磯村勇斗、「いい絶望を味わってください」とベテラン女優陣から勧められる

荻上直子監督オリジナル最新作にして、歴代最高の脚本と自負する絶望エンタテインメント映画『波紋』(5月26日公開)のプレミア上映会舞台挨拶が5月15日都内で行われ、主演の筒井真理子、共演の磯村勇斗、木野 花、キムラ緑子、そして荻上直子監督が参加した。
主人公の須藤依子を演じた筒井は「台本も素晴らしく、共演者も名優揃い。皆さんにゆらゆらとゆすってもらってリアクションをして受けていました」と回想。一方、依子の一人息子・拓哉役の磯村はベテラン女優陣に挟まれての登壇に「ずっと今日までソワソワしていました。自分一人挟まれてどういう風にしたらいいのだろうかと……」と恐縮し「舞台袖で皆さんが盛り上がっていて、そのお話の中に入れなかった」と苦笑いすると、筒井からは「アウェーな感じでしたね」と同情され、キムラからは「私たちが『王子!王子!』と言ってから。ごめんなさいね」と言われると、磯村は「恥ずかしくなって照れちゃいました」とお姉さま方の圧にタジタジだった。

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そんな中、依子がパートタイムで働くスーパーの清掃係・水木役の木野は磯村について「普通の役で何かをしているというわけではないのだけれど、素敵な方だと思った。佇まいが素敵。将来を期待しちゃいました」と絶賛すると、当の磯村は「背中に汗が……恥ずかしいです」と照れていた。
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作品の内容にちなんで「絶望への対処法」を聞かれた筒井は「嫌なことを朝まで引きずったら、布団の中で叫んで箱根に行って日帰り温泉」と回答。年長の木野は「ストレスを抱えたときに自分にかける呪文がある。それは“なるようにしかならない!”というもの。野望や野心を持ってしまうと、それが手に入らないときに絶望する。自分の思うようにならないから絶望する。なるようになると思えば絶望なんてない!」ともはや達観。キムラは「教祖だ!」、磯村は「セミナーのよう」と木野に手を合わせてその熱弁を聞いていた。
一方、キムラは「20年前くらいに絶望を味わい、己が悪いと自分を責め続け究極の孤独を味わった。9年くらいかけて徐々に忘れてやっと今の私になった」とヘビーな経験を回想。ベテラン勢の深すぎる人生訓を前に磯村は「先輩方が凄すぎて、これ以上のエピソードはありません。自分の絶望はちっぽけ」と言葉を失い、そんな磯村に木野は「いい絶望を味わってください。一回か二回みんなきつい目に合うべき。だって若いって傲慢だから」とエールを送っていた。
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(取材=石井隼人)

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