J-WAVEで放送中の番組『INNOVATION WORLD』(ナビゲーター:川田十夢)のワンコーナー「GLOBAL OPEN INNOVATION」。10月19日(金)のオンエアでは、先日行われた「イノフェス(INNOVATION WORLD FESTA 2018 Supported by CHINTAI)」で、田原総一朗さん、落合陽一さん、西野亮廣さんが登壇した「新しい社会と経済の作り方~学生からの手紙2018~」の模様をお届けしました。
■生き方が変わったひとつの要因は…
もはや「大企業なら安心」という時代ではありません。産業の形態が変化していっています。そのとき重要なことは、なんなのでしょうか。
司会:落合さんや西野さんはオンラインサロンやクラウドファンディングを行ってらっしゃいますが……。
田原:いや、僕が訊きたいのはね。
西野:え!? いまのテーマもうやめるんですか!? 田原さん、これ『朝生』じゃないんですよ(笑)!(注:田原総一朗が司会を務める討論番組『朝まで生テレビ!』のこと)
田原:いろんな大企業が「10年、持たない」と言っている時代じゃない。落合さんはどうする?
落合:産業の形態が変わるときに、面白いことをやってみることは重要だと思います。通信速度が早くなったり、カメラが普及したり、ディスプレイができたりすると、見たものや聞いたものを他人に送るコストが下がりますよね。西野さんや僕がやっているように、オンラインサロンで自分の講演や講義を他人に配信して、フィードバックを得ることができる。YouTuberだったら、スマートフォン1台で放送局になるじゃないですか。そういうことをしながら、Q&Aをするとか、誰でも見られるところにお金を集める仕組みを作ればクラウドファンディングになるとか、目で見るものや耳で聞くものに対するコストが下がったことが、僕らの生き方が変わったひとつの要因だと思います。という話が、田原さんは今したかったんだと思う。
西野:まとめてくれた(笑)!
■先輩の敷いたレールの上で活躍しても追い抜けない
西野さんはクラウドファンディングを利用して大ヒット絵本『えんとつ町のプペル』(幻冬舎)を生みだしました。落合さんが「なぜ絵本作家になったのか」と問いかけます。
西野:僕はけっこう単純で。僕が20歳のときにバラエティー番組『はねるのトびら』(フジテレビ)がスタートしました。この番組はフジテレビが「スターをつくる」みたいな番組で、一生懸命頑張って25歳のときにゴールデンタイムの放送になって、当時、日本で一番の高視聴率を記録したんです。それをきっかけに各局で冠番組をいただいて願ったり叶ったりの状況になって、生活もよくなったしチヤホヤされるようにもなったけど、「スターにはなってないな」と思ったんですよ。結局、スターの山を登ったら景色が広がると思っていたけど、見えたのはタモリさんとか明石家さんまさんとかビートたけしさんとかの背中であって、彼らのことを追い抜いてなかったんです。
田原:なんで、さんまさんとかたけしさんとかが、いつまでもトップなの?
西野:「なぜ自分は彼らを抜いていないんだろう」と考えたときに、自分の走っていたレールって、先輩方が敷いてくれたレールなので。そのレールのなかで一番になっても、最終的にはそのレールを敷いた人の背中を押す作業になっていたと気づきました。
落合:確かにそれはある。研究の世界もそうです。
西野:つまり、さんまさんの番組で僕たちが結果を出せば出すほど、さんまさんの寿命が延びるし、ダウンタウン・松本人志さんの番組で僕たちがいいネタを出せば出すほど、その番組は続くから松本さんの寿命が延びる。たとえば「ファミコン」で例えると、『ドラゴンクエスト』とか『ファイナルファンタジー』とか、いいソフトを作れば作るほど、ハードを作っている任天堂にポイントが入るってことですね。つまり、自分の活動が彼らにポイントを入れていることだと途中で気がついて、「これはダメだ」と思いました。
田原:がんばればがんばるほどね。
■タレントは露出を増やして信用度を落とす
この話の流れから、西野さんは活動に対してのお金の出所について言及します。
西野:落合さんとか幻冬舎の編集者・箕輪厚介さんがいるポジションと、タレントがいるポジションでは、お金の出所が違いますよね。タレントの出所は広告費で、落合さんたちの側はオンラインサロンなどのダイレクト課金なんです。ダイレクト課金は自分の信用を両替して生きられる状態にあるということです。「この会社は嫌だな」と思って無職になっても「polca」(フレンドファンディングアプリ)をすればいいし、「海外に行きたいな」と思ったらクラウドファンディングをすればいい。だから、落合さんたち側にポジションを置くことが一番のリスクヘッジかもしれない。ただ信用が重要だから嘘はついちゃダメ。一方、お金の出所がスポンサーのタレントは好感度を取りいく必要があるから、たとえばグルメ番組でおいしくないものを食べても「おいしい」って言わなきゃいけない。そうして嘘を重ねるから、彼らの作業は露出を増やして信用度を落としているということなんです。
これを聞いた落合さんは、「今までは広告の名の下でいろんな中間搾取が起こったり、ブランディングの名の下でみんなが嘘をついたりしてきましたよね。それはよくない」と話し、これからは「できないことはできない」、「できることはできる」と誠実にものごとを進めていくしかないと結びました。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:毎週金曜 22時-22時55分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/
■生き方が変わったひとつの要因は…
もはや「大企業なら安心」という時代ではありません。産業の形態が変化していっています。そのとき重要なことは、なんなのでしょうか。
司会:落合さんや西野さんはオンラインサロンやクラウドファンディングを行ってらっしゃいますが……。
田原:いや、僕が訊きたいのはね。
西野:え!? いまのテーマもうやめるんですか!? 田原さん、これ『朝生』じゃないんですよ(笑)!(注:田原総一朗が司会を務める討論番組『朝まで生テレビ!』のこと)
田原:いろんな大企業が「10年、持たない」と言っている時代じゃない。落合さんはどうする?
落合:産業の形態が変わるときに、面白いことをやってみることは重要だと思います。通信速度が早くなったり、カメラが普及したり、ディスプレイができたりすると、見たものや聞いたものを他人に送るコストが下がりますよね。西野さんや僕がやっているように、オンラインサロンで自分の講演や講義を他人に配信して、フィードバックを得ることができる。YouTuberだったら、スマートフォン1台で放送局になるじゃないですか。そういうことをしながら、Q&Aをするとか、誰でも見られるところにお金を集める仕組みを作ればクラウドファンディングになるとか、目で見るものや耳で聞くものに対するコストが下がったことが、僕らの生き方が変わったひとつの要因だと思います。という話が、田原さんは今したかったんだと思う。
西野:まとめてくれた(笑)!
■先輩の敷いたレールの上で活躍しても追い抜けない
西野さんはクラウドファンディングを利用して大ヒット絵本『えんとつ町のプペル』(幻冬舎)を生みだしました。落合さんが「なぜ絵本作家になったのか」と問いかけます。
西野:僕はけっこう単純で。僕が20歳のときにバラエティー番組『はねるのトびら』(フジテレビ)がスタートしました。この番組はフジテレビが「スターをつくる」みたいな番組で、一生懸命頑張って25歳のときにゴールデンタイムの放送になって、当時、日本で一番の高視聴率を記録したんです。それをきっかけに各局で冠番組をいただいて願ったり叶ったりの状況になって、生活もよくなったしチヤホヤされるようにもなったけど、「スターにはなってないな」と思ったんですよ。結局、スターの山を登ったら景色が広がると思っていたけど、見えたのはタモリさんとか明石家さんまさんとかビートたけしさんとかの背中であって、彼らのことを追い抜いてなかったんです。
田原:なんで、さんまさんとかたけしさんとかが、いつまでもトップなの?
西野:「なぜ自分は彼らを抜いていないんだろう」と考えたときに、自分の走っていたレールって、先輩方が敷いてくれたレールなので。そのレールのなかで一番になっても、最終的にはそのレールを敷いた人の背中を押す作業になっていたと気づきました。
落合:確かにそれはある。研究の世界もそうです。
西野:つまり、さんまさんの番組で僕たちが結果を出せば出すほど、さんまさんの寿命が延びるし、ダウンタウン・松本人志さんの番組で僕たちがいいネタを出せば出すほど、その番組は続くから松本さんの寿命が延びる。たとえば「ファミコン」で例えると、『ドラゴンクエスト』とか『ファイナルファンタジー』とか、いいソフトを作れば作るほど、ハードを作っている任天堂にポイントが入るってことですね。つまり、自分の活動が彼らにポイントを入れていることだと途中で気がついて、「これはダメだ」と思いました。
田原:がんばればがんばるほどね。
■タレントは露出を増やして信用度を落とす
この話の流れから、西野さんは活動に対してのお金の出所について言及します。
西野:落合さんとか幻冬舎の編集者・箕輪厚介さんがいるポジションと、タレントがいるポジションでは、お金の出所が違いますよね。タレントの出所は広告費で、落合さんたちの側はオンラインサロンなどのダイレクト課金なんです。ダイレクト課金は自分の信用を両替して生きられる状態にあるということです。「この会社は嫌だな」と思って無職になっても「polca」(フレンドファンディングアプリ)をすればいいし、「海外に行きたいな」と思ったらクラウドファンディングをすればいい。だから、落合さんたち側にポジションを置くことが一番のリスクヘッジかもしれない。ただ信用が重要だから嘘はついちゃダメ。一方、お金の出所がスポンサーのタレントは好感度を取りいく必要があるから、たとえばグルメ番組でおいしくないものを食べても「おいしい」って言わなきゃいけない。そうして嘘を重ねるから、彼らの作業は露出を増やして信用度を落としているということなんです。
これを聞いた落合さんは、「今までは広告の名の下でいろんな中間搾取が起こったり、ブランディングの名の下でみんなが嘘をついたりしてきましたよね。それはよくない」と話し、これからは「できないことはできない」、「できることはできる」と誠実にものごとを進めていくしかないと結びました。
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番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:毎週金曜 22時-22時55分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/
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