音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
恋愛しないと幸せになれない? そんな“呪い”と向き合う映画に主演…祷キララが感じたこと

恋愛しないと幸せになれない? そんな“呪い”と向き合う映画に主演…祷キララが感じたこと

俳優・祷(いのり)キララが、俳優業を志したきっかけや、主演映画『恋脳Experiment』の見どころについて語った。

祷が登場したのは、3月10日(月)放送のJ-WAVE『PEOPLE’S ROASTERY』(ナビゲーター:長井優希乃)のコーナー「MY FIELD NOTE」。多彩なゲストとのトーク、世界のミュージックシーンから集めた心地よい音楽をお届けするコーナーだ。

実は“ラジオ好き”の祷キララ

祷キララは2000年生まれ、大阪府出身。初主演を務めた2012年公開の映画『Dressing Up』では、第14回TAMA NEW WAVEベスト女優賞を受賞。以降、『左様なら』『サマーフィルムにのって』など、映画、舞台、ドラマとさまざまな作品で活躍中だ。

長井:祷さんはモデルとしても活躍されていて、現在は主演映画『恋脳Experiment』が公開中です。番組でも以前、出演作である『HAPPYEND』を紹介させていただきましたが、こちらも最高でした!

祷:ありがとうございます!

長井:先ほど、当番組を聴いてくださっているというお話を伺いましたが、ラジオ好きなんですよね。いつごろから聴くようになったのでしょうか?

祷:高校を卒業して大阪から上京したんですけど、ひとり暮らしを始めたぐらいから聴いています。何か聴きたいなって思ったらラジオがいちばんしっくりきたんですけど、さらに聴くようになったのは、自分にとっての初舞台がきっかけでした。J-WAVE開局30周年記念舞台の『みみばしる』という作品だったんですけど、松居大悟さんが作・演出で、松居さんの番組『JUMP OVER』にも出演させていただいたりして、ラジオと連動して作る作品だったんですね。そこからめっちゃ聴くようになりました。

長井:そうだったんですか! ひとり暮らしで何か音を聴きたいってことが私もあるんですけど、ラジオのどんなところが好きですか?

祷:ラジオを聴いていると、いろいろなものに出会えるというか。ラジオを聴いていると、いまの季節とか時間の楽しみ方が見つけられる感じがするんですよね。いい音楽にもたくさん出会えるので、そういった発掘ができるのもラジオの楽しみ方だなと思います。

何カ月もの葛藤の末、俳優業へ

祷が俳優業を志したきっかけは、高校時代の進路決めだったという。

長井:演じることを仕事にしたいなと思ったのはいつごろですか?

祷:この仕事をやっていこうと心に決めたのは高校生の終わりごろです。デビューはもっと昔なんですけど、高校生の終わりごろに芸能事務所に所属して、東京のオーディションに行ったりいろんな人と出会っていくタイミングでした。高校2、3年生になってくると進路の授業ってあるじゃないですか。そのときに自分のやりたいことが全然わからなくて。でもまわりの人はこれがやりたいからここに行く、みたいな感じで「みんなちゃんと考えてたんだ」と焦って苦しいときがあったんです。

進路に迷うなか、事務所からのスカウトを受けた祷。何カ月もの葛藤のうち、事務所所属に踏み切ったという。

祷:心が決まっていないから「入ります」とも言えないし、でも「入らないです」とも言い切れなくて。自分の将来のことも含めて何カ月も考えて。だけどやりたいのか、やりたくないのかがわからなかったんです(笑)。わからないけど、ここまで考えたってことは、やっぱりやりたいんじゃないかなって思いましたし、これまでやってきたことを信じてくれている人の言葉にのってみようと、何カ月もかけて踏ん切りをつけました。

長井:いまのお話、高校生や学生のみなさんは「わかる!」と思う人がすごくいるんじゃないでしょうか。みんな、進路をバシッと決めているようで、実はめっちゃ悩んでいることってよくあると思うんですよ。向き合った末、やりたいと決意したことに尊さを感じました。

長崎が舞台なら長崎に行ってヒントを得る

祷は上京後、大学卒業まで学業と俳優業を両立させた経験を持つ。普段の自分とは異なる性格、職業、立場を演じるうえで、意識していることについて訊いた。

長井:いろんな役にやるとき、それになりきるのは大変な作業だと思うんです。どういうふうに自分のチャンネルを合わせていきますか?

祷:土台となる自分の経験とか、知っていること、あとは役に対する意見を持つことが必要だと思っています。自分じゃない人にはなれないので、別の人になりきるという感覚よりは、自分の中にあるものを引き出していく感じでやることが多いですね。映画を観たり、本を読んだりするだけじゃなく、たとえば長崎が舞台の話だとしたら、できれば長崎に行って、そこの空気を吸ってみる。そういうこともヒントになりますので、いろいろな経験をこれからも積んでいきたいなと思っています。

長井:実際に足を運ぶことって、すごく大事ですよね。

映画出演で“人生の固定観念”を見つめ直した

2月14日より公開中の映画『恋脳Experiment』で、祷は絵を描くことが好きで想像力豊かな主人公・山田仕草を演じる。

【予告】映画『恋脳Experiment』2025年2月14日(金) 公開

長井:どんな物語かご紹介いただけますか?

祷:『恋脳Experiment』では“呪い”、恋愛にまつわる固定観念が描かれています。「恋愛しないと幸せになれない」「恋をしたらきれいになれる」「彼氏がいないと寂しい」みたいなものや、結婚・出産にまつわるもの、恋愛に関する固定観念に縛られた主人公が、本当の幸せに向かって奮闘していくお話です。

長井:観させていただきましたが、くらっちゃいました。日常のなかにある、これまで言語化してこなかった、もやっとする生きづらさみたいなものが、祷さんの演技や表情で(描かれている)。たとえば、全方面に気を遣っている顔って、私もしたことがあるなって思ったんですよね。そういった居心地の悪さみたいなものをいい意味で描いてもらった感じがして、多くの人に観てほしいなって思いました。

祷:うれしいです。

長井:実際、演じてみていかがでしたか?

祷:この役を通して自分の人生の固定観念、何が自分を縛っているのか(意識した)。だけど、固定観念を壊すことが正義とか正しいのかっていうと、そうではない気がしていて。それこそ、『PEOPLE'S ROASTERY』の「PODCAST PICKS」のコーナーで「Decenter」について話されている回があって、この映画と通じるものがあるなと思ったんですよ。

J-WAVEのPodcast番組『竹田ダニエル×長井優希乃「OKOTOBADESUGA」』では、カリフォルニア州出身の新星ライター・竹田ダニエルと長井が毎週ひとつの「お言葉」をきっかけにトークする。#43では、「Decenter」をテーマに、社会と自分が中心に置いているものを問い直した。



祷:自分が何をセンターに置いているかって、意外とわからなかったり、考えるきっかけがなかったりするんですよね。自分が選んでいるつもりでも、家族や友だちから言われたひと言で影響されていたりして。よかれと思って言ってくれたもの、相手にとっては“魔法”だと思っているものでも、受け取った自分にとっては“呪い”かもしれないんですよね。魔法か呪い、どっちなんだろうと考えることって、生きていくうえですごく大事だなと、この映画を通して自分も感じました。

長井:無意識に刷り込まれている苦しみみたいなのがあって、そこに気付くきっかけになる映画だなと思いました。

祷キララの最新情報は、TEN CARATの公式サイトまで。

J-WAVE『PEOPLE'S ROASTERY』のコーナー「MY FIELD NOTE」では、曜日別で登場するゲストが人々の好奇心を刺激する。放送は月曜~木曜の14時ごろから。

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン
番組情報
PEOPLE'S ROASTERY
月・火・水・木曜
13:30-16:00