J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』。この週はお休みの寺岡歩美に代わり、杉山セリナがアシスタントを担当。ナビゲーターのサッシャとともにお送りしました。9月11日(火)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、大規模災害のときに見落とされがちなトイレの対応について注目。NPO法人日本トイレ研究所代表理事の加藤 篤さんに詳しく伺いました。
今回発生した北海道胆振東部地震では、道内全域が停電しましたが、電気が使えないとマンションの屋上にあるタンクまで水をくみ上げることができなくなり、トイレを流すことが難しくなったり、下水管が壊れてトイレが使えなくなるというケースもあります。
NPO法人日本トイレ研究所は、トイレを通じて社会をよくする活動をしているNPOで、子どもたちの便秘の問題や、街なかのバリアフリーなど幅広くトイレにまつわる問題を扱っています。また災害のときに、国が行う災害物資支援のトイレについて、各企業が持つ在庫の把握や、災害用トイレを作っている企業の生産能力を調査し、そのデータを国に提供する裏方として支援をしています。
■地震が起きたときに真っ先にすることは?
まずは今回の北海道の地震を受け、どのような相談がよせられているか訊きました。
加藤:水洗トイレはたくさん水を流します。飲水の確保ですら大変なときに、トイレに流す水を確保するのは非常に大変だという声が届いています。
サッシャ:今回は北海道全域が停電したわけですが、このような場合のトイレトラブルで想定されること、また実際にどのようなことが起きていますか?
加藤:全てではないですが、停電すると断水します。他にも地震で排水管が外れる、液状化が起きて地下の配管が詰まる、そうなるとトイレは流せません。過去には、流せないのに上の階で無理やり流して、1階の人のトイレからみんなのものが出てきてしまうということがありました。1階の被害が大きく、出どころがなくなってしまうと、マンホールから溢れるか、そこが詰まると1階の人の便器から出てしまいます。
杉山:今回のようにいざ地震が起きたときは、私たちはどうしたらいいのでしょうか?
加藤:災害用トイレには携帯トイレという袋式のトイレがあるので、これをまず便器に取り付けてください。トイレが使えるかどうかはそのあとに点検してほしいです。なぜなら、みなさんが慌てている間に誰かが気づかずに使ってしまうんです。水が出ないのにひとりでも使ってしまうと大変です。
サッシャ:トイレが使えるかはどのように確認すればいいですか?
加藤:ポイントは、水が出ているかどうかをチェックすること。家の敷地内で排水管が壊れていないか、飛び出ていないか、地盤沈下、液状化が起きていないか。あと専門的ですが、汚水桝というものが建物と下水管をつなぐところにあって、そこがチェックできるようになっています。これはトイレの汚水と下水管がつながる間にあって、通常つまらないように点検したり清掃する場所です。そのような点検溝があるので、そこの蓋を開けて中をみてください。
サッシャ:携帯用トイレがない場合、ゴミ袋に新聞紙、猫のトイレ砂を入れる、という話も耳にしますが、これは正しいのですか?
加藤:新聞紙は過去の震災でやむにやまれず何もなくてやった方法です。これから備える人にはオススメはできません。やはりちゃんと開発された携帯用トイレを備えてほしいです。それ以外ではオムツなどで代用できる可能性はあります。
杉山:北海道の発表では、10日の時点で2700人以上が自宅を離れて避難されているそうですが、避難所のトイレで注意すべき点はありますか。
加藤:人ってトイレが安心できないと、トイレに行かないようにするんです。それで怖いのは、水を飲むことを止めることです。そうすると途端に体が弱ります。エコノミークラス症候群、膀胱炎、脱水など、特にお年寄り、女性、障害がある人、子どもが安心してトイレを使っているかどうかをケアしてほしいです。
サッシャ:掃除をすることも大事ですね。
■震災にあう前に備えておくべきものは?
改めて加藤さんに、今後備えておくべきもの、習慣化するべきことを訊きました。
加藤:備えておくべきものは携帯トイレです。自宅のトイレを活かすためにも携帯トイレを絶対に備えてほしい、そして(災害時は)すぐに取り付けてほしいというのが備えです。ホームセンターやネットでも安価で買えますのでオススメです。
杉山:たとえば一家4人だとどれくらい買わないといけないですか?
加藤:自分が1日何回トイレに行くか数えてほしいのですが、ひとり1日5回とすると、4人×5、さらに7日間くらいで「140個」はあったほうが安心ですね。
杉山:けっこうな量ですね。
加藤:あともうひとつ習慣にしておくべきことは、トイレはライフラインだということを強く言いたいです。電気、ガスとかいいますが、そこにトイレを加えてください。そうすると日本中の人に大切さが伝わると思います。
災害時のトイレについての情報は日本トイレ研究所の「災害用トイレガイド」という専門サイトで詳しく掲載しています。日頃の備えなども含め、ぜひチェックしてみてください!
【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
今回発生した北海道胆振東部地震では、道内全域が停電しましたが、電気が使えないとマンションの屋上にあるタンクまで水をくみ上げることができなくなり、トイレを流すことが難しくなったり、下水管が壊れてトイレが使えなくなるというケースもあります。
NPO法人日本トイレ研究所は、トイレを通じて社会をよくする活動をしているNPOで、子どもたちの便秘の問題や、街なかのバリアフリーなど幅広くトイレにまつわる問題を扱っています。また災害のときに、国が行う災害物資支援のトイレについて、各企業が持つ在庫の把握や、災害用トイレを作っている企業の生産能力を調査し、そのデータを国に提供する裏方として支援をしています。
■地震が起きたときに真っ先にすることは?
まずは今回の北海道の地震を受け、どのような相談がよせられているか訊きました。
加藤:水洗トイレはたくさん水を流します。飲水の確保ですら大変なときに、トイレに流す水を確保するのは非常に大変だという声が届いています。
サッシャ:今回は北海道全域が停電したわけですが、このような場合のトイレトラブルで想定されること、また実際にどのようなことが起きていますか?
加藤:全てではないですが、停電すると断水します。他にも地震で排水管が外れる、液状化が起きて地下の配管が詰まる、そうなるとトイレは流せません。過去には、流せないのに上の階で無理やり流して、1階の人のトイレからみんなのものが出てきてしまうということがありました。1階の被害が大きく、出どころがなくなってしまうと、マンホールから溢れるか、そこが詰まると1階の人の便器から出てしまいます。
杉山:今回のようにいざ地震が起きたときは、私たちはどうしたらいいのでしょうか?
加藤:災害用トイレには携帯トイレという袋式のトイレがあるので、これをまず便器に取り付けてください。トイレが使えるかどうかはそのあとに点検してほしいです。なぜなら、みなさんが慌てている間に誰かが気づかずに使ってしまうんです。水が出ないのにひとりでも使ってしまうと大変です。
サッシャ:トイレが使えるかはどのように確認すればいいですか?
加藤:ポイントは、水が出ているかどうかをチェックすること。家の敷地内で排水管が壊れていないか、飛び出ていないか、地盤沈下、液状化が起きていないか。あと専門的ですが、汚水桝というものが建物と下水管をつなぐところにあって、そこがチェックできるようになっています。これはトイレの汚水と下水管がつながる間にあって、通常つまらないように点検したり清掃する場所です。そのような点検溝があるので、そこの蓋を開けて中をみてください。
サッシャ:携帯用トイレがない場合、ゴミ袋に新聞紙、猫のトイレ砂を入れる、という話も耳にしますが、これは正しいのですか?
加藤:新聞紙は過去の震災でやむにやまれず何もなくてやった方法です。これから備える人にはオススメはできません。やはりちゃんと開発された携帯用トイレを備えてほしいです。それ以外ではオムツなどで代用できる可能性はあります。
杉山:北海道の発表では、10日の時点で2700人以上が自宅を離れて避難されているそうですが、避難所のトイレで注意すべき点はありますか。
加藤:人ってトイレが安心できないと、トイレに行かないようにするんです。それで怖いのは、水を飲むことを止めることです。そうすると途端に体が弱ります。エコノミークラス症候群、膀胱炎、脱水など、特にお年寄り、女性、障害がある人、子どもが安心してトイレを使っているかどうかをケアしてほしいです。
サッシャ:掃除をすることも大事ですね。
■震災にあう前に備えておくべきものは?
改めて加藤さんに、今後備えておくべきもの、習慣化するべきことを訊きました。
加藤:備えておくべきものは携帯トイレです。自宅のトイレを活かすためにも携帯トイレを絶対に備えてほしい、そして(災害時は)すぐに取り付けてほしいというのが備えです。ホームセンターやネットでも安価で買えますのでオススメです。
杉山:たとえば一家4人だとどれくらい買わないといけないですか?
加藤:自分が1日何回トイレに行くか数えてほしいのですが、ひとり1日5回とすると、4人×5、さらに7日間くらいで「140個」はあったほうが安心ですね。
杉山:けっこうな量ですね。
加藤:あともうひとつ習慣にしておくべきことは、トイレはライフラインだということを強く言いたいです。電気、ガスとかいいますが、そこにトイレを加えてください。そうすると日本中の人に大切さが伝わると思います。
災害時のトイレについての情報は日本トイレ研究所の「災害用トイレガイド」という専門サイトで詳しく掲載しています。日頃の備えなども含め、ぜひチェックしてみてください!
【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
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