『STAR WARS』に日本の地名が出てくる!? 「『STAR WARS』マウントトーク大会」を開催

モデルの土屋巴瑞季、J-WAVE『STEP ONE』(毎週月曜〜木曜 9時〜13時)ナビゲーターのサッシャ、モデル/タレントの市川紗椰が『STAR WARS』の魅力を熱く語り合った。

この内容をお届けしたのは、8月22日(金)放送のJ-WAVE『THE NICHE WORKBOOK』。ナビゲーター・市川紗椰がゲストとともに、業界用語を入り口に世のなかの“いろいろ”をニッチな視点からのぞき見る番組だ。この日の放送では、「『STAR WARS』マウントトーク大会」と題し、映画監督の山崎 貴とDJ TAROもコメントで出演した。

なお、トークの模様はポッドキャストでも、ニッチな学習帳として配信中だ。

・ポッドキャストページ

それぞれの『STAR WARS』の始まりは…

2025年、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』が公開45周年、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』は公開20周年という節目を迎えた。これを記念し、全4回にわたり、『THE NICHE WORKBOOK』初となる2名のゲストを招いて「『STAR WARS』マウントトーク大会」を開催。

スタジオゲストのサッシャ、土屋に加えて、コメントゲストとして山崎 貴、DJ TARO、m-flo・☆Taku Takahashi、速水もこみちが登場し、前半2回は『STAR WARS』に関するとっておきの知識ネタ、後半2回はコメントゲストのとっておきアイテムやグッズ自慢を訊く。

市川:サッシャさんが『STAR WARS』好きなのは、J-WAVEのリスナーにはお馴染みですが、世代としては(どのあたりでしょう)?

サッシャ:『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』が、僕が人生で初めて、映画館で観た映画です。

市川:『STAR WARS』的には2作目ですが、1作目は観なかったのですか?

サッシャ:当時、ドイツにいたのですが、1作目は2作目の公開に合わせてテレビで観たと思います。なので、45年になります。

市川:そして土屋さん、『STAR WARS』好きだとは知らなかったです!

土屋:いままで、あまり発信する機会がなかったのですが、高校生のころに『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』のアニメを観始めまして……。

市川:アニメから入った? 珍しい!

土屋:『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』を観る前も、もちろん実写の映画は観ていたんですけど、アニメを観てからもう1度実写を観たら感情移入が止まらなくて(笑)。より一層『STAR WARS』沼にハマっていったという感じですね。この前の『スター・ウォーズ セレブレーション』も、プライベートで行きました。

サッシャ:えぇ! 会場にいたんですか!?

土屋:はい。今日はステージに立たれていたおふたりを目の前にして、すごく興奮しています!

劇中にまさかの日本語と、地名が登場!?

冒頭から『STAR WARS』愛が止まらない3人に知識ネタを披露するのは、映画監督・山崎 貴だ。

山崎:『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』にゴンク・ドロイドというパワードロイドが出てくるんですけど、それが「ゴンク、ゴンク、ゴンク『ですよ~』」と言っていて、最後に「高円寺です」って言うんです(笑)。これはなぜかというと、当時の音声を作っていたのはベン・バートだと思うんですが、彼は世界中のいろいろな言語を逆転したりしながら、宇宙人たちの音声を作っていたんですね。「そのなかに日本の鉄道オタクが駅の名前を呼ぶCDが入っていて、それを逆転しないで使っちゃっている」という噂を聞きまして、調べてみたらたしかに「ゴンク、ゴンク、ゴンクですよ~。高円寺です」と言っていました。「高円寺というのは『STAR WARS』に出てくる地名のひとつとして紹介されています」というのが、僕のとっておきネタです。

土屋:私、実家が高円寺なんです。もう鳥肌が止まらないです! うれしい~今日来てよかった。

市川:えぇ、すごい! チャージしているときや移動するときに、パワードロイドのゴンクの鳴らす低音、それが「ゴンク、ゴンク」と言っているのはけっこう知られているけど……。

サッシャ:いま聴いてみましたけど、本当に言ってる!

市川:まんま言ってる! 知らなかった。『STAR WARS』の音声は、面白いものが多いですよね。チューバッカの声もセイウチの声の逆再生とか、逆再生のイメージがけっこうあるけど、高円寺はうっかりそのままにしちゃった。

サッシャ:日本語がわからないから、きっともう逆にしたと思ったんだろうね。

土屋:そうですね。高円寺民として、本当にうれしいです!

市川:『STAR WARS』では日本文化をけっこう見られるけど、これは知らなかったです。

サッシャ:僕も知らなかった。

市川:さすが、山崎さんですね。

サッシャ:ですね。これに勝てるネタがあると思えない!

リアルな音をベースに作られる効果音の魅力

続いて、とっておきのネタを披露したのは、J-WAVE『WEEKEND VIBES』(毎週土曜・日曜 5時〜6時)ナビゲーターのDJ TAROだ。

DJ TARO:『STAR WARS』の鉄板ネタはいろいろありますが、せっかくなので音にちなんだ話をしましょうか。『STAR WARS』作品で僕にとってとても興味深いのは、その効果音です。担当しているのはサウンドデザイナーのベン・バートという人で、有名なところではライトセーバーの音。これはブラウン管テレビの低周波ノイズなんですけど、たまたまバートが自宅のテレビに近づいたときに古い映写機を持っていて、そのマイクが偶然、音を拾ったことからインスピレーションを得たという話です。マイクをスピーカーの上で振り回して出るドップラー効果音を生録音するって、「どこからこんな発想が生まれるんだ?」と思いますよね。あとは、たとえばタイ・ファイターのあの音は、小さいゾウの鳴き声をテープで引き延ばして、車のタイヤのスリップ音と合成させた音なんですけど、初めて聴いたときは「なんだ~?」と思いました。遙か遠い宇宙の音は誰も聴いたことがないので、まさに想像の世界を超えています。ほかにもブラスターの音は、ラジオ塔のガイドワイヤー、高圧鉄塔の支線をハンマーで叩いたときに跳ね返る音を録音して、さらに加工しているそうです。ベン・バートは実際の世界の音を録音して加工することで、リアルで説得力のある異世界の音を作ることを、非常に大事にしている人なんですよね。シンセサイザーのような近未来的な電子音を使わないで、実験的に演奏する感覚であの音を作り出しているところに、僕はものすごく心を打たれています。

『STAR WARS』ならではの効果音の魅力を語るDJ TAROは、さらに「別のアプローチから、ちょっとユニークな効果音の話を」と続ける。

DJ TARO:みなさんは「ウィルヘルム・スクリーム」という、超有名な効果音をご存じですか? いわゆる悲鳴で、ルークがストームトルーパーを撃ち落とすシーンで使われている効果音ですが、実はもともと1951年公開の『遠い太鼓』というワーナー作品のなかの、沼地を通る兵士がワニに襲われて水中に引き込まれるシーンで使われていた音です。以後、この効果音はワーナー作品でいろいろと使われていて、1953年の西部劇『フェザー河の襲撃』という映画に登場する「ウィルヘルム二等兵」が、矢で太ももを撃たれたときの悲鳴としても使われたことで、「ウィルヘルム・スクリーム」と呼ばれるようになりました。1970年代後半までは多くのワーナー作品で使用されていて、ベン・バートも『STAR WARS』でこの音を使用して、いろいろなサウンドデザイナーがほかの作品でこの効果音を使うのが、ある意味、伝統的なサウンド作りになるというところです。『STAR WARS』の効果音にはこういった遊び心もたくさんあるので、ぜひ作品を観ながら効果音にも耳を傾けてみてください。

市川:TAROさんは数で勝負という(笑)。

サッシャ:すごいなぁ。もう優勝でいいんじゃない(笑)?

土屋:本当に!

市川:いっぱいありました。ウィルヘルム・スクリームは『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』などにも使われていますよね。

サッシャ:いまや定番ネタというか、デフォルトSEみたいになっている。

市川:『STAR WARS』は遠い話なのに、変な身近さがあるじゃないですか。異星人だけど口がちょっと甲殻類っぽいとか、我々が知っているものの延長線上にあるという絶妙なところが魅力のひとつなので、シンセサイザーなどのデジタル音ではなく生音を加工することで、それが効果音にも出ているんだというのは、話を聞いて「たしかに」と思いました。土屋さんは『STAR WARS』で好きな音とか音楽って何かありますか?

土屋:音楽は1度聴いたら耳に残る曲もすごく多くて全部好きなんですけど、効果音でいうとやっぱりハイパースペースに入るときの音ですね。高揚しちゃいます。

市川:あれを聴くと、本当に体が引っ張られますよね。

土屋:無意識に(笑)。

サッシャ:Gを感じるよね。

『STAR WARS』初心者におすすめしたい『キャシアン・アンドー』

コメントゲストの話を聞き「知らないことばかりで興奮しています」と話す土屋。サッシャの「ふたりにマウントを取られた感じがする」という言葉に、市川は個人的にもっとも感動した音楽に関するエピソードを語る。

市川:『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』のいちばん最後、ちょっとパレードっぽく終わりますよね。その音楽がハッピーに聴こえるんですけど、よく聴いたらパルパティーンのテーマで、それにあとで気づいたときのゾっとする感じが、やっぱり素晴らしいなと。『STAR WARS』の音楽は、オペラのライトモチーフ風のものを取り入れていて、そこは我々がまだ全然知らない要素なのに、すごいと思いました。

サッシャ:そのあとのエンドロールは、マイナースケールのダース・ベイダーのテーマをメジャーにした音になっていますよね。

市川:はい。それから、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』に、ジョン・ウィリアムズがショップ店員役でカメオ出演しているときもありましたね。

サッシャ:ジョージ・ルーカスが議員として出てきているのもありましたね。

土屋:ルーカスの娘さんか息子さんも、出ていますよね?

サッシャ:アナキンが襲った、子どものジェダイのうちのひとりですね。

土屋:「ルーカスは自分の息子を殺させた」みたいな話をどこかで聞いたことがあります。

BGMについても盛り上がるなか、サッシャは土屋に「好きなBGMはありますか?」と訊く。

土屋:アニメになってしまうんですけど、『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』のテーマソングが大好きで、家でもけっこう聴いています(笑)。下から湧き上がってくるような高揚感がオープニングに出ていて、メロディが「ドン」とくるわけではないけど気分が上がってくるような。あとは、ドラマシリーズ『スター・ウォーズ:アソーカ』のテーマソングや、最近だと『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』のエンドロールもすごいです。

サッシャ:番組名のとおり、ニッチだね!

土屋:その音楽でマイケル・ジアッキーノさんを知ったんですけど、ファンタジーと冒険感が合わさったこの音楽を、気分が落ち込んでいるときや朝「だるいな」ってときにかけると、「今日も物語が始まるぞ」という感じがして、すごくやる気が出るんですよね(笑)。

サッシャ:マイケル・ジアッキーノは、ジョン・ウィリアムズが正当後継者として認めていて、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』を作るときにお願いしたという。

土屋:そうなんですね! 『ローグ・ワン』もいいですよね。

市川:泥臭い感じがいいですよね。

土屋:最近の『キャシアン・アンドー』のドラマも、エンドロールがヤバかったですよね。

市川:大好き! もう最高です。

サッシャ:『キャシアン・アンドー』のシーズン2は神ですよ。4年間を12話にして、1年を3話でやっていくという内容で、1941〜44年までのヨーロッパの政治の戦争に向かっていく雰囲気と、フランスのレジスタンスが立ち上がっていくような世界観などいろいろなところを組み合わせていて、すごく現実感がある。

市川:そうなんですよね。帝国は遠い存在だし、ジェダイも基本的に出てこないけど、『キャシアン・アンドー』を観たからこそ、「帝国ってこんなに怖かったんだ」という恐ろしさを思い知ることができて、初期3部作に深みが出ると思います。

土屋:それから、『STAR WARS』のなかの一般市民の生活、あの世界にいても普通の人はやっぱり普通に生活をして、みんなで一致団結するのにも時間がかかるというか、すごく共感できる部分が多かったドラマでしたよね。『STAR WARS』を観たことがない人に、まずは『キャシアン・アンドー』のドラマを観てほしいなってすごく思いました。

土屋巴瑞季の最新情報は公式サイトまで。

市川紗椰がお届けする『THE NICHE WORKBOOK』では、業界用語を入り口に、世のなかのいろいろをニッチな視点から覗き見し、知識欲の渦に巻き込まれていく、未知を愛でる30分。

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