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岡田准一、「縄文時代」に思いを馳せる…当時の人々が大らかだったワケ

岡田准一、「縄文時代」に思いを馳せる…当時の人々が大らかだったワケ

J-WAVEで放送中の番組『GROWING REED』(ナビゲーター:岡田准一)。8月5日(日)のオンエアでは、東京国立博物館 特別展室主任研究員であり、縄文時代のスペシャリスト、井出浩正さんをゲストにお迎えしました。

現在、東京国立博物館で特別展「縄文-1万年の美の鼓動」が開催中です。およそ1万3千年前に幕が開けた縄文時代。現在、私たちが目にすることができる当時の土器や土偶は、時を越えてどんなことを伝えてくれるのでしょうか。

岡田:今年は「縄文」っていうワードが流行語になるんじゃないかと言われているほど、縄文がきてますよね。
井出:そうですね。よくいろいろなところでも「縄文」っていう文字であったり、声を聞くようになりましたね。

岡田は2、3年ほど前から、知人の建築家などから「縄文ですよ」「縄文がアツいんです」という声を聞いていたそう。そんな世間での縄文への関心の高まりを受け、現在、東京国立博物館で開催されているのが「縄文-1万年の美の鼓動」です。


■縄文時代ってどんな時代?

学校の授業では縄文時代について、ほんの少しか習っていない印象があると言う岡田。知っているようで知らない縄文時代について、岡田は知っている知識を並べました。

岡田:1万年続いていて、火焔式土器で、稲作が始まってなくて……。これくらいしか知らないんですよね。そして、稲作が始まるまで、人間にはそこまで「欲」というものがなかった。土地を所有するという欲がなかったので、人を殺めたりすることがあまりなかったと聞いたことがあります。
井出:そうですね。おっしゃる通りで、土地っていうものになぜ執着していくかっていうと、やはり「農耕」がひとつのキーワードになると思うんですね。

稲作をするためには田んぼが必要になるため、土地をめぐる争いが出てきます。しかし、縄文時代は稲作がまだ始まっていないので、当時の人々は大らかだった、と井出さんは説明します。

井出:あと岡田さんがおっしゃられた中に加えるとしたら、「金属」も縄文時代にはなかったです。
岡田:当時は石の槍とか。
井出:石の矢じりとか、石の斧とか。飾りなんかもみんな石とかで作っていました。


■文字はあった?

岡田:どれくらいの文明なんですか? もちろん集落はありますよね。言葉はありますか?
井出:おそらくあったと思います。
岡田:文字は?
井出:文字はない、あるいは今の私どもにはわからない、あるいは残っていないです。基本的に、今の私どもは「ない」と考えています。

そんな縄文時代のもので、国宝に指定されているものが6件あります。これが「縄文-1万年の美の鼓動」で展示中です。縄文時代の国宝6件がすべて揃うのは史上初のことだそう。ちなみに6件=6点ではなく、1件の中に複数あります。その中には、芸術家の岡本太郎さんが影響を受けたという、火焔式土器も含まれています。

「見る時に、その物語を知っているとおもしろい」という岡田。井出さんは、数ある展示の中でも模様に物語を持っている「物語性文様」として、群馬県の道訓前遺跡で発見された「焼町(やけまち)土器」を紹介しました。

岡田:観に行くみなさん、展示ナンバー40番です(笑)。
井出:こちらは胴部の模様をご覧になると……。
岡田:踊ってるのかな?
井出:よくおわかりですね! さすがですね! 手を上げている人と、手を輪っかのようにして下げている人が4人いるんです。それが土器をくるりと囲むようにして、まるで踊っているかのように見えるんですよね。

この模様から、亡くなった人を見送る儀式なのか、あるいはお祭りなのか、物語の可能性を巡らせた岡田。

井出:この土器は集落のお墓から発見されているんです。ですから、今おっしゃったように、誰かが亡くなった時にお別れの儀式をしている姿かもしれないですし、宴をやっている仕草なのかもしれないです。そういうことも会場で観て、みなさんさまざまな考えが出てくると思うので、楽しんでほしいです。

みなさんもぜひ、会場に足を運んでいろんな想像を巡らせてみてはいかがでしょうか。東京国立博物館の特別展「縄文-1万年の美の鼓動」は9月2日(日)まで開催されています。

【番組情報】
番組名:『GROWING REED』
放送日時:毎週日曜 24時-25時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/growingreed/

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