転職を成功させるためのポイントは？ 企業が求めるのは「コミュ力」と…

J-WAVEで放送中の番組『GOLD RUSH』（ナビゲーター：渡部 建）のワンコーナー「CURIOUSCOPE」。2月15日（金）のオンエアでは「転職で順調にキャリアップするために必要なこと」をテーマに、フリージャーナリストの井上久男さんにお話を訊きました。


■企業が求めるのは、コミュニケーション力と交渉力

総務省の2016年「労働力調査」によると、日本の転職者数は306万人です。2008年のリーマン・ショック後、景気低迷で280万人台まで落ち込んだ数字が、6年ぶりに300万人台に回復しました。

転職者が求めているのは、井上さんによると、「給料とやりがいの両方」。日本の大企業のなかには、「空気を読め」「コンセンサスが大事」など、やる気を削ぐ言葉を使うところもあり、その反発から、自分の能力を試すために転職する人が多いと言います。また、「30代半ばの転職は、自分の専門性をより活かせる、キャリアップを求める人が多い」とも。

そんななか、企業はどんな人材を求めているのでしょうか？

井上：大事なのは、コミュニケーション力と交渉力だと思います。理由は、グローバル化によって、特に大企業では、国籍、言語、文化が多様な人が働いていて、相手の立場を尊重しながら、自分の意見を貫くスキルが求められています。一方で、社外でもいろいろな価値観の会社と仕事をするので、たとえば自動車産業の人でもIT業界の人とコミュニケーションをとらないと、いい製品ができない。だから、コミュニケーション能力が必要になると思います。

転職市場の年齢層は、25歳～34歳。この世代が77万人と、最も大きな割合を占めています。では、転職に最適な時期はあるのでしょうか？

井上：私は、正解はないと思います。20代で大学を出て入った会社がブラック企業で転職する人もいるでしょう。40歳くらいの人が、その道のプロになって転職して、自分の力量を高めたいと思うのであれば、チャレンジしてみてもいいのではないかと思います。人生80年で、70歳くらいまで現役でいたい人がいるわけです。40歳くらいで自分のキャリアを一度棚卸ししてみて、その会社に残るのであれば残ってもいいですし、もっと高いステージでやれそうであれば移ってみるのもいいでしょう。


■転職を成功させるには…

続いて、「失敗しない転職の方法」について訊きました。

井上：ただ単に、今いる会社、仕事、人間関係が嫌だとか、「嫌で辞める転職」は、あまり成功した例をみたことがないです。「自分がこんなことをしたい」「こういう人間になりたい」と、漠然でもいいので、思いとか哲学、志があって転職する方は、成功しているように思います。

それでは、順調にキャリアアップするコツは、あるのでしょうか？

井上：これも正解はないです。運にも左右されます。自分の仕事に一生懸命向き合っている人に対しては、平等にキャリアップできる運がめぐってきてると私は思います。ただ、そのチャンスに気づくかどうかで、明暗が分かれる気がします。チャンスをものにする能力を身につけるためには、日頃から社外の人間と付き合い、広く物事を見て、今の自分が置かれている立場や仕事の内容を、相対的に見る訓練をして、感性やセンスを磨くことが大事だと思います。

井上さんは、「自分がなにで食べていくのか、どんな人間になりたいのか、自問自答することを、日頃から心がけてください」と言います。さらに、今後について、「定年がなくなり、みなさん生涯現役という時代になる」と予測。

井上：年金の受給が引き上げられて、75歳まで年金がもらえない時代にくるのではないかと思います。70歳を超えても現役という発想が求められます。それは、経済的なメリットと同時に「やりがい」や「生きがい」を働くことで得られるのではないかと思います。

自動車産業を中心に取材している井上さんは、最新書籍『日産vs.ゴーン 支配と暗闘の20年』（文藝春秋）を2月20日に上梓します。こちらもぜひチェックしてみてください！

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【番組情報】
番組名：『GOLD RUSH』
放送日時：毎週金曜 16時30分－20時
オフィシャルサイト：https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/