅、多いでしょう? ブルーノートでInstagramを交換してから、ときどき投稿が出てくるのを見て、「また違う国にいるな」「頑張ってるな」と思って。
角野:頑張っています! 世界のなかで、好きな場所はありますか?
上原:すぐに思いつかないくらい、たくさんあります。ただ、何回かその街に行って、空港や地図が頭の中に入ると疲れにくい。アメリカだとボストンには住んだことがあって、ニューヨークにはいま住んでいるから、もちろん土地勘があってまったく疲れないし、「ゲートに降りて、そこからバゲッジ(荷物受取所)までどれくらい歩くのか」ということがわかっているだけで、違わない? たとえばサンフランシスコは、だいたい年に1回行くのが10年以上続いているので、ボーっとしていてもなんとなく行ける。そうなってくると、疲れにくくなってきて……。
角野:それでいうと、初めてのほうがワクワク感があるから、(自分は)逆かもしれません。10分歩く道も、「何があるんだろう?」という気持ちで歩けるけど、知ってしまったら「ただ歩く10分」になってしまって。
上原:私は知っている場所だと「帰ってきた!」って感じがする。空港で「ここを曲がるとベーグル屋さんがあって、今日の食事はここで摂ろう」「ここの空港はちょっと小さくてごはんがあんまりだから、朝食を多めに食べて、空港ではなく次の街に着いてから食べるようにしよう」とか、いろいろなことが計算しやすくなってくる。
角野:それはありますね。羽田空港でいつもお寿司屋さんに行って、お寿司を食べてから日本を出るっていうのをよくやります。
上原:羽田空港は、お寿司派?
角野:お寿司派です。何派ですか?
上原:いつもラーメン派(笑)。
角野:ラーメンお好きですもんね! 僕も大好き。
上原:最近、世界中でもラーメンが食べられるようになって本当にありがたい。
角野:そうですね。ラーメンと比べるとお寿司のハードルはちょっとだけ高いから、「日本で食べておこう」みたいな気持ちになるのかもしれないですね。
上原:「こういう編成をやりたいな」と思うときと、「この人とやりたいな」と思うときがあって、ハープ奏者のエドマール・カスタネーダとやったときは、彼に出会うまで自分がハープと一緒に演奏するなんて思ってもみなかった。でも、出会った瞬間にスパークするものがあって、一緒に音楽を作ったりしています。
角野:なるほど。弦楽四重奏はどちらだったんですか?
上原:コロナ禍で「パンデミックのなかで何ができるだろう?」と思ったときに、私は東京にいて一緒にやっていたバンドメンバーはみんな世界のいろいろなところにいたので、「会えないし、さすがにリモートでライブは無理だな」というのがあって。「東京で誰とできるかな?」と考えたら、新日本フィルハーモニー交響楽団の西江辰郎さんというヴァイオリニストの方が思い浮かびました。西江さんとは何度かオーケストラでご一緒していて、彼の音楽に対する好奇心がとても好きでした。ずっとクラシックしかやってこなかった彼に、私がけっこう無茶振りで「インプロヴィゼーション(即興)できる?」と聞いたら、「できる・できない」じゃなくて、「やってみたい」と言ったのが、すごく素敵な答えだなと思って。子どもたちはわりとそう答えられるけど、大人になると「できる・できない」でものを考える人がほとんどで、「やってみたいか・やってみたくないか」で考える人は少ないじゃない?
角野:そうかもしれないですね。
上原:その印象がずっと自分のなかに残っていて、彼は真面目だから、私がブルーノートで公演をしていたときに、サウンドチェックのあいだに練習しに来たりして、オケの公演の日まで頑張って練習してくれたんです。最終的に、公演で彼とちょっとした即興演奏をしたんだけど、それがきっかけで「あの人を中心に、弦楽四重奏をいつか書いてみたい」という発想が生まれて始まったプロジェクトです。
角野:アルバムを聴かせていただきましたが、ライブ感と、矢野さんの歌声と、ひろみさんのうねるようなグルーヴ感とで、めちゃくちゃ気持ちよかったです。
上原:ありがとうございます。
角野:矢野さんとは、けっこう長く共演されていますよね。どういうきっかけで共演することになったんですか?
上原:2004年にNHKの音楽番組で初めてご一緒したのがきっかけなので、今年で20周年(笑)。
角野:20周年!
上原:そこから20年のあいだにアルバムを3枚作りました。
角野:僕は、矢野さんに「声も楽器の一部」というイメージを持っているのですが、本当に素敵な方ですよね。矢野さんとひろみさんの2人で演奏されている雰囲気は、会話をしているみたいな感じがします。
上原:どんどんよくなっていて「3枚目がいままでで一番いいね」って、2人で自画自賛しています(笑)。お互いの得手不得手や補い合い方、輝かせ方が「コンビとしてわかってきたんじゃないかな」ということを、よく2人で話しています。
角野:たとえば、どういったところでそう感じますか?
上原:ピアノは1台でオーケストラだから、それが「“2台ある意味”のあるアレンジにしよう」とか、そのなかに彼女の歌とインプロと自由をどういうふうに入れ込んでいくかというバランスが、3枚目は一番うまくいったなと思います。
角野:僕も、2台のピアノでやるときはそこを考えますね。最大20音も出せてしまうわけだから、何を残して何を引いて、何をつけ足していくのかというバランスは難しいけど、楽しいですよね。
上原:クリスマスにライブがあるときが、一番クリスマスっぽい過ごし方をしている。年末って、ライブがすごく多いでしょう? もしクリスマスの日がお休みになったらとにかく休みたいから、クリスマスらしいことはそんなにしない。クリスマスにライブをしているときのほうが、クリスマスソングを弾いたり、スタッフの人たちとクリスマスっぽいことをしたりして、一番クリスマスを味わえるかな。
角野:確かに、ライブがあればクリスマスソングはだいたい弾きますもんね。
上原:(クリスマス)近くになってくると、誰かしらがインプロにクリスマスの曲を入れてくる、みたいな(笑)。けっこうそういうのをやってクリスマスの訪れを感じています。あとは、サンタが乗っているケーキは食べたいな。街のケーキ屋さんに売っているクリスマスケーキって、サンタや小さいもみの木が乗っていて、子どもの頃から憧れがあって。だから、いつも「いいなぁ」と思いながら見ているし、クリスマスケーキを食べる文化は日本だけでしょ?
角野:そうかもしれない。
上原:アメリカでクリスマスパーティーをしても、ターキーやチキンはあっても、サンタの載ったケーキは出てこなかった。あと、ヨーロッパはシュトーレンかな。生クリームでサンタが乗っているケーキは日本だけだから、クリスマスがくると「自分は日本人だな」ってすごく感じる。お正月より感じるかも(笑)。
角野:そうなんですね、かわいい(笑)。
上原:日本にいないと、あれは食べられないんですよ!
角野:日本に感謝しないといけないですね(笑)。上原さん、来年はどんなことをされるのでしょうか?
上原:「新しいアルバムをバンドで出したいな」と思っていろいろやっているので、それをお届けできたらなということと、その曲を演奏するツアーができたらな、という感じです。
角野:楽しみですね。今日はお忙しいところ、本当にありがとうございました!
上原:ありがとうございました。
ピアニスト・角野隼斗が音楽をとおしたさまざまな“出会い”を語る『ACROSS THE SKY』のコーナー『TOKYO TATEMONO MUSIC OF THE SPHERES』の放送は毎週日曜の11時30分ごろから。現在は1月12日のオンエアをradikoタイムフリー機能で再生可能だ。ポーランド生まれの若き天才ギタリスト、Marcinと角野隼斗が語り合う。
この対談をお届けしたのは、2024年12月24日(火)にオンエアされたJ-WAVEの特別番組『J-WAVE CHRISTMAS SPECIAL TOKYO TATEMONO Brillia MUSIC OF THE SPHERES EXTENDED』。毎週日曜に角野隼斗がお届けしている番組『TOKYO TATEMONO MUSIC OF THE SPHERES』が2時間に拡大し、角野と市川紗椰がツインナビゲートしたスペシャルプログラムだ。
角野は同番組で、上原ひろみのほか、宇宙飛行士・山崎直子と対談。また、複合施設「ののあおやま」(東京都港区北青山)内にあるスタインウェイのショールーム「スタインウェイ&サンズ東京」で収録した、スペシャルなピアノ演奏をお届けした。
【山崎直子との対談はコチラ】角野隼斗×宇宙飛行士・山崎直子、実は親戚。宇宙で音を感じた瞬間とは?
「ののあおやま」にて
上原ひろみは、中学時代から憧れだった存在
角野隼斗は2018年、東京大学大学院在学中に音大以外の学生として初となるピティナピアノコンペティション特級グランプリを受賞。2021年には、ショパン国際ピアノコンクールのセミファイナリストに選出。2024年は13,000人を集める日本武道館単独リサイタルを開催したり、世界デビューアルバム『Human Universe』をリリースしたりと躍進している。上原は、そんな角野にとって憧れの存在だという。2003年に世界デビューした上原は、2011年にスタンリー・クラーク・バンドfeat.上原ひろみ名義で、第53回グラミー賞「ベスト・コンテンポラリー・ジャズ・アルバム」を受賞。2023年に劇場公開された映画『BLUE GIANT』では音楽監督を務め、日本アカデミー賞「最優秀音楽賞」を受賞したことでも話題を集めた。
角野:いままで何度かご挨拶をさせてもらったことはあるのですが、こうやってしっかり話すのは初めてだと思うので、緊張しています。僕は中学生くらいの頃から一方的に存じ上げていて、ファーストアルバムで“ジャズ”という音楽を知って、好きになりました。学生時代は、いろいろな曲を自分で耳コピしてカバーしていました。
上原:ありがとう!
角野:ライブも、何度も行きました。ひろみさんのライブはいつもエネルギーがすごいじゃないですか。自分の中の全細胞が沸き立つような感覚になります。当時は「僕もこんなライブをやってみたいな」と思っていたので、いまこうして目の前にいるのが不思議な感じです。
「知っている場所」「知らない場所」への思い
憧れの上原を前に興奮気味の角野は、常に世界をまわる彼女に「どれくらいコンサートをされているのですか?」と、早速、質問を投げかける。上原:コロナ禍前に「100都市、150公演」と言われたことがあって、その年によって違うとは思うけど、平均を取るとそれくらいなのかなと思います。
角野:ずっと旅が続くような感じですよね。
上原:やっぱり旅は多いですよね。(角野さんも)旅、多いでしょう? ブルーノートでInstagramを交換してから、ときどき投稿が出てくるのを見て、「また違う国にいるな」「頑張ってるな」と思って。
角野:頑張っています! 世界のなかで、好きな場所はありますか?
上原:すぐに思いつかないくらい、たくさんあります。ただ、何回かその街に行って、空港や地図が頭の中に入ると疲れにくい。アメリカだとボストンには住んだことがあって、ニューヨークにはいま住んでいるから、もちろん土地勘があってまったく疲れないし、「ゲートに降りて、そこからバゲッジ(荷物受取所)までどれくらい歩くのか」ということがわかっているだけで、違わない? たとえばサンフランシスコは、だいたい年に1回行くのが10年以上続いているので、ボーっとしていてもなんとなく行ける。そうなってくると、疲れにくくなってきて……。
角野:それでいうと、初めてのほうがワクワク感があるから、(自分は)逆かもしれません。10分歩く道も、「何があるんだろう?」という気持ちで歩けるけど、知ってしまったら「ただ歩く10分」になってしまって。
上原:私は知っている場所だと「帰ってきた!」って感じがする。空港で「ここを曲がるとベーグル屋さんがあって、今日の食事はここで摂ろう」「ここの空港はちょっと小さくてごはんがあんまりだから、朝食を多めに食べて、空港ではなく次の街に着いてから食べるようにしよう」とか、いろいろなことが計算しやすくなってくる。
角野:それはありますね。羽田空港でいつもお寿司屋さんに行って、お寿司を食べてから日本を出るっていうのをよくやります。
上原:羽田空港は、お寿司派?
角野:お寿司派です。何派ですか?
上原:いつもラーメン派(笑)。
角野:ラーメンお好きですもんね! 僕も大好き。
上原:最近、世界中でもラーメンが食べられるようになって本当にありがたい。
角野:そうですね。ラーメンと比べるとお寿司のハードルはちょっとだけ高いから、「日本で食べておこう」みたいな気持ちになるのかもしれないですね。
「できる・できない」じゃなくて「やってみたい」
ピアノトリオやギターを加えた編成、トランペットを交えた編成など、さまざまなスタイルで音楽活動を行う上原に、角野はコラボレーションのきっかけについて聞いた。上原:「こういう編成をやりたいな」と思うときと、「この人とやりたいな」と思うときがあって、ハープ奏者のエドマール・カスタネーダとやったときは、彼に出会うまで自分がハープと一緒に演奏するなんて思ってもみなかった。でも、出会った瞬間にスパークするものがあって、一緒に音楽を作ったりしています。
角野:なるほど。弦楽四重奏はどちらだったんですか?
上原:コロナ禍で「パンデミックのなかで何ができるだろう?」と思ったときに、私は東京にいて一緒にやっていたバンドメンバーはみんな世界のいろいろなところにいたので、「会えないし、さすがにリモートでライブは無理だな」というのがあって。「東京で誰とできるかな?」と考えたら、新日本フィルハーモニー交響楽団の西江辰郎さんというヴァイオリニストの方が思い浮かびました。西江さんとは何度かオーケストラでご一緒していて、彼の音楽に対する好奇心がとても好きでした。ずっとクラシックしかやってこなかった彼に、私がけっこう無茶振りで「インプロヴィゼーション(即興)できる?」と聞いたら、「できる・できない」じゃなくて、「やってみたい」と言ったのが、すごく素敵な答えだなと思って。子どもたちはわりとそう答えられるけど、大人になると「できる・できない」でものを考える人がほとんどで、「やってみたいか・やってみたくないか」で考える人は少ないじゃない?
角野:そうかもしれないですね。
上原:その印象がずっと自分のなかに残っていて、彼は真面目だから、私がブルーノートで公演をしていたときに、サウンドチェックのあいだに練習しに来たりして、オケの公演の日まで頑張って練習してくれたんです。最終的に、公演で彼とちょっとした即興演奏をしたんだけど、それがきっかけで「あの人を中心に、弦楽四重奏をいつか書いてみたい」という発想が生まれて始まったプロジェクトです。
お互いを輝かせる…矢野顕子とのコラボ
2023年4月からニューヨークと東京の2拠点で活動している角野は、上原と長年交流のある矢野顕子とも親交を深めている。そんな上原と矢野の8年ぶりとなる共演ライブアルバム『Step Into Paradise -LIVE IN TOKYO-』が、2024年12月6日にリリースされた。番組では、同アルバムから『変わるし』をオンエアした。Akiko Yano & Hiromi - Kawarushi (Official Audio)
上原:ありがとうございます。
角野:矢野さんとは、けっこう長く共演されていますよね。どういうきっかけで共演することになったんですか?
上原:2004年にNHKの音楽番組で初めてご一緒したのがきっかけなので、今年で20周年(笑)。
角野:20周年!
上原:そこから20年のあいだにアルバムを3枚作りました。
角野:僕は、矢野さんに「声も楽器の一部」というイメージを持っているのですが、本当に素敵な方ですよね。矢野さんとひろみさんの2人で演奏されている雰囲気は、会話をしているみたいな感じがします。
上原:どんどんよくなっていて「3枚目がいままでで一番いいね」って、2人で自画自賛しています(笑)。お互いの得手不得手や補い合い方、輝かせ方が「コンビとしてわかってきたんじゃないかな」ということを、よく2人で話しています。
角野:たとえば、どういったところでそう感じますか?
上原:ピアノは1台でオーケストラだから、それが「“2台ある意味”のあるアレンジにしよう」とか、そのなかに彼女の歌とインプロと自由をどういうふうに入れ込んでいくかというバランスが、3枚目は一番うまくいったなと思います。
角野:僕も、2台のピアノでやるときはそこを考えますね。最大20音も出せてしまうわけだから、何を残して何を引いて、何をつけ足していくのかというバランスは難しいけど、楽しいですよね。
“日本人らしさ”を感じる、クリスマスのエピソード
オンエアした日はクリスマスイブ。角野は上原に、クリスマスの過ごし方を聞いた。上原:クリスマスにライブがあるときが、一番クリスマスっぽい過ごし方をしている。年末って、ライブがすごく多いでしょう? もしクリスマスの日がお休みになったらとにかく休みたいから、クリスマスらしいことはそんなにしない。クリスマスにライブをしているときのほうが、クリスマスソングを弾いたり、スタッフの人たちとクリスマスっぽいことをしたりして、一番クリスマスを味わえるかな。
角野:確かに、ライブがあればクリスマスソングはだいたい弾きますもんね。
上原:(クリスマス)近くになってくると、誰かしらがインプロにクリスマスの曲を入れてくる、みたいな(笑)。けっこうそういうのをやってクリスマスの訪れを感じています。あとは、サンタが乗っているケーキは食べたいな。街のケーキ屋さんに売っているクリスマスケーキって、サンタや小さいもみの木が乗っていて、子どもの頃から憧れがあって。だから、いつも「いいなぁ」と思いながら見ているし、クリスマスケーキを食べる文化は日本だけでしょ?
角野:そうかもしれない。
上原:アメリカでクリスマスパーティーをしても、ターキーやチキンはあっても、サンタの載ったケーキは出てこなかった。あと、ヨーロッパはシュトーレンかな。生クリームでサンタが乗っているケーキは日本だけだから、クリスマスがくると「自分は日本人だな」ってすごく感じる。お正月より感じるかも(笑)。
角野:そうなんですね、かわいい(笑)。
上原:日本にいないと、あれは食べられないんですよ!
角野:日本に感謝しないといけないですね(笑)。上原さん、来年はどんなことをされるのでしょうか?
上原:「新しいアルバムをバンドで出したいな」と思っていろいろやっているので、それをお届けできたらなということと、その曲を演奏するツアーができたらな、という感じです。
角野:楽しみですね。今日はお忙しいところ、本当にありがとうございました!
上原:ありがとうございました。
ピアニスト・角野隼斗が音楽をとおしたさまざまな“出会い”を語る『ACROSS THE SKY』のコーナー『TOKYO TATEMONO MUSIC OF THE SPHERES』の放送は毎週日曜の11時30分ごろから。現在は1月12日のオンエアをradikoタイムフリー機能で再生可能だ。ポーランド生まれの若き天才ギタリスト、Marcinと角野隼斗が語り合う。
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番組情報
- J-WAVE CHRISTMAS SPECIAL TOKYO TATEMONO Brillia MUSIC OF THE SPHERES EXTENDED
-
2024年12月24日22:00-24:00
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角野隼斗、市川紗椰