緑黄色社会の長屋晴子(Vo)と亀田誠治が、「2000年代初期、真夏の静岡御前崎」をテーマに音楽談議を展開した。
長屋が登場したのはJ-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:亀田誠治)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか──時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターの亀田誠治が旅好き・音楽好きのゲストとともに音楽談議を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ここでは5月21日(日)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
緑黄色社会は5月17日にニューアルバム『pink blue』をリリースした。
長屋:小学生のときとかですかね。毎年、夏休みに家族旅行に行ってたんですよね。おじいちゃんも一緒に行っていて。おじいちゃんの趣味が釣りなんですけど、ピンポイントでイシダイを狙ってたんですよ。というのもあって、それが釣りやすい静岡県御前崎市に毎年行ってました。泊まる場所も決まって「御前崎グランドホテル」でした。
亀田:へえ。
長屋:毎年、おじいちゃんが車を運転して行くんですけど、おじいちゃん主導の旅でした。おじいちゃんが釣りがしたい、じゃあ行こうぜみたいな。
亀田:いやいや。孫がかわいかったりいろいろあるんですよ。
そんな長屋は空想ドライブミュージックの1曲目に桑田佳祐の『波乗りジョニー』をセレクトした。
亀田:この曲が子どもの頃からあったってことですよね。
長屋:そうですね。ただ、この曲を当時知ってたわけではないんですけど、今の私がこの時代に戻って聴くとしたらこの曲を聴きたいなっていうことで選曲しました。イントロのピアノがめちゃくちゃテンション上がるじゃないですか。夏が始まったって感じがするし、まさに海岸沿いで車を走らせながら聴きたい曲だなって思いました。
亀田:鉄板ですね。
長屋:こんなに海というか夏が似合うアーティストってそうそういないと思うんです、どれも違ってどれもいいし。ドライブを今している気分なので、車の窓を開けながらみんなで大声で歌いたい曲です。
亀田:長屋さん的な御前崎での思い出は?
長屋:グランドホテルがいろんな催しをしてくださっていて、マグロの解体ショーとか、アカウミガメがすごく有名らしいんですけど、アカウミガメの赤ちゃんの放流を見たりとか。いい思い出ですね。
長屋:この曲も当時は知らず、大人になってから知った曲なんですけど、リズムというか軽快さがすごく好きで、音がはしゃいでるような感じがありますよね。
亀田:本当にカラフルですよね。
長屋:初めて聴いたのにどこか懐かしいような気持ちになったりとか、甘酸っぱいような雰囲気も漂う曲で一気にとりこになったんですよね。
亀田:いつ頃知ったんですか?
長屋:20歳を超えてからだと思います。
亀田:この曲は松本 隆さんが歌詞を書いてるんですけど、たしか妹さんが亡くなって自分の気持ちがモノクロになっちゃったんだけど、妹さんのことを思い出すと色が付いてるっていう。このエピソードは知ってました?
長屋:私も調べて知りました。すごく素敵な切り取り方というか。
亀田:ちなみに当時、家族旅行の車の中ではどんな音楽を聴いてたの?
長屋:おじいちゃんは音楽をかけなかったんですよね。私たちとかきょうだいが「あれかけたい」「これかけたい」みたいなので、トップチャートをけっこう聴いてました。あるアーティストを掘って聴くよりは、そのときにはやっているものを聴く感じで、いろいろ聴いてましたね。
続いて、長屋は3曲目としてスチャダラパーの『サマージャム'95』を選曲した。
亀田:スチャダワールド全開ですね。
長屋:これも大人になって知った曲で、しかも95年リリースで私の生まれ年なんですよ。それもあってちょっと目を引くというか。そういう曲だったんですね。『今夜はブギー・バック』でスチャダラさんを知ったんですけど、それでこの曲にたどり着いて。夏の思い出とか出来事を語ってるような曲なんですけど、楽しさだけじゃなくて気だるさもあって、その気だるさが心地よく感じて。今ドライブしてますけど、私の中では御前崎に行った帰り道で、気分を落ち着かせながら「あんなこともあったね」って思い出話に花を咲かせながら聴きたい曲だなって思いました。
亀田:スチャダの鋭さのないところが日本人の心に染みるというか。
長屋:わかります。
亀田:でもちゃんとラップとかの韻も踏んでたりとかして。
長屋:絶妙ですよね。昔から知っていたような心地よさがある気がします。
長屋:幻よ醒めないでっていうようなサビと、私の御前崎の思い出がすごくリンクするんですよ。御前崎に行ってた頃って小学生の間くらいだったんですよ。中学校にあがると学校も忙しくなったりとか部活も始まったりとかして家族としての時間ってどんどん少なくなっていくんですよね。でもやっぱり思い返してみると小学生のときに家族で毎年行っていた夏の思い出って本当にあせてほしくないというか、自分にとって大切な思い出なのでこのサビの言葉がグッときましたね。
亀田:あの頃の思い出をこの曲とともに。
長屋:そうですね。
長年、スピッツの楽曲プロデュースに携わる亀田は「彼らといるとロック少年でいられる」と語る。
長屋:ロック魂みたいなものにグッときますよね。
亀田:このロック青春みたいなものを僕は緑黄色社会にも感じてるんですよ。
長屋:うれしいです。
亀田:たくさんのファンの方に受け入れられていく感じ、夏フェスでもぐわっといける感じ、あと長屋さんがソロでスカパラのメンバーに囲まれても違和感がない感じとかミュージカルに出て歌ったりとか。いろんな活動が全部肯定的に変わっていくところもバンドの持ってる力、バンドっていうホームグラウンドがあるから輝いているというか、推進していけるっていう感じなのかなって。
長屋:そうですね。バンドがあるからいろんなことを頑張れるし、全部の経験が、バンドじゃない私の経験とかも全部バンドのためになる。お互いにいい関係性でいられるから、それはあるかもしれないですね。
亀田:めちゃいいっすね。
長屋:ありがとうございます。新曲を亀田さんに聴いていただくってめちゃくちゃ緊張しますね。
亀田:2000年代以降のJ-POPの歩んできた本当にいいところ、しかも緑黄色社会のセンスによって進化してるところがミックスされているこういう楽曲って本当にポップだと思った。
長屋:そういうところを狙ってやりたいねって話をして、作ってきました。
亀田:歌詞も素晴らしいですね。あと歌のコントロールが自由自在すぎちゃって。
長屋:いやいや。これまで私の歌ってパワフルだったりとかそういう印象が強いかなって思うんですけど、今回の『pink blue』のアルバムはマイルドというか丸さ、柔らかさをけっこう出したので、そういう一面も知ってもらいたいなという思いで歌いました。
亀田:歌の入り口の力強さっていうよりも、抜け際のニュアンスだったりとかすごい彩りでびっくりしました。
長屋:よかった(笑)。
【関連記事】いきものがかり・吉岡聖恵の歌声は、潔く、美しい。緑黄色社会の長屋晴子がルーツを語る
現在、緑黄色社会は全国ツアー「pink blue tour 2023」開催中。長屋は「初めての場所もあったり、たくさんまわるし新曲もたくさん披露するのでみなさん遊びに来てください」とリスナーにメッセージを送った。
緑黄色社会の最新情報は、公式サイトまで。
長屋が登場したのはJ-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:亀田誠治)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか──時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターの亀田誠治が旅好き・音楽好きのゲストとともに音楽談議を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ここでは5月21日(日)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
緑黄色社会は5月17日にニューアルバム『pink blue』をリリースした。
こんなに夏が似合うアーティストってそうそういない
今回、長屋は空想ドライブのテーマとして「2000年代初期、真夏の静岡御前崎」を選んだ。長屋:小学生のときとかですかね。毎年、夏休みに家族旅行に行ってたんですよね。おじいちゃんも一緒に行っていて。おじいちゃんの趣味が釣りなんですけど、ピンポイントでイシダイを狙ってたんですよ。というのもあって、それが釣りやすい静岡県御前崎市に毎年行ってました。泊まる場所も決まって「御前崎グランドホテル」でした。
亀田:へえ。
長屋:毎年、おじいちゃんが車を運転して行くんですけど、おじいちゃん主導の旅でした。おじいちゃんが釣りがしたい、じゃあ行こうぜみたいな。
亀田:いやいや。孫がかわいかったりいろいろあるんですよ。
そんな長屋は空想ドライブミュージックの1曲目に桑田佳祐の『波乗りジョニー』をセレクトした。
亀田:この曲が子どもの頃からあったってことですよね。
長屋:そうですね。ただ、この曲を当時知ってたわけではないんですけど、今の私がこの時代に戻って聴くとしたらこの曲を聴きたいなっていうことで選曲しました。イントロのピアノがめちゃくちゃテンション上がるじゃないですか。夏が始まったって感じがするし、まさに海岸沿いで車を走らせながら聴きたい曲だなって思いました。
亀田:鉄板ですね。
長屋:こんなに海というか夏が似合うアーティストってそうそういないと思うんです、どれも違ってどれもいいし。ドライブを今している気分なので、車の窓を開けながらみんなで大声で歌いたい曲です。
亀田:長屋さん的な御前崎での思い出は?
長屋:グランドホテルがいろんな催しをしてくださっていて、マグロの解体ショーとか、アカウミガメがすごく有名らしいんですけど、アカウミガメの赤ちゃんの放流を見たりとか。いい思い出ですね。
楽しさだけじゃなくて気だるさもあって…
長屋は空想ドライブミュージックの2曲目として大瀧詠一の『君は天然色』を紹介した。長屋:この曲も当時は知らず、大人になってから知った曲なんですけど、リズムというか軽快さがすごく好きで、音がはしゃいでるような感じがありますよね。
亀田:本当にカラフルですよね。
長屋:初めて聴いたのにどこか懐かしいような気持ちになったりとか、甘酸っぱいような雰囲気も漂う曲で一気にとりこになったんですよね。
亀田:いつ頃知ったんですか?
長屋:20歳を超えてからだと思います。
亀田:この曲は松本 隆さんが歌詞を書いてるんですけど、たしか妹さんが亡くなって自分の気持ちがモノクロになっちゃったんだけど、妹さんのことを思い出すと色が付いてるっていう。このエピソードは知ってました?
長屋:私も調べて知りました。すごく素敵な切り取り方というか。
亀田:ちなみに当時、家族旅行の車の中ではどんな音楽を聴いてたの?
長屋:おじいちゃんは音楽をかけなかったんですよね。私たちとかきょうだいが「あれかけたい」「これかけたい」みたいなので、トップチャートをけっこう聴いてました。あるアーティストを掘って聴くよりは、そのときにはやっているものを聴く感じで、いろいろ聴いてましたね。
続いて、長屋は3曲目としてスチャダラパーの『サマージャム'95』を選曲した。
亀田:スチャダワールド全開ですね。
長屋:これも大人になって知った曲で、しかも95年リリースで私の生まれ年なんですよ。それもあってちょっと目を引くというか。そういう曲だったんですね。『今夜はブギー・バック』でスチャダラさんを知ったんですけど、それでこの曲にたどり着いて。夏の思い出とか出来事を語ってるような曲なんですけど、楽しさだけじゃなくて気だるさもあって、その気だるさが心地よく感じて。今ドライブしてますけど、私の中では御前崎に行った帰り道で、気分を落ち着かせながら「あんなこともあったね」って思い出話に花を咲かせながら聴きたい曲だなって思いました。
亀田:スチャダの鋭さのないところが日本人の心に染みるというか。
長屋:わかります。
亀田:でもちゃんとラップとかの韻も踏んでたりとかして。
長屋:絶妙ですよね。昔から知っていたような心地よさがある気がします。
夏の家族の思い出って本当にあせてほしくない
長屋は最後の空想ドライブミュージックにスピッツの『渚』をセレクトした。長屋:幻よ醒めないでっていうようなサビと、私の御前崎の思い出がすごくリンクするんですよ。御前崎に行ってた頃って小学生の間くらいだったんですよ。中学校にあがると学校も忙しくなったりとか部活も始まったりとかして家族としての時間ってどんどん少なくなっていくんですよね。でもやっぱり思い返してみると小学生のときに家族で毎年行っていた夏の思い出って本当にあせてほしくないというか、自分にとって大切な思い出なのでこのサビの言葉がグッときましたね。
亀田:あの頃の思い出をこの曲とともに。
長屋:そうですね。
長年、スピッツの楽曲プロデュースに携わる亀田は「彼らといるとロック少年でいられる」と語る。
長屋:ロック魂みたいなものにグッときますよね。
亀田:このロック青春みたいなものを僕は緑黄色社会にも感じてるんですよ。
長屋:うれしいです。
亀田:たくさんのファンの方に受け入れられていく感じ、夏フェスでもぐわっといける感じ、あと長屋さんがソロでスカパラのメンバーに囲まれても違和感がない感じとかミュージカルに出て歌ったりとか。いろんな活動が全部肯定的に変わっていくところもバンドの持ってる力、バンドっていうホームグラウンドがあるから輝いているというか、推進していけるっていう感じなのかなって。
長屋:そうですね。バンドがあるからいろんなことを頑張れるし、全部の経験が、バンドじゃない私の経験とかも全部バンドのためになる。お互いにいい関係性でいられるから、それはあるかもしれないですね。
新たな一面を出した新作
緑黄色社会は5月17日にニューアルバム『pink blue』をリリース。番組ではここに収録の『うそつき』をオンエアした。亀田:めちゃいいっすね。
長屋:ありがとうございます。新曲を亀田さんに聴いていただくってめちゃくちゃ緊張しますね。
亀田:2000年代以降のJ-POPの歩んできた本当にいいところ、しかも緑黄色社会のセンスによって進化してるところがミックスされているこういう楽曲って本当にポップだと思った。
長屋:そういうところを狙ってやりたいねって話をして、作ってきました。
亀田:歌詞も素晴らしいですね。あと歌のコントロールが自由自在すぎちゃって。
長屋:いやいや。これまで私の歌ってパワフルだったりとかそういう印象が強いかなって思うんですけど、今回の『pink blue』のアルバムはマイルドというか丸さ、柔らかさをけっこう出したので、そういう一面も知ってもらいたいなという思いで歌いました。
亀田:歌の入り口の力強さっていうよりも、抜け際のニュアンスだったりとかすごい彩りでびっくりしました。
長屋:よかった(笑)。
【関連記事】いきものがかり・吉岡聖恵の歌声は、潔く、美しい。緑黄色社会の長屋晴子がルーツを語る
現在、緑黄色社会は全国ツアー「pink blue tour 2023」開催中。長屋は「初めての場所もあったり、たくさんまわるし新曲もたくさん披露するのでみなさん遊びに来てください」とリスナーにメッセージを送った。
緑黄色社会の最新情報は、公式サイトまで。
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