J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。1月16日(水)のオンエアでは、元号にまつわる雑学について、東京大学史料編纂所の山本博文さんに伺いました。
新元号が今年4月1日に発表されることが決まり、ネットでは次の元号を予想する分析記事やアンケート調査、元号に関する都市伝説などが飛び交っています。そこで、そのような都市伝説は本当に正しいのか、山本さんに訊きました。
Q1.元号を使っているのは日本だけ?
山本:イエスです。もともと元号の発祥は、前漢の武帝の時代、中国なんです。紀元前115年頃から使われた「建元」が一番最初です。そのうち日本も「大化」以降、元号制度を取り入れます。
サッシャ:(大化の改新の)645年からということですか?
山本:そうです。ベトナムや朝鮮など色々な国も、独立しているときは元号を使っていたのですが、中国の影響がものすごく強く、冊封(さくほう)体制で中国の臣下になると中国の元号を使っていました。その後、ベトナムは社会主義国になって使わなくなりましたし、朝鮮は中国から独立して元号を使い始めましたが、日韓併合で元号を使わなくなり、戦後も使っていないということです。
サッシャ:そういう歴史があって、今では日本しか使っていないんですね。
山本:中国も、1911年に清朝が滅びて中華民国ができて、それ以降元号が使われなくなります。皇帝と元号はセットになっているので、皇帝がいなくなると元号がなくなるという話です。中華民国では「中華民国元年」というのを1911年にして、今でも「中華民国○年」という風に言ってるようです。中国そのもの、中華人民共和国は社会主義国になってから西暦を使うようになったので、元号は使わないということです。
Q2.元号に使われた漢字は72文字だけ?
山本:これもイエスですね。平成まで247個の元号があります。漢字自体は504個使われていますが、繰り返し使われている字が多いので、これを除くと72文字だけなんです。
サッシャ:元号ってそもそもなんで二文字じゃないとダメなんですか?
山本:四文字の時代もありますが、今は二文字にすると決めています。
サッシャ:結果、72文字しか使われていないと。
山本:縁起のいい字を使うので、どうしても集約されてきます。多く使われるのは「永」や「元」などです。
Q3.くじ引きで決まった元号がある?
山本:イエスです。普通は貴族の会議で決めて、最終的には天皇が決めます。明治だけは幕府が倒れて新しい政治が作られました。そのため、そういう手続きを踏むのが面倒くさいということで、議長の役職にあった人が3つに絞り、天皇にくじを引いてもらいました。
サッシャ:明治天皇が引いたんですか?
山本:そういうことです。くじって言うといい加減みたいですが、これは神意を伺う、神のお告げを受けるということなので、会議で決める以上に権威があるとも思われています。
Q4.わずか2ヶ月で改元された元号がある?
山本:これもイエスです。鎌倉時代の「暦仁(りゃくにん)」という元号です。これは災害があり験直しで「暦仁」にしたのですが、「暦」は「略」に、「仁」は人に繋がるので、「人が略されていなくなる」という意味になるため、2ヶ月で変わりました。
Q5.多くの元号の正確な読みが分かっていない?
山本:イエスです。元号は漢字で示されているため、どういう読み方かきちんと記していません。読む方が勝手に読んでいるというのがあります。漢字の読み方は漢音と呉音があり、中国から伝わったときによって音が違います。どちらも間違いとは言えないわけです。「暦」は、「れき」とも読みますし「りゃく」とも読みます。江戸時代の元号で「宝暦(ほうれき)」というのがあり、「ほうりゃく」と読む人も多いです。
最後に山本さんに次の元号を予想してもらうと、「『永久』の『永』に、人に優しいという意味の『仁』を組み合わせた『永仁(えいにん)』というのを考えています。でもこれは漢字を組み合わせただけのもので、本来は漢籍を色々と読んで、その中から選ばないといけないので、これは邪道です(笑)」と答えてくれました。
新元号は何になるのでしょうか。4月1日が楽しみですね。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
新元号が今年4月1日に発表されることが決まり、ネットでは次の元号を予想する分析記事やアンケート調査、元号に関する都市伝説などが飛び交っています。そこで、そのような都市伝説は本当に正しいのか、山本さんに訊きました。
Q1.元号を使っているのは日本だけ?
山本:イエスです。もともと元号の発祥は、前漢の武帝の時代、中国なんです。紀元前115年頃から使われた「建元」が一番最初です。そのうち日本も「大化」以降、元号制度を取り入れます。
サッシャ:(大化の改新の)645年からということですか?
山本:そうです。ベトナムや朝鮮など色々な国も、独立しているときは元号を使っていたのですが、中国の影響がものすごく強く、冊封(さくほう)体制で中国の臣下になると中国の元号を使っていました。その後、ベトナムは社会主義国になって使わなくなりましたし、朝鮮は中国から独立して元号を使い始めましたが、日韓併合で元号を使わなくなり、戦後も使っていないということです。
サッシャ:そういう歴史があって、今では日本しか使っていないんですね。
山本:中国も、1911年に清朝が滅びて中華民国ができて、それ以降元号が使われなくなります。皇帝と元号はセットになっているので、皇帝がいなくなると元号がなくなるという話です。中華民国では「中華民国元年」というのを1911年にして、今でも「中華民国○年」という風に言ってるようです。中国そのもの、中華人民共和国は社会主義国になってから西暦を使うようになったので、元号は使わないということです。
Q2.元号に使われた漢字は72文字だけ?
山本:これもイエスですね。平成まで247個の元号があります。漢字自体は504個使われていますが、繰り返し使われている字が多いので、これを除くと72文字だけなんです。
サッシャ:元号ってそもそもなんで二文字じゃないとダメなんですか?
山本:四文字の時代もありますが、今は二文字にすると決めています。
サッシャ:結果、72文字しか使われていないと。
山本:縁起のいい字を使うので、どうしても集約されてきます。多く使われるのは「永」や「元」などです。
Q3.くじ引きで決まった元号がある?
山本:イエスです。普通は貴族の会議で決めて、最終的には天皇が決めます。明治だけは幕府が倒れて新しい政治が作られました。そのため、そういう手続きを踏むのが面倒くさいということで、議長の役職にあった人が3つに絞り、天皇にくじを引いてもらいました。
サッシャ:明治天皇が引いたんですか?
山本:そういうことです。くじって言うといい加減みたいですが、これは神意を伺う、神のお告げを受けるということなので、会議で決める以上に権威があるとも思われています。
Q4.わずか2ヶ月で改元された元号がある?
山本:これもイエスです。鎌倉時代の「暦仁(りゃくにん)」という元号です。これは災害があり験直しで「暦仁」にしたのですが、「暦」は「略」に、「仁」は人に繋がるので、「人が略されていなくなる」という意味になるため、2ヶ月で変わりました。
Q5.多くの元号の正確な読みが分かっていない?
山本:イエスです。元号は漢字で示されているため、どういう読み方かきちんと記していません。読む方が勝手に読んでいるというのがあります。漢字の読み方は漢音と呉音があり、中国から伝わったときによって音が違います。どちらも間違いとは言えないわけです。「暦」は、「れき」とも読みますし「りゃく」とも読みます。江戸時代の元号で「宝暦(ほうれき)」というのがあり、「ほうりゃく」と読む人も多いです。
最後に山本さんに次の元号を予想してもらうと、「『永久』の『永』に、人に優しいという意味の『仁』を組み合わせた『永仁(えいにん)』というのを考えています。でもこれは漢字を組み合わせただけのもので、本来は漢籍を色々と読んで、その中から選ばないといけないので、これは邪道です(笑)」と答えてくれました。
新元号は何になるのでしょうか。4月1日が楽しみですね。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。