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藤野可織 「景気良く」ホラー映画を鑑賞中に芥川賞

J-WAVE朝の番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「MORNING INSIGHT」。10/17のオンエアでは、『爪と目』で芥川賞を受賞した、藤野可織さんがゲストに登場。藤野さんの性格や好きな作家さん、おススメの本などについて聞きました。

今年、芥川賞を受賞した藤野さん。受賞の知らせは、ホラー映画を見ている最中に聞いたといいます。

「新潮社さんの会議室にいたんですが、選考を待つときは編集者さんもこちらに気を遣うと思うので、お互いに気まずい思いをしないように、景気良くホラー映画でも観て楽しく過ごそうかなと思いまして(笑)。ホラーは本当に怖いのもあるんですが、結構笑えるところもあるので、いつも気楽に楽しく観てます」(藤野さん)

この言葉に思わず「景気よくって!(笑)」と笑う別所さん。ホラー好きだという藤野さんですが、お化け屋敷なんかも好きかというと、そこは別のようです。

「自分が怖い体験をするのは嫌なんです。お化け屋敷もこの前入る機会があったんですけど、怖くてキャーキャー言っていました(笑)。ホラー映画は安全なところからゆったり座って笑っていられるので」(藤野さん)

そんな藤野さんの最新刊『おはなしして子ちゃん』は、そうしたホラー好きの部分を反映してか、収録されている短編はどれもゾクリとするような不気味さを帯びたものばかり。『爪と目』に続き、人間の怖さ、嫌な部分が描かれた作品になっています。

「このホラー要素のようなものは、作家としてのテーマなのでしょうか?」と別所さんが尋ねたところ、意外な答えが。

「別に自分では『これがテーマ』と思って書いているわけではないんです。でも自然にそういう作品になっているので、私自身にそういう傾向があるんだと思います。人間がそういう嫌な側面をもっているのは普通の事だと思うので、肯定も否定もせずに、そうなのだということを書きたいと思っています」

そんな藤野さん、ご自身はどんな本を読まれるのでしょうか。

「私はロシアのウラジーミル・ソローキンという作家さんが大好きなんです。日本では『愛』とか『ロマン』という作品を出していて、どちらもキュンとするようなタイトルなのに、両方ともすごくひどい本なんです(笑)。でも大好きで、すごく面白いです。ほかにはジュノ・ディアスの『こうしてお前は彼女にフラれる』という作品がすごく面白かったです。浮気をしまくって振られ続ける男の人の話で、辛い話ばかりなんですけどすごく面白かったです。こちらは話のサイクルが速いので、たくさんの時間がそこに描かれているんですね。短い話なのにまとまった分量の時間が流れているところが面白いなと思いました」(藤野さん)

どちらの作品も、藤野さんならではの視点でその魅力を語ってくれました。藤野さんの作品とあわせて読めば、藤野さんが生み出す「不気味な」世界観がより理解できるようになるかもしれませんね。

【関連サイト】
「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/tmr/

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