J-WAVEで放送中の番組『SUNRISE FUNRISE』(ナビゲーター:レイチェル・チャン)のワンコーナー『FUTURE DESIGNERS』。4月8日(日)のオンエアでは、“LGBTと世の中のグッとくる接点”を増やすクリエイターチーム「やる気あり美」の太田尚樹さんが登場。「エンタメを通じてLGBTを知ってもらえたら」と語る太田さんに、活動内容について、思い描く未来について伺いました。
■LGBTに「ラブ」や「愛着」を
エンタメを通じてLGBTを伝えることは、どんな意味を持つのでしょうか。
太田:LGBTに対する差別って、まだありますよね。それをなくしていこうと考えたとき、LGBTへの“知識が深まる”とか“理解する”だけでいいのかと言うと、そうではないのかなと。漠然とした“ラブ”や“愛着”も大事なんじゃないかと思ったんです。「なんかいいね」「好き」みたいな感情。今、マツコ・デラックスさんが担っている部分ですよね。自分たちでも何かできないかと思い、始めたんです。
■「仏教的にLGBTってどうなのか」お坊さんに訊いたら…
結成に至るまでには、こんな経緯があったそう。
太田:僕自身が、ゲイだということを受け入れてポジティブに生きていこうと決めたとき、仲間を探そうと思って、どんなコミュニティがあるか調べてみたんです。5年前くらいですが、ざっくり大きく分けるとふたつあって。ひとつは、新宿二丁目のような“夜の街”みたいなもの。もうひとつは、公民館で開催されている“NPO的なもの”です。どちらも行ってみましたが、ぴったり合うとは感じなくて。新宿二丁目のようなところは、行けば楽しいけれど「自分にとってはド真ん中じゃないな、カウンターカルチャーだな」という感覚があった。一方のNPOは、「LGBTの人権についてみんな語り合いましょう」みたいな会で、それは立派な活動だけれど「課題が山積してるんです!」と話し合う熱量はないかな、と。
そこで、似たような悩みを抱えていた人たち一人ひとりに声をかけ、「やる気あり美」を結成。ユニークな切り口のコンテンツを発信しています。最も反響があったのは、「坊さん座談会~仏教的にLGBTってどうなのか、聞いてきました~」という企画。「LGBTは地獄に落ちるのか」とお坊さんに質問したら、「人間はだいたい地獄に落ちます」と返答された……といった内容です。また「カミングアウトされた愛しのノンケたち」など、動画も配信しています。
太田:一時期「カミングアウトされたらこうしましょう」というTIPS記事が出回っていて。「こうしたら傷つかないです」とか「こう言ったら傷つくのでやめましょう」とかですね。でも、自分がカミングアウトしたときに、「あの友人の言葉は嬉しかったな」というのは、正しいTIPS記事に沿ったものかというと全然違ったし、「受け入れるって、言葉だけじゃなくない?」という違和感があって。動画を観てもらえばわかると思いますが、言葉は乱暴でも愛を感じるものがある。それを絶対に否定したくないという思いがあります。「こう言わなきゃならない」というのはおかしい気がして。
■「みんな一緒だけど、全然違う人間」と気づくこと
最後に、太田さんが思い描く未来の形について訊きました。
太田:日本は「共感したい」という思いを抱いている人が多いですよね。僕は、すごく素敵なことだと思っているんです。共感したいという日本のよさを残したまま、「実はみんな全然違う人間だよね」ということに、みんなが気づいていけるかが大事なんじゃないかと。「私はこれ嫌なんだよね」と言ったときに興醒めするのではなく、「そういう考え方もあるよね」と言える社会になればいいなと思います。
太田さんが目指す「人それぞれの違いを認める、丁寧な対話ができる社会」は、誰にとっても心地よい社会と言えます。「やる気あり美」が今後、どんなアプローチをしていくのか、ぜひサイトをチェックしてみてください。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『SUNRISE FUNRISE』
放送日時:日曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sunrise/
■LGBTに「ラブ」や「愛着」を
エンタメを通じてLGBTを伝えることは、どんな意味を持つのでしょうか。
太田:LGBTに対する差別って、まだありますよね。それをなくしていこうと考えたとき、LGBTへの“知識が深まる”とか“理解する”だけでいいのかと言うと、そうではないのかなと。漠然とした“ラブ”や“愛着”も大事なんじゃないかと思ったんです。「なんかいいね」「好き」みたいな感情。今、マツコ・デラックスさんが担っている部分ですよね。自分たちでも何かできないかと思い、始めたんです。
■「仏教的にLGBTってどうなのか」お坊さんに訊いたら…
結成に至るまでには、こんな経緯があったそう。
太田:僕自身が、ゲイだということを受け入れてポジティブに生きていこうと決めたとき、仲間を探そうと思って、どんなコミュニティがあるか調べてみたんです。5年前くらいですが、ざっくり大きく分けるとふたつあって。ひとつは、新宿二丁目のような“夜の街”みたいなもの。もうひとつは、公民館で開催されている“NPO的なもの”です。どちらも行ってみましたが、ぴったり合うとは感じなくて。新宿二丁目のようなところは、行けば楽しいけれど「自分にとってはド真ん中じゃないな、カウンターカルチャーだな」という感覚があった。一方のNPOは、「LGBTの人権についてみんな語り合いましょう」みたいな会で、それは立派な活動だけれど「課題が山積してるんです!」と話し合う熱量はないかな、と。
そこで、似たような悩みを抱えていた人たち一人ひとりに声をかけ、「やる気あり美」を結成。ユニークな切り口のコンテンツを発信しています。最も反響があったのは、「坊さん座談会~仏教的にLGBTってどうなのか、聞いてきました~」という企画。「LGBTは地獄に落ちるのか」とお坊さんに質問したら、「人間はだいたい地獄に落ちます」と返答された……といった内容です。また「カミングアウトされた愛しのノンケたち」など、動画も配信しています。
太田:一時期「カミングアウトされたらこうしましょう」というTIPS記事が出回っていて。「こうしたら傷つかないです」とか「こう言ったら傷つくのでやめましょう」とかですね。でも、自分がカミングアウトしたときに、「あの友人の言葉は嬉しかったな」というのは、正しいTIPS記事に沿ったものかというと全然違ったし、「受け入れるって、言葉だけじゃなくない?」という違和感があって。動画を観てもらえばわかると思いますが、言葉は乱暴でも愛を感じるものがある。それを絶対に否定したくないという思いがあります。「こう言わなきゃならない」というのはおかしい気がして。
■「みんな一緒だけど、全然違う人間」と気づくこと
最後に、太田さんが思い描く未来の形について訊きました。
太田:日本は「共感したい」という思いを抱いている人が多いですよね。僕は、すごく素敵なことだと思っているんです。共感したいという日本のよさを残したまま、「実はみんな全然違う人間だよね」ということに、みんなが気づいていけるかが大事なんじゃないかと。「私はこれ嫌なんだよね」と言ったときに興醒めするのではなく、「そういう考え方もあるよね」と言える社会になればいいなと思います。
太田さんが目指す「人それぞれの違いを認める、丁寧な対話ができる社会」は、誰にとっても心地よい社会と言えます。「やる気あり美」が今後、どんなアプローチをしていくのか、ぜひサイトをチェックしてみてください。
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番組名:『SUNRISE FUNRISE』
放送日時:日曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sunrise/
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