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米津玄師、あいみょんのMVを手掛ける映像作家・山田智和、人の本質を剥き出すために…

米津玄師、あいみょんのMVを手掛ける映像作家・山田智和、人の本質を剥き出すために…

J-WAVEで放送中の番組『INNOVATION WORLD』(ナビゲーター:川田十夢)。11月23日(金)のオンエアでは、映像作家・山田智和さんをお迎えした「INTER BEE IGNITION」での公開収録の模様をお送りしました。

サカナクションや水曜日のカンパネラ、最近では米津玄師さん『Lemon』『Flamingo』、あいみょんさん『マリーゴールド』『今夜このまま』など、話題のアーティストのミュージックビデオを手掛ける山田さん。今回は「映像作品のイノベーション」をテーマに、お話を伺いました。


■観ている人が感情移入する映像

山田さんの作品を全て観たという川田は、『47 Seconds』や『A Little Journey』などの作品名を挙げながら、山田さんの映像作品の印象を語ります。

川田:僕からすると、ひとつ下の世代で、ファッションCMの仕事もしているので、キラキラした世界を作っているのかなと思っていました。でも、映像を観始めたら、奇をてらったことがなくて、人の顔がよくわかる印象でした。人の体、動き、光、影など、人間を直視してそれを映像にしている。だから観ている人は、すごく感情移入してしまうんですよ。「この人はどんな人なんだろう」「どこに向かっているんだろう」「何を考えているんだろう」と思うから、続きがすごく気になる。すごく“持っていかれる作品”を作っているなと思います。
山田:もともとは、ミシェル・ゴンドリーとか、スパイク・ジョーンズとか、映像ギミックでどう表現していくかというところから入ったんです。でも、自分がいざ作ってみると、実はギミックはあまり好きじゃなかったというか、重要じゃなかったというのはあるかもしれないですね。


■出演者に恋しちゃう?

続いて、山田さんが撮影したCharaさんの『Tiny Dancer』MVの話題になりました。

山田:撮影の2カ月前くらいに失恋をしまして、「映像やめる」とか言っていたんですよ。そんなときにCharaさんのライブに行って、悲劇のヒロイン状態なので、『Tiny Dancer』の曲を聴かせてもらって、「これは自分のための曲だ」と思って、その場で「撮らせてください」と直訴して撮った経緯があります。
川田:Charaさんはどんな反応をしたんですか?
山田:「そんなにやりたいなら、私は出ないけどやっていいよ」って(笑)。「私は稼働日がないので誰でやりたい?」と楽屋で話していたときに、うしろを通ったのが満島ひかりさんだったんですよ。Charaさんと仲がいいらしくて、そのときもライブを観に来ていたみたいなんです。そのときにまた勘違いして「俺はたぶん満島さんでCharaさんのMVを撮るんだ」という錯覚をしました。でも本当に素晴らしい方なので、自分が失恋した経緯なども手紙に書かせていただいて、実現したという感じですね。
川田:演者にも思いを伝えているんだね。
山田:逆にラクですよね。嘘じゃない自分の気持ちなので、それがダメだったら逆に諦められるという気持ちで人と接しています。
川田:「この曲は自分のために書いているんだ」とかいう没入はすごくわかるし、僕もそういう仕事の仕方をしています。そう思っちゃうことがあるんだよね。
山田:そうですよね。何かのはじまりとか。
川田:だいたい本人に伝えると「は?」って言われるんですけど、思いは伝わるじゃん。女優さんが山田作品じゃないと見せない顔とかしてくれるじゃない。それで好きになっちゃったりしないの?
山田:毎回好きになっていますね。
川田:その気持ちはどうするの?
山田:その気持ちは編集に持っていきます。編集作業は辛いので、恋をしたまま編集をします。それで消化・浄化されて、きれいな気持ちになっています。


■人の本質を剥き出すためにあえて危ない撮影も

トーク後半では、MV撮影の裏話について伺いました。山田さんは、あいみょん『マリーゴールド』のスケートボードでの滑走シーンについて、このように語りました。

山田:普通、あいみょんクラスならOKしないような危なさというか、雨の中、スケートボードに乗って歌っています。転んで「もし顎を折ったらどうすんの?」みたいな、その緊張感でやりたいんですよね。「本気を撮らせてくれ」というメッセージを、こっちからどう発信するかが大事。映画は脚本があって尺があるけど、MVやCMはないから、人の本質がどういうときに剥き出されたり捉えられるだろうって考えたら、肉体的な動きや癖に出るので、それに頼っているところはあるかもしれないですね。

最後に山田さんの「イノベーションソング」として、Dragon Ash『静かな日々の階段を』をオンエアしました。今後、どのような山田さんの作品がみられるのか、ぜひ注目してみてください。

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【番組情報】
番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:毎週金曜日22時-22時55分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/

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