J-WAVEで放送中の番組『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:玄理)のワンコーナー「LEXUS TOKYO TREASURE」。1月13日(日)のオンエアでは、映画監督で脚本家の松居大悟さんをお迎えして、国内外の映画祭でのエピソードや、舞台『みみばしる』の制作秘話を伺いました。
松居さんは1985年生まれ。2009年にNHKのドラマ『ふたつのスピカ』で、同局最年少のドラマ脚本家としてデビュー。2012年に『アフロ田中』で長編映画初監督。その後、『ワンダフルワールドエンド』は“ベルリン国際映画祭”に出品。『私たちのハァハァ』は“ゆうばり国際ファンタスティック映画祭”で2冠を受賞。枠にとらわれない作風は、国内外からの評価が高く、ミュージックビデオ制作やコラム連載など、活動は多岐に渡ります。
■売り込んだのがきっかけで
玄理:『ワンダフルワールドエンド』は、松居さんが自らベルリン国際映画祭の関係者に売り込みをしたそうですね。
松居:東京国際映画祭の時に各映画祭のディレクターの方がいらっしゃってて。ちょうどそのタイミングで『ワンダフルワールドエンド』ができたんです。東京国際映画祭の人に、「どうやら、このホテルにディレクターさんたちがいるぞ」ということを教えてもらったんです。ロビーで待ち受けて、映画を観に行くディレクターを止めて『ワンダフルワールドエンド』を渡したら、あとで連絡が来たんです。
玄理:おお!
松居:かなり泥臭くやりましたね(笑)。
玄理:私も『ワンダフルワールドエンド』を観ました。すごく面白かった!
■海外ではスター?!
松居さんの作品で昨年公開された映画『君が君で君だ』は、上海国際映画祭に招待され大盛況でした。
玄理:現地の反応はいかがでしたか?
松居:基本的に中国は国内の映画の市場が一番大きいから、海外の映画は極端に大きいものじゃないと入ってこないんです。国内の映画ばかりの中で僕が作ったミニシアター寄りの映画が上映されると、「待ってたぞ」みたいな感じなんです。海外の作品に触れることも少ないらしいので、すごく迎えられた感じはありました。
玄理:なるほど!
松居:あとは俳優さんのことをすごく好きでいてくれて。池松壮亮くんとの舞台挨拶が終わって、「ありがとうございました」って歩き出した瞬間に、みんながイスから立ち上がってきて写真を撮る、みたいな。大変なことになって警備員さんが止めたりして。
玄理:スターじゃないですか!
松居:僕のほうはちょっとぐらいでしたよ(笑)。
中国では松居さんの作品『アイスと雨音』も公開されています。
玄理:中国の皆さんに自分の作品が受け入れられている理由って、ご自分で分析するといかがですか?
松居:アツいのと、若者を描くことが多くて、若者のコミュ二ケーションみたいなものを自分の中で大事にしてるからですかね。韓国にもよく呼ばれるんですけど、韓国や中国の人たちは日本の若者のカルチャーや会話のテンポとかに興味があるのかな、と思います。
「韓国に行くと大ファンで分析してくれている人が来てくれるんだけど、実際にお会いすると緊張して言葉にならない姿を見ると、すごく嬉しい気持ちになります」とも話してくれました。
■リスナーは「一緒に作っている仲間」
松居さんは、日曜の23時からJ-WAVEで放送している『JUMP OVER』のナビゲーターとしてもお馴染みです。2月6日(水)から下北沢・本多劇場で始まる舞台『みみばしる』では、開局30周年のJ-WAVEと10周年を迎えた松居さん主宰の劇団・ゴジゲンのコラボが実現します!
『みみばしる』は、様々な場面で『JUMP OVER』のリスナーと連動しながら創り上げていますが、どんなやりとりをしてきたのでしょうか?
松居:全部相談しています。「白紙の状態から全部を一緒に作りたい」と呼びかけていて。キャストオーディションに関しても番組で呼びかけたら800通以上の応募をいただきました。フライヤーを作った時も宣伝コピーを考えてもらったら、1000通以上が寄せられて、絞りきれなくてたくさん載せたりしました。
玄理:「人生なんてぜんぶかんちがい」っていうコピーも、いいですよね!
松居:すごく素敵なんです。その時は舞台の内容に関しては何も決まってなくて、受信者だったリスナーが発信者になっていく物語っていうのだけ決めてたんです。昨年末は台本をずっと作ってたので「こういうとこで迷っている」とか、主人公が働いているコミュニティーが少しブラックで、リスナー自身のブラックな体験を教えてもらってそのアイデアを使ったりしています。
玄理:リスナーの皆さんに助けられたのでは?
松居:一緒に作っている仲間ですね!
ちなみに、タイトルの「みみばしる」とは、どんな意味なのでしょうか?
松居:リスナーを主役にしたかったんです。ナビゲーターの物語だといろいろなドラマを作れることができる。リスナーのほうがドラマは作りづらいかもしれないけど、ラジオを聴いているのはリスナーだよなと思って、受信者だったリスナーが主役になって発信者になる話にしたんです。“耳”は聴くことはできるけど、発信ができないじゃないですか。そんな耳が口走るかのように本能的に行動する、ということで「みみばしる」という造語にしました。
■オーディションの合格基準
『みみばしる』主演以外のキャストは、一般応募の中からオーディションで選ばれました。俳優、ミュージシャン、庭師、保育士、高校生、ブロック塀研究家など、さまざまな職業の方がラインナップしています。
玄理:どんな基準で選ばれたんですか?
松居:舞台だけをやっていると出会えない人がいいなと思いました。ラジオを愛しているということと、番組のタイトルも『JUMP OVER』なので、舞台をやることが自分にとって大きな一歩になるような人と一緒にやりたいと思いました。
舞台の稽古には日数を要しますが、出演メンバーの中には仕事を辞めた人もいます。
松居:すごいよね。合格した時に「脚本も調整するから、仕事を優先にしてそのあとで稽古をしましょう」と言ってたんですけど、会社員と保育士は辞めました。
玄理:初日まで1ヶ月を切ってますが、改めてどんな舞台になりそうですか?
松居:普段は絶対に出会えないような人たちが同じ板の上にいるので、職業もみんなバラバラだし舞台の経験もバラバラです。でも、みんなラジオを愛していたり、自分たちの中で大きな一歩を踏み出そうとしているという意味で、すごく生命力があります。石崎ひゅーいが曲を8曲ぐらい書き下ろしてるんですけど、その曲も泣きそうになるんです。観たら動き出したくなるような演劇になると思います!
『みみばしる』東京公演は2月6日(水)から2月17日(日)に下北沢・本多劇場にて、福岡公演は、2月23日(土)、24日(日)に久留米座、大阪公演は3月1日(金)から3日(日)に近鉄アート館で行われます。詳細は公式サイトをご覧ください。
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【番組情報】
番組名:『ACROSS THE SKY』
放送日時:日曜9時-12時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/acrossthesky
松居さんは1985年生まれ。2009年にNHKのドラマ『ふたつのスピカ』で、同局最年少のドラマ脚本家としてデビュー。2012年に『アフロ田中』で長編映画初監督。その後、『ワンダフルワールドエンド』は“ベルリン国際映画祭”に出品。『私たちのハァハァ』は“ゆうばり国際ファンタスティック映画祭”で2冠を受賞。枠にとらわれない作風は、国内外からの評価が高く、ミュージックビデオ制作やコラム連載など、活動は多岐に渡ります。
■売り込んだのがきっかけで
玄理:『ワンダフルワールドエンド』は、松居さんが自らベルリン国際映画祭の関係者に売り込みをしたそうですね。
松居:東京国際映画祭の時に各映画祭のディレクターの方がいらっしゃってて。ちょうどそのタイミングで『ワンダフルワールドエンド』ができたんです。東京国際映画祭の人に、「どうやら、このホテルにディレクターさんたちがいるぞ」ということを教えてもらったんです。ロビーで待ち受けて、映画を観に行くディレクターを止めて『ワンダフルワールドエンド』を渡したら、あとで連絡が来たんです。
玄理:おお!
松居:かなり泥臭くやりましたね(笑)。
玄理:私も『ワンダフルワールドエンド』を観ました。すごく面白かった!
■海外ではスター?!
松居さんの作品で昨年公開された映画『君が君で君だ』は、上海国際映画祭に招待され大盛況でした。
玄理:現地の反応はいかがでしたか?
松居:基本的に中国は国内の映画の市場が一番大きいから、海外の映画は極端に大きいものじゃないと入ってこないんです。国内の映画ばかりの中で僕が作ったミニシアター寄りの映画が上映されると、「待ってたぞ」みたいな感じなんです。海外の作品に触れることも少ないらしいので、すごく迎えられた感じはありました。
玄理:なるほど!
松居:あとは俳優さんのことをすごく好きでいてくれて。池松壮亮くんとの舞台挨拶が終わって、「ありがとうございました」って歩き出した瞬間に、みんながイスから立ち上がってきて写真を撮る、みたいな。大変なことになって警備員さんが止めたりして。
玄理:スターじゃないですか!
松居:僕のほうはちょっとぐらいでしたよ(笑)。
中国では松居さんの作品『アイスと雨音』も公開されています。
玄理:中国の皆さんに自分の作品が受け入れられている理由って、ご自分で分析するといかがですか?
松居:アツいのと、若者を描くことが多くて、若者のコミュ二ケーションみたいなものを自分の中で大事にしてるからですかね。韓国にもよく呼ばれるんですけど、韓国や中国の人たちは日本の若者のカルチャーや会話のテンポとかに興味があるのかな、と思います。
「韓国に行くと大ファンで分析してくれている人が来てくれるんだけど、実際にお会いすると緊張して言葉にならない姿を見ると、すごく嬉しい気持ちになります」とも話してくれました。
■リスナーは「一緒に作っている仲間」
松居さんは、日曜の23時からJ-WAVEで放送している『JUMP OVER』のナビゲーターとしてもお馴染みです。2月6日(水)から下北沢・本多劇場で始まる舞台『みみばしる』では、開局30周年のJ-WAVEと10周年を迎えた松居さん主宰の劇団・ゴジゲンのコラボが実現します!
『みみばしる』は、様々な場面で『JUMP OVER』のリスナーと連動しながら創り上げていますが、どんなやりとりをしてきたのでしょうか?
松居:全部相談しています。「白紙の状態から全部を一緒に作りたい」と呼びかけていて。キャストオーディションに関しても番組で呼びかけたら800通以上の応募をいただきました。フライヤーを作った時も宣伝コピーを考えてもらったら、1000通以上が寄せられて、絞りきれなくてたくさん載せたりしました。
玄理:「人生なんてぜんぶかんちがい」っていうコピーも、いいですよね!
松居:すごく素敵なんです。その時は舞台の内容に関しては何も決まってなくて、受信者だったリスナーが発信者になっていく物語っていうのだけ決めてたんです。昨年末は台本をずっと作ってたので「こういうとこで迷っている」とか、主人公が働いているコミュニティーが少しブラックで、リスナー自身のブラックな体験を教えてもらってそのアイデアを使ったりしています。
玄理:リスナーの皆さんに助けられたのでは?
松居:一緒に作っている仲間ですね!
ちなみに、タイトルの「みみばしる」とは、どんな意味なのでしょうか?
松居:リスナーを主役にしたかったんです。ナビゲーターの物語だといろいろなドラマを作れることができる。リスナーのほうがドラマは作りづらいかもしれないけど、ラジオを聴いているのはリスナーだよなと思って、受信者だったリスナーが主役になって発信者になる話にしたんです。“耳”は聴くことはできるけど、発信ができないじゃないですか。そんな耳が口走るかのように本能的に行動する、ということで「みみばしる」という造語にしました。
■オーディションの合格基準
『みみばしる』主演以外のキャストは、一般応募の中からオーディションで選ばれました。俳優、ミュージシャン、庭師、保育士、高校生、ブロック塀研究家など、さまざまな職業の方がラインナップしています。
玄理:どんな基準で選ばれたんですか?
松居:舞台だけをやっていると出会えない人がいいなと思いました。ラジオを愛しているということと、番組のタイトルも『JUMP OVER』なので、舞台をやることが自分にとって大きな一歩になるような人と一緒にやりたいと思いました。
舞台の稽古には日数を要しますが、出演メンバーの中には仕事を辞めた人もいます。
松居:すごいよね。合格した時に「脚本も調整するから、仕事を優先にしてそのあとで稽古をしましょう」と言ってたんですけど、会社員と保育士は辞めました。
玄理:初日まで1ヶ月を切ってますが、改めてどんな舞台になりそうですか?
松居:普段は絶対に出会えないような人たちが同じ板の上にいるので、職業もみんなバラバラだし舞台の経験もバラバラです。でも、みんなラジオを愛していたり、自分たちの中で大きな一歩を踏み出そうとしているという意味で、すごく生命力があります。石崎ひゅーいが曲を8曲ぐらい書き下ろしてるんですけど、その曲も泣きそうになるんです。観たら動き出したくなるような演劇になると思います!
『みみばしる』東京公演は2月6日(水)から2月17日(日)に下北沢・本多劇場にて、福岡公演は、2月23日(土)、24日(日)に久留米座、大阪公演は3月1日(金)から3日(日)に近鉄アート館で行われます。詳細は公式サイトをご覧ください。
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番組名:『ACROSS THE SKY』
放送日時:日曜9時-12時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/acrossthesky
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