音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
中森明菜、山口百恵、宇多田ヒカル…家入レオが惹かれた「あどけなさの中にある、成熟した精神」

中森明菜、山口百恵、宇多田ヒカル…家入レオが惹かれた「あどけなさの中にある、成熟した精神」

家入レオが、音楽との出会いやシンガーソングライターを目指すきっかけ、20代初期で経験した大きな出来事、そして10月2日にリリースしたニューアルバム『My name』について語った。

家入が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。オンエアは10月19日(土)。

この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。家入は、ケトルのポテトチップ「ハニーディジョン」を持参し、ビールとともに楽しんだ。

中森明菜や山口百恵…影響を受けたアーティストは

2024年10月26日28時59分まで

家入は福岡出身。17歳でデビューした。ひとりっ子で引っ越しが多い家庭だったそうで、幼少期はひとりで楽しめるという理由で歌を歌っていたという。

家入:ビートルズもそのときに知ったし、オアシスもそうだし、歌謡曲も大好きで。中森明菜さん、山口百恵さん、井上陽水さんはすごく影響を受けています。もうちょっと大きくなったらスガ シカオさんとか。

クリス:それはいくつくらい?

家入:歌詞の分析をし始めたのは中学生くらいですね。スガさん、松任谷由実さんとか。

クリス:小さいときに歌っていた曲は?

家入:山口百恵さんの『ひと夏の経験』っていう曲があって。



家入:どういう意味にも捉えられる、深さもあるし、ある意味で表面的なところだけドキッとする言葉も入っているし。この曲は4、5歳の頃からずっと歌っていましたね。

クリス:4、5歳!? どういう場で歌ったの?

家入:中森明菜さんが出ている『ザ・ベストテン』のDVDがあって、おうちでそれに合わせて『少女A』や『1/2の神話』を真似して歌っていましたね。

そんな家入が初めて買ったのは宇多田ヒカルの『First Love』だったと振り返る。



家入:出だしの歌詞がカッコいいと思ってずっと歌っていて、母にこの曲のCDを買ってもらいました。

クリス:宇多田ヒカルにひかれた理由はなんだったんだろう。

家入:歌声ももちろんですけど、中森明菜さん、山口百恵さん、宇多田ヒカルさんって、ひかれているものを今話していると、あどけなさに成熟しすぎた精神が宿っているものにひきつけられていたのかもしれないですね。繊細さや、完成し切れていないはずなのに完成したものも持っているというか。客観視をしすぎるような感じの方にひかれやすいかもしれません。

尾崎 豊の『15の夜』が作曲のきっかけに

その後、家入が曲を作り始めるきっかけは13歳のとき。尾崎 豊の『15の夜』を聴いたことだった。



家入:自分でメロディーを作ったり歌詞を作ったりしていいんだってところから、シンガーソングライターのCDを、当時はレンタルCDショップで借りまくって聴いていました。

クリス:それまでは歌手は誰かに楽曲を提供してもらうと思っていたと。

家入:そういうかたちなのかなっていうのが漠然とあったんですけど、そうだよなって。自分で作っている方もいるってことは、私も作っていいんだって思って。そのときはYUIさんのような女性シンガーソングライターの全盛期って感じで。YUIさんが福岡の音楽塾「ヴォイス」出身だと知って、私も行きました。13歳でした。

クリス:尾崎 豊の『15の夜』を聴いて間もなく、自分もこういう風になりたいと思って「ヴォイス」に通い始めて、17歳で『サブリナ』でデビューしたわけですよね。

家入:人生って怖いですね。4年でいろいろと変わっちゃうんだ。



クリス:13歳の頃、楽器は弾けたの?

家入:ピアノやバイオリンをちょっと習っていたことは、幼少期にあったんですけど、あまり続かなくて。「ヴォイス」に行ったら「曲を作るんだったらピアノかギターを弾けたほうがいいよ」って言われて、「じゃあギターをやります」ってことでギターを始めました。

クリス:最初に作った曲は覚えています?

家入:実はデビューして5周年のときに日本武道館でライブをやらせてもらったんですけど、同時にベストアルバム『5th Anniversary Best』を出させてもらって、そこにボーナストラックとして収録した『I promise you』って曲です。当時はSNSが出てきて、学校の裏掲示板みたいなのが流行った時代で。自分の言ったことが知らない間に掲示板に書かれていて学校に居場所をなくしてしまった子に寄り添う人たちの映像を見たときに、みんな不安定ながらに本当の居場所を探しているんだなって思って作った曲でした。それは13、14歳くらいでしたね。

悩んだことが今、全部糧になっている

17歳でデビューした家入は、20代後半から30代が陥りやすいとい言われる「幸福の低迷期」(クォーターライフクライシス)を経験していたことを明かした。

家入:大学を卒業して社会に出て、最初の3、4年は会社やいろんなルールを知ることに精一杯で、これから私ってどう生きていくんだっけって。私の場合は17歳でデビューして20歳くらいで幸福の低迷期がちょっと前倒しで来てしまって。自分で音楽を選んだけど、この道でいいんだっけって揺れ動いたときがありました。高校も芸能科で修学旅行や体育祭に出られてなかったので、その経験がないのにみなさんの心に響く歌を歌えるのかなって。経験値が圧倒的に不足していたので、海外に行かせてもらったり、ボランティアで保育園の先生のお手伝いしたりしました。

クリス:それはいくつのとき?

家入:23歳くらいでしたね。2歳児のクラスを担当させてもらったんですけど、寒天を子どもたちが握って、その感触を言葉にしてもらうワークショップがあって。教室が汚れちゃいけないからブルーのビニールシートを私が敷いていたら、子どもたちが騒いでいて、「先生、海が広がっているね!」って言われて。この感性ってすごいなと思ったし、ボランティアや他業種の人たちと交流するときに、やっぱり自分は音楽が好きなんだなってことに気がついて。ちゃんと距離を置いたことが自分にとっては正解だったなって思いました。

クリス:なるほどね。

家入:そこから迷いがなくなったし、そのときに悩んだことが今、全部糧になって曲になったり。悩んだことがない人っていないから、悩み相談を受けたときに言葉だけじゃない何かを伝えられる自分になれたらいいなと思いました。

顔が見えない方と一緒に曲を作れない

家入レオは 10月2日にニューアルバム『My name』をリリース。Charaとの共作曲『かくれんぼ』をはじめ、KANA-BOONの谷口 鮪やBLUE ENCOUNTの田邊駿一など豪華アーティスト陣も参加している。



クリス:そうそうたるメンバーが参加しています。制作はいかがでした?

家入:新鮮でした。自分ももちろんそのひとりですが、音楽が大好きっていう方たちが多角的に曲を作って、こういう思いでやっていらっしゃるんだって。Charaさんは、おこがましいですけど、音楽を作っていくスタイルに似たものがあるなって思っていて。顔が見えない方と一緒に曲を作れないっていうのが私はあって。

クリス:Charaもそうなんだ。

家入:すごく感動したのが、Charaさんと打ち合わせをしたあとに「まだレオさんのことがわからないから家に遊びにおいでよ」って言われたんです。それでCharaさんの作ったスープやサンドイッチを食べながらお互いのいろんなことを話していて、なんとなくわかったなっていうタイミングで、Charaさんがピアノを弾いてくださって、そこに自分がメロディーをのせていって曲ができていったので。人となりがわかって初めて曲に進んでいくことを大切にしてきてよかったなって思った瞬間でもありました。



クリス:アルバムタイトルの『My name』って、満を持してって意味が込められているのかな。

家入:ですね。30歳を前にやっとこれからだって本当に思えるようになって。自分で生きるしかないんだなって。古い友だちを受け入れるみたいに、私ってもう私で生きていけるよねって思えて作れた1枚だったので、子ども返りしたような感じがすごくあって。私「家入」は本名で、「レオ」が芸名なんです。前はレオのときと本名のときで無意識にスイッチングしていたと思うんですけど、今はどっちで呼ばれても私ってなるので、すごくいろんなことが楽しいですね。

10月12日から、家入は『My name』を引っさげた日本11都市とアジア4都市を巡るツアー「家入レオ TOUR 2024 ~My name~」がスタートした。

家入:いろんな時代の変わり目だなって日々感じていて、その変わり目ってちょっと心がざわつくこともありますけど、ぜひそういうときこそ音楽に寄りかかりに来てほしいですね。ちゃんと音楽でギュッとハグして、来てよかったなって思ってもらえるような、ホッとするようなライブにするので、ぜひ遊びに来てください。

家入レオの最新情報は、公式サイトまで。

番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。

・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html

『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週土曜18時から。

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン
radikoで聴く
2024年10月26日28時59分まで

PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

番組情報
SAPPORO BEER OTOAJITO
毎週土曜
18:00-18:54