J-WAVEで放送中の番組『INNOVATION WORLD』(ナビゲーター:川田十夢)。1月11日(金)のオンエアでは、音楽レーベル「カクバリズム」代表の角張 渉さんが登場。カクバリズムについて、ストリーミングとCD販売が共存する音楽の未来についてお話を伺いました。
■会社の規模を大きくするメリット、デメリット
「カクバリズム」で、YOUR SONG IS GOOD、cero、MU-STARS、キセル、二階堂和美、スカートなど、多くのアーティストのマネジメントを行い、レーベルを営んできた角張さん。川田は、「角張さんはインディレーベルを大きくしたいのか、変わらないスタンスでやりたいのか」と質問を投げかけます。
角張:「人の注目をたくさん集めたり、商品がたくさん売れたりすること」=「いいもの」と考える人たちも、たくさんいると思います。ただ、僕は若い頃に「売れているものがいい」とか「有名なものがいい」とは、あまり考えていませんでした。「はしっこのほうで、いいものをわかってくれる人がいたらそれでいい」と思って、そのつもりでレーベルとマネジメントをやってきていました。
一方で、年を取るにつれて「自分のやっていることがある一定の評価を越えてほしい」と思う瞬間が出てきたり、過去にしてきたことに慣れてしまい、飽きたりすることもあると続けます。
角張:規模が大きいことをするとレスポンスも大きいので、どこかで興奮したりうれしがったりする自分もいるんです。でも、どこかで「これでいいのかな」という気持ちも同居しています。ただ、売り上げが大きくなることは経営者としていいことだし、それによってアーティストにいい音楽環境を提供できる。そう考えると、売れたほうがいいんですよね。
カクバリズムは、過去に会社規模を拡大できるタイミングが何度かありました。
角張:(星野)源くんがカクバリズムに所属していたときは、そのタイミングがよくありました。源くんとも、そういう話はけっこうしたんです。でも、その状況になったときに、できないこともたくさん出てくるし、僕の性格も含めて、自分たちに合ってないことも出てきます。カクバリズムは音楽的なセンスで社員を集めたりしているので、緻密な仕事がでてきたとしても、法務がいないとか、不備がボロボロでてきてしまうので、会社組織としての未熟さはあると思います。そういうふうにしたくて会社をやってきたのかなと、疑問に思うこともあります。会社が大きくなるメリットとして、アーティストの予算がちゃんと組めたりするので、会社を大きくしたいという考えもあるし、このままうまくいったらいいなと思う気持ちもあります。
■ストリーミングとCD販売が共存する未来
続いて、変化する音楽業界についての話題に。角張さんは「ようやく肌感覚で変わってきた」と言います。
川田:そもそもレーベルは、「盤」に対してのレーベルだけど、「もう盤はいらないよ」と言われつつも、まだありますよね。
角張:そうですね。でも2000年前半にiTunesができた頃から「もうなくなるじゃん」と言われはじめて、かれこれ十数年経つけどまだあります。2018年12月にリリースした源くんのアルバム『POP VIRUS』が、発売初週で20万枚以上も売れたという素晴らしいニュースがありました。この前、タワーレコードの人たちと打ち合わせをしたときに、売り上げが落ちていると思っていたけど、彼らはそうでもないと言っていました。日本の音楽業界は特殊で、まだCDが売れるんですよね。ストリーミングにしても、CDにしても、レコードにしてもテープにしても、人それぞれにあった音楽の選択肢が増えたと考えつつ、選択肢が多いと利益率が下がるので、今後は知恵の絞り合いですよね。
川田:そうですよね。グラミー賞の受賞作品において、その作品のCDがなくなってきているというニュースもありました。形はどんどん失われていく一方で、それを保持したいものもあるので、今はその狭間にあるなと思いますね。
角張:僕らが若い頃は、傷が付くくらい同じCDを何回も聴いていたじゃないですか。今の若い子たちもストリーミングで何回も同じ曲を聴いて、それが如実に数字に表れて、アーティストの人気を支えているという図式なので、今も昔もあまり変わってないと思います。 ただ、今、ヒップホップを聴く若者が、歌詞カードがなくてもみんな合唱している感じを見ると、「これはきてるな」とか「変わってきてるな」と実感しますけどね。
川田:「テープがすり切れるまで聴く」という表現も、変わってくるんでしょうね。
角張:違うでしょうね。「数年間、自分のトップ10がひたすらこの曲だよ」みたいな表現になってくるんじゃないですかね。
思い出野郎Aチーム『楽しく暮らそう』オンエアパートはこちら。
オンエアでは、カニバリズム所属の思い出野郎Aチーム『楽しく暮らそう』をオンエア。カニバリズムの2019年は、「YOUR SONG IS GOODやキセルが20周年で、思い出野郎Aチームが10周年になるなど、いろいろな動きがある年」と角張さん。「僕たちなりに今年は大転換で攻めていこうと思っている」と抱負を述べました。この先、カクバリズムはどんな素晴らしい音楽を私たちに届けてくれるのでしょうか。今年も目が離せません。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:毎週金曜日22時-22時55分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/
■会社の規模を大きくするメリット、デメリット
「カクバリズム」で、YOUR SONG IS GOOD、cero、MU-STARS、キセル、二階堂和美、スカートなど、多くのアーティストのマネジメントを行い、レーベルを営んできた角張さん。川田は、「角張さんはインディレーベルを大きくしたいのか、変わらないスタンスでやりたいのか」と質問を投げかけます。
角張:「人の注目をたくさん集めたり、商品がたくさん売れたりすること」=「いいもの」と考える人たちも、たくさんいると思います。ただ、僕は若い頃に「売れているものがいい」とか「有名なものがいい」とは、あまり考えていませんでした。「はしっこのほうで、いいものをわかってくれる人がいたらそれでいい」と思って、そのつもりでレーベルとマネジメントをやってきていました。
一方で、年を取るにつれて「自分のやっていることがある一定の評価を越えてほしい」と思う瞬間が出てきたり、過去にしてきたことに慣れてしまい、飽きたりすることもあると続けます。
角張:規模が大きいことをするとレスポンスも大きいので、どこかで興奮したりうれしがったりする自分もいるんです。でも、どこかで「これでいいのかな」という気持ちも同居しています。ただ、売り上げが大きくなることは経営者としていいことだし、それによってアーティストにいい音楽環境を提供できる。そう考えると、売れたほうがいいんですよね。
カクバリズムは、過去に会社規模を拡大できるタイミングが何度かありました。
角張:(星野)源くんがカクバリズムに所属していたときは、そのタイミングがよくありました。源くんとも、そういう話はけっこうしたんです。でも、その状況になったときに、できないこともたくさん出てくるし、僕の性格も含めて、自分たちに合ってないことも出てきます。カクバリズムは音楽的なセンスで社員を集めたりしているので、緻密な仕事がでてきたとしても、法務がいないとか、不備がボロボロでてきてしまうので、会社組織としての未熟さはあると思います。そういうふうにしたくて会社をやってきたのかなと、疑問に思うこともあります。会社が大きくなるメリットとして、アーティストの予算がちゃんと組めたりするので、会社を大きくしたいという考えもあるし、このままうまくいったらいいなと思う気持ちもあります。
■ストリーミングとCD販売が共存する未来
続いて、変化する音楽業界についての話題に。角張さんは「ようやく肌感覚で変わってきた」と言います。
川田:そもそもレーベルは、「盤」に対してのレーベルだけど、「もう盤はいらないよ」と言われつつも、まだありますよね。
角張:そうですね。でも2000年前半にiTunesができた頃から「もうなくなるじゃん」と言われはじめて、かれこれ十数年経つけどまだあります。2018年12月にリリースした源くんのアルバム『POP VIRUS』が、発売初週で20万枚以上も売れたという素晴らしいニュースがありました。この前、タワーレコードの人たちと打ち合わせをしたときに、売り上げが落ちていると思っていたけど、彼らはそうでもないと言っていました。日本の音楽業界は特殊で、まだCDが売れるんですよね。ストリーミングにしても、CDにしても、レコードにしてもテープにしても、人それぞれにあった音楽の選択肢が増えたと考えつつ、選択肢が多いと利益率が下がるので、今後は知恵の絞り合いですよね。
川田:そうですよね。グラミー賞の受賞作品において、その作品のCDがなくなってきているというニュースもありました。形はどんどん失われていく一方で、それを保持したいものもあるので、今はその狭間にあるなと思いますね。
角張:僕らが若い頃は、傷が付くくらい同じCDを何回も聴いていたじゃないですか。今の若い子たちもストリーミングで何回も同じ曲を聴いて、それが如実に数字に表れて、アーティストの人気を支えているという図式なので、今も昔もあまり変わってないと思います。 ただ、今、ヒップホップを聴く若者が、歌詞カードがなくてもみんな合唱している感じを見ると、「これはきてるな」とか「変わってきてるな」と実感しますけどね。
川田:「テープがすり切れるまで聴く」という表現も、変わってくるんでしょうね。
角張:違うでしょうね。「数年間、自分のトップ10がひたすらこの曲だよ」みたいな表現になってくるんじゃないですかね。
思い出野郎Aチーム『楽しく暮らそう』オンエアパートはこちら。
オンエアでは、カニバリズム所属の思い出野郎Aチーム『楽しく暮らそう』をオンエア。カニバリズムの2019年は、「YOUR SONG IS GOODやキセルが20周年で、思い出野郎Aチームが10周年になるなど、いろいろな動きがある年」と角張さん。「僕たちなりに今年は大転換で攻めていこうと思っている」と抱負を述べました。この先、カクバリズムはどんな素晴らしい音楽を私たちに届けてくれるのでしょうか。今年も目が離せません。
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番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:毎週金曜日22時-22時55分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/
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