9月末の1週間はSDGs週間だった。毎年、国連総会の会期と合わせたこの時期、SDGsに対する意識を高めて行動を喚起することを目的に、世界中でイベントが開催されている。
いま、世界ではどんな環境ニュースがあるのか。環境活動家で、J-WAVE『STEP ONE』ナビゲーターでもある、ノイハウス萌菜が紹介した。
この内容をお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:小川紗良)のワンコーナー「WORLD CONNECTION」。9月17日(日)のオンエアをテキストで紹介。
小川:1つ目は何でしょうか?
ノイハウス:「気候危機に立ち向かうための努力が足りない」です。2015年にパリ協定というものが合意されたのですが、「世界平均気温の上昇を産業革命以前に比べて1.5度以内に抑えなければならない」という目標が決まったんですね。それに向けていろんな国が二酸化炭素を減らすアクションを起こしてきたんですけど、先週発表された国連の報告書によると、パリ協定で定められたゴールは今のままだと達成できないということなんですね。一見ネガティブな内容ですけども、今回、化石燃料についてかなりクリアに明記されていました。
小川:どんな内容でしたか?
ノイハウス:今までは大人の事情で、化石燃料を廃止するとはっきり記載されることはなかったんですね。国連でほぼ初めて再生可能エネルギーへの移行、そして化石燃料を廃止することが書かれていたので、これは大きなことかなと思います。
小川:なるほど。たしかに、(化石燃料を)「減らそう」というよりも「やめよう」と言うほうが力強いですよね。
ノイハウス:11月にドバイでCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)がおこなわれるんですけども、それに先駆けた前書きのようなものだと捉えることができます。2015年のパリ協定から国々がどれだけのアクションを起こしてきたかという再確認の場でもあるので、その前にそういった報告書がでるのは大きいかなと思いました。
小川:日本に住んでいても気候変動を感じるじゃないですか。
ノイハウス:特に夏はね。
小川:だけど、気候変動という大きなものが、なかなか自分たちの小さな暮らしに結びつかなかったりするじゃないですか。大きな場所で「やめましょう」とちゃんと制度が決まるのは大きいと思うから、すごく重要な報告書ですよね。
ノイハウス:ニュージーランドではそもそもレジ袋が2019年から禁止されていたので、マイバッグは普及していたんですね。今回はポリ袋も禁止となりました。世界初です。禁止は7月からなんですけど、リサイクル可能なものや生物分解可能なもの、そして植物性のプラスチックのものも全部禁止です。
小川:再生可能なものも禁止されるのはなぜですか?
ノイハウス:生物分解可能なものがゴミに混ざってしまうとメリットが活かされないんですね。そういったところで全面的に禁止なのかなと思います。
小川:そもそも無駄なゴミを出さないということですね。
ノイハウス:日本でもレジ袋は2020年7月から有料化になっていますが、マイバッグを使う人って増えましたよね?
小川:そうですね。マイバッグが売られているのもよく見かけるようになりました。
ノイハウス:2022年に環境省が発表したものによると、一週間レジ袋を使用しなかった人は、有料化前が30.4パーセントに対し、有料化後は71.9パーセントに増えたそうです。
小川:すごく増えていますね! 制度が変わると暮らしに大きな影響があるんだなと感じます。
ノイハウス:実は今に始まったことではないんですけど、韓国では1996年には2.6パーセントだった食品廃棄物のリサイクル率が、今ではほぼ100パーセントになっているんですね。
小川:へえ~! どうやってそうなったのでしょうか?
ノイハウス:まず、2005年に生ごみ直接埋立禁止法が制定されたことが大きなきっかけですね。市民としては生ごみを専用の黄色い袋に入れて捨てるだけなので、特別なことはしないんですよ。集められた生ごみはバイオガス、動物の飼料、土の肥料などに利用されます。今まで埋め立てだった生ごみをまとめて回収して、再活用する取り組みです。
小川:国レベルで生ごみを回収してくれているんですね。すごい。
ノイハウス:全部カバーできるわけではないと思うんですけど、黄色い袋の利益を(再活用の)プロセスにあてているので、ある意味持続可能なシステムと言えますよね。
小川:環境にいいだけじゃなく、ちゃんと経済も循環できるシステムができているんですね。
『ACROSS THE SKY』のワンコーナー「WORLD CONNECTION」では、ゲストを招き世界の最新カルチャーに迫る。オンエアは9時20分頃から。
いま、世界ではどんな環境ニュースがあるのか。環境活動家で、J-WAVE『STEP ONE』ナビゲーターでもある、ノイハウス萌菜が紹介した。
この内容をお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:小川紗良)のワンコーナー「WORLD CONNECTION」。9月17日(日)のオンエアをテキストで紹介。
化石燃料は「削減」ではなく「廃止」を目指す
ノイハウスは、使い捨てプラスック削減に取り組む「のーぷら No Plastic Japan」を設立するなど、環境問題に取り組んでいる。今、気になる世界の環境ニュースは?小川:1つ目は何でしょうか?
ノイハウス:「気候危機に立ち向かうための努力が足りない」です。2015年にパリ協定というものが合意されたのですが、「世界平均気温の上昇を産業革命以前に比べて1.5度以内に抑えなければならない」という目標が決まったんですね。それに向けていろんな国が二酸化炭素を減らすアクションを起こしてきたんですけど、先週発表された国連の報告書によると、パリ協定で定められたゴールは今のままだと達成できないということなんですね。一見ネガティブな内容ですけども、今回、化石燃料についてかなりクリアに明記されていました。
小川:どんな内容でしたか?
ノイハウス:今までは大人の事情で、化石燃料を廃止するとはっきり記載されることはなかったんですね。国連でほぼ初めて再生可能エネルギーへの移行、そして化石燃料を廃止することが書かれていたので、これは大きなことかなと思います。
小川:なるほど。たしかに、(化石燃料を)「減らそう」というよりも「やめよう」と言うほうが力強いですよね。
ノイハウス:11月にドバイでCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)がおこなわれるんですけども、それに先駆けた前書きのようなものだと捉えることができます。2015年のパリ協定から国々がどれだけのアクションを起こしてきたかという再確認の場でもあるので、その前にそういった報告書がでるのは大きいかなと思いました。
小川:日本に住んでいても気候変動を感じるじゃないですか。
ノイハウス:特に夏はね。
小川:だけど、気候変動という大きなものが、なかなか自分たちの小さな暮らしに結びつかなかったりするじゃないですか。大きな場所で「やめましょう」とちゃんと制度が決まるのは大きいと思うから、すごく重要な報告書ですよね。
世界で初めて薄いポリ袋を禁止
続けてノイハウスが取り上げた環境ニュースは「ニュージーランドが薄いポリ袋を禁止」。ノイハウス:ニュージーランドではそもそもレジ袋が2019年から禁止されていたので、マイバッグは普及していたんですね。今回はポリ袋も禁止となりました。世界初です。禁止は7月からなんですけど、リサイクル可能なものや生物分解可能なもの、そして植物性のプラスチックのものも全部禁止です。
小川:再生可能なものも禁止されるのはなぜですか?
ノイハウス:生物分解可能なものがゴミに混ざってしまうとメリットが活かされないんですね。そういったところで全面的に禁止なのかなと思います。
小川:そもそも無駄なゴミを出さないということですね。
ノイハウス:日本でもレジ袋は2020年7月から有料化になっていますが、マイバッグを使う人って増えましたよね?
小川:そうですね。マイバッグが売られているのもよく見かけるようになりました。
ノイハウス:2022年に環境省が発表したものによると、一週間レジ袋を使用しなかった人は、有料化前が30.4パーセントに対し、有料化後は71.9パーセントに増えたそうです。
小川:すごく増えていますね! 制度が変わると暮らしに大きな影響があるんだなと感じます。
韓国では生ゴミのリサイクル率が100%近い
続けてノイハウスがセレクトした環境ニュースは、「韓国が生ゴミを100パーセント近く活用」だ。ノイハウス:実は今に始まったことではないんですけど、韓国では1996年には2.6パーセントだった食品廃棄物のリサイクル率が、今ではほぼ100パーセントになっているんですね。
小川:へえ~! どうやってそうなったのでしょうか?
ノイハウス:まず、2005年に生ごみ直接埋立禁止法が制定されたことが大きなきっかけですね。市民としては生ごみを専用の黄色い袋に入れて捨てるだけなので、特別なことはしないんですよ。集められた生ごみはバイオガス、動物の飼料、土の肥料などに利用されます。今まで埋め立てだった生ごみをまとめて回収して、再活用する取り組みです。
小川:国レベルで生ごみを回収してくれているんですね。すごい。
ノイハウス:全部カバーできるわけではないと思うんですけど、黄色い袋の利益を(再活用の)プロセスにあてているので、ある意味持続可能なシステムと言えますよね。
小川:環境にいいだけじゃなく、ちゃんと経済も循環できるシステムができているんですね。
『ACROSS THE SKY』のワンコーナー「WORLD CONNECTION」では、ゲストを招き世界の最新カルチャーに迫る。オンエアは9時20分頃から。
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