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玄理、フランス語の授業をきっかけに考えた「愛している」と伝えることの意味

玄理、フランス語の授業をきっかけに考えた「愛している」と伝えることの意味

俳優の玄理が、人から学んだことについて語り、おすすめの楽曲を紹介した。

玄理が登場したのは『STEP ONE』のワンコーナー「Expedia LISTEN AND LEARN」(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)。毎週ゲストを招き、人生で得た学びや気づきを教えてもらうコーナーだ。ここでは7月22日(月)のオンエア内容をテキストで紹介する。

「愛する」とは、大切な相手に言葉で伝えること

J-WAVE『ACROSS THE SKY』の初代ナビゲーターでもあった玄理。現在、日本・韓国・アメリカと3カ国を拠点に活動中。海外ドラマにも多く出演し、活躍の幅を広げている。

そんな彼女は、フランス語言語学の教授から得た学びがあるという。

玄理:大学のときに韓国に留学していたのですが、大学の授業の1つにフランス語言語学というものがありました。その授業のなかで、まず初めに単語を分析するという課題がありまして、たとえば「ソファと椅子の違いは何か」といわれたら、「座るものだ」とか「脚が4つある」とか「背もたれがある」とか「ない」とか、それぞれの特徴を書きます。そうすると、やはりソファと椅子なので共通点がすごく多いです。その後、「じゃあ違う点、片方にしかない特徴は何だろう」というのを見つけていくと、AというものをAたらしめるものというのは、共通点ではなく相違点だということに気がつきます。

フランス語言語学の授業内での言葉の解析は、単語から動詞へと移行していく。学期の終わりに、玄理たちは「愛する」という動詞の定義を宿題として出され、最後の授業で発表したそうだ。

玄理:「許すことじゃないか」とか、「話を聞いてあげることじゃないか」「助けることだ」、あるいは「抱きしめてあげることだ」とか、いろいろな意見がある。40人生徒がいたら、40人違うことを言っていました。そして、「結局、答えは何ですか?」となったときに、教授が「僕も決まった定義というか、答えは未だに分かりません」と。「だけども、自分が夫婦生活を何十年送ってきたなかで学んだことがあります。それは『愛する』というのはきっと『愛している』と相手に伝えることなのだと思います」といってチャイムが鳴って、(皆が)「イエーイ!」といって授業が終わったという、ちょっと映画の一場面みたいだった記憶があります。「I love you.」や「サランヘヨ」のような気安さがあまりないので、日本語で「愛している」というのは、なかなかハードルが高いですが、私は去年、とても大事な人を亡くした経験があって、そうすると、大事な人が自分の目の前にいるときに言葉で何かを伝えられるというのが、すごいチャンスだなと思いました。日常のなかで、「愛しているよ」という言葉を大切な相手に使っていくというのは、実はすごく意味があることなのではないかなと思いました。

サッシャ:すごいタイミングでチャイムが鳴るものですね。先生も答えを知らないからこそ、みんなで話し合う。こういうのは大切ですね。

ノイハウス:本当ですね。答えを一緒に見つけていく、その過程自体が学びというのはいい授業ですね。

サッシャ:何でも答えがわかっているわけじゃないからこそ人類は学ぶわけで、しかも「愛する」という、人によって定義が大きく違うものについて話し合うというのは素敵だと思いました。「何でだろう?」と考えてみんなで話し合うことによって、お互い理解を深めていくというのは何事もそうだと思うので、素晴らしいアプローチですね。

さまざまな編曲のなかで、いちばんのお気に入り

玄理には毎日選曲もしてもらう。この日選んだのはAshley Park『Mon Soleil』。Netflix配信のドラマ『Emily in Paris(邦題:エミリーパリへ行く)』の挿入歌だ。



玄理:この曲は『Emily in Paris』のなかに出てくる曲で、いろいろな編曲のなかでもこの編曲がいちばん好きなのと、さきほどフランス語言語学の話をしたので、パリのイメージで選んでみました。

そんな玄理が声優を務めた映画『めくらやなぎと眠る女』が、7月26日(金)より公開中だ。
玄理:村上春樹さん原作の短編小説6つが、1つに組み合わさった作品です。ライブアニメーションといって、カナダ人の俳優さんたちがシーンを演じたものを撮影して、それをアニメーションに起こすという方法で作られていて、日本版の声優も映画俳優さんが多いです。磯村勇斗さん、柄本明さんなどなど、豪華な共演者の方たちと声をやっています。この作品の公開に先立って、村上春樹さんが英語版のトークイベントに出てくださったのですが、村上春樹さん自身もけっこう前に書いた作品だったので、作品が組み合わされているという要素も相まって、「どこまでが自分が書いたもので、どこからが映画のオリジナルなのだろう、と楽しみにしながら見た」というコメントが、すごく印象的でありがたかったです。原作とはまた一味違う作品になっていますし、「あの夢、よかったからもう1回寝よう」という感覚に近い作品だと思っています。私は、見ているあいだは「終わらないでほしい」と思ったし、見終わったあとも「ずっとこの時間のなかに浸っていたい」と思いました。ぜひ劇場でご覧ください。

J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「Expedia LISTEN AND LEARN」では、さまざまな業界のトップランナーが、これまでの経験から得た学びをシェアする。放送は月曜~木曜の9時35分ごろから。

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