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裁判所の令状なしにGPS捜査を行なうのは適法か?

裁判所の令状なしにGPS捜査を行なうのは適法か?

タイムフリー

J-WAVEで放送中の番組「JAM THE WORLD」(金曜ナビゲーター:青木理)のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」。

スマートフォンやカーナビゲーションなどに取り付けられているGPS機能ですが、犯罪捜査に使われることもしばしば耳にします。中には裁判所の令状がないまま捜査を行うこともあるそうですが、果たしてそれはプライバシーの侵害にはならないのでしょうか。今回は、弁護士の海渡雄一さんをお招きし、GPS捜査について解説していただきました!

海渡さんはまず、GPS捜査について「ある人を追尾しているときに見失ったりしてたまたま使うパターンと、何日間にもわたってその人の全行動を把握しようとするために使うパターンがあります。この2つはプライバシーの侵害度が全然違います」と解説します。

実は今、裁判所の令状なしのGPS捜査が違法かそうではないか、各地の裁判所で判断が分かれているそうです。「強制捜査にあたるから違法だという一方で、プライバシーの侵害の程度はそれほど大きくないと、2つの意見に分かれているのです」と海渡さん。

そんな中、最高裁判所は10月5日、裁判所の令状なしのGPS捜査が違法かどうかを大法廷で審議することを決めました。「重要な憲法判断で決めるときに大法廷が開かれます。今回はプライバシーの侵害の程度をどう見るのかが大きな争点になると思います」(海渡さん、以下同)とのこと。

審議について数カ月はかかると予想する海渡さん。「長期間、10~20日間にわたって捜査を行う際に令状が必要という結論になるのではないかと思います。しかし、令状を本人に提示したら捜査にならなくなってしまうから『提示は事後的に必要である』という制度もできると思います」

GPS機能のおかげで、私たちはとても快適な生活を送ることができているわけですが、大法廷での判断が今後の警察の捜査、ひいては私たちの生活や社会に影響を与えることは間違いありません。

「自分が悪いことやってないからプライバシーなんかなくていいという意見を持つ人もいるかと思いますが…。それでも、この世の中にある警察に知られてはいけないプライバシー、それが民主主義の基盤になっているという意識を持ってほしいです」と海渡さんは訴えます。大法廷での審議の結果から目が離せませんね。

※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聞き直せますので、気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

【番組情報】
番組名:「JAM THE WORLD」
放送日時:平日 20時-22時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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