
哲学者/作家の永井玲衣と“生命大好きニスト”の長井優希乃が、YouTuber/Podcasterの佐伯ポインティをゲストに迎えて、「自分を守るためのうそ」について語り合った。
この内容をお届けしたのは、7月23日(水)放送のJ-WAVE『PEOPLE'S ROASTERY』(ナビゲーター:長井優希乃)内、日替わりでいちおしポッドキャストを紹介するコーナー「PODCAST PICKS」。毎週水曜は、哲学者で作家の永井玲衣と、番組ナビゲーターで“生命大好きニスト”の長井優希乃が、日常のモヤモヤをテーマに誰かと一緒に考える『Wナガイと哲学対話』をお届けしている。
・ポッドキャストページ
長井:自分を守るためのうそをついたことはある?
永井:数え切れないくらいあるし、数え切れないくらいうそをつかれてきたと思う。
佐伯:流通しているうその種類としては、けっこう多いですよね。
永井:私、流通度がすごく高いうそとして、「もう着く」があると思うんですよ。何回言われたか……。
佐伯:めっちゃ言っているなぁ(笑)。
長井:私も、けっこう言っちゃうな(笑)。
永井:「もう着く」というあの4文字に、何度だまされてきたか。
長井:「もう着く」で、だいたい7分くらい待つよね。
永井:あとは「いま家出た」とかも、本当にちょっとしたうそですよね。
佐伯:もっとファジーなうそ、めっちゃついていますね。「急いでる」「向かってる」みたいな。実際、向かってはいるんですけど、相手が想像する「向かってる」と違うケースもあるじゃないですか。
長井:たしかに。ついさっき、この『哲学対話』のLINEに「10時25分に着きます」みたいなメッセージがあって、「私も六本木交差点です」って言ったけど、六本木交差点から20メートルくらい手前だった(笑)。もうちょっとだけど、「六本木交差点手前です」と言えばいいものをさ。そういうのはあるよね。
永井:ポイちゃん(佐伯)は、「もう着く」って打ち込んでいるときに「うそをついているな」という意識はあるんですか?
佐伯:けっこうファジーにさせていますね。「もう着く」と思ってる。まずは自分にうそをつく、みたいな。
佐伯:けらえいこさんのマンガ『あたしンち』のなかで、母がとっさの小うそをつく回があって。「お母さん、これどうしたの?」って言われたときに「え、知らない!」みたいなことを言うけど、担当が母しかいないから知っているはずなんですよ。実は、うちの実家でもそういうことが頻発しているんですけど、そういうとっさの小うそをつかれたことはありますか?
永井:あるある!
長井:うちも実家にいるときは、同居しているおばあちゃんがとっさの小うそをつきがちだった。「おばあちゃん、この漬物新しい?」「うん、新しいよ!」って言われて、でも本当は古いみたいな(笑)。
佐伯:(付き合いが)長いから「うそをつくときのムーブだ」みたいなのが、わかるんでしょうね(笑)。れいちぇる(永井)は、とっさの小うそをつかれたことはあります?
永井:いっぱいありますよ。寝てるのに「寝てない」みたいなね。ソファとかでまどろんでいてすごく邪魔で「寝てるよ」「いや、寝てない!」みたいな(笑)。
長井:言っちゃう!
佐伯:それ、言うわ。ああいうとき、人って寝てたのに絶対「寝てない」って言うじゃないですか。何なんでしょうね?
長井:「目をつむっているだけ」ってね(笑)。
永井:一発でわかるうそだけど、自分でもやっちゃうから(言ってしまう気持ちは)わかるんですよ。あれは、守っているのかな。
佐伯:「来たるべき不和」というか、まずいことを回避していそうな感じはしますよね。「だまそう」というよりは、舵を切ろうとしているというか……。「こっちこっち!」「そっちはまずい!」みたいな感じはする。特に友だちや家族、恋人などのプライベートな関係のほうが起きやすい気がするというか。仕事でこれをする人は、あまり信頼されないじゃないですか。自分もミスの隠蔽で怒られたことがあるのですごくわかるんですけど、ミスの隠蔽って、社内での罪がすごく重いんですよ。ミスが発覚すると「ミスは偶然だけど、隠蔽は意図じゃん」と、隠蔽体質を責められて罪が重くなるから「仕事ではやらないでね」みたいな感じになっていますよね。
オンエアではここで終了。ナビゲーターの長井は、哲学対話を振り返り……。
長井:ポインティさんがゲストで来てくれましたが、「来たるべき不和を避けるために、小さなうそをつく」みたいな、言葉のチョイスが最高ですよね(笑)。「もう着く」というのは、うそか否か。このテーマで難しいのが、「もう着く」の“もう”は人によってけっこう幅があるじゃない? 「“もう”は1分」という人もいれば、これは文化の違いですが、マラウイでは「もう着く」と言われて2時間くらい待つこともあるので(笑)。こういう認識のすり合わせていくことで、お互いわかり合っていったりするんですかね。
本編となるポッドキャストではフルバージョンを配信中。“うそ”をテーマに、さらに深い対話が繰り広げられている。
・ポッドキャストページ
J-WAVE『PEOPLE'S ROASTERY』のコーナー「PODCAST PICKS」では、いちおしのポッドキャストを日替わりでピックアップ。放送は月曜~木曜の15時40分ごろから。
この内容をお届けしたのは、7月23日(水)放送のJ-WAVE『PEOPLE'S ROASTERY』(ナビゲーター:長井優希乃)内、日替わりでいちおしポッドキャストを紹介するコーナー「PODCAST PICKS」。毎週水曜は、哲学者で作家の永井玲衣と、番組ナビゲーターで“生命大好きニスト”の長井優希乃が、日常のモヤモヤをテーマに誰かと一緒に考える『Wナガイと哲学対話』をお届けしている。
・ポッドキャストページ
永井がよく耳にする、自分を守るための「4文字のうそ」
日々のモヤモヤに立ち止まり、誰かと一緒にグルグル考える、手のひらサイズの哲学対話をしていくポッドキャスト『Wナガイと哲学対話』。第十七話では、初のゲストとして佐伯ポインティを迎えて「なんで自分を守るためのうそをつくの?」という“問い”を3人で解明していく。長井:自分を守るためのうそをついたことはある?
永井:数え切れないくらいあるし、数え切れないくらいうそをつかれてきたと思う。
佐伯:流通しているうその種類としては、けっこう多いですよね。
永井:私、流通度がすごく高いうそとして、「もう着く」があると思うんですよ。何回言われたか……。
佐伯:めっちゃ言っているなぁ(笑)。
長井:私も、けっこう言っちゃうな(笑)。
永井:「もう着く」というあの4文字に、何度だまされてきたか。
長井:「もう着く」で、だいたい7分くらい待つよね。
永井:あとは「いま家出た」とかも、本当にちょっとしたうそですよね。
佐伯:もっとファジーなうそ、めっちゃついていますね。「急いでる」「向かってる」みたいな。実際、向かってはいるんですけど、相手が想像する「向かってる」と違うケースもあるじゃないですか。
長井:たしかに。ついさっき、この『哲学対話』のLINEに「10時25分に着きます」みたいなメッセージがあって、「私も六本木交差点です」って言ったけど、六本木交差点から20メートルくらい手前だった(笑)。もうちょっとだけど、「六本木交差点手前です」と言えばいいものをさ。そういうのはあるよね。
永井:ポイちゃん(佐伯)は、「もう着く」って打ち込んでいるときに「うそをついているな」という意識はあるんですか?
佐伯:けっこうファジーにさせていますね。「もう着く」と思ってる。まずは自分にうそをつく、みたいな。
“小さなうそ”は、プライベートで起こりやすい?
日常のなかでついてしまう、そして相手につかれたことがある「うそ」について語る3人。佐伯はさらに、あるマンガのワンシーンを例に挙げ、「自分を守るための小さなうそ」を掘り下げていく。佐伯:けらえいこさんのマンガ『あたしンち』のなかで、母がとっさの小うそをつく回があって。「お母さん、これどうしたの?」って言われたときに「え、知らない!」みたいなことを言うけど、担当が母しかいないから知っているはずなんですよ。実は、うちの実家でもそういうことが頻発しているんですけど、そういうとっさの小うそをつかれたことはありますか?
永井:あるある!
長井:うちも実家にいるときは、同居しているおばあちゃんがとっさの小うそをつきがちだった。「おばあちゃん、この漬物新しい?」「うん、新しいよ!」って言われて、でも本当は古いみたいな(笑)。
佐伯:(付き合いが)長いから「うそをつくときのムーブだ」みたいなのが、わかるんでしょうね(笑)。れいちぇる(永井)は、とっさの小うそをつかれたことはあります?
永井:いっぱいありますよ。寝てるのに「寝てない」みたいなね。ソファとかでまどろんでいてすごく邪魔で「寝てるよ」「いや、寝てない!」みたいな(笑)。
長井:言っちゃう!
佐伯:それ、言うわ。ああいうとき、人って寝てたのに絶対「寝てない」って言うじゃないですか。何なんでしょうね?
長井:「目をつむっているだけ」ってね(笑)。
永井:一発でわかるうそだけど、自分でもやっちゃうから(言ってしまう気持ちは)わかるんですよ。あれは、守っているのかな。
佐伯:「来たるべき不和」というか、まずいことを回避していそうな感じはしますよね。「だまそう」というよりは、舵を切ろうとしているというか……。「こっちこっち!」「そっちはまずい!」みたいな感じはする。特に友だちや家族、恋人などのプライベートな関係のほうが起きやすい気がするというか。仕事でこれをする人は、あまり信頼されないじゃないですか。自分もミスの隠蔽で怒られたことがあるのですごくわかるんですけど、ミスの隠蔽って、社内での罪がすごく重いんですよ。ミスが発覚すると「ミスは偶然だけど、隠蔽は意図じゃん」と、隠蔽体質を責められて罪が重くなるから「仕事ではやらないでね」みたいな感じになっていますよね。
オンエアではここで終了。ナビゲーターの長井は、哲学対話を振り返り……。
長井:ポインティさんがゲストで来てくれましたが、「来たるべき不和を避けるために、小さなうそをつく」みたいな、言葉のチョイスが最高ですよね(笑)。「もう着く」というのは、うそか否か。このテーマで難しいのが、「もう着く」の“もう”は人によってけっこう幅があるじゃない? 「“もう”は1分」という人もいれば、これは文化の違いですが、マラウイでは「もう着く」と言われて2時間くらい待つこともあるので(笑)。こういう認識のすり合わせていくことで、お互いわかり合っていったりするんですかね。
本編となるポッドキャストではフルバージョンを配信中。“うそ”をテーマに、さらに深い対話が繰り広げられている。
・ポッドキャストページ
J-WAVE『PEOPLE'S ROASTERY』のコーナー「PODCAST PICKS」では、いちおしのポッドキャストを日替わりでピックアップ。放送は月曜~木曜の15時40分ごろから。
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