J-WAVEで放送中の番組『ANA WORLD AIR CURRENT』(ナビゲーター:葉加瀬太郎)。5月5日(土)のオンエアでは、クリエイティブ・ディレクターの南 貴之さんをお迎えしました。 南さんは、東京ミッドタウン日比谷内「HIBIYA CENTRAL MARKET」など、注目の店舗を多数手がけています。
■面白いことは日常の中に
南さんは1976年生まれ。今まで、アパレル会社で服の販売や仕入れの仕事をしていました。社内ベンチャーという形で店を作ったところ、“ある程度うまくいった”そうで、会社を辞めたあともお世話になっていた人から、店を作ってほしいという依頼がきます。そこで中目黒に「1LDK」という店をオープンさせました。まずは、オープンまでのいきさつを伺いました。
南:中目黒って独特で、商業的な地域でありつつ、人が普通に住んでる街でもあって、そのノイズにならないお店をどう作るかというところから始まりました。コンセプトが“家”だったので、オープンの2週間前に家の内装を作ったんです。名前を決めろって言われて、間取りが1LDKだったんで「1LDK」がいいんじゃないかと思って。
葉加瀬:(笑)。
南:海外だと“1ベッドルーム”とか“2ベッドルーム”っていうみたいですけど、「1LDK」は日本的で言いやすいし、いいんじゃないかと思って。僕は普段、日常的なことに一番面白いことがあるんじゃないかと思っていて。アーティストではないので、突拍子もないことはできないんですけど。物事の視点を変えることでハッとさせられたり、面白かったりするので、そういうことが僕の仕事の中にはあるのかなって思ってます。
■最後は“ジャパニーズスタイル”で
昨年10月には、ロサンゼルスとサンフランシスコに買い付けに行ったそうです。
葉加瀬:面白そうなものがあると、一点ずつ買っていくんですか? それとも、「これ面白そうですね。いくつ持ってるんですか?」という感じなんですか?
南:後者です。ファッションだと展示会があって、たとえばパリコレだったら、そこでいろいろな人たちが展示会をやっているので、発注して半年後に納品される、という流れなんです。今回サンフランシスコとロスでやったのは、全て個人所有のものからの買い付けなので、その場で一つひとつ「これはいくら?」という感じで。
葉加瀬:キャッシュで?
南:基本的には、ほぼ現金です。「現金で払うから安くしてくれ」とか。生々しくて、僕が一番好きな買い付けなんですけど。
葉加瀬:そのほうが面白そうだもん。一番高い物って何でした?
南:椅子とかテーブルとか、60万円の家具ですね。
葉加瀬:いいな。面白そうだな〜。「これ何とかしてよ」みたいな。
南:半分、土下座で。最後は“ジャパニーズ文化”で(笑)。
葉加瀬:いいね〜!
■何もない贅沢
続いて、サンフランシスコで刺激を受けた場所についてお訊きしたところ、サンフランシスコにあるロッジの話になりました。
南:山のほうにあるんですけど、車の荷台みたいなところがあって、そこが受付になってるんです。山小屋があって、そこの一室に泊まるんです。Wi-Fiが通じないところで、シャワーは外にあるような山小屋で、久々に本気の静寂というか、人がいなくて干渉されない一日を過ごしまして。
葉加瀬:テレビがなくてWi-Fiがなかったら最高だよね。「(普段から)切ればいいじゃん」っていうけど、そういうことじゃないよね。今の“贅沢”っていうのは、何もないことなんだよね。
南:僕は個人的な趣味で、ホテルのいいところも悪いところも見ていて、おもてなしというかサービスって過剰だと思う部分があるんです。だけど、彼らの考え方は、全く何もしないことがサービスだということもある、ということで、朝はドアをコンコンと叩かれて、下に新聞紙に包まれた朝食が置かれるんです。「勝手に食べて」っていう感じで、何も言ってこないんですよ。「コヨーテとか鹿が食べに来るから、早めに取ってください」って書いてあるぐらいで。
葉加瀬:いいね〜!
■飛び込で理髪店に
南さんは普段から忙しいため、髪を切りに行く時間がなく、出張先の街で理髪店を見つけると入ってしまうとか。
南:街にある理髪店が好きで、長くやっているところに行くと、街の感じがわかるし、(潰れずに)成り立っているのは、技術が高いからだと思ってるんです。
美容室ではなく理髪店を選ぶのは、美容師は髪を切ることができるけれど顔を剃れないため、全てのケアをしてくれる理容師のほうが好きなのだとか。
葉加瀬:この間パリに行ったんですけど、モールみたいな大きなデパートがあるじゃないですか。普通に洋服屋がある中で、「バーバー」って書いてあって、てっきりディスプレイだと思って息子とふたりで入ったら、本当の理髪店さんだったんですよ。
南:「HIBIYA CENTRAL MARKET」には、いわゆる昭和の理髪店があるんです。みんな、ディスプレイだと思って写真を撮ってるけど、普通に髪を切ることができるんです。
葉加瀬:面白いね!
今後はホテルに関する仕事もやってみたいと語る南さん。今後の展開からも目が離せません。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『ANA WORLD AIR CURRENT』
放送日時:土曜 19時-19時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/worldaircurrent/
■面白いことは日常の中に
南さんは1976年生まれ。今まで、アパレル会社で服の販売や仕入れの仕事をしていました。社内ベンチャーという形で店を作ったところ、“ある程度うまくいった”そうで、会社を辞めたあともお世話になっていた人から、店を作ってほしいという依頼がきます。そこで中目黒に「1LDK」という店をオープンさせました。まずは、オープンまでのいきさつを伺いました。
南:中目黒って独特で、商業的な地域でありつつ、人が普通に住んでる街でもあって、そのノイズにならないお店をどう作るかというところから始まりました。コンセプトが“家”だったので、オープンの2週間前に家の内装を作ったんです。名前を決めろって言われて、間取りが1LDKだったんで「1LDK」がいいんじゃないかと思って。
葉加瀬:(笑)。
南:海外だと“1ベッドルーム”とか“2ベッドルーム”っていうみたいですけど、「1LDK」は日本的で言いやすいし、いいんじゃないかと思って。僕は普段、日常的なことに一番面白いことがあるんじゃないかと思っていて。アーティストではないので、突拍子もないことはできないんですけど。物事の視点を変えることでハッとさせられたり、面白かったりするので、そういうことが僕の仕事の中にはあるのかなって思ってます。
■最後は“ジャパニーズスタイル”で
昨年10月には、ロサンゼルスとサンフランシスコに買い付けに行ったそうです。
葉加瀬:面白そうなものがあると、一点ずつ買っていくんですか? それとも、「これ面白そうですね。いくつ持ってるんですか?」という感じなんですか?
南:後者です。ファッションだと展示会があって、たとえばパリコレだったら、そこでいろいろな人たちが展示会をやっているので、発注して半年後に納品される、という流れなんです。今回サンフランシスコとロスでやったのは、全て個人所有のものからの買い付けなので、その場で一つひとつ「これはいくら?」という感じで。
葉加瀬:キャッシュで?
南:基本的には、ほぼ現金です。「現金で払うから安くしてくれ」とか。生々しくて、僕が一番好きな買い付けなんですけど。
葉加瀬:そのほうが面白そうだもん。一番高い物って何でした?
南:椅子とかテーブルとか、60万円の家具ですね。
葉加瀬:いいな。面白そうだな〜。「これ何とかしてよ」みたいな。
南:半分、土下座で。最後は“ジャパニーズ文化”で(笑)。
葉加瀬:いいね〜!
■何もない贅沢
続いて、サンフランシスコで刺激を受けた場所についてお訊きしたところ、サンフランシスコにあるロッジの話になりました。
南:山のほうにあるんですけど、車の荷台みたいなところがあって、そこが受付になってるんです。山小屋があって、そこの一室に泊まるんです。Wi-Fiが通じないところで、シャワーは外にあるような山小屋で、久々に本気の静寂というか、人がいなくて干渉されない一日を過ごしまして。
葉加瀬:テレビがなくてWi-Fiがなかったら最高だよね。「(普段から)切ればいいじゃん」っていうけど、そういうことじゃないよね。今の“贅沢”っていうのは、何もないことなんだよね。
南:僕は個人的な趣味で、ホテルのいいところも悪いところも見ていて、おもてなしというかサービスって過剰だと思う部分があるんです。だけど、彼らの考え方は、全く何もしないことがサービスだということもある、ということで、朝はドアをコンコンと叩かれて、下に新聞紙に包まれた朝食が置かれるんです。「勝手に食べて」っていう感じで、何も言ってこないんですよ。「コヨーテとか鹿が食べに来るから、早めに取ってください」って書いてあるぐらいで。
葉加瀬:いいね〜!
■飛び込で理髪店に
南さんは普段から忙しいため、髪を切りに行く時間がなく、出張先の街で理髪店を見つけると入ってしまうとか。
南:街にある理髪店が好きで、長くやっているところに行くと、街の感じがわかるし、(潰れずに)成り立っているのは、技術が高いからだと思ってるんです。
美容室ではなく理髪店を選ぶのは、美容師は髪を切ることができるけれど顔を剃れないため、全てのケアをしてくれる理容師のほうが好きなのだとか。
葉加瀬:この間パリに行ったんですけど、モールみたいな大きなデパートがあるじゃないですか。普通に洋服屋がある中で、「バーバー」って書いてあって、てっきりディスプレイだと思って息子とふたりで入ったら、本当の理髪店さんだったんですよ。
南:「HIBIYA CENTRAL MARKET」には、いわゆる昭和の理髪店があるんです。みんな、ディスプレイだと思って写真を撮ってるけど、普通に髪を切ることができるんです。
葉加瀬:面白いね!
今後はホテルに関する仕事もやってみたいと語る南さん。今後の展開からも目が離せません。
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番組名:『ANA WORLD AIR CURRENT』
放送日時:土曜 19時-19時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/worldaircurrent/
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