J-WAVEで放送中の番組『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』(ナビゲーター:グローバー)。6月16日(土)のオンエアでは、ゴスペラーズ黒沢 薫さん、共演した経験を持つ日本人ダンサーのユーコ・スミダ・ジャクソンさんをお迎えし、マイケル・ジャクソンの魅力を語りました。
■生のマイケルは、人間離れしたオーラ!
マイケル・ジャクソンは1958年8月29日、アメリカ・インディアナ州で誕生。家族とジャクソン・ファイブを結成し1969年モータウン・レコードからメジャーデビュー。数々のヒットを生み出し、ソロになったあともMTVの時代を象徴するミュージックビデオも人気を後押しして、ミュージックシーンのトップに君臨します。2009年最後のツアー「THIS IS IT」を行うと発表し大きな話題を呼ぶものの、ツアー開催直前6月25日自宅で息を引き取り、享年50歳でこの世を旅立ってしまいました。
グローバーに「マイケルはお好きですか」と問われた、黒沢さんは「本当言うとね」と打ち明け始めました。
黒沢:生前はちょっとバカにしてたところもあったんですよ。ソウルミュージックの世界では『マイケルはソウルじゃない』という扱いをされることもあったから。学生時代とか、ソウルバーのオヤジとか、『Off The Wall』までだよな、みたいなことを平気で言う人がいたんですよ。
グローバー:「あれはもうポップスだから別枠」みたいな。
黒沢:そうそう。でも、亡くなったあとに公開された『THIS IS IT』を観に行って、僕は本当に心の底から反省したんです。
そのステージをバックステージから観ていたのが、ダンサーのユーコさんです。ユーコさんは1992年の「デンジャラス・ワールド・ツアー」で、マイケルと共演しています。『THIS IS IT』について、「観たときに、これで本当のマイケルの姿が世の中のみなさんに伝わると思って、すごく嬉しかった」と話しました。
グローバー:黒沢さんが初めてマイケルに出会ったのは?
黒沢:出会ったのはグラミー賞の授賞式が地上波でやっていて。それか、スリラーのMVですね。あとは、とんねるずのコント(笑)。ハマるというか、“お茶の間にいる人”という印象でしたね。キング・オブ・ポップよりも身近に感じていました。
一方、ダンサーとして一緒にビジュアルイメージを作っていたユーコさんは……。
ユーコ:マイケルとの出会いは、母親の美容院の有線でながれてたジャクソン・ファイブ、衝撃を受けたのは『Thriller』ですね。音だけじゃない映像を一緒に観れて、あのストーリー性に心を掴まれました。衝撃だったし、展開が怖かったですね。
黒沢:途中、なんの手加減もなく、本気でホラー映画ですもんね。
マイケルとの共演経験があるユーコさん。そのときの印象を語りました。
ユーコ:初めて会ったのは、「デンジャラス・ワールド・ツアー」のリハーサル中でした。マイケルが現れたときのことは、今でも覚えています。撮影所のドアからマイケルが歩いてくるっていうところから、私は空気が変わったのを感じて。優しく、柔らかくなるんですね。そして実際に目の前に来てくださって、「ユーコ、はじめまして」って。その手が、なんか透明だったんですよ。握手した手は冷たい感じで、「人間じゃないのか?」と思うぐらいのすごさと、人間以上に人間らしい優しさを持ってるような存在感がミックスしてたんです。そのオーラにやられましたね。
黒沢さんは、マイケルを初めて観たという、1996年のライブについて語ってくれました。
黒沢:もうね、「本物だ。オレは遂に本物のマイケル・ジャクソンに会ったぞ!」っていう喜びが。忘れられない一曲は『Billie Jean』のパフォーマンス。トランクを持って登場して、置くとその中から『Billie Jean』の衣装が出てくる。手袋して、キラキラのジャケットを着て、帽子を被って、始まるポーズがモータウンの25周年のはじまるポーズと一緒で。初めてムーン・ウォークをやったのって『Billie Jean』の曲中の間奏なんです。あの脚の形になった瞬間に、こちらは「ムーン・ウォークを観れる!」となるんです。ツアーによっていろいろ違って、ヒューマンビートボックスやりながらダンスしたりするんですけど、ロボットダンスとサイドウォークとムーンウォークの3つは必ずやりますね。ツアーごとで変わっていって、みんなあれが観たくて来てるから。
■歌&ダンス! マイケルのすごい曲トップ3
番組後半は、黒沢さんに「マイケル・ジャクソンのすごいファルセット曲トップ3」を解説つきで選んでいただきました。
3位(曲中に発する)「ヒーヒーとポウ」
黒沢:マイケル・ジャクソンは音声学的に、ファルセットと、ファルセットに聴こえるけどもっと強いヘッドボイスというのを使うんです。スーパーハイトーンも、ファルセットも、ヘッドボイスも出せるということで、3位はいろいろな曲に入っている「ヒーヒーとポウ」だと思います。これはジャクソンズの後半に開発されていて、お兄さんのマーロン・ジャクソンって人が同じくらい「ヒーヒー」という人だったんですよ。
2位『Don't Stop 'Til You Get Enough』
黒沢:『Off The Wall』に入ってる『Don't Stop 'Til You Get Enough』。これはファルセットシンガーとしての素晴らしさですね。はじめから最後までファルセットで。マイケルのハーモニーって独特でものすごい涼やかなんですよね。あの優しい歌い方は天性のものだと思います。
1位『Human Nature』
黒沢:何といっても『Human Nature』ですね。あそこの間奏のファルセットが、マイケルの代名詞じゃないですか。あの儚さね。言ってることは「男なんで、人間なんでナンパします」って歌なんですけど、彼が歌うと「何かしょうがないかも、マイケルいいこと言ってるかも」ってなっちゃう。途中まではファルセットを温存してるんですよね。アイデアやスタイリングもすごい!
続いてユーコさんが「マイケル・ジャクソンのすごいダンスナンバートップ3」を発表しました。
3位『Billie Jean』
ユーコ:これはね、ステージ上とスタジアム全体の空気、もう“空間”を変えるほどの曲です。彼自身のあのときの神々しさ、人間じゃない感じ。私はステージ上で、マイケルの体からバイブレーションを感じることもありました。生の彼が放っているウェーブみたいなのもの。『Billie Jean』の、何もないステージの真ん中に立っているマイケルの存在は、言葉のいらない説得力がありますよね。でも、一緒に踊ってると、私たちと同じ振りを間違っちゃったりするんですよ。ソロのダンスは間違えないんだけど、一緒のところは明らかに私たちから見ると間違ってたことがあった。その場でうまくアレンジするんですけど、私も後ろから「右だよ、左だよ」とか言ったことがありましたね。でも、その次も間違ったりして。そこがすごく人間っぽい、可愛いんですよね。だから次のときは「ここの振り変えよう」って(笑)。
2位『Smooth Criminal』
ユーコ:マイケルの曲はなんでもそうなんですが、踊れば踊るほど自分のなかで味がでてくるんですよ。毎回、変化や発見があって、完成形というのがあるようでない。追求し続けられる。その奥の深さが、彼が要求している部分なのかなと思います。ライブ中にステージの裏からこの曲を見ていると、“ゼロ・グラビティ”のときに、最も床に近づくのがマイケルだったりしましたね。あれ実際にやると、けっこう大変なんですよ。倒れるときも、ゾーンに入らないとバランスが変なふうになっちゃう。ただ単に体幹を使うんじゃなくて、重力とかに自分の体がつながってないときれいにいかないんです。いちばん深いのがマイケルっていうのは、本当にかっこいいですよね。
1位『Rock With You』
ユーコ:私は「デンジャラス・ワールド・ツアー」のダンスの部分で関わらせてもらって、マイケルのすごさを6年間くらい生で感じることができたんですが、私がもともと好きだった時期よりもっと前の曲のPVを見直すと、本当に力が抜けてて。振りじゃなくて、本当に音と一緒に、グルーヴ感でノッているというか。
まだまだ尽きないマイケル・ジャクソンにまつわるトーク。来週の後半もお聴き逃しなく!
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【番組情報】
番組名:『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』
放送日時:土曜 17時-17時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/musicology/
■生のマイケルは、人間離れしたオーラ!
マイケル・ジャクソンは1958年8月29日、アメリカ・インディアナ州で誕生。家族とジャクソン・ファイブを結成し1969年モータウン・レコードからメジャーデビュー。数々のヒットを生み出し、ソロになったあともMTVの時代を象徴するミュージックビデオも人気を後押しして、ミュージックシーンのトップに君臨します。2009年最後のツアー「THIS IS IT」を行うと発表し大きな話題を呼ぶものの、ツアー開催直前6月25日自宅で息を引き取り、享年50歳でこの世を旅立ってしまいました。
グローバーに「マイケルはお好きですか」と問われた、黒沢さんは「本当言うとね」と打ち明け始めました。
黒沢:生前はちょっとバカにしてたところもあったんですよ。ソウルミュージックの世界では『マイケルはソウルじゃない』という扱いをされることもあったから。学生時代とか、ソウルバーのオヤジとか、『Off The Wall』までだよな、みたいなことを平気で言う人がいたんですよ。
グローバー:「あれはもうポップスだから別枠」みたいな。
黒沢:そうそう。でも、亡くなったあとに公開された『THIS IS IT』を観に行って、僕は本当に心の底から反省したんです。
そのステージをバックステージから観ていたのが、ダンサーのユーコさんです。ユーコさんは1992年の「デンジャラス・ワールド・ツアー」で、マイケルと共演しています。『THIS IS IT』について、「観たときに、これで本当のマイケルの姿が世の中のみなさんに伝わると思って、すごく嬉しかった」と話しました。
グローバー:黒沢さんが初めてマイケルに出会ったのは?
黒沢:出会ったのはグラミー賞の授賞式が地上波でやっていて。それか、スリラーのMVですね。あとは、とんねるずのコント(笑)。ハマるというか、“お茶の間にいる人”という印象でしたね。キング・オブ・ポップよりも身近に感じていました。
一方、ダンサーとして一緒にビジュアルイメージを作っていたユーコさんは……。
ユーコ:マイケルとの出会いは、母親の美容院の有線でながれてたジャクソン・ファイブ、衝撃を受けたのは『Thriller』ですね。音だけじゃない映像を一緒に観れて、あのストーリー性に心を掴まれました。衝撃だったし、展開が怖かったですね。
黒沢:途中、なんの手加減もなく、本気でホラー映画ですもんね。
マイケルとの共演経験があるユーコさん。そのときの印象を語りました。
ユーコ:初めて会ったのは、「デンジャラス・ワールド・ツアー」のリハーサル中でした。マイケルが現れたときのことは、今でも覚えています。撮影所のドアからマイケルが歩いてくるっていうところから、私は空気が変わったのを感じて。優しく、柔らかくなるんですね。そして実際に目の前に来てくださって、「ユーコ、はじめまして」って。その手が、なんか透明だったんですよ。握手した手は冷たい感じで、「人間じゃないのか?」と思うぐらいのすごさと、人間以上に人間らしい優しさを持ってるような存在感がミックスしてたんです。そのオーラにやられましたね。
黒沢さんは、マイケルを初めて観たという、1996年のライブについて語ってくれました。
黒沢:もうね、「本物だ。オレは遂に本物のマイケル・ジャクソンに会ったぞ!」っていう喜びが。忘れられない一曲は『Billie Jean』のパフォーマンス。トランクを持って登場して、置くとその中から『Billie Jean』の衣装が出てくる。手袋して、キラキラのジャケットを着て、帽子を被って、始まるポーズがモータウンの25周年のはじまるポーズと一緒で。初めてムーン・ウォークをやったのって『Billie Jean』の曲中の間奏なんです。あの脚の形になった瞬間に、こちらは「ムーン・ウォークを観れる!」となるんです。ツアーによっていろいろ違って、ヒューマンビートボックスやりながらダンスしたりするんですけど、ロボットダンスとサイドウォークとムーンウォークの3つは必ずやりますね。ツアーごとで変わっていって、みんなあれが観たくて来てるから。
■歌&ダンス! マイケルのすごい曲トップ3
番組後半は、黒沢さんに「マイケル・ジャクソンのすごいファルセット曲トップ3」を解説つきで選んでいただきました。
3位(曲中に発する)「ヒーヒーとポウ」
黒沢:マイケル・ジャクソンは音声学的に、ファルセットと、ファルセットに聴こえるけどもっと強いヘッドボイスというのを使うんです。スーパーハイトーンも、ファルセットも、ヘッドボイスも出せるということで、3位はいろいろな曲に入っている「ヒーヒーとポウ」だと思います。これはジャクソンズの後半に開発されていて、お兄さんのマーロン・ジャクソンって人が同じくらい「ヒーヒー」という人だったんですよ。
2位『Don't Stop 'Til You Get Enough』
黒沢:『Off The Wall』に入ってる『Don't Stop 'Til You Get Enough』。これはファルセットシンガーとしての素晴らしさですね。はじめから最後までファルセットで。マイケルのハーモニーって独特でものすごい涼やかなんですよね。あの優しい歌い方は天性のものだと思います。
1位『Human Nature』
黒沢:何といっても『Human Nature』ですね。あそこの間奏のファルセットが、マイケルの代名詞じゃないですか。あの儚さね。言ってることは「男なんで、人間なんでナンパします」って歌なんですけど、彼が歌うと「何かしょうがないかも、マイケルいいこと言ってるかも」ってなっちゃう。途中まではファルセットを温存してるんですよね。アイデアやスタイリングもすごい!
続いてユーコさんが「マイケル・ジャクソンのすごいダンスナンバートップ3」を発表しました。
3位『Billie Jean』
ユーコ:これはね、ステージ上とスタジアム全体の空気、もう“空間”を変えるほどの曲です。彼自身のあのときの神々しさ、人間じゃない感じ。私はステージ上で、マイケルの体からバイブレーションを感じることもありました。生の彼が放っているウェーブみたいなのもの。『Billie Jean』の、何もないステージの真ん中に立っているマイケルの存在は、言葉のいらない説得力がありますよね。でも、一緒に踊ってると、私たちと同じ振りを間違っちゃったりするんですよ。ソロのダンスは間違えないんだけど、一緒のところは明らかに私たちから見ると間違ってたことがあった。その場でうまくアレンジするんですけど、私も後ろから「右だよ、左だよ」とか言ったことがありましたね。でも、その次も間違ったりして。そこがすごく人間っぽい、可愛いんですよね。だから次のときは「ここの振り変えよう」って(笑)。
2位『Smooth Criminal』
ユーコ:マイケルの曲はなんでもそうなんですが、踊れば踊るほど自分のなかで味がでてくるんですよ。毎回、変化や発見があって、完成形というのがあるようでない。追求し続けられる。その奥の深さが、彼が要求している部分なのかなと思います。ライブ中にステージの裏からこの曲を見ていると、“ゼロ・グラビティ”のときに、最も床に近づくのがマイケルだったりしましたね。あれ実際にやると、けっこう大変なんですよ。倒れるときも、ゾーンに入らないとバランスが変なふうになっちゃう。ただ単に体幹を使うんじゃなくて、重力とかに自分の体がつながってないときれいにいかないんです。いちばん深いのがマイケルっていうのは、本当にかっこいいですよね。
1位『Rock With You』
ユーコ:私は「デンジャラス・ワールド・ツアー」のダンスの部分で関わらせてもらって、マイケルのすごさを6年間くらい生で感じることができたんですが、私がもともと好きだった時期よりもっと前の曲のPVを見直すと、本当に力が抜けてて。振りじゃなくて、本当に音と一緒に、グルーヴ感でノッているというか。
まだまだ尽きないマイケル・ジャクソンにまつわるトーク。来週の後半もお聴き逃しなく!
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【番組情報】
番組名:『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』
放送日時:土曜 17時-17時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/musicology/
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